映像制作の現場において、機材に求められる要件は年々高度化しています。映画撮影からライブ配信まで、多様なニーズに応えるためには、圧倒的な画質と柔軟な拡張性が不可欠です。本記事では、Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)が誇るプロ仕様のデジタルフィルムカメラ「Blackmagic Design URSA Mini PRO 4.6K 本体 (EFマウント)」に焦点を当てます。スーパー35mmセンサーや15ストップダイナミックレンジといった卓越した基本性能に加え、12G-SDI搭載による高度なシステム構築の可能性について、プロフェッショナルな視点から徹底的に解説いたします。
URSA Mini Pro 4.6Kがプロの現場で選ばれる4つの理由
スーパー35mmセンサーと15ストップのダイナミックレンジが描く映像美
Blackmagic DesignのURSA Mini PRO 4.6Kは、映像クリエイターが求める究極のシネマティックルックを実現する業務用ビデオカメラです。その中核を担うのが、独自開発のスーパー35mmセンサーと15ストップダイナミックレンジの組み合わせです。この驚異的なラティチュードにより、ハイライトの白飛びやシャドウの黒つぶれを極限まで抑え、肉眼で見たままの豊かな階調表現を可能にします。映画撮影の現場において、照明条件が厳しい環境下でも、被写体のディテールを確実に捉えることができる点は、プロフェッショナルの間で高く評価されています。
さらに、デジタルフィルムカメラとしての真価は、ポストプロダクション工程での柔軟性に現れます。15ストップダイナミックレンジが保持する膨大な色情報は、カラーグレーディングにおいて圧倒的な自由度を提供します。BMDの最先端技術が結集されたこのスーパー35mmセンサーは、肌の自然なトーンから鮮やかな風景まで、あらゆるシーンで息を呑むような映像美を描き出します。プロ仕様のシネマカメラとして、妥協のない画質を追求する制作現場において、URSA Mini PRO 4.6Kは不可欠なツールとなっています。
映画撮影から放送用カメラまで対応する汎用性の高さ
Blackmagic Design URSA Mini PRO 4.6Kは、映画撮影用のシネマカメラとしての卓越した性能を持ちながら、放送用カメラとしても高い適応力を発揮する画期的な製品です。従来の映像制作現場では、用途に応じて機材を使い分けることが一般的でしたが、本機はその常識を覆しました。ENGカメラ(電子ニュース取材用カメラ)に匹敵する操作性とインターフェースを備えており、肩乗せスタイルのドキュメンタリー撮影から、三脚に固定したスタジオ収録まで、あらゆる撮影スタイルにシームレスに対応します。
この汎用性の高さは、制作会社やフリーランスのカメラマンにとって、機材投資の効率化という大きなビジネス上のメリットをもたらします。映画やCM制作で求められる高解像度・広ダイナミックレンジの映像表現と、テレビ番組やライブ配信で必要とされる即応性・堅牢性を高次元で両立しています。1台のカメラでハイエンドなデジタルフィルムカメラの役割と、機動力が求められる放送用ビデオカメラの役割を兼ね備えている点が、多種多様な現場で本機が選ばれ続ける最大の理由です。
直感的な操作を可能にする内蔵NDフィルターと外部コントロール
プロの撮影現場では、刻一刻と変化する光の条件に対して瞬時に対応するスピードが求められます。URSA Mini PRO 4.6Kは、高品質なNDフィルター内蔵機構を採用しており、2ストップ、4ストップ、6ストップのフィルターをダイヤル操作一つで素早く切り替えることが可能です。この内蔵NDフィルターには、IR(赤外線)補正が施されており、フィルター使用時に発生しがちな色被りを防ぎ、常に正確な色再現を維持します。これにより、屋外での映画撮影やロケにおいて、マットボックスや外付けフィルターの交換に時間を奪われることなく、被写界深度やシャッタースピードのコントロールに集中できます。
また、カメラ側面に配置された外部コントロールボタンやスイッチ類は、人間工学に基づいて設計されており、ファインダーから目を離すことなく直感的なブラインドタッチが可能です。ISO、シャッターアングル、ホワイトバランスなどの重要な設定項目にダイレクトにアクセスできる物理スイッチは、メニュー階層を潜る手間を省き、撮影の効率を劇的に向上させます。このような現場の声を反映した細やかなインターフェース設計が、プロ仕様の機材としての信頼性を確固たるものにしています。
堅牢なマグネシウム合金ボディがもたらす高い信頼性
過酷な環境下での撮影において、カメラ本体の耐久性は作品の完成を左右する重要な要素です。Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)は、URSA Mini PRO 4.6Kの筐体に軽量かつ極めて強靭なマグネシウム合金を採用しました。この堅牢なボディ構造により、砂漠の熱砂から寒冷地の氷点下まで、あらゆるロケーションで安定した動作を約束します。業務用ビデオカメラとして、日々のハードな運用に耐えうる耐久性を備えていることは、機材トラブルによる撮影の中断という致命的なリスクを回避するために不可欠です。
さらに、マグネシウム合金の採用は、堅牢性だけでなく機動力の向上にも大きく貢献しています。シネマカメラとしては驚異的な軽量化を実現しており、長時間の肩乗せ撮影やジンバル、クレーンへの搭載時において、カメラマンや特機スタッフの肉体的な負担を大幅に軽減します。内部の電子基板やスーパー35mmセンサーを外部の衝撃からしっかりと保護しつつ、排熱効率にも優れた設計となっており、長時間の連続駆動でも熱暴走を防ぎます。現場での高い信頼性と取り回しの良さを両立したボディ設計は、プロフェッショナルの要求に完璧に応える仕上がりとなっています。
12G-SDI搭載がもたらすプロフェッショナルな現場構築の4つのメリット
1本のケーブルで実現する4K60pの非圧縮映像伝送
URSA Mini PRO 4.6Kに搭載された12G-SDIインターフェースは、現代の映像制作システムにおいて中核的な役割を果たします。最大のメリットは、たった1本のBNCケーブルで4K60pの非圧縮映像を長距離伝送できる点にあります。従来の3G-SDIや6G-SDIでは、4Kの高フレームレート映像を送るために複数のケーブルを束ねる必要があり、配線の煩雑さや接続ミスのリスクが伴いました。12G-SDIの採用により、現場のケーブルマネジメントが劇的に簡素化され、セットアップや撤収にかかる時間が大幅に短縮されます。
この単一ケーブルによる大容量データ伝送は、ライブプロダクションやスタジオ収録において極めて重要です。非圧縮のクリーンな映像信号を遅延なくスイッチャーやルーターに送出できるため、放送品質の要件を完全に満たします。また、HDMIケーブルと比較して抜け防止のロック機構を備えているため、撮影中にケーブルが外れるといったトラブルを未然に防ぎます。プロ仕様の業務用ビデオカメラとして、12G-SDIの搭載は、高画質化とワークフローの効率化を同時に実現する不可欠な要素となっています。
ライブプロダクションを効率化する堅牢なSDIネットワーク構築
マルチカメラを用いたライブプロダクションにおいて、URSA Mini PRO 4.6Kの12G-SDI入出力端子は、堅牢で拡張性の高いネットワーク構築を可能にします。SDI入力端子を通じて、ATEMスイッチャーからのプログラムリターン映像やタリー信号、さらにはカメラコントロール信号を受信することができます。これにより、ディレクターからの指示をカメラマンが即座に確認できるだけでなく、スイッチャー側からリモートでアイリスやカラーバランスを調整することが可能となり、少人数での効率的なオペレーションが実現します。
また、SDIネットワークによるインカム(トークバック)機能の統合も、現場のコミュニケーションを円滑にする重要な要素です。音声と映像、制御信号が単一のSDIインフラ上で完結するため、個別の配線や追加機材を用意する必要がありません。コンサートのライブ配信やスポーツ中継など、一瞬のミスが許されない緊張感のある現場において、この堅牢なSDIネットワークはシステム全体の信頼性を飛躍的に高めます。放送用カメラとしてのDNAを受け継ぐURSA Mini PRO 4.6Kは、最新のライブプロダクション環境に最適化されています。
外部モニターやスイッチャーとのシームレスな連携
映像制作の現場では、監督やクライアントがリアルタイムで映像を確認するためのモニタリング環境が欠かせません。URSA Mini PRO 4.6Kは、メインの12G-SDI出力に加えて、モニタリング用の3G-SDI出力を個別に備えており、外部機器とのシームレスな連携を実現します。この独立した出力系統により、メインの出力にはクリーンな映像を収録・送出しつつ、ディレクターモニターにはLUT(ルックアップテーブル)を適用したり、フォーカスピーキングやゼブラなどのステータス情報を重畳して表示させることが可能です。
このような柔軟な出力設定は、映画撮影におけるビデオビレッジの構築や、放送現場でのマルチビューアーへの映像供給において極めて有効です。Blackmagic DesignのATEMスイッチャーシリーズやVideo Assistモニターと組み合わせることで、メーカー間の互換性問題を気にする必要がなく、プラグアンドプレイで高度なシステムを構築できます。機材同士の親和性の高さは、トラブルシューティングの時間を削減し、クリエイティブな作業に集中できる環境を提供します。
既存の放送用機材と完全な互換性を持つBNC端子の優位性
長年にわたり放送業界で標準規格として採用されてきたBNC端子を用いたSDI接続は、その圧倒的な信頼性から現在でもプロフェッショナル現場の主流です。URSA Mini PRO 4.6Kが12G-SDIを採用していることは、既存の放送局やスタジオが保有する膨大なレガシー機材との完全な下位互換性を確保していることを意味します。HD環境の3G-SDIや、初期の4K環境である6G-SDIのインフラに接続した場合でも、カメラ側が自動的に信号を判別し、適切なフォーマットで出力を行うため、システムの移行期においても無駄な投資を避けることができます。
このBNC端子の優位性は、ケーブルの調達や敷設の容易さにも表れています。世界中のあらゆるスタジオや中継車に常備されている標準的な同軸ケーブルを使用できるため、万が一のケーブル断線時にも即座に代替品を手配することが可能です。また、光ファイバーコンバーターを介することで、数キロメートルに及ぶ長距離伝送システムへの拡張も容易に行えます。プロ仕様の機材として、最新のテクノロジーと業界標準のインターフェースを融合させた設計が、多様な現場での運用を強力にサポートします。
映像制作の要となる4つの収録フォーマットとストレージ性能
最高品質のポストプロダクションを実現するRAW収録
デジタルシネマの制作において、撮影時のデータを一切の劣化なく保存するRAW収録は、最高品質の映像作品を創り上げるための前提条件です。URSA Mini PRO 4.6Kは、Blackmagic RAW(BRAW)フォーマットでの収録に対応しており、スーパー35mmセンサーが捉えた15ストップダイナミックレンジの膨大な情報を、極めて効率的なファイルサイズで記録します。このRAW収録により、ホワイトバランス、露出、ISO感度といった重要なパラメーターを、撮影後であってもポストプロダクションの段階で劣化なく調整することが可能となります。
Blackmagic RAWは、従来の非圧縮RAWが抱えていたストレージ容量の圧迫という課題を見事に解決した次世代のコーデックです。カメラ内部で一部のデモザイク処理を行うことで、PC側のCPUやGPUへの負荷を大幅に軽減し、DaVinci Resolve上でのスムーズな再生と編集を実現します。映画撮影やハイエンドなCM制作において、カラーグレーディングの自由度を極限まで高め、クリエイターの意図したシネマティックなルックを妥協なく追求できる環境を提供します。
業界標準のApple ProRes収録による柔軟なワークフロー
放送業界や一般的な映像制作現場において、事実上の業界標準フォーマットとして広く普及しているのがApple ProResです。URSA Mini PRO 4.6Kは、最高品質のProRes 4444 XQから、長時間の収録に適したProRes 422 Proxyまで、幅広いProResコーデックでの収録にネイティブ対応しています。このProRes収録機能は、撮影後のトランスコード(変換)作業を不要にし、収録メディアをPCに接続するだけで即座に編集作業を開始できるという、極めて柔軟で迅速なワークフローを実現します。
特に、ニュース報道やドキュメンタリー、イベント収録など、納品までのスピードが要求される現場において、ProRes収録のメリットは計り知れません。10-bitの豊かな色深度を保持しながらも、多くのノンリニア編集ソフトウェアで軽快に動作するため、オフライン編集からオンライン編集までのプロセスをシームレスに繋ぎます。用途やストレージ容量に応じて最適なビットレートを選択できる汎用性の高さが、業務用ビデオカメラとしての運用価値をさらに高めています。
デュアルCFast 2.0スロットによるノンストップ収録の実現
高解像度・高フレームレートの映像データを確実に記録するため、URSA Mini PRO 4.6Kは高速なデータ転送を誇るCFast 2.0カードスロットを2基搭載しています。このデュアルスロット設計の最大の利点は、1枚目のカードの容量が一杯になった際、自動的に2枚目のカードへ記録が引き継がれるリレー収録機能にあります。これにより、長時間のインタビューやライブコンサートの収録において、カメラを止めることなくノンストップでの連続撮影が可能となり、重要な瞬間を逃すリスクを完全に排除します。
さらに、CFast 2.0メディアは、RAW収録やProRes 4444といった広帯域を必要とするフォーマットにおいても、コマ落ちのない安定した書き込み性能を提供します。収録中のカード交換(ホットスワップ)にも対応しているため、データマネージャーは撮影を継続しながら、収録済みのカードを順次バックアップしていくという効率的なデータハンドリングが可能です。プロフェッショナルの過酷な要求に応えるため、ストレージシステムにおいても高い信頼性と冗長性が確保されています。
SD UHS-IIカードスロットを活用したバックアップ運用
URSA Mini PRO 4.6Kは、CFast 2.0スロットに加えて、広く普及しているSDカード(UHS-II対応)スロットも2基搭載しており、メディア選択の柔軟性を大幅に向上させています。SD UHS-IIカードは、CFastと比較して安価で入手性が高いため、ProRes 422やHD解像度での収録がメインとなるプロジェクトにおいて、メディアコストを大幅に削減することが可能です。急なロケで追加のメディアが必要になった場合でも、家電量販店などで容易に調達できる点は、実運用において大きな安心感をもたらします。
また、このデュアルメディア仕様は、バックアップ運用の観点からも非常に有用です。高価なCFastカードをメイン収録に使用しつつ、より手頃なSDカードをプロキシ収録やサブカメラ用のメディアとして活用するなど、プロジェクトの予算や要件に合わせた最適なストレージ戦略を構築できます。最新のUHS-II規格に対応しているため、Ultra HD 4KのProRes収録にも十分な書き込み速度を備えており、妥協のない画質とコストパフォーマンスを見事に両立させています。
EFマウント採用によるレンズ選択の自由度と4つの活用アプローチ
豊富なシネマレンズ群を活用した映画品質のルック構築
「Blackmagic Design URSA Mini PRO 4.6K 本体 (EFマウント)」が採用するEFマウントは、世界で最も普及しているレンズマウントの一つであり、映像クリエイターに無限の表現の可能性を提供します。キヤノンをはじめとする各社から発売されている高品質なEFマウント用シネマレンズ群(CN-Eレンズなど)を直接装着できることは、映画撮影において極めて大きなアドバンテージです。これらのシネマレンズは、フォーカスブリージングの抑制や、滑らかで正確なT値(透過率)コントロールなど、動画撮影に特化した光学設計が施されています。
スーパー35mmセンサーの性能を最大限に引き出すためには、レンズの解像力と光学特性が不可欠です。EFマウントのシネマレンズを組み合わせることで、被写界深度の浅い美しいボケ味や、シャープでありながらも硬すぎないシネマティックなルックを容易に構築できます。また、フォローフォーカスやマットボックスといった映画用アクセサリーとの親和性も高く、本格的なシネマプロダクションの要件を完全に満たすシステムを構築することが可能です。
スチルカメラ用レンズを用いたコストパフォーマンスの高い運用
EFマウントを採用する最大の魅力の一つは、世界中に流通している数百万本ものスチルカメラ(一眼レフ)用EFレンズをそのまま動画撮影に転用できる点にあります。高価なシネマレンズをレンタルまたは購入する予算がないインディーズ映画の制作や、小規模なプロダクションにおいて、手持ちの写真用レンズ資産を活かせることは、圧倒的なコストパフォーマンスをもたらします。Lレンズに代表される高性能なスチル用レンズは、4K解像度にも十分に対応しうる優れた光学性能を備えています。
さらに、スチル用レンズは小型・軽量に設計されていることが多く、ジンバルを使用した手持ち撮影や、ドローンへの搭載時など、機動力が求められるシーンで大きな威力を発揮します。広角から超望遠、マクロ、魚眼レンズに至るまで、特殊な画角や表現が必要な場合でも、EFマウントの膨大なラインナップの中から最適な一本を安価に見つけ出すことができます。業務用ビデオカメラでありながら、予算規模に応じた柔軟なレンズ選択ができる点は、本機のビジネス上の大きな強みです。
電子接点を通じた正確なフォーカスとアイリス制御
URSA Mini PRO 4.6KのEFマウントは、単なる物理的な接続だけでなく、電子接点を通じたカメラ本体とレンズ間の高度な通信機能を備えています。この電子制御により、対応するEFレンズを装着した場合、カメラのグリップや外部コントロールパネルから、アイリス(絞り)やフォーカスを正確に操作することが可能です。特に、ドキュメンタリー撮影やワンマンオペレーションの現場において、カメラから手を離すことなく露出を調整できる機能は、撮影の成功率を飛躍的に高めます。
また、電子接点を通じた通信は、レンズのメタデータ(焦点距離、F値、シリアルナンバーなど)を収録ファイルに自動的に記録する役割も果たします。このメタデータは、DaVinci Resolveでのポストプロダクションにおいて、レンズの歪み補正やVFX(視覚効果)の合成作業を行う際に極めて重要な情報となります。プロ仕様のデジタルフィルムカメラとして、光学的な性能だけでなく、電子的なシステムインテグレーションにおいても、現代の映像制作ワークフローに最適化された設計がなされています。
交換可能なマウントシステムがもたらす機材への投資保護
Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)のURSA Mini PRO 4.6Kは、標準でEFマウントを搭載していますが、ユーザー自身でマウント部分を交換できる画期的なシステムを採用しています。別売りのマウントキットを使用することで、映画業界標準のPLマウント、放送業界で一般的なB4マウント、さらにはオールドレンズ向けのFマウントへと、用途に合わせてカメラの仕様を自由に変更することが可能です。この革新的な設計は、将来的な撮影スタイルの変化やレンズ資産の移行に対しても、カメラ本体を買い替えることなく対応できることを意味します。
機材への投資保護という観点から、この交換可能なマウントシステムは制作会社にとって非常に価値の高い機能です。例えば、普段はEFマウントでコストを抑えた運用を行い、ハイエンドなCM撮影の際だけPLマウントの単焦点シネマレンズをレンタルして装着する、といった柔軟な運用が1台のカメラで完結します。また、B4マウントに交換し、内蔵のレンズ補正機能を利用することで、既存のHD放送用ENGレンズを4K収録に活用することも可能です。真の汎用性を追求したこの機能が、プロフェッショナル機材としての製品寿命を大幅に延ばしています。
DaVinci Resolveとの連携で完結する4つのシームレスなワークフロー
デジタルフィルムカメラの特性を最大限に引き出すカラーグレーディング
URSA Mini PRO 4.6Kで撮影された素材のポテンシャルを極限まで引き出すのが、Blackmagic Designが開発するポストプロダクションソフトウェア「DaVinci Resolve」です。ハードウェアとソフトウェアが同一メーカーによって設計されているため、カメラのカラーサイエンス(第4世代または第5世代)がソフトウェア側に完全に統合されています。これにより、スーパー35mmセンサーが捉えた15ストップダイナミックレンジの豊かな階調を、一切の破綻なくカラーグレーディング環境に持ち込むことができます。
DaVinci Resolveの強力なカラーページを使用すれば、Blackmagic RAWの広大な色域を活かした精密な色補正が可能です。ハイライトのロールオフ(白飛びへの滑らかな移行)や、シャドウ部の繊細なディテール維持など、シネマティックなルックを構築するためのツールが網羅されています。フィルムエミュレーションLUTの適用や、HDR(ハイダイナミックレンジ)向けのカラーグレーディングにおいても、カメラの素性が良いため、カラーリストの意図した通りの正確な色再現が約束されます。
メタデータの完全同期による編集作業の圧倒的な効率化
映像制作のワークフローにおいて、撮影現場とポストプロダクション間のスムーズな情報伝達は、作業効率を左右する鍵となります。URSA Mini PRO 4.6Kは、スレート情報、シーン番号、テイク数、レンズ情報、さらにはカメラのジャイロセンサーが記録したモーションデータなど、膨大なメタデータを収録ファイルに埋め込みます。これらのメタデータは、DaVinci Resolveのメディアプールに読み込まれた瞬間に完全に同期され、クリップの整理や検索を自動化します。
このメタデータのシームレスな連携により、アシスタントエディターが手作業でクリップを分類する膨大な時間が削減されます。スマートビン機能を活用すれば、「特定のレンズで撮影したクリップ」や「特定のシーンのOKテイク」だけを瞬時に抽出することが可能です。また、ジャイロセンサーのメタデータは、DaVinci Resolveの強力なスタビライゼーション機能と連動し、手持ち撮影のブレを光学的に補正したかのように滑らかに安定させます。ハードとソフトの緊密な連携が、編集作業の圧倒的な効率化を実現します。
RAWデータの柔軟性を活かしたノイズリダクションとディテール復元
低照度環境での撮影や、高感度(ISO)設定を余儀なくされた場合でも、Blackmagic RAWとDaVinci Resolveの組み合わせは強力な解決策を提供します。DaVinci Resolveに搭載されている最先端のテンポラル(時間的)および空間的ノイズリダクション機能は、BRAWデータのセンサープロファイルに最適化されており、映像のディテールや質感を損なうことなく、不要なデジタルノイズだけを効果的に除去します。
さらに、RAWデータの特性を活かすことで、撮影時にホワイトバランスを誤って設定してしまった場合や、露出がアンダーまたはオーバーになってしまった場合でも、画質を劣化させることなく完全に復元することが可能です。カメラ内部で焼き付けられる一般的なビデオコーデックとは異なり、BRAWはセンサーの生データを保持しているため、ポストプロダクションでのリカバリー能力が飛躍的に高まります。この圧倒的な柔軟性は、撮り直しがきかないプロフェッショナルな現場において、クリエイターにとって最大の保険となります。
撮影から納品までを単一ソフトウェアで完結させるビジネス上の利点
現代の映像制作において、編集、カラーグレーディング、VFX(Fusion)、オーディオポストプロダクション(Fairlight)を別々のソフトウェアで行う従来のワークフローは、ファイルの書き出しや変換に伴う時間のロスとエラーのリスクを抱えています。URSA Mini PRO 4.6Kにフルバージョンの「DaVinci Resolve Studio」が同梱されていることは、これらの課題を一挙に解決し、撮影から最終納品までを単一のプラットフォームで完結できるという巨大なビジネス上の利点を提供します。
ラウンドトリップ(ソフト間のデータ移動)が不要になることで、制作スケジュールが大幅に短縮され、クライアントの急な修正要望にも即座に対応できるようになります。また、プロ仕様の業務用ビデオカメラを購入するだけで、ハリウッド映画でも使用されている最高峰のポストプロダクションツールが無償で手に入ることは、初期投資を抑えたい制作会社やフリーランスにとって極めて魅力的です。Blackmagic Designが提供するこの包括的なエコシステムは、映像制作ビジネスの収益性と競争力を高める強力な武器となります。
FAQ(よくある質問)
Q1: URSA Mini Pro 4.6KのEFマウントは他のマウントに変更できますか?
はい、可能です。Blackmagic Designの交換可能なマウントシステムを採用しており、別売りのマウントキットを使用することで、標準のEFマウントからPLマウント、B4マウント、Fマウントへユーザー自身で簡単に交換することができます。これにより、映画用のシネマレンズから放送用のENGレンズまで、プロジェクトに応じて最適なレンズを選択できます。
Q2: 12G-SDI端子を使用するメリットは何ですか?
最大のメリットは、1本のBNCケーブルで4K60pの高解像度・高フレームレート映像を非圧縮で長距離伝送できる点です。従来の複数のケーブルを束ねる方式と比較して、配線が極めてシンプルになり、トラブルのリスクが軽減されます。また、既存の放送用機材やスイッチャーとの互換性も高く、堅牢なライブプロダクション環境を構築できます。
Q3: 記録メディアには何を使用しますか?
CFast 2.0カードスロットを2基、およびSD UHS-IIカードスロットを2基搭載しています。高画質なRAW収録やProRes 4444収録には高速なCFast 2.0を使用し、長時間のProRes 422収録やバックアップ用途にはコストパフォーマンスに優れたSD UHS-IIカードを使用するなど、用途に応じた柔軟なメディア運用が可能です。デュアルスロットによるリレー収録にも対応しています。
Q4: 内蔵NDフィルターはどのような機能を持っていますか?
2ストップ、4ストップ、6ストップの減光が可能な高品質なNDフィルターを内蔵しています。ダイヤル操作で瞬時に切り替えが可能で、屋外など光量が急激に変化する環境でも素早く露出を調整できます。また、IR(赤外線)補正機能が組み込まれているため、NDフィルター使用時に発生しやすい色被りを防ぎ、正確な色再現を維持します。
Q5: カメラにDaVinci Resolveは付属していますか?
はい、「Blackmagic Design URSA Mini PRO 4.6K 本体」には、プロフェッショナル向けの有償版ソフトウェアである「DaVinci Resolve Studio」のライセンスが同梱されています。これにより、追加の費用をかけることなく、カメラが持つ15ストップダイナミックレンジやBlackmagic RAWの性能を最大限に活かした編集、カラーグレーディング、VFX、音声編集を行うことが可能です。
