カメラやスイッチャーは「これが欲しい」という問い合わせが絶えない。でも「Videohubが欲しいんです」という人は、正直そう多くない。
ところが、知っている人にとっては「これ、便利なんだよね」と即答する一台。今回はパンダスタジオが、長年使い込んできたBlackmagic Videohub 10×10 12Gを、現場のリアルとともに紹介した動画を記事化する。
地味だけど、スタジオの中核を黙々と支えてくれる——そんな機材の話だ。
Videohubとは何か、なぜ「煩わしいケーブル接続が不要になる」のか、レンタルではどのサイズが出るのか、導入時の落とし穴まで、実体験ベースで語られている。
動画で紹介しているVideohub 10×10 12Gはこちら:
Videohubとは:信号を「配線し直さずに」切り替える装置
Videohubは、ブラックマジックのSDIルーター。実はかなり昔からある製品で、パンダスタジオが秋葉原で創業した当時のスタジオにも、グレーで薄い「Videohub Compact」という名前で入っていたという。黒い12Gモデルになったのはここ数年(5年ほど)の話だ。
製品ページにある一文が、すべてを物語っている。
「煩雑で煩わしいケーブル接続が不要になる」
モデル名は 10×10 / 20×20 / 40×40 / 80×80 / 120×120 と掛け算のように並ぶが、これは「入力数 × 出力数」を表している。10×10なら10入力10出力、というわけだ。
「ケーブルを組み替えなくていい」が、なぜ革命的なのか
たとえばスタジオの全カメラ・全入力をVideohubに集約し、その出力をスイッチャーに食わせておく。すると、こんな現場の悩みがボタン一つで解決する。
- 「いつも1カメだったのが、今日は2カメになる」——カメラの番号が変わる
- カメラの台数が増えた / 構成が変わった
- 機材が故障して、急にこの入力を別の出力へ回したい
Videohubがなければ、こういうときスイッチャーの裏側に潜り込んでSDIケーブルを差し替えることになる。動画ではその現場感をこう描写している。
「スイッチャーは大体オペ卓の下、袖下の棚にいる。暗いところに潜り込んで、どれが1番で2番で……すげーめんどくさい」
Videohubに入力をまとめておけば、画面操作かボタン操作だけでルーティングを変えられる。「今日は1番入力を5番出力へ」も、卓の下に潜らずに一瞬。常設スタジオでは、この快適さが効いてくる。だからパンダスタジオの秋葉原・浜町・赤坂・お台場の各スタジオにも、何らかのVideohubが入っていた。
レンタルで出るのは、むしろ「大きいサイズ」
面白いことに、レンタルでよく出るのは10×10ではなく、40×40などの上位機種だという。理由はシンプルだ。
- 10入力程度なら、気合でケーブルを差し替えればどうにかなってしまう
- 逆に40入力規模になると案件自体が大きく、数日開催で1日目と2日目に配線が変わる、といった状況が出てくる
動画では、eスポーツ大会の事例も語られている。決勝・準決勝・予選でカメラ構成が変わるため、とりあえず全入力をVideohubに突っ込んでおけば安心、という使い方だ。
もう一つよく見るのが、ラックに組み込む常設の使い方。企業のウェブセミナーやイベントスペースで、メイン・サイド・天井など複数の投影先へ流す映像を、案件ごとにボタン一つで切り替える——音響ラックの近くにVideohubが鎮座しているパターンだ。
大規模案件・常設で検討したいサイズ:
大事な前提:Videohubは「変換」はしない
Constellation 4Kのような大規模スイッチャーも40入力あったりするが、Videohubはそれらとは役割が違う。Videohubがやるのは純粋に信号の切り替え(配線の付け替え)だけ。
解像度の違いやフレームレートの違いを変換することはしない。あくまで「配線を組み替えてくれる装置」という認識でいてほしい、と動画でも念押しされている。
導入のコツ①:ワンランク上のサイズを選んでおく
動画で語り手自身が「失敗した」と認めているのがこれ。4カメだから10×10で十分だろう、と組んだら、すぐに足りなくなった、と。
ブラックマジックの機材は、入出力をどんどん使う。
- スイッチャーへ入れる映像だけでなく
- カメラへの「返し」も使いたい
- HyperDeckを連携させたい
こうして付属機器を足していくと、入出力はあっという間に枯渇する。しかも厄介なのが、Videohubのサイズ変更は超大変だということ。全ケーブルを一度抜いて入れ直す必要があり、しかも既存案件では「1番入力は1番のまま」など位置を保ったまま移したい。ラックの裏、暗い場所での作業になることも多い。
「面倒の解消だけで70万の機材を買ってください」とはなかなか言えない。だからこそ、新規導入や大規模更新のタイミングで、必要より一つ上のサイズを入れておくのがおすすめだ。スタジオやインハウス動画制作が軌道に乗り、いろんなチームが撮影に来るようになる成長ステージで、特に効いてくる。
大規模・常設の中核に:
導入のコツ②:社内で配線をぐちゃぐちゃにされるなら Smart Control Pro
「他のチームに貸したら配線を組み替えられて、戻さずに帰られた」——社内運用あるあるだ。これにもTipsがある。
ハードウェアの Videohub Smart Control Pro を入れておくと、マクロ機能で「1カメは1アウト、2アウトは2アウト」といった配線パターンを記憶できる。崩されてもボタン一つで元に戻せる。ソフトウェアコントロールで設定を覚えておく運用でも対応できるが、頻発するならハードウェアパネルが確実だ。
「高い」は、見る業界によって変わる
Videohubは絶対額で見ると安い買い物ではない。ただ、コツがある。システム一式で考えることだ。
メインのスイッチャーを他社のハイエンド機で組むと、桁が一つ上がることも珍しくない。その中にVideohubが入っていても、相対的にはむしろ安く見える。大規模案件を他社スイッチャーで試算してみて、それと比較する——という見せ方も有効だ。
こんな現場におすすめ
- 常設のレンタルスタジオ/社内インハウス動画制作の中核
- 案件ごと・チームごとに配線を組み替える運用
- 数日開催で日によって構成が変わるイベント・大会
- カメラ返しやHyperDeck連携で入出力が増えがちな構成
- 故障時にすぐ別系統へ回せる冗長性が欲しい現場
まずはレンタルで「便利さ」を体験する
「Videohubがちょうど欲しかった」という案件は、なかなかないかもしれない。でも、買うと20万円台する機材が、レンタルなら1〜2万円弱で試せる。まずは一度使って「これ便利だ」を体験してほしい。気に入れば、レンタル料金が割引される「レンタル割」で購入につなげることもできる。
本記事は2026年6月末時点の情報です。ちょうど即納在庫もあるタイミングなので、Videohubを借りたい・買いたいという方は、ぜひパンダスタジオレンタルをご検討ください(在庫・価格は変動するため、最新状況はサイトでご確認ください)。
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