フォトネクスト2026の初日を歩いて感じたことを、対談形式で振り返ります。会場は決して広くないものの、一つひとつのブースが凝縮された“商売の場”。新しい商材や技術を見つけ、それを自分のビジネスにどうつなげるかを探す——そんな来場者の活気が印象的なイベントでした。
「ハードからソフトへ」の流れがはっきり
今年とくに感じたのが、ハードからソフトへのシフト。長年定番だった照明(ストロボ)、アルバム・台紙、美術セットといったブースが目に見えて少なくなり、代わりにAIを使ったソフトウェアやクラウド写真共有のブースが目立ちました。かつてプリントがビジネスのベースだった写真業界が、効率化を軸に、クオリティを保ちながら新しいやり方へ変わりつつある——そんな空気です。
写真館のリアルと、デジタル背景の距離
一方で、写真館の現場には独自の事情も。子ども撮影では「その場でどう撮れているか」を見たい・楽しみたいというニーズが強く、グリーンバックの合成よりかわいい実セットで撮る方が喜ばれる。放送業界のバーチャル背景とは違う価値観があり、デジタル背景はまだ浸透途上、という見方でした。
AIソフトの台頭:レタッチ、セレクト、そして動画へ
今年は去年まで見なかったAIツールが一気に増えた印象です。レタッチあり、セレクトあり。とくにセレクトは、これまでの「目つぶり・笑顔を弾く」段階から、“人がいいと思う写真”を感性で選ぶ方向へ進化していきそう。本来は失敗救済よりクオリティ向上のための技術であるべきで、その方向に近づいていると感じました。
動画ではEVOTO Videoが目を引きました。1秒あたり30〜60コマの静止画を1フレームずつ加工して動画に仕上げる、いわば力技。それでも「映画レベルのコストではなく実現できる」ことが示され、対談では約160分で10万円台といった水準が話題に上がりました。AIは1年での進化が速く、アナログからデジタルへの移行に匹敵するインパクトがある、という見立てです。
動画ブースの少なさと、つなぎ役の不在
写真館でも「動画も撮ってほしい」という声が増えているのに、動画を扱うブースは驚くほど少なかったのが今年の課題。需要はあるのに足踏みしている印象でした。あわせて、いいツールが出てもそれをビジネスに落とし込む“つなぎ役”が業界に不足している、という指摘も。会場のゾーニングを整理するだけでも、「今年はこれが来ている」というメッセージはもっと伝わりやすくなりそうです。
富士フイルムの“問いかけ”が象徴的だった
そんな中で、富士フイルムのブースが象徴的でした。カメラやレンズを見せるのではなく、「写真でこんなビジネスができますよね」と問いかける展示。写真を軸足に次の世代をどうするかを真剣に考える姿勢が伝わり、印象に残りました。動画とAIが一つの軸として増えていく——フォトネクスト2027は、その意味でのターニングポイントになりそうです。
※本記事はフォトネクスト2026の振り返り対談をもとに構成しています。各ブースの詳細は個別記事もあわせてご覧ください。価格・サービス内容など個別の数値は対談時点の言及で、変更される場合があります。
