彩度を上げても派手にならない。カラースライスとモノクロの話|DRUMダイジェスト〈D5〉
「彩度を少し上げたいだけなのに、上げるとコントラストまでガッツリ付いてしまう」。DaVinci Resolveを触りはじめた人が、ほぼ全員一度は戸惑うところです。DRUM(DaVinci Resolve User Meeting)のこの回では、その解決策になるカラースライスと、フォトページのモノクロ変換を扱っています。
視聴者からの「フォトページのノイズリダクションとカラーページのノイズリダクションは何が違うのか」という質問にも、その場で実機を出して答えています。同じ疑問を持っている人は多いはずです。
この動画でわかること
- カラースライスで色ごとに濃度・彩度を触る使い方
- カラースライスの彩度と、カラーホイールの彩度が違う動きをする理由
- フォトページとカラーページのノイズリダクションの違い
- ソースルックスのB&Wでモノクロにしたときの、カメラ内現像JPEGとの差
カラースライス——7色に分かれた入口
カラースライスは、画面が赤・スキントーン・黄・緑・シアン・青・マゼンタの7つに分かれていて、色ごとに濃度と彩度を調整できる機能です。スキンのところをクリックすれば、画面のどこに適用されるかをプレビューできます。DaVinciには色相/彩度カーブを自分で引く方法もありますが、いちいち選択範囲を作るのは面倒。
「もうあらかじめ、なんとなく7分割されてるところから調整していくほうがやりやすいかなと」
実演では、スキントーンの濃度を少し落として(人物の肌が赤く出すぎたときの対処)、背景の新緑にあたる緑と黄をもう少し濃く——という調整をしていました。Lightroomでいうカラーミキサー/HSLに近い感覚で入れる機能です。
ここが本題:彩度の動きがまったく違う
カラースライスがおもしろいのは、彩度の挙動がプライマリ(カラーホイール)側の彩度と別物だという点です。
カラースライスの彩度:上げると明度が落ちる方向に動く。絵の具のように色を重ねるほど暗くなる、減法混色に近い計算をしているため。
つまり「ちょっと彩度を上げたいんだけど、そんなに派手にしたいわけじゃない」というときはカラースライス側で上げるのが正解。パレードを見ると動きの違いがはっきり出ます。「最初カラーホイールの彩度を上げて、ずいぶんコントラストが付くなと戸惑った」というのは、多くの人が通った道です。自然な彩度に近いものとしてはカラーブーストもあります。
フォトページとカラーページ、ノイズリダクションの違い
視聴者からの質問への回答が、この回のもうひとつの収穫でした。
- フォトページのノイズリダクション:パラメータが1つ。色ノイズ(クロマ)と輝度ノイズの両方にまとめて効く。手っ取り早い。
- カラーページのノイズリダクション:2つに分かれていて、色ノイズと輝度ノイズを別々に調整できる。
なぜ分けたいかというと、色ノイズを減らしすぎると色そのものに影響が出るから。「赤いブツブツは最低限だけ抑えたい、でも細かい点々のノイズは減らしたい」という調整は、分離できるカラーページ側の仕事です。
星の写真では、まとめて効くタイプだと星まで消えかねないという指摘もありました。かけすぎるとディテールが潰れて眠くなるので、シャープさをキープしたいなら最低限に、というのが結論です。
モノクロ——ソースルックスの「B&W」が意外といい
最後はモノクロ。インスペクターの「写真」タブにあるソースルックスを、デフォルトのオリジナルからB&Wに切り替えるだけで白黒になります。
実演では、カメラ内現像のモノクロJPEGと、DaVinci上でB&Wにしたものを並べて比較していました。コントラストの付き方がはっきり違う。どちらが良いという話ではなく、両方選べるのが強みという整理でした。
「だから僕はこのフォトの方が、ロー現像よりもなんかいいのかなっていう部分もあったりする」
あわせて、カメラでモノクロ設定にして撮ってもRAWを開けばカラーで出てくるという、初心者がびっくりするポイントにも触れています。RAWはそもそもカラーで記録されているためです。
色を作り込むならDaVinci Resolve Studio
カラースライスやモノクロ変換はフォトページ/カラーページの基本機能ですが、AIノイズ除去などを含めてフルに使うならDaVinci Resolve Studioです。
→ USBドングル版:
→ ライセンス版:
なぜ「借りて試す」のが向いているか
色の作り込みは、突き詰めると手の速さの勝負になります。マウスでスライダーを1本ずつ動かすのか、ホイールを回して直感的に追い込むのか。ここは説明を読んでも分かりません。
- カラースライスの7色を、パネルのノブで回すとどれくらい速くなるのか
- 自分の写真の枚数で、パネルを買う価値が出るのか
- モノクロの微妙なトーンが、自分のモニターでちゃんと判断できているのか
とくにカラーグレーディング用のパネルは、値段だけ見ると迷う機材の代表格。数日借りて自分の写真を触ってみれば、必要かどうかは即座に分かります。
→ 色を手で追い込むためのカラーパネル:
→ よりノブの多い据え置きパネル:
→ 色の判断ができるモニターも一緒に:
この回が向いている人・現場
- 彩度を上げるとコントラストまで付いてしまい、原因が分からなかった人
- ポートレートで肌の赤みだけをコントロールしたい写真家
- 風景・物撮りで、落ち着いたまま色を濃くしたい人
- 高感度で撮ることが多く、ノイズ除去の使い分けを知りたい人
用途別に見るなら
色を手で触りたい人
まとめ
「派手にせず彩度を上げたいならカラースライス」「色ノイズと輝度ノイズを分けたいならカラーページ」「モノクロはソースルックスのB&Wも試す価値あり」。この3つを覚えておくだけで、フォトページの守備範囲がぐっと広がります。次の〈D6〉は、いよいよ星景写真の現像ワークフローです。
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→ DaVinci Resolve Studio(USBドングル版):
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