このシリーズでは、JVCのカメラやスイッチャーを使用したリモートプロダクションについて、紹介したいと思います。
リモートプロダクションとは
リモートプロダクションは、文字通り、遠隔(リモート)で番組などを制作(プロダクション)する事です。
例えば、スポーツ中継などの際に、スタジアムに中継車を持っていかずにカメラだけを設置し、IPネットワークを経由して映像伝送を行い、離れた場所にある局やスタジオの副調整室等でスイッチングやカメラ制御等を行う。といった形になります。
リモートで行わない場合は、中継先に中継車を持ち込んだり多くの人員を中継先に派遣する必要があるのですが、リモートプロダクションでは番組制作の多くの部分を受け側で行うことができるため、機材の物量や人員を圧縮できるため、人件費や設営コストの低減を図ることができます。
例えば、スポーツ中継の場合、インターネット用のLiveであっても10人以上のチームとスイッチャー等の機材が必要となるワケですが、リモートプロダクションでは、カメラクルーだけで大丈夫、という事になります.(極端な例ですが)
映像伝送技術の進歩により、放送局やメーカーさんでも実証事件などが進んでいますが、
例)
プロ野球中継のリモートプロダクション実証実験を実施 – 池上通信機
https://www.ikegami.co.jp/archives/14205
テレ東音楽祭2019 IPリモートプロダクションの取り組み
https://reg.jesa.or.jp/pdf/KN151_2_TVTokyo.pdf
Technical Note.01 | IP Liveプロダクションシステムが提供する2つのメリット
https://www.sony.jp/nxl/report/technote-01/
今回の記事では、もっとお手軽な、2カメくらいのセミナー配信をリモートプロダクションでやってみよう程度の規模感で考えてみたいと思います。
JVC GY-HM200 の準備
今回はカメラに、JVC GY-HM200を利用します。このカメラは、RTMPで映像データを送信できる特徴があり、また、USBアダプターを使用することでLANケーブルで接続できるメリットがあります。
1.LANアダプターを接続
GY-HM200にLANアダプターを指します。今回は、エレコム EDC-GUA3-B を使用しています。
利用可能なアダプターは、メーカーのサイトにに掲載されております。
この後、IPアドレスの設定などを行います。今回は、DHCPでIPアドレスを取得する設定です。
(このあたりは、設置する場所のLAN環境に依存します。)
使ってみる
それでは、とりあえず、ライブストリーミングを試してみましょう。
昨季ほど設定した画面にブラウザでアクセスすることでカメラの操作を行う事が可能です。ユーザー名とパスワードは、JVCのマニュアルを参照ください。
これで、Youtubeにデータが送られますので、適宜管理画面で配信を開始します。
(停止するときもカメラ側で停止します。)
尚、HM200 や HM250 (および各BB含む)は、ライブストリーミング中はWebからの操作を受け付けません。また、ライブストリーミングもWeb画面からは「入」にはできません。あくまでも、現場に人がいる前提のカメラとなります。(パン・チルトなど三脚操作しないとできないですし)。そのあたりのカメラ操作も実施したい場合は、リモートカメラである、KY-PZ100を使用することになります。
無人の白スタを無人のカメラからライブストリーミング(ストリーミング開始の入だけ設定して退出、のちに戻って切り)
まとめ
このような形での操作になります。JVCのカメラでの接続設定は概ねこのような形になります。
HM200 や HM250 はこのような形で現場にカメラクルーがいる前提のカメラとなりますが、このような設定をすることで遠隔地に映像を飛ばすことができますので、スイッチャーやディレクター等のクルーは受けサブ側で待機可能になります。今後はスイッチャー周りについても紹介していく予定です。
また、HM200BB や HM250BB はオーバーレイ機能という便利な機能があるので、これはこれで別のシリーズで紹介しいと思います。
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