Osmo Pocket 4Pで花火大会を37分撮って、動画にできたのは60秒弱。花火動画のセオリー6つと、撮り足す9カット表

※本記事はパンダスタジオレンタルのデータベースを元にAIを活用して制作しています。 リンク経由のレンタルや購入で収益を得る場合があります。

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パンダスタジオの創業メンバーの1人。東京都立産業技術大学院大学で修士号を取得。電気通信大学大学院、熊本大学大学院、グロービス大学院でも学ぶ。PANDASTUDIO.TVでは、主に、BlackMagic Design製品を担当しスタジオ構築や配信を担当。
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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

7月19日、新潟の関屋浜で「海の花火大会」を撮りました(花火大会の公式ページはこちら)。私の方は「Osmo Pocket 4Pで花火は撮れるのか」の検証と割り切って、三脚に載せて24本・39GB・約37分。設定はマニュアル露出でD-Log 2、後で戻す前提までは頭にありました。ところが2か月寝かせて素材を見返したら、「で、これをどう見せるの?」に答えられない。検証のつもりで、何を検証するかを決めずに撮っていたからです。

そこで順番を逆にしました。まず「花火大会の動画はどうあるべきか」をネットで調べてセオリーを6つに絞り、それに沿って手元の素材を切ったら、37分から残ったのは54秒。この記事はその54秒と、「セオリーに照らして、何が撮れていなかったか」の(反省)まとめです。撮影設定は花火撮影設定編(No.32)、D-Log 2の現像は現像編(No.4)に書いたので、今回は「構成と編集」だけです。


個人的な見どころは中盤、人の頭と海面の反射が入った状態で開く一発を2倍スローにしたところです。4K50pで撮っていたので、25pのタイムラインに置くと全コマを使ったスローがそのまま作れました。その直前までの「待つ人」と「小さい花火」が、この一発のための助走になったかなと思います。終盤では同じ一発を、隣で手持ちしていたiPhone 14 Proと左右に並べています。検証動画なのでテロップは入れていません。

使ったのはDJI Osmo Pocket 4Pの広角20mm側だけ。この記事で書く「撮れていなかったカット」は、全部このカメラで次に撮れるものです。

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撮ってきた素材の正体(24本・37分の中身)

Osmo Pocket 4Pで撮った関屋浜花火の全24カットの先頭フレーム一覧。前日の移動、薄暮の浜、待機、花火、真っ黒なカットが並ぶ
24本の先頭フレーム。左上から前日の移動5本、当日の浜と待機、花火本番。灰色に眠いのがD-Log 2で撮ったカット、右下の真っ黒が「別モードに切り替わっていた」4本です

まずメタデータで棚卸しをしました。全部4K50p。マニュアル露出に切り替えたのは打ち上げ15分前の19時15分で、シャッター1/50固定、ISOは400→800→1600と暗くなるにつれて上げています。打ち上げ(19時30分)から20時05分までが花火本番で、12本・約20分。その前に「待っている人」を12分半、長回ししていました。

時間帯本数・尺中身使えたか
前日 7/18 16時台5本・1分路地、バス停に来るバス、バス車内「行き」のカットとして1本使用
19:01〜19:083本・3分浜に到着。人波、海、夕焼け(オート露出)使用。薄暮の人波は資産
19:15〜19:323本・12.6分待機の長回し。人が前を横切る3秒ずつ2か所だけ
19:33〜20:0512本・20分花火本番。うち4本・2分が真っ黒ピーク14発を切り出し
20:05〜20:300本帰りの混雑を避けて撤収。本当のフィナーレ(20:30)は撮っていない

正直に書くと、この表を作った時点で「動画にならない」理由の半分は分かりました。寄りが1本もない。人の顔がない。フィナーレを撮っていない。三脚に広角を据えて花火の方向だけ見ていた37分です。

花火大会の動画はどうあるべきか。調べて絞ったセオリー6つ

撮り直しはできないので、先に「見せられる動画の型」を調べました。海外の撮影教本系(VideomakerNewBlue)と、国内のスマホ向け解説(CapCutImpress Watch)、Osmo Pocket 4Pで花火を撮ったデジカメWatchの記事を読み比べて、言っていることが重なった6つに絞りました。

#セオリー言い換えると
1ピークだけ残す「上がる→開く→消える」を全部見せない。開いた前後3秒だけ。花火と花火の間の暗い時間は切る
2構成は「期待→開始→中盤→一番派手→余韻」まとめ動画は60〜90秒。序盤の単発は短く、一番派手なものを最後の方に置く
3引きと寄りを交互に、前景を挟む全景ばかりだと単調。人のシルエット、海面の反射、屋台の灯りを間に入れてリズムを作る
4スローは一番見せたい1発だけ全部スローにすると間延びする。1発だけ落とすと、そこが山になる
5人と会場は明るいうちに別撮り暗くなってから露出を合わせ直すのは無理。薄暮の人波・浴衣・屋台は打ち上げ前に撮っておく
6音は「ドン」を残す音楽を敷いてカットをリズムに合わせるが、打ち上げ音は花火の生々しさそのもの。消さない

読んでいて耳が痛かったのは3と5です。私は「花火=空を撮るもの」と思い込んでいましたが、セオリーは「花火の動画で人が見たいのは、花火を見ている場所の空気」だと言っている。海外記事の言い方だと「人に寄って広く撮れ」。空だけの花火は、どこの花火大会でも同じ絵になります。

セオリーに沿って切ったら、37分が54秒になった

ここからはDaVinci Resolveの作業です。花火本番の12本から「画面の平均輝度が急に上がった瞬間」を機械的に拾って、開いた前後3秒だけを切り出しました。拾えたピークは36か所、そこから明るい順・時間順で14発に絞っています。全部つないだのが下の表で、これがそのまま動画の構成です(公開版はここからさらに数カット削って54秒にしています)。

セオリーカット元素材
12・5 期待前日のバス→浜に到着した人波→待つ人(まだ明るい)→待つ人(暗くなる)7/18のバス、19:02、19:16、19:30
21・2 開始単発3発(奇数で並べる)19:33〜19:36
33 前景人の頭と海面の反射が入った引きで3発19:38〜19:39
43 交互空だけの赤い単発(前景なし)19:43
54 スロー前景ありの一番明るい1発を2倍スロー19:39(50p→25p)
62 一番派手後半の4発19:40〜19:53
7検証柳のように垂れる大玉を、左:Osmo Pocket 4P(D-Log 2+LUT)/右:iPhone 14 Pro(手持ち)で同時刻比較19:54
82 余韻低照度モードで撮った1発(手前の木と浜が写る)20:03
関屋浜の花火。手前に観客の頭、海面に花火の反射が入った引きの構図。Osmo Pocket 4P 広角 D-Log2 にLUT適用後
唯一「前景」があった時間帯。三脚の角度がたまたま下がっていて、観客の頭と海面の反射が入っていました。セオリー3を満たす引きはこれだけです(4K50p・1/50・ISO1600・LUT適用後)
2倍スローにした一番明るい一発。金色の花火が開き、海面に反射している
2倍スローにした1発。50pで撮っていたおかげで、25pのタイムラインに置くだけで全コマを使ったスローになります。No.32では「24pか30pに統一」と書きましたが、スローを1発入れる前提なら50pで撮る手もある、と今回思い直しました

54秒は、セオリー2の「60〜90秒」より短い。長くできなかった理由は次の章のとおりで、足りないのは尺ではなくカットの種類でした。

反省:セオリーに照らして撮れていなかったもの

  1. 寄りがゼロ。Osmo Pocket 4Pには望遠60mmがあるのに、一度も切り替えていません。沖合の水上花火は広角だと画面幅の20分の1くらいで、4Kでも小さい。No.32で「望遠側はD-Log 2非対応だからノーマルで手持ち」と書いた自分が、現場で望遠を触っていませんでした
  2. 人の顔がない。薄暮の人波は撮っていましたが、全部後ろ姿。セオリー5の「明るいうちに人を撮る」は、浴衣、屋台、座って待つ家族、を明るいうちに寄りで撮っておくという意味です
  3. 本当のフィナーレを撮っていない。20時05分で撤収しました。花火大会は帰りが混むので、ちょうど真ん中にあった「フィナーレみたいな」連発を撮ったところで切り上げた、という判断です。検証としてはそれで足りましたが、記録が目的なら「一番派手なものを最後に」は最後までいないと編集では作れません。次は帰りの混雑込みで撮影計画を立てます
  4. 待機の長回し12分半に、使えるカットが6秒しかない。人が前を横切る瞬間を待って回しっぱなしにしていましたが、動画に必要なのは「待つ人」の3秒が2か所だけでした。長回しは安心感があるだけで、寄りと入れ替えるべき時間でした
  5. 真っ黒な4本(合計2分)。19時44分と20時01分に、4K30p・ISO100・ノーマルカラーで記録された4本があります。マニュアル露出のPRO設定が引き継がれない別のモードに切り替わっていたようで、ほぼ真っ黒。操作ミスだと思いますが、覚えていません。暗い現場で画面を触ると、こういうことが起きます

最後の2本だけは、意図して撮った検証です。20時03分、いったん場所を離れてから「AIに『Osmo Pocket 4Pで花火を撮るなら低照度モードは使わない方がいい、白飛びするから』と言われた気がする」と思い出して、わざわざ低照度モード(メタデータ上はシャッター1/4秒・ISO800)で撮りました。結果は下のとおり。それまで真っ暗だった手前の木と浜と街灯が写る代わりに、花火の芯は白く飛んで滲みます。AIの言うことは半分当たりで、花火を主役にするなら使わない、場所の空気を残したいなら1発だけあり。動画の最後の「余韻」はこれで埋めました。

低照度モードで撮った花火。手前の木と浜辺が見え、花火の光が少し滲んでいる
低照度モードの1発。手前が写るので「その場にいる感じ」が出ますが、花火の芯は白く飛んで滲みます。全部これで撮る手ではありません

おまけの検証:隣で手持ちしていたiPhone 14 Proと同じ一発を並べる

三脚のOsmo Pocket 4Pの隣で、iPhone 14 Pro(Blackmagic Cameraアプリ・4K50p・露出オート・手持ち)でも2本撮っていました。19時51分から54分、Osmo Pocket 4P側の5.7分クリップと時刻が重なっていたので、同じ一発を左右に並べたのが動画の終盤です。時刻合わせは、緑の花火が開く瞬間を両方の映像で探して手動で合わせました(機器の時計は2秒ずれていました)。

同じ一発の花火を左右に並べた比較。左はOsmo Pocket 4PのD-Log 2にLUTを当てたもので夜空が黒く火花の色が残る。右はiPhone 14 Proの手持ちで、夜空が明るく持ち上がり芯が白く飛んでいる
左:Osmo Pocket 4P 広角・D-Log 2+LUT(三脚・M露出 1/50・ISO1600)/右:iPhone 14 Pro・Blackmagic Camera・露出オート・手持ち。同じ一発の、ほぼ同じ瞬間です

右のiPhoneはオート露出が花火に引っ張られて全体が明るく、夜空が紫に持ち上がって、火花の芯が白く飛んでいます。手持ちなので画も少し動く。左のOsmo Pocket 4Pは夜空が黒く沈んで、金色の火花の粒が最後まで残っています。どちらが「良い」かは用途次第ですが、「花火の色を残す」という一点なら、三脚に載せてM露出にしたOsmo Pocket 4PのD-Log 2は、ポケットから出してオートで撮ったiPhoneより明確に上でした。オート露出が花火で暴れる話はNo.32に書いたとおりで、iPhoneも同じことが起きています。これが今回の検証で一番はっきりした結論です。

持ち帰り:次の花火大会に持って行く9カット表

上の反省を、そのまま「撮る前に決めるカット表」にしました。時刻は関屋浜(打ち上げ19:30)の実測をもとにした目安です。三脚の広角は「引き」の担当にして、手持ちで望遠側を回す時間を、打ち上げ前に確保するのが肝です。

#カットいつレンズ・撮り方動画での役割
1会場へ向かう道・バス・駅前日〜当日夕方広角・手持ち・歩き期待(冒頭3秒)
2浜・会場の全景と人波打ち上げ40分前(明るい)広角・手持ち期待
3人の寄り:浴衣、屋台、座って待つ家族打ち上げ40〜20分前望遠60mm・手持ち・ノーマル前景・空気
4暗くなっていく空(同じ構図で2回)20分前と5分前広角・三脚時間経過
5単発の花火(引き)序盤広角・三脚・M露出・D-Log 2開始
6前景入りの引き(人の頭・海面の反射)中盤広角・三脚を少し下に振るリズム
7花火の寄り中盤望遠60mm・手持ち・ノーマル寄り
8見ている人の顔(花火の光で照らされる)中盤望遠・手持ち前景・スローの候補
9フィナーレと、終わったあとの人最後まで(帰りの混雑込みで計画)広角・三脚+手持ち一番派手・余韻

1台で全部やるなら、5・6は三脚に置いた広角に任せて回しっぱなしにし、自分は手持ちで3・7・8を撮りに行く、が現実的です。Osmo Pocket 4Pは手持ちの望遠でもブレ補正が効くので、混雑した浜でもいけます。1台では足りないと分かった段階で、2台目を借りる判断もできます。

→ この表を持って次の花火大会に行くなら:

DJI Osmo Pocket 4P スタンダード コンボ (マイクロSDカード128GB付属)

この記事が向いていそうな人・現場

  • 町の花火大会や夏祭りを「記録しておいて」と頼まれた自治体・観光協会の担当者。去年の素材が40分あるのに、SNSに出せる1分が作れなかった人
  • Osmo Pocket 4Pを借りて花火を撮る予定で、設定(No.32)は分かったが「何を撮れば動画になるか」が分からない人
  • 三脚で空だけ撮って帰ってきたことがある人。次は望遠で人を撮る時間を作りたい人

編集側の補足:54秒を作るのに使った機能

難しいことはしていません。素材を撮影順に並べたタイムラインを1本作り、そこから切り出してハイライトのタイムラインへ。D-Log 2のクリップにはNo.4と同じ「D-Log2 to Rec.709 size33」のLUTを1ノード目に当てただけで、それ以上のグレーディングは今回していません。2倍スローは50pのクリップを25pのタイムラインに置いて速度50%。iPhoneとの左右比較は、V1とV2に同じ時間のクリップを重ねて、それぞれ中央1920pxだけ残るようにクロップし、左右にパンしただけです。BGMはA2に敷いて、現場の「ドン」はA1に残しました。

同じフレームのD-Log 2撮って出し(左)とLUT適用後(右)。左は灰色に眠く、右は夜空が締まって花火の色が出ている
左:D-Log 2撮って出し/右:LUT適用のみ。ISO1600で撮ったので水平線の街灯りが少し浮きますが、今回はそのままにしました。追い込み方は現像編(No.4)へ

ひとつだけ引っかかったのは、50p素材を25pに落とすと通常速度のカットはコマ落としになること。1/50のシャッターで撮っているので、25pで見ると火花の軌跡がわずかにカクつきます。スローを1発入れるために50pで撮るか、軌跡の滑らかさを取って25p・1/50で撮るか。次は「スロー用に望遠だけ50p」という分け方を試すつもりです。

→ 2倍スローとLUTを当てた環境:

Blackmagic Design DaVinci Resolve Studio (USBドングル版)


レンタルで試す価値があるところ

花火大会は年に1回、失敗しても撮り直せません。だから「本番の前に、薄暮の人波と望遠の寄りだけ練習しておく」ことに意味があります。借りた日の夕方に近所の公園で、上の表の2・3・4を撮ってみてください。三脚に置いた広角と、手持ちの望遠を行き来する動きが身につけば、当日は花火の方を向いているだけで済みます。設定はNo.32のチェックリスト、撮ったあとの眠い灰色はNo.4の現像手順で戻ります。Osmo Pocket 4Pの全体像はハブ記事にまとめています。


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