一言で言うと、鶏カメラです。鶏? なんだって話ですよね。
自宅の庭から星が撮れるカメラ。庭で鳥、で鶏。動画の冒頭でパンダ中村が言い出したこの言葉遊びが、DWARF miniという機材の説明としては一番正確だと思ったので、そのまま記事のタイトルにしました。
場所は東京都中央区日本橋浜町のパンダスタジオ。光害マップを見てもらえば分かる、肉眼だと明るい星が1個か2個見えるかどうかの空です。そこのテラスのコンクリートの床に「ペッて置いて」、水平も気にせず、設定はアプリのAIに頼んで放置。翌朝、星雲が写っていました。
31分ありますが、見どころは3か所です。4分すぎ、アプリ右下の「こやつ」に長押しで話しかけて「今日見やすい星を提案して」と頼むところ。9分半、翌朝のテラスで「水平とかも適当です」と設置状況を見せるところ。そして10分半、撮れた画像を「本当はこう撮れる」参考画像と並べて、正直に「赤いもやまでは中央区日本橋では撮れませんでした」と言うところ。ここは動画で見た方が早いです。
動画のとおり、DWARF miniはパンダスタジオレンタルで取り扱いがあります。「うちの庭でも撮れるのか」は、置いて一晩で答えが出ます。
→ DWARF mini:
「庭から星が撮れる」の理屈と、光害という天敵
DWARF miniは星景写真・天体撮影のためのカメラで、理屈としてはいっぱい写真を撮って合成することで天体が写る、というものです(ライブスタック)。すごいのは、それが文字通り庭で成立すること。
天体撮影の天敵は光害です。空が明るくて星が写らない。日本橋浜町は「あそこに一つ明るい星があるかな」くらいしか見えない場所で、動画内でも「こんな明るい場所です。星、見えません」と夜空を映しています。そこで撮っても星が写る。これは私も撮る前は半信半疑でした。
8月のアップデートで、設定はアプリのAIに頼むだけになった
ここが今回一番言いたいところです。以前もDWARFLABのカメラでやってみたことがあるんですが、2回やって、2回とも設定をミスってうまく撮れなかった。天体撮影の設定は、慣れていないと何をどう入れればいいのか分からない。
それが最近のアップデートで、アプリの中のAI機能に頼めるようになりました。動画の実践編でやっているのは、これだけです。
- アプリ右下にいる「DWARFアシスタント」に同意して、長押しで話す
- 「今日見やすい星、いい感じの星を提案してください。2026年8月19日、22時頃、日本です」
- →「北アメリカ星雲」
- 「北アメリカ星雲を狙うための設定をしてください」→ 設定を確認しています → 「アプリに同期してください」
- 「あとは待ってればいいだけですか」→「その通りです」
正直、音声の聞き取りは一発で通らず「なんか一瞬しか聞き取れてないんだけど」と言い直す場面もあります。それでも、AIが設定してくれて、ちゃんと撮れた。過去2回の失敗が、会話だけで解決したわけです。
翌朝:水平も適当、赤道儀もいらない
翌朝のテラスで、動画はわざわざ設置状況を見せています。テラスのコンクリートの床に置いただけ。水平は全然気にしていない。いわゆる天体カメラだと「ちゃんと水平を取りましょう」とあるものですが、それも大丈夫、赤道儀もいりません、と。本体は待機姿勢に戻っていて、電源も落ちていました。
これ、天体撮影を始められない理由の上位2つ(水平出し・極軸合わせ)が、どちらも消えているということです。
ここは正直に:赤いもやまでは写らなかった
撮れたのは北アメリカ星雲。Googleで出てくるような公共の望遠鏡の画像だと、アメリカ大陸の形で、メキシコ湾っぽいところまで見える赤い星雲です。動画では自分の写真と並べて、こう言っています。
「アメリカ星雲の赤いもやで、わーアメリカの形だね、まではさすがに──DWARF miniでは撮れない、という言い方はしませんけど──中央区日本橋ではさすがに撮れませんでした」
いくら合成したとはいえ、明るい星が1個2個の空では赤いもやまでは見えない。ただ、東京都でも山梨との県境や長野まで行けば、おそらく綺麗に写るだろう、と。この「日本橋でここまで写る」と「日本橋ではここまでしか写らない」の両方を、同じ写真で見せているのが、この動画の一番誠実なところだと思います。
撮れたら、AIに聞く。子どもと一緒に
星が写ったら、「北アメリカ星雲ってどんな星?」と手元のAIに聞いてみてください、というのが動画の後半の提案です。水素で構成されていて、それが赤く見える、といった豆知識が返ってきます。庭でAIに依頼して1〜2時間放置するだけでここまでできるので、そのあとお子さんと一緒に、AIに相談しながら天体に思いを馳せる、ということもできる。
動画の15分以降は、実際にGrokのコンパニオンとClaudeに写真を渡して「どこが星雲?」「印をつけて」とやる遊びが続きます。この部分は10分版の動画と別記事で詳しく書いたので、そちらをどうぞ(Grokに「画像に印をつけるのはちょっと難しい」と言われ、Claudeが丸を描いてくれるまでの顛末です)。
DWARF mini が向いていそうな人
- 天体撮影に興味はあるが、「水平」「極軸」「赤道儀」という言葉を聞いて手を出せずにいる人。動画のとおり、その3つが全部いりません
- 過去にスマート望遠鏡や天体カメラで設定をミスって挫折した人。パンダ中村がまさにそれで、AIに頼む方式で初めて撮れました
- 宿泊施設や観光の担当者で、「星空観察をお客さんの体験にできないか」と考えている人。動画内でも、この撮影が宿泊施設の観光振興の相談につながっていると話しています。置いておくだけなので、スタッフが天文に詳しくなくても回せます
庭撮りの手順(動画からそのまま)
| 順番 | やること | 動画内の様子 |
|---|---|---|
| 1 | DWARFLABアプリを立ち上げ、本体の電源オン→接続 | 室内で接続まで済ませてから外へ |
| 2 | 右下のDWARFアシスタントに長押しで話しかけ、日時と場所を伝えて天体を提案してもらう | 「北アメリカ星雲」と返答 |
| 3 | 「その天体を狙うための設定をしてください」→アプリに同期 | 設定を確認しています→完了 |
| 4 | 外に置く。水平は気にしない | コンクリートの床に直置き |
| 5 | 「あとは待ってればいい?」→「その通りです」。放置して寝る | 21時52分に動き出した |
| 6 | 翌朝、アプリで結果を確認。星雲の名前をAIに聞く | 本体は待機姿勢・電源オフ |
→ この手順を自宅で試すなら:
レンタルで試す価値があるところ
「日本橋でここまで写る」は、あなたの庭でどこまで写るかの保証にはなりません。南側に何が建っているか、街灯がどっちを向いているかで変わる。逆に、山梨との県境あたりまで持っていけば赤いもやまで写るかもしれない。それを確かめるのに、買うのは早い。まず一晩借りて、自分の庭で置いてみる。
動画の最後で言っているのは、DWARF miniで撮れたら次は一眼へ、という順番です。α6400のような手軽なカメラ、星空AFの付いたOMシステムのカメラ、そのうち広角レンズが欲しくなる。それも全部パンダスタジオで借りられる。DWARF miniをきっかけに天体撮影の沼へ、という流れを、レンタルなら買わずに進めます。
それと、季節の話。日本で撮るなら冬の空が一番空気が澄んでいてベストシーズン。ただ冬の天体撮影は寒くてきつい。DWARF miniなら置いておくだけなので、寒さの問題も同時に消えます。
DWARF mini と「沼の次」のレンタルはこちら
→ まずはこれ。庭に置いてAIに頼む:
→ 次の一歩、動画で名前が出た手軽な一眼:
→ 「広角なレンズが欲しい」まで来た人へ:
用途別に探すなら
DWARFLABの機材をまとめて見たい人
星空AFのあるOMシステムのカメラを探したい人
最新の入荷機材をチェックしたい人
→ 新着機材一覧
📦 鶏カメラ、まずは一晩。
庭に置いて、AIに頼んで、寝る。翌朝に星雲が写っていたら、そこから沼です。
