テレビのニュース番組や街頭インタビュー、報道特番などで、エレガントなシャンパンゴールドやマットブラックのマイクを手にしたレポーターを見かけることは少なくありません。その多くで採用されているのが、音響機器の名門SHURE(シュア/シュアー)が誇るインタビューマイクの金字塔「SM63」および「SM63LB」です。過酷な放送現場から個人の音声配信、YouTube取材まで、幅広いシーンで絶大な信頼を集めるこの2つのダイナミックマイク。本記事では、SM63シリーズが「取材用マイクの業界標準」として君臨し続ける理由を紐解きながら、標準モデルの「SM63」とロングハンドル仕様である「SM63LB」の決定的な違いを徹底比較・解説します。
インタビューマイクの定番「SHURE SM63シリーズ」とは?基本性能を解説
テレビのニュースや取材現場で長年愛され続ける信頼の実績
テレビの報道番組やスポーツ中継、あるいは芸能レポーターが著名人にマイクを向けるシーンにおいて、SHURE(シュアー)の「SM63シリーズ」は長年にわたり業界のデファクトスタンダード(業界標準)として活躍してきました。その最大の特徴は、放送局の厳しい音響基準を難なくクリアする卓越した集音性能と、カメラ映りを考慮したスマートで洗練されたデザインにあります。プロの現場では「音声の失敗」が許されないため、あらゆる環境下でもクリアに人の声を捉えられるこのマイクは、国内外のレポーターやインタビュアーにとってなくてはならない「相棒」としての確固たる実績と信頼を積み重ねています。
プロフェッショナルが認めるダイナミックマイクとしての基本スペック
SM63シリーズは、電源供給が不要で扱いやすい「ダイナミックマイク」であり、指向性には周囲の音を均一に拾う「無指向性(全指向性)」を採用しています。周波数特性は80Hz〜20,000Hzと、人間の声の帯域(特に中高域)が明瞭に聞こえるよう精密にチューニングされており、インタビュー対象者の言葉を一言一句漏らさずクリアに再現します。さらに、内蔵された高性能ポップフィルターが破裂音によるノイズをカットし、出力レベルもトーク収録に最適化されているため、ポータブルレコーダーやENGカメラに直接接続しても極めてノイズの少ない高品位な音声収録が可能です。
過酷な現場にも耐えうるSHURE(シュア)ならではの高い耐久性
放送局や屋外ロケの現場は、突発的な悪天候や不意の落下事故など、常に厳しい環境にさらされています。SHURE(シュア)はそのような過酷な状況を想定し、SM63シリーズに極めて堅牢なメタルボディと、変形やサビに強い特許素材「VERAFLEX(ベラフレックス)」製のグリルを採用しました。この頑丈な設計により、湿気や衝撃に強く、長期間にわたって導入時のパフォーマンスを維持することができます。タフな現場をサバイブしなければならないレポーターや音声スタッフにとって、この「絶対に壊れない」という安心感こそが、SM63シリーズが選ばれ続ける大きな理由です。
ロケや音声収録を成功に導くSM63シリーズの優れた「3つの特徴」
インタビューに最適な音を均一に拾う「無指向性(全指向性)」の採用
多くのボーカル用マイクで採用されている「単一指向性」は、正面以外の音を遮断する反面、マイクの角度がずれると急激に音量が低下したり、近づけすぎると低音が強調される「近接効果」が発生したりします。一方で、SM63シリーズが採用する「無指向性(全指向性)」は、全方向からの音を均一に捉えるため、マイクの角度や距離が多少ブレても安定した音量と音質をキープできます。これにより、インタビュアーが自身の声と対象者の声を一本のマイクで行き来させながら交互に収録する際にも、音量のバラつきや不自然な音質変化を防ぎ、スムーズで聞き取りやすい音声を届けることができます。
放送局のENG取材でも威力を発揮する徹底した「ハム音対策(電磁シールド)」
屋外ロケやイベント会場などのENG(Electronic News Gathering)取材では、周囲の照明機器や大型モニター、電源ケーブルなどから発生する電磁波(ハムノイズ)が音声に混入するトラブルが頻発します。SM63シリーズはこの問題を解決するため、マイク内部に高度な「ハムバッキングコイル」を組み込んだ徹底的なハム音対策を施しています。電磁誘導によるブー音やジー音といったノイズの発生を極限まで抑え込むため、電波や電磁波が飛び交う現代の複雑な収録環境においても、常に澄み切ったプロクオリティのクリアな音声を維持することが可能です。
レポーターの負担を軽減する「軽量マイク」としての優れた携帯性
長時間の街頭インタビューや立ちっぱなしのロケ取材において、重いマイクを持ち続けることはレポーターの手首や肩に多大な負担を与え、レポートのパフォーマンス低下を招きかねません。その点、SM63シリーズは「軽量マイク」としての設計が徹底されており、標準モデルのSM63はわずか99g、ロングタイプのSM63LBでも124gという驚異的な軽さを実現しています。手に馴染むエルゴノミックなスリムデザインとこの軽さが融合することで、長時間のインタビューであっても疲労を感じにくく、レポーターは視聴者に伝えるべき言葉や表現に100%集中することができます。
SHURE SM63とSM63LBの決定的な「3つの違い」を徹底比較
違い①:インタビュー時のリーチに差が出る「ハンドルの長さ」
SM63とSM63LBの最も顕著な違いは、その本体(ハンドル)の長さとカラーバリエーションにあります。標準仕様の「SM63」は全長14.5cmでコンパクトかつスタイリッシュなシャンパンゴールド仕上げ。一方の「SM63LB」は全長23.3cmというロングハンドル仕様になっており、シックなつや消しブラック(黒)で塗装されています。この約9cmの長さの差は、インタビュー時に相手へマイクを差し出す際の「リーチ(物理的距離)」において決定的なアドバンテージをもたらし、特に距離を保ちたいシーンでの使い勝手を大きく左右します。
| 項目 | SM63 (標準モデル) | SM63LB (ロングモデル) |
|---|---|---|
| 全長 | 14.5 cm | 23.3 cm |
| 重量 | 99 g | 124 g |
| 本体カラー | シャンパンゴールド | マットブラック |
| 主な用途 | 卓上対談、近距離インタビュー | 街頭ロケ、会見、芸能取材 |
違い②:ロゴフラッグ装着時やカメラとの距離感における「操作性の違い」
放送局やネットメディアの取材では、マイクの根元に自社のロゴマークが書かれた「マイクフラッグ(ロゴフラッグ)」を装着することが一般的です。標準のSM63にフラッグを取り付けると、手を握るスペース(グリップエリア)が極端に狭くなり、操作性が著しく低下してしまいます。しかし、ロングハンドル仕様のSM63LBであれば、フラッグをしっかりと固定した状態でも十分な握り幅が確保されます。また、長さがあるため、レポーターがカメラの画角(フレーム)の外から手を伸ばしてインタビュー対象者の口元にマイクを近づけるといった柔軟なカメラワーク・画角調整も容易になります。
違い③:ロングハンドル仕様に伴う「重量」と重心バランスの比較
サイズが大きくなれば重量増が懸念されますが、前述の通りSM63LBは124gと、標準モデル(99g)に比べてわずか25gの増加に留められています。驚くべきは、内部の設計バランスが完璧に計算されているため、長くなっても手元が重く感じる「フロントヘビー」にならず、非常に安定したホールド感を得られる点です。グリップ部分の重心バランスが優れているため、風圧を受ける屋外や、急にマイクを動かすアクションが発生する現場でも、手元がブレることなくピタッと安定したポインティングを維持することができます。
SM63とSM63LBはどちらを選ぶべき?最適な「3つの使用シチュエーション」
芸能レポーターや街頭インタビューなど、対象との距離がある場合は「SM63LB」
芸能レポーターが囲み取材を行う記者会見や、人混みの中での街頭インタビューなど、対象者と一定の物理的距離を保つ必要があるシチュエーションには、間違いなくロングハンドルの「SM63LB」が最適です。腕を無理に伸ばさなくても自然な姿勢で相手の口元までマイクを到達させることができるため、インタビュアーの身体的ストレスを最小限に抑えられます。また、ソーシャルディスタンスを意識しなければならない取材環境や、対象者に威圧感を与えずに自然なコメントを引き出したい場合にも、この十分なリーチが大いに役立ちます。
卓上での対談収録や、限られたスペースでのENG取材には標準の「SM63」
一方で、対談番組などでテーブルの上にマイクスタンドを設置して収録する場合や、限られた屋内のスタジオスペースで収録を行う場合は、標準モデルの「SM63」がベストな選択肢となります。14.5cmというコンパクトなサイズ感は卓上スタンドに設置しても威圧感がなく、カメラの視界を遮る心配もありません。機材をできるだけコンパクトにまとめて移動したい少人数でのENG取材や、ポッドキャストなどの対面インタビュー収録においても、取り回しの良いSM63はその機動性を最大限に発揮してくれます。
風が強い屋外ロケや動きの激しい現場での音声収録
台風中継や海岸沿いでのレポートといった強風が吹き荒れる屋外ロケ、あるいは歩きながら対話するウォーク・アンド・トークのような動きの激しい現場では、マイクが受ける風切り音や手元のハンドリングノイズ(摩擦音)の対策が必須となります。SM63シリーズは内蔵のショックマウント構造により手持ち時のノイズを最小限に抑えますが、こうした極端な状況下では、マイクのホールド性が操作性を分けます。しっかり握れるロングのSM63LBは手元の滑りを防ぎ、標準のSM63は風の抵抗を受けにくいコンパクトさで、それぞれの現場環境に合わせた最適解を提示してくれます。
数ある取材用マイクからSM63シリーズが選ばれ続ける「3つの理由」
理由①:ポップノイズや風切り音を大幅に低減する優れた内蔵スクリーン
SM63シリーズの頭部に配置されたグリル内部には、高性能なウインドシールド・スクリーンが搭載されています。これにより、話者が発する「パ・タ・カ」といった破裂音(ポップノイズ)や息の吹き込み、屋外で発生するマイルドな風切り音を効果的にカットします。高価な外部ウインドスクリーンを常に装着していなくても、マイク単体で十分に聴き取りやすいクリアな音声を収録できるため、準備時間が限られた突発的なニュース取材や激しい報道現場でも即座に対応できる機敏さを備えています。
理由②:インタビュー対象の声を明瞭に捉える中高域の音質特性
マイクにとって「声の明瞭さ(聞き取りやすさ)」は最も重要な要素です。SM63シリーズは、人の話し声の主成分となる2kHz〜5kHzの中高域に絶妙なプレゼンスピーク(持ち上がり)を持たせる音質特性(周波数特性)を採用しています。このチューニングにより、低音のボソボソとした籠もり感を排除し、輪郭がはっきりとした抜けの良いクリアな声を届けることができます。BGMや街の喧騒といった騒がしい背景音(バックグラウンドノイズ)がある環境でも、インタビュー対象者の声が埋もれることなく際立って聞こえるのは、この優れた音質設計によるものです。
理由③:不意の落下や衝撃にもビクともしない堅牢なメタルボディ
報道現場ではマイクが地面に落下したり、他の取材機材とぶつかり合ったりすることが日常茶飯事です。SM63シリーズの強固なメタルダイキャスト製のシャーシは、こうしたアクシデントに対しても非常に高い耐衝撃性を発揮します。表面には傷が目立ちにくい耐久仕上げが施されており、ハードな使用を重ねてもプロの機材にふさわしい風格を保ち続けます。「壊れない安心感」は、音響エンジニアやレポーターにとって精神的な余裕を生み出し、限られたシャッターチャンスや取材時間を無駄にしないプロ仕様のクオリティを支えています。
インタビューの音質をアップグレードするための「3つの導入アドバイス」
用途と現場の機動性を踏まえたSM63・SM63LBの選択基準
SM63とSM63LBの導入にあたっては、自社(自身)の「主な取材スタイル」を見極めることが成功の鍵です。アクティブに屋外を駆け回り、記者会見や街頭での突撃インタビューが多い場合は、リーチが広くマイクフラッグの装着にも対応しやすい「SM63LB」が第一候補になります。一方、社内での対談やYouTubeなどのトーク動画撮影、デスク上での音声配信やナレーション収録が中心であれば、威圧感がなく省スペースで使える「SM63」を選ぶのが賢明です。それぞれの持ち味を理解し、現場の機動性を損なわないモデルをセレクトしましょう。
屋外収録でさらにノイズを防ぐための推奨アクセサリー
SM63シリーズは内蔵スクリーンが優秀ですが、風の強い屋外ロケなどでは、別売の推奨アクセサリーを組み合わせることで音質をさらに劇的に向上させることができます。代表的なものとして、専用ウインドスクリーン「A63WS」が挙げられます。これを装着することで、激しいビル風や突風による低音のボコボコという「吹かれ」を完全にシャットアウトできます。また、手持ちのワイヤレス送信機(プラグオントランスミッター)と組み合わせることで、ケーブルの引き回しが不要な完全ワイヤレスの超高機動型インタビューシステムを構築することも可能です。
金字塔マイクの導入で実現するプロクオリティの音声コンテンツ制作
デジタル音声コンテンツやWebメディア、YouTube動画の需要が爆発的に高まる現代において、「音質のクオリティ」はコンテンツの視聴維持率を左右する最重要ファクターの一つです。インタビューマイクの金字塔であるSHURE(シュアー)のSM63シリーズを導入することは、視聴者にストレスを与えない「放送局品質」の音声を獲得することを意味します。プロが認めた耐久性、ハム音対策、そして人の声を最も美しく捉える音響特性を味方につけ、一歩先を行く高品質な音声・映像コンテンツ制作へとステップアップしましょう。
