フェスやウェディングで「今日中に納品」と言われたとき、一番時間を食うのは編集ではなく、カメラマンからSDカードを集めて回って、プロジェクトに取り込むところです。3人のカメラマンが散っていたら、3回それをやる。
ソニー公式のレビュー動画で、映像作家の大川優介氏がまさにその話をしていました。PDT-FP1をカメラマン全員が持てば、撮った素材が自動でクラウドに上がり、控室にいるディレクターがそのまま編集を始められる。ただし最後に「今から100%で切り替えるかというと、切り替えない」とも言っている。その理由まで含めて参考になる動画です。
※この動画はパンダスタジオの動画ではありません。「Sony (Japan)」公式チャンネルの公開動画を、参考になった動画として紹介しています。
見どころは11分過ぎの実演。カメラをつないでいない状態で、Creators’ Appから「取り込む」を押し、さっき撮った4Kの10秒ほどの素材がPDT-FP1に入り、そのままクラウドに上がるまで。「今Wi-Fi繋がってないですからね」と念押ししながら見せています。
動画で紹介している SONY PDT-FP1 は、パンダスタジオレンタルで取り扱いがあります。au回線付きなので、この「クラウドに上がる」ところまで、回線契約なしでチームで試せます。
→ SONY PDT-FP1:
PDT-FP1の3つの特徴(ソニー公式の整理)
動画の冒頭で、特徴が3つに整理されています。
- 高速・広範囲をカバーする接続性
- 長時間安定して運用できる
- ソニー製カメラを使った、シンプルで快適なワークフロー
本体は6.1インチのディスプレイで約308g。LAN端子1つ、USB Type-C 2つ、HDMI 1つ。1/4インチのネジ穴があるので、外部モニターとしてカメラに載せることもできます。「人類が間違えたらこういうスマホになってた可能性はある」という例えが出てきますが、正面はほぼスマホ、横から見ると分厚い、というのが第一印象です。
①接続性:分厚さの理由はアンテナ
分厚いのには意味があって、アンテナの配置位置から最適化してあり、5Gを含む幅広いバンドに速く・遅延少なくつながる設計、とのこと。スマホよりも広範囲で速く、撮影データをクラウドに上げたり共同編集したりできる、というのが「このデバイスを使う理由」だと説明しています。
加えて、アップロード・ダウンロード時のネットワーク状況を可視化する「ネットワークビジュアライザー」というアプリがあります。重い素材の転送中に「今どのくらい進んだ」「途中でエラーが起きた」が見える。転送の心理的な不安をなくしてくれる、という評価でした。デュアルSIMなので、圏外や通信状況が悪いときは自動でSIMを切り替えてくれる、という説明もあります。
②長時間安定:冷却ファン+ヒートシンク、給電しながら転送
新しく開発された冷却ファンとヒートシンクを内蔵していて、重いデータを転送する高負荷でもパフォーマンスを確保する。大川氏が実際に使った範囲では、ファンが回っていてもうるさくなく、ノイズが入るようなこともなかった、とのこと。静かな環境で撮らなければいけないときも使える、という所感です。
正直なところも言っていて、単体で使っていると充電の減りが早い。「こんな感じで減ってくんだ、という印象があった」と。だからこそ給電しながらデータ転送できるようにUSB Type-Cが2つある、という設計を評価しています。バッテリーは5,000mAh、内蔵ストレージ256GB、microSDは1TBまで。
③ワークフロー:挿すだけで転送、初期設定は1回
USB Type-Cでソニーのカメラとつなぐと、Camera Wired Connectionというアプリが動いて転送が始まる。初期設定をしておけば、毎回設定し直すことなく、写真や動画を指定したクラウドに自動で送ってくれる。「動画クリエイターはもうソニーのカメラ一択というくらいみんな持っていると思うので、それをより強固にするプロダクト」という位置づけです。
即日納品の現場で、何が変わるのか
大川氏が「自分が当事者なので」と前置きして、一番いいと思った用途はイベント撮影・ウェディング撮影でした。
これまでのやり方:SDカードを集めて回る
ディレクター兼エディターとして控室にいて、カメラマンを2〜3名派遣。終わったらSDカードをもらって、わざわざ管理して、毎回プロジェクトに追加する。フェス系の撮影で3人のカメラマンが各自の持ち場に行き、素材を集めてすぐ編集して夕方に出す、というときに、これが一番効率を求められる作業だった、と。
PDT-FP1を使うと:撮ったら上がっている
各カメラマンがPDT-FP1を持つ(ここは初期コストがかかる、と明言)。持っていれば、撮影したデータが基本的にディレクターのPC、正確にはソニーのクラウドに上がってくるので、そこで編集できる。「撮影したらすぐアップされる」だけで、一番効率が求められる部分がなくなる、というのが大川氏の評価でした。
持ち帰り用:即日納品ワークフローの比較
| これまで(SDカード回収) | PDT-FP1(自動アップロード) | |
|---|---|---|
| カメラマン側の作業 | 撮影終了後にカードを渡す | 初期設定後は撮るだけ(カメラとPDT-FP1をUSB-Cで接続) |
| ディレクター側の作業 | カードを受け取り、コピーし、プロジェクトに追加 | クラウド上の素材をそのまま編集 |
| 素材が手元に来るタイミング | 各カメラマンの撮影が終わってから | 撮影中から順次 |
| 必要な機材 | カードリーダー、PC | PDT-FP1(カメラマンの人数分)、対応するソニーカメラ、クラウドのプラン |
| 制約 | 移動と回収の時間 | ソニーのカメラ限定、クラウドの容量制限、回線状況 |
→ まずカメラマン1人分から試すなら:
このワークフローが向いていそうな人・現場
- フェスやスポーツイベントで「夕方に速報版を出す」納品をしていて、カメラマン3人分のカードを自分で集めている制作会社のディレクター
- ウェディングのエンドロール(当日上映)を作っていて、挙式の素材が披露宴中に手元に来てほしいエディター
- 報道や広報で、現場から素材を社内の編集担当にすぐ渡したい、でもエンコーダーを持ち歩くほどではない担当者
引っかかったこと:大川氏が「100%は切り替えない」と言った理由
ソニー公式の動画なのに、感想のまとめが「今から100%で切り替えるかというと、切り替えない」から始まります。理由は2つ。
1つ目は、ソニーのエコシステムだから。いろいろなメーカーとの仕事があり、ソニーのカメラしか使えないソリューションであることは念頭に置く必要がある、と。
2つ目は、クラウドの容量。チームが運用しているデータ量がそもそも大きく、ソニーのクラウドで使える容量には一定の制限がある。今はすべてのプロジェクトを別のクラウドストレージで一元管理しているので、プロジェクトだけ引っ張り出してソニーのクラウドで使う、ということができない。「今後この許容量が増えれば増えるほど、間違いなく運用する」とも言っています。
僕が参考になったのは、この2つが「機材の良し悪し」ではなく「チームの運用と合うか」の話だったことです。つまり、PDT-FP1を入れるかどうかは、スペックを読んでも決まらない。自分のチームの素材量と、使っているカメラと、クラウドの置き場で決まります。
ソニーカメラと一緒に試すなら
動画内で大川氏がつないでいたのはα7 IVでした(字幕からの推定)。同じ組み合わせで「撮って、取り込んで、クラウドに上がる」までを1度通してみると、自分のチームでの所要時間が分かります。
→ SONY α7 IV(ボディのみ):
レンタルで試す価値があるところ
このワークフローは、「上がる」ことより「自分の現場で、必要な速さで上がるか」が問題です。会場の電波、4K素材のサイズ、クラウドの容量、編集者の待ち時間。大川氏が言う「初期コスト」を払う前に、1人分だけ借りて本番と同じ日程で回してみれば、チームに入れるかどうかの判断材料が揃います。
回線付きなので、SIMの手配も不要。カメラマン1人にPDT-FP1を持たせて、ディレクターは控室でクラウドを見ている。それだけで、この動画で言っていることが自分たちに当てはまるか分かります。
用途別に探すなら
ソニーのカメラをまとめて見たい人
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📦 「SDカードを集めて回る」をやめられるか、1人分から試す。
チームの運用に合うかどうかは、スペック表ではなく現場で決まります。
→ SONY PDT-FP1:
