タイムラプスでいちばん難しいのは、設定でも機材でもなく、「この先何が起きるか、撮り始める時点では分からない」ことだと思っています。
8月14日、DJI Osmo Pocket 4Pを事務所の窓に置いて、隅田川に向けて朝11時15分から回しっぱなしにしました。
夕方にゲリラ豪雨が来て、雨が上がったら二重の虹が出ました。7時間半の長回しが、30分の映像に、虹のピークだけなら約1分に圧縮されています。
動画で見てほしいのは16時30分以降です。真っ黒な雨雲が画面の上から蓋をするように流れ込んできて、土砂降りで対岸が見えなくなり、雨足が抜けた直後に虹が伸びてくる。この一連の流れが数十秒で起きます。実時間では約1時間の出来事です。
撮影に使ったのはDJI Osmo Pocket 4P。ジンバルカメラですが、今回はジンバルを一切動かさない「置きっぱなしの定点タイムラプス」です。手のひらサイズなので、窓辺の限られたスペースに置けるのがそもそも強いです。
→ 今回使ったカメラ:
7時間38分が30分34秒になった。今回の設定と実測データ
まず今回の撮影データです。設定値の「それで結局どうなるの?」に答えるため、ファイルのメタデータから実測した数字で載せます。
| 項目 | 今回の実測 |
|---|---|
| カメラ | DJI Osmo Pocket 4P(広角20mm側) |
| モード | タイムラプス(定点) |
| 撮影間隔 | 0.5秒相当(実時間÷動画尺からの逆算で約15倍速) |
| 実撮影時間 | 7時間38分(11:15〜18:53) |
| できた動画 | 30分34秒・4K/29.97p・H.265 10bit・ノーマルカラー(Rec.709) |
| ファイルサイズ | 合計約20GB(約2.7GB/時間) |
| ファイル数 | 2本(1本目が17GBに達した時点で自動分割。撮影は途切れず継続) |
ひとつ正直に書いておくと、撮影間隔の設定値そのものは動画のメタデータには残りません。上の「0.5秒相当」は、実時間7時間38分が30分34秒になった=約15倍速、という結果からの逆算です。29.97fps再生で15倍速はちょうど間隔0.5秒の計算になります。
色はD-Log 2ではなくノーマル(Rec.709の10bit)で撮っています。この記事の切り出し画像は全部グレーディングなしの撮って出しです。虹も夕焼けも、これだけ出ます。D-Log 2でのグレーディングが必要になるのはどういうときか、は花火をD-Log 2で撮ってDaVinci Resolveで現像した記事に書きました。
撮影間隔は「見せたい現象が何分続くか」から逆算する
タイムラプスの設定画面で迷うのは撮影間隔です。今回の虹で考え方がはっきりしたので、先に結論の早見表を置きます。
| 撮影間隔 | 倍速(30p再生) | 実時間1時間が | 向いている被写体の目安 |
|---|---|---|---|
| 0.5秒 | 約15倍 | 約4分 | 雨雲・虹・川面や船の動き(今回はこれ) |
| 1秒 | 約30倍 | 約2分 | 夕焼け・マジックアワー・人流 |
| 2秒 | 約60倍 | 約1分 | ゆっくりした雲・日没前後をまとめて |
| 5秒 | 約150倍 | 約24秒 | 影の移動・潮の満ち引き |
| 10秒 | 約300倍 | 約12秒 | 1日の天気の移り変わりをダイジェストに |
| 30秒 | 約900倍 | 約4秒 | 工事・植物など日単位の変化 |
今回の虹は、うっすら見え始めてから消えるまで実時間で約50分、いちばん濃かったのは15分ほどでした。間隔0.5秒(15倍速)なら、この15分が動画の1分になります。もし「1日を12秒に」の感覚で間隔10秒にしていたら、虹のピークは3秒で通り過ぎていました。ゲリラ豪雨や虹のような「続くか分からない現象」を狙うなら、間隔は短めに振っておいて、あとで編集で詰めるほうが安全。長く撮りすぎた分は捨てられますが、間引きすぎた瞬間は戻ってきません。
→ この換算表の15倍速で撮れたのが、上の虹の画像です。まず1台借りて、自分の窓からの15倍速を見てみてください。
7時間半の長回しで引っかかったこと
1つ目、電源。連続7時間半は内蔵バッテリーだけでは持ちません。今回はUSB給電しながら回しています。長回し前提なら給電手段はセットで考えてください。バッテリーグリップを足す手もあります。
2つ目、窓の水滴。豪雨の間、窓ガラスの水滴で画面はにじみっぱなしでした。正直「この20分は使えないな」と思いながら見ていたのですが、完成した映像では、このにじんだ区間があるからこそ「豪雨→雨上がり→虹」の流れが伝わる絵になりました。タイムラプスは多少の失敗区間も文脈として機能する、というのは撮ってみて分かったことです。
3つ目、機能の制約。タイムラプス中はActiveTrack(被写体追尾)とロスレスズームが使えません。定点で置く分には困りませんが、「回しながら追いかける」つもりの人は注意です。
あとは良かった点ですが、露出は昼の曇天から日没後の夜景まで、映像を見る限り破綻なくなめらかに追従しています。ファイルの自動分割(17GBごと)も切れ目はほぼゼロで、編集時に2ファイルを並べるだけでした。
この撮り方が向いていそうな人・現場
- オフィスや店舗の窓から景色が見えるのに、何にも活用できていない広報・総務の担当者。カメラを置いて帰るだけで、翌朝には会社紹介やSNSに使える「自社からの眺め」素材ができています
- イベント・工事・設営の記録係。設営開始から撤収までを1本にすると、報告書が動画1本で済みます
- 天気や空の変化を撮りたいけれど、一眼+三脚+インターバル設定を組むほどの気力はない人。ポケットサイズを窓に置くだけです
長回しタイムラプスの撮影前チェックリスト
| 確認項目 | 目安 |
|---|---|
| 給電 | 1時間超えの長回しはUSB給電前提。ケーブルの取り回しまで確認 |
| ストレージ | 4K・間隔0.5秒で約2.7GB/時間。内蔵107GBなら丸1日でも余裕 |
| 撮影間隔 | 上の早見表から。迷ったら短め(あとで詰められる) |
| 固定 | 置き場所の振動・水平。窓越しなら映り込みとガラスの汚れ |
| 画角 | 広角20mm側で。タイムラプス中はActiveTrack・ロスレスズーム不可 |
| 止め忘れ | ファイル分割は自動なので、止め忘れても撮影自体は続きます |
→ 給電しながらの長回しを想定するなら、バッテリーグリップ付きのセットもあります:
レンタルで試す価値があるところ
タイムラプスは「設置して、待つ」撮影です。つまり、機材が自分の現場に合うかどうかは、一晩置いてみないと分かりません。窓のガラス越しでどこまで撮れるのか、給電まわりの取り回しはどうか、何倍速が自分の見せたい絵に合うのか。スペック表のどこにも書いていないこの3点は、週末に1回レンタルして回してみれば全部分かります。
Osmo Pocket 4Pはタイムラプス以外にも使いどころの多いカメラです。撮影・配信・マニュアル作成など10通りの使い方はハブ記事「Osmo Pocket 4Pがインハウス動画制作にめっちゃ使える説」にまとめています。
Osmo Pocket 4Pのレンタルはこちら
→ 今回使ったスタンダードコンボ:
用途別に探すなら
Osmo Pocketシリーズをまとめて見たい人
最新の入荷機材をチェックしたい人
→ 新着機材一覧
📦 虹は待ってくれませんが、機材は明日届きます。
「窓からの景色、一度タイムラプスにしてみたかった」という人は、買う前にまず1台借りて、週末に回してみてください。
