本編にて、音響周りについてあまり触れていなかったので、こちらの方で補いたい。
音響周りは、
元々eスポーツと言う言葉が生まれる前から、家庭用ゲーム機やアーケードゲームなど様々なゲームの新商品発表会、全国大会などに関わり、
eスポーツ元年と呼ばれる2018年からは、予選などの小規模な物まで含めると、ほぼ毎週のようにeスポーツのお仕事に関わらせていただいております。
と語る、株式会社 響楽( http://kyogaku.jp/ )さんにお願いした。
お蔭でまったく不安なくイベントを回すことが出来、大変助かった。
後日、田頭氏に、eスポーツイベント配信の音響面について、ポイントをお伺いしたので、本記をご覧の方々にも共有したい。
eスポーツイベントでのポイント
eスポーツイベントでの特筆すべきポイントとしては、「選手同士のボイスチャット対応」が上げられると思います。
これは、eスポーツでは必須となりますが、通常のイベント音響には無い要素です。
同じチーム同士では過不足なくコミュニケーションできるようにし、当然、相手チームに漏れてはいけない。場合によっては、ボイスチャットの音声をチーム別にジャッジ端末、あるいは収録機に渡し、試合記録として残すことが必要になります。
これらの事を実現するために、ヘッドセットや小型ミキサーが大量に必要になりますし、同時に、結線やルーティングも複雑になります。株式会社 響楽は、大小様々ですが、年間20件以上eスポーツ案件をこなしていますので、経験に裏打ちされた確実な仕事をお約束できます。
今回使用したヘッドセットと小型ミキサー
長時間の連続使用時における安心した装着感を得られるようにデザインされたヘッドセット。リミッターが搭載されており110dB以上の信号を抑えこむことで突発的な過大入力などから耳を保護可能。(メーカーWebサイトより抜粋) 直感的で使いやすいインターフェースを備えたMGシリーズ。
ライブやレコーディング、設備に適合する頑丈な構造、そして柔軟な設計により自信を持ってサウンドメイキングができ、最高のパフォーマンスを表現し続けることができます。
MGシリーズはこのクラスの新しいスタンダードとなるでしょう。
(メーカーWebサイトより抜粋)
今回のゲームは4vs1でしたが、4vs4のゲームでMC実況解説と3名いる場合を想定すると11セット必要になります。
弊社は現在20台所有しており、この所有数は業界トップクラスだと思います。
※2020年10月現在 とのこと。その他 Tips
今回は素材の再生を3P1で行う事が多かったです。
そのおかげで、素材のボリュームについて、3P1の方に○db上げ、○db下げ、といった依頼を出せたので調整が楽でした。
私は動画再生に関して、Roland社のPRシリーズやGrass Valley社のT2シリーズをよく使用するのですが、3P1はリプレイヤーとしてのみならず、動画再生機としても充分な機能を有していると感じました。ゲーム音声は、スマホの端末にイヤホンジャックから貰いましたが、スマホによって4極、3極の違いがあり、異なる形式だと片チャンしか音が出ないなど、うまく動かないことがあります。事前にシステムと端末の動作確認ができるのがベストですが、これまでの経験から、相性などによる不具合が起こった場合にも現場で迅速な対応が出来るように、特殊な変換コネクターを数多く用意しております。
数多く、と言えば、インカムも30弱使いましたか。スタッフが100人規模で居ましたので、数多くのクリカムも用意しました。
また、映像の解像度・フレームレート変換や、音声のエンベデッド/ディエンベデッド用に、Roland社のコンバーター類の予備を相当数持ち込んでおきました。
事前に色々な想定をしておき、現場で不測の事態があっても迅速に対応出来るよう、予備機材の準備は重要だと思います
以上、貴重なお話をお伺いした。
また引き続き、よろしくお願いいたします!
なお、「RolandのVC-1-SCとかを10台くらいは現場に予備で持っていく下りは、話し出すと本当に色々な想定で使え、長くなってしまうので」との事で、取材の際は時間の都合もあり割愛させていただいた。
株式会社 響楽さんは、本当に多くの経験と、ノウハウをお持ちなので、eスポーツのテクニカル面での相談事がある方々はどしどし相談される事をお勧めする。イベントの成功が、ひいてはeスポーツ文化の裾野の広がりに直結していくので。
参考:株式会社 響楽
http://kyogaku.jp/
目次
- 序文
- 第1部 映像システム編
- システム概要
- オンライン系
- eスポーツのオンライン大会の配信に必要な要素・役割
- オンライン系システム 入力系
- メインスイッチャーのTC1を基幹としたシステム
- CharacterWorks、 オブザーバー、 ATEM 2 M/E Production Studio 4K
- 3Play 3P1 、 vMix
- オンライン系システム 出力系
- オフライン系
- フロアカメラ、クレーンカメラ Blackmagic URSA Broadcast
- 選手カメラ AIDA Imaging GEN3G-200
- 会場スイッチャー ATEM Constellation 8K ,ATEM 2 M/E Advanced Panel
- 実況解説席
- よつ塾 86インチタッチディスプレイ, Fingerworks
- まとめ
- 補記:音響周り
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