映像伝送機の「最大伝送距離」は、カタログで一番目立つ数字で、一番あてにならない数字でもあります。見通しの良い場所で、混信がなくて、という条件が付く。だから実際に飛ばした人の記録が貴重です。
システムファイブのビデオアドバイザーの方が、初代 SDR Transmission を試したのと同じ相模湖で、2を同じ2kmの距離で飛ばしています。初代のときは「辛くも成功」だったのが、2では「歩いても動いても大丈夫だった」。この比較が、同じ場所・ほぼ同じ季節でできているのが、この動画の価値です。
※この動画はパンダスタジオの動画ではありません。「システムファイブ」さんの公開動画を、参考になった動画として紹介しています。
見どころは9分過ぎからの湖上テスト。対岸の受信側を奥様が見ていて「カクついてないの?」「素人目にはカクついているようには見えない」「船が映ってる」というやり取りが、そのまま実測の記録になっています。もう一つは4〜6分、Osmo Pocket 4 を USB-C で送信機に挿して、モニターに映像が出るまで。遅延も「スイッチャーで使えるくらい」と映像で見せています。
動画で使っている DJI SDR Transmission 2 コンボ は、パンダスタジオレンタルで取り扱いがあります。湖はなくても、自分の会場で「本部まで届くか」を確かめる使い方がそのままできます。
→ DJI SDR Transmission 2 コンボ:
外観で変わったこと:TX/RX兼用、折りたたみアンテナ、外せるバッテリーホルダー
初代と比べて投稿者が挙げていた変化です。
- 送信機と受信機の区別がなくなり、1台のスイッチでTX/RXを切り替える。後述のSDIキットの話で効いてくる
- 4K60p・10bit HDRの伝送に対応(投稿者自身は使わないが、HDR撮影の人には刺さる、と)
- アンテナが折りたたみ式になり、ケースにしまうときに1本ずつ外さなくていい。折れて壊れる心配も減った
- バッテリーホルダーが外せて、外すとかなり軽い。USB-C PD給電でも動く
- 操作はボタンなしのタッチスクリーン。電源を入れてTX/RXを設定してペアリングを押すだけ
SDR1よりかなり小さくなった、というのは当社で両方触った感覚でも同じです。カメラの上に載せたときの存在感が違います。
Osmo Pocket 4/4P の映像が、USB-C 1本で飛ぶ
入力端子はHDMIとUSB-C。このUSB-Cが、ディスプレイポート経由の映像入力に対応していて、Osmo Pocket 4 の映像がそのまま入る、と動画で実演しています。送信機と受信機の電源を入れると、一度ペアリングしてあれば即座に繋がり、受信側にはビットレート(50Mbps前後と表示)、送信側には接続中の受信機の台数が出る。
投稿者は「Osmo Pocket 4、4P、Osmo Action 5 Pro と 6 も対応しているはず」と言っていました(推定表現のまま引用します)。「この手の小型機の映像を飛ばしてスイッチャーに入れたい、という要望は絶対ある」という読みは、当社の問い合わせとも一致します。
スマホが「簡易バックアップレコーダー」になる
ここは僕が一番感心した部分です。受信側はモニターだけでなく、スマホにも映像を飛ばせる。スマホ側で DJI Ronin アプリを使うと、映像を表示するだけでなくRECボタンで録画できる。つまり送信機とスマホを繋いで録画を回しておけば、スマホが簡易的なバックアップレコーダーになる。音声も飛んでいるので、スマホにBluetoothイヤホンを繋げば音声モニタリングもできる、と。
さらに受信機を複数持てば、1台はモニター、1台はクライアントに渡して「自分のスマホで見てください」ができる。最大8台まで。複数のオペレーターがいる現場でのコミュニケーションツールとして使える、という説明でした。
この機材が向いていそうな人・現場
- 運動会や花火大会で、グラウンドの端や堤防のカメラの映像を、本部テントのモニターとスマホで見たい自治体・学校のイベント担当
- Osmo Pocket 4P で撮った映像を、ケーブルを引かずにスイッチャーに入れたい小規模配信の人
- ジンバルを使うワンオペ撮影で、クライアントに手元のスマホで映像を確認してもらいたい人
相模湖で2km。FHD 30pで、歩いても動いても大丈夫だった
検証の条件は動画内の説明によると、カメラをFHD 1080/30pに設定(公称4kmはこの条件のときのみ、と投稿者の推定)、送信側は投稿者がカメラの上に送信機を載せて持ち、受信側は対岸で一脚に付けて奥様が確認。湖上は電波が水面で吸収・拡散されて飛びにくい場所、とのこと。
結果は「手を振るのもスムーズに見える」「船もヨットも映る」「接続もかなり早かった」。受信側に「接続が弱くなっているかも」のアラートは出たが、送信側には出ず。初代のときは送受信機をきちんと正対させないと厳しかったのが、2では多少歩いたり動いたりしても大丈夫だった。投稿者は「圧倒的に安定しているように思った」と総括しています。
僕の読み方を書くと、これは「4km飛ぶ」の証明ではなく、「初代が限界だった2kmを、2は余裕を持って通過した」という証明です。自分の会場が数百mなら、相当な余裕があると考えていい。
引っかかったこと:バッテリー、残量表示、SDI、インカム
褒めるだけでなく、投稿者が気になった点も明確でした。
- バッテリー消費がそこそこ速い。Lバッテリーなら750以上を推奨。570では体感1時間程度(投稿者の体感)。USB-C PDでモバイルバッテリー運用もできるので、用途で選ぶ
- バッテリー残量のインジケーターがない。減るとローバッテリーの警告は出るが、どのくらい持つかが分かりにくい。「4段階でいいから出してほしい」
- 本体はHDMIのみ。SDIは別売りのエクスパンション・アクセサリーキットで足す。TX/RX兼用のおかげで、「入力はHDMI、出力だけSDI」ならキット1個で済む。両方SDIなら2個
- 初代にあった、イヤホンマイクを繋いでインカムにする機能がなくなった(投稿者は「ほぼ使っている人を見たことがないので気にならない」)
バッテリーの件はレンタルで一番効きます。当社で借りる場合も、Lバッテリーは大きめのものを一緒に、またはUSB-C PD対応のモバイルバッテリーを、というご案内になると思います。
持ち帰り用:屋外会場で借りる前の準備チェック
| 項目 | 確認・準備 | 根拠(動画内) |
|---|---|---|
| 伝送距離 | 会場の最長距離を地図で測る。数百mなら余裕 | 湖上2kmで安定 |
| 画質設定 | 遠くへ飛ばすならFHD 30p。4Kは近距離向き | 投稿者の検証条件 |
| バッテリー | NP-F750以上、またはPD対応モバイルバッテリー | 570で体感1時間 |
| 残量管理 | インジケーターがないので時間で管理 | 投稿者の指摘 |
| 入力 | HDMIかUSB-C(DJI小型機)。SDIならキット | 本体はHDMIのみ |
| 受信側 | モニター+スマホ(DJI Ronin アプリ)。録画も回す | スマホがバックアップレコーダー |
→ このチェックを済ませてから借りるなら:
レンタルで試す価値があるところ
湖の上という条件は、たいていの会場より厳しいです。だからこの動画の結果は心強い。でもバッテリーの持ちと、自分の会場での混信は、自分で確かめるしかない。本番の前日に借りて、本番と同じ位置に送信機と受信機を置いて、1時間回しっぱなしにしてみる。それで電波と電池の両方が分かります。
DJI SDR Transmission 2 と周辺のレンタルはこちら
→ USB-Cで直接飛ばす相手、Osmo Pocket 4P:
→ ジンバル運用で映像を飛ばすなら(初代SDRとのセット):
用途別に探すなら
スイッチャーに無線で入れて配信・収録したい人
最新の入荷機材をチェックしたい人
→ 新着機材一覧
📦 湖で2km飛んだ機材は、グラウンドでは余裕がある。あとは電池。
前日に借りて、本番と同じ位置で1時間回す。それが一番確実な準備です。
