Blackmagic 12G BD SFP Optical Moduleを深掘り解説

※本記事はパンダスタジオレンタルのデータベースを元にAIを活用して制作しています。 リンク経由のレンタルや購入で収益を得る場合があります。

この記事を書いた人・監修した人

パンダスタジオの創業メンバーの1人。東京都立産業技術大学院大学で修士号を取得。電気通信大学大学院、熊本大学大学院、グロービス大学院でも学ぶ。PANDASTUDIO.TVでは、主に、BlackMagic Design製品を担当しスタジオ構築や配信を担当。

こんにちは、パンダスタジオの中村です。今回ご紹介するのは、ブラックマジックデザインの 12G-SDI SFP Optical Module。知る人ぞ知る、かなりマニアックな製品です。実はメーカーの製品ページにもモジュール単体としての解説は載っておらず、「知らない人は全然わからない」一品。この記事では、この光モジュールが何者なのか、どんな機材とセットで、どんな現場に使うのかを、できるだけやさしく深掘りしていきます。

そもそも「SFP光モジュール」とは?単体ではただの部品

このモジュールは、単体では映像を出したり入れたりはできません。あくまで 光コンバーター(オプティカルコンバーター)に挿し込んで使う“部品”です。コンバーターのスロットにこのモジュールを挿すことで、はじめてSDI信号を光ファイバーに乗せて飛ばせるようになります。

ブラックマジックの光伝送システムでは、コンバーター本体にこのSFPモジュールは付属していません。そのため「光で飛ばしたい=このモジュールを別途用意する」のが基本。まさにブラックマジック光システムの“要”となる部品です。

ここがポイント:光伝送は「送る側」と「受ける側」の両端にコンバーターが必要なので、SFPモジュールも原則2個必要になります。片側だけ買って「動かない」とならないよう注意してください。

セットで使う①:Mini Converter Optical Fiber 12G

このモジュールと一番よく一緒に使われるのが、コンパクトな Mini Converter Optical Fiber 12G。SDIから光ファイバー、光ファイバーからSDIへと双方向に信号を変換できるコンバーターです。各方向で異なるビデオフォーマットを送ることも可能で、2160p60までのSD/HD/Ultra HDフォーマットに対応します。

使い方はシンプルで、コンバーターのSDI INに12G-SDIを入れ、スロットに挿したSFPモジュール経由で光に変換。反対側にも同じ構成を用意し、光ファイバーで受けてSDIで出す、という流れです。双方向なので、2芯の光ファイバーをつないでおけば「カメラから映像を入れて、返しを戻す」といった運用もできます。

ちなみにミニコンバーターのマニュアルは1枚だけ。「映像を入れて出して終わり」という、ミニコンバーターらしい割り切った構成です。それくらいシンプルに使える機材だということでもあります。

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Blackmagic Design Mini Converter Optical Fiber 12G

どれくらいの距離を飛ばせる?SDIケーブルの“限界”を超える

このコンバーターの存在意義は、なんといってもSDIケーブルでは届かない長距離を、光で伸ばせること。スペック上は、Ultra HDで数km、SD画質なら最大45kmといった長距離伝送が可能です。

45kmはさすがに国内で使う場面は少ないでしょうが、12G-SDIで6kmほど飛ばすといったニーズは現実的にあります。たとえばゴルフ場、スポーツ施設、アリーナ、運動場、レース会場など。直線では6kmなくても、観客席をぐるっと一周ケーブルを這わせると、結果的に6km近くになることもあります。

「無線(携帯回線のボンディング等)でも飛ばせるけれど遅延や安定性が心配」「あまり移動しない現場で確実に有線で送りたい」——そんなときに、光ファイバー化という選択肢が効いてきます。

機材対応距離の目安
Mini Converter Optical Fiber 12G12G-SDI/4K60pまで12G-SDIで長距離(数km規模)
Mini Converter Optical Fiber(旧モデル/6G・4K)6G-SDI(4K30pまで)6G-SDIで最大12km

“6Gモデル”は今となっては中途半端?

かつて12Gが登場したばかりの頃は、モジュールもコンバーターもケーブルも非常に高価でした。そこでHD(3G)からいきなり12Gへ一足飛びするのではなく、6Gというワンステップ(4K30pまで)を挟む選択肢が用意されていました。当時は「4Kだけやりたい」用途でそこそこ出ましたが、12Gモデルが普及した今となっては、6G系コンバーターはやや中途半端な位置づけになりつつあります。レンタルでも、出る数で言えば3Gか12Gに集約されてきているのが実情です。

セットで使う②:Teranex Mini コンバーター(HDMI⇔光)

同じくオプティカル変換ができる機材として、Teranex Mini コンバーターのラインナップもあります。代表的なのが「HDMI to Optical 12G」と「Optical to HDMI 12G」です。

  • HDMI to Optical 12G:HDMIを入力し、SDIまたは光ファイバーに変換して出力。アナログのXLRオーディオやタイムコードも入力できます。
  • Optical to HDMI 12G:SDIまたは光ファイバーで入ってきた信号をHDMIで出力。XLRから音声を出すことも可能です。

ミニコンバーターとの違いは“片方向”です。最初に紹介したMini Converter Optical Fiberが双方向だったのに対し、こちらのTeranex Mini(HDMI⇔Optical)は片方向。ブロック図を見ても、「入った側」と「出る側」の流れが一方向になっているのが分かります。HDMIをSDIで出す/SDIで入れたものをHDMIで出すといった変換はできますが、入力と出力の向きは決まっています。

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Blackmagic Design Teranex Mini HDMI to Optical 12G
Blackmagic Design Teranex Mini Optical to HDMI 12G

光ファイバーケーブルの選び方:「シングルモード・デュプレックス・LC-LC」

コンバーター間をつなぐ光ファイバーケーブルにも、押さえておきたいポイントがあります。用意すべきは 「シングルモード・デュプレックス・LC-LC 光ファイバーケーブル」。慣れていないと呪文のようですが、分解すると難しくありません。

シングルモード/マルチモード

光ファイバーの中を通す光の波長を「1つだけ」にするのがシングルモード、複数の波長を並列で流すのがマルチモードです。マルチは大容量を狙える一方で距離は短めなどの特徴がありますが、ブラックマジック製品はシングルモードのみ対応。映像伝送でブラックマジックを使うなら「シングルモード一択」と覚えておけばOKです。

見分け方の目安として、シングルモードのケーブルは黄色が多く、マルチモードはオレンジが多いです(最近は黒もあるので最終的には仕様で確認を)。

デュプレックス/LC-LC

「デュプレックス」は芯が2本(2芯)あるという意味。「LC-LC」はコネクタの形状で、片側がLC、もう片側もLCという意味です(LCとSCを組み合わせたLC-SCなどもあります)。ブラックマジック純正の口はLCなので、両端LCのケーブルを用意してください。

なお、この形状(シングルモード・2芯・LC-LC)であれば、ケーブル自体は映像伝送専用品でなくても大丈夫。一般的なコンピューターネットワーク(Ethernet)用の光ファイバーケーブルでも使えます。ただしモジュールはEthernet用ではなくSDI対応品(=純正)を——ここが後述の重要ポイントです。

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光ケーブル 2芯 (LCコネクタ-LCコネクタ) 100m

最重要:安い“互換SFP”の罠。中華製がダメなのではない

純正の12G-SDI SFP Optical Moduleは、1個あたり5万円前後とそれなりの価格。「Amazonで安いSFPモジュールを買えばコストを下げられるのでは?」と考えたくなりますが、ここに大きな落とし穴があります。

結論から言うと、安いから・中華製だからダメなのではありません。問題は「通す信号の前提が違う」こと。世の中に大量に流通している安価なSFPモジュールは、ほとんどが10G Ethernet(LAN)用です。放送映像のSDI信号用モジュールは需要の規模が桁違いに小さく、大量生産でコストダウンされているのはEthernet用の方なのです。

そのため、Ethernet用SFPを挿してもSDI信号では動かないことがあります。これは中華製に限った話ではなく、ネットギアのような海外メーカーの高級品でも、SDIに対応していなければ動かない可能性があります(逆に、EthernetとSDIの両対応ファームなら動くこともある=結局やってみないと分からない)。

「12G-SDI」と書いてあるかが分かれ目です。スペックに「12G-SDI」とあればSDI用SFPの可能性が高く、「10G」とあればEthernet用の可能性が高い、という見分け方が目安になります。互換品を狙うなら、“SFPという形が互換”なだけでなく、SDI信号に対応した互換モジュールを選ぶ必要があります。ここを外すと、いわゆる“沼”にハマります。

そもそも「光で長距離伝送したい」という時点でそれなりに大きな案件のはず。モジュールの価格差で数万円を削るより、トラブルを避けて純正を使う方が安心、というのが現実的な結論です。大したことのない用途なら、無理に光化せずLTEでネットに上げて受信する、といった逃げ道もあります。

導入前チェックリスト

  • SFPモジュールは両端で2個必要
  • 光ファイバーはシングルモード・2芯・LC-LCか確認
  • Ethernet用SFPの流用は避ける
  • 互換品を使うならSDI対応を十分に検証する

この製品はまさに“レンタル向き”

このモジュールは、常時自分で持っておくというより、「該当する案件が発生したときに借りたい」タイプの機材です。長距離での4K(4K60p)光伝送に向き、ブラックマジックの光システムを構成する要の部品。必要な現場でだけ、必要な数を確保するのに向いています。レンタル価格は1日1,903円〜です。

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Blackmagic Design 12G-SDI SFP Optical Module

おまけ①:似た用途で大人気「ADテクノ 光延長器セット」

ここまでブラックマジック製を紹介してきましたが、似た用途で根強い人気があるのが ADテクノの光コンバーター+SFP+光ファイバーケーブルのセットです。便利なのはその系統数。送信機→受信機へ3G-SDIを4系統、さらに受信機→送信機へ2系統を、1本(2芯)の光ファイバーで送れます。つまり「4カメ送って2カメ返し」がケーブル1本でこなせる、というわけです。シングルモード2芯で10kmの長距離伝送にも対応します。

パンダスタジオ浜町でも、以前はAスタジオとBスタジオの間をこのセットでつないでいました(メイン会場とサブ会場で映像と返しをやり取りする用途)。今は配線ダクトに直接SDIケーブルを束で通す“力技”に移行した場面もありますが、仮設で長距離・多系統をスマートに引き回すなら、やはりこのセットが断然便利。レンタルでも非常に人気です。

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ADTECHNO UHD_QOTR 4K UHD対応3G-SDI6系統伝送光延長器 送受信機セット

おまけ②:12G-SDIは「100m」も実は要注意

「SDIなら100m通るのでは?」と思いがちですが、12G-SDIは別物です。ブラックマジック社のサイトでも、12G-SDI製品で推奨されるケーブル(BeldenやCanare)と距離が案内されており、12G-SDIは50mまでが目安とされています(3G-SDIなら100m)。

つまり100mを超える、あるいは数百m〜kmを引き回すなら、光に変換した方が安心ということ。ここで冒頭のSFPモジュールが効いてきます。なお最近は無線伝送も実用的で、たとえばカヌー競技で2km先の映像を映像伝送装置(LiveUなど)で受ける、といった運用もあります(遅延が許容できる競技向け)。用途に応じて「光」か「無線」かを選ぶ時代になっています。

おまけ③:調べて気づいた“謎の価格”とTeranexの隠れ機能

今回調べていて面白かったのが、Teranex Miniシリーズの価格。SDI to HDMIとHDMI to SDIで微妙に価格が違ったり、機能が多いはずのHDMI to Optical / Optical to HDMIの方が、SDI⇔HDMI単体より少し安かったりと、理由が読めない逆転現象がありました(今度メーカーに会ったら聞いてみたいところです)。

また、10万円超えと高価なTeranex Miniですが、よく見るとPoE(PoE+)給電SDI→HDMI変換時のオーディオ出力など、地味に効く機能を備えています。たとえばLANケーブルの先のPTZや監視カメラ、Wi-Fiルーターへ給電したり、音の出ない大型LEDにHDMIを送りつつ音声だけ分離してミキサーに渡したり——「昔は不要だと思っていた機能が、最近の現場で活きてきた」という発見もありました。安いマイクロ/ミニコンバーターが充実した今では出番が選ばれる製品ですが、こうした多機能さが価格の理由でもあるのかもしれません。

まとめ

12G-SDI SFP Optical Moduleは、単体ではただの部品ですが、光コンバーターと組み合わせることで「SDIケーブルでは届かない距離を、4Kクオリティで届ける」ための要になります。ポイントは、両端に2個必要シングルモード/2芯/LC-LCのケーブルEthernet用SFPは流用不可(純正が安心)の3点。こうしたマニアックな機材こそ、必要な案件のときにレンタルで賢く確保するのがおすすめです。

※本記事は製品レビュー動画の解説をもとに構成しています。価格・仕様・在庫・対応距離などは変更される場合があります。最新情報はメーカー・販売店の公式情報をご確認ください。レンタル価格・対応の可否は時期により変動します。

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