天の川をDaVinciで現像する。星景写真のワークフロー全部見せ|DRUMダイジェスト〈D6〉
「DaVinciのフォトページって、星景写真に使えるの?」——写真家の森脇先生からのその質問に、星景写真を専門にしている講師が、天の川のRAWを開いて最初から最後まで実演したのがこの回です。フォトページで下ごしらえをして、途中からカラーページにバトンタッチする。実際の現像フローがそのまま見られる、シリーズの中でもかなり実用的な回です。
「空の色は青か、黒か」という写真好きなら一度は言い合う話にも、はっきりした答えが返ってきます。そこも見どころです。
この動画でわかること
- 星景のホワイトバランスを「どこに合わせるか」の考え方
- レンズ補正・周辺減光・ノイズリダクションの、星景ならではのさじ加減
- 円形マスク/グラデーションマスクで、空と地上を分けて仕上げる手順
- 「夜空は黒じゃないの?」への、星の色から導いた答え
まずホワイトバランス。基準は空
星景の現像は、ホワイトバランスから始まります。実演で示された考え方はこうでした。
「基本的にニュートラルグレーを目指して、最終的にはちょっと青寄りだといいのかな、みたいな」
空の色がニュートラルグレーに近いところをまず狙い、そこから自分の仕上げに寄せていく。色温度を動かして波形の揃うところを探す、というやり方です。〈D3〉で扱ったスコープの強みが、そのまま効いてくる場面でもあります。
レンズ補正・周辺減光・ノイズの、星景ならではのさじ加減
- レンズディストーション補正はオフ:オンにすると画面の両サイドが引っ張られてしまうため、基本は切っておく。
- 周辺減光(ビネット)は必ず補正する:ただしフォトページのビネットだけでは足りないことが多く、あとでカラーページで追い込む。
- ノイズリダクションは20前後:上げすぎると空のディテールが失われる。シャープさを保つためにノイズをあえて少し残す。
そこからハイライトで明るすぎるところを抑え、シャドウで暗部を起こし、彩度はがっつり上げる(撮影時にコントラストを低めのフラット寄りで撮っているため)。最後にミッドトーンディテール(明瞭度)でキュッと締める。ここまでがフォトページでの下ごしらえです。
ここからカラーページ——空と地上を分ける
星景写真は、空と地上風景でホワイトバランスがバラバラのミックス光になるのがほとんど。空に合わせると地上の色が転ぶ。だからここから先はカラーページの仕事になります。
円形マスクで天の川だけ強める
ノードを追加して、円形のマスクをかけます。ポイントは境界のぼかしを大きめに取ること。「ここだけやりました感」が出ないようにするためです。光が当たっていない=ノイズの多いところはそのまま残し、天の川のあたりだけミッドトーンディテールと彩度を強めに。オン・オフで比べると効果がはっきり分かります。
グラデーションマスクで隅の色かぶりを直す
画面左下に緑かぶりが出ていたので、四角いグラデーションマスクでその領域だけを選び、〈D5〉で出てきたカラースライスで緑を落とす。局所的な色かぶりは、この組み合わせで処理できます。
AIノイズリダクションはサンプリング位置に注意
解析のサンプリング位置は自動で決まるので、ノイズが多すぎるところを基準に取ってしまうと、他のディテールが破綻することがある。他の場所に影響が出ていないかを毎回チェックする、という運用でした。
ピボットでコントラストの支点を選ぶ/周辺減光はマスク+反転
コントラストを付けるときは、DaVinciのピボットが効きます。空に付けたいのか、地上風景に付けたいのか——支点を選べるので狙ったところだけ締められます。周辺減光の追い込みは、円形マスクで中心を選んでから反転させ、周辺部だけの明るさを持ち上げる。マスクを小さめにすると効果が分かりやすく、過補正も避けられます。
「夜空は黒じゃないの?」への答え
この回でいちばん印象に残ったのがここでした。森脇先生の「空の色、黒じゃないのっていう人もいるじゃない。どう指導してるの?」という問いに対して——
「基本的に星空の色って全部太陽光なんですよ。映ってる点々が全部太陽なので」
ホワイトバランスを太陽光で撮ったときの色が、おそらく純粋な星の色。星ひとつひとつに色があり、天の川にも色(イエロー)がある。だから青くしすぎると、その色を潰してしまう。
そのうえでの結論が「やや青め」。他の星の色や天の川のイエローを残しつつ、少し青く感じるくらいで処理する。海外の写真仲間から「日本の星景写真はどうしてこんなに青いの?」と言われた経験も踏まえた、差別化の意図も含むスタイルとのことでした。
星景をDaVinciで現像するために
この回の後半で使っているマスク・ノード・AIノイズ除去まわりを一通り使うなら、DaVinci Resolve Studioがあると安心です。
→ USBドングル版:
→ ライセンス版:
なぜ星景こそ「借りて試す」のが向いているか
星景は、機材の当たり外れがそのまま作品に出るジャンルです。しかも遠征しないと試せない。買ってから「これじゃなかった」がいちばん痛い撮影とも言えます。
- 明るい広角単焦点で、四隅の星がどう写るのか(点になるか、伸びるか)
- 寒い夜に何時間もインターバルを回すバッテリーが本当に足りるのか
- 撮影地でRAWを吸い出すストレージの速度と容量は足りるのか
- そのカメラのRAWが、DaVinciのフォトページで開けるのか
とくに最後の1つは、〈D1〉でも触れたとおりメーカー・機種によって対応状況が違います。遠征前に、機材とソフトの組み合わせを一度レンタルで通しておくのが確実です。
→ 星景の定番になる明るい広角単焦点(Lマウント):
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→ 一晩まわすためのポータブル電源:
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この回が向いている人・現場
- 星景・天の川を撮っていて、現像のワークフローを固めたい人
- Lightroom以外の選択肢を探している星景・風景写真家
- タイムラプスをやっていて、写真と動画を同じソフトで扱いたい人
- 高感度ノイズと解像感のバランスに毎回悩んでいる人
用途別に見るなら
星空・夜景を撮りに行く人
明るい広角レンズ、電源、ストレージの3点セットが基本装備です。
→ 新着機材一覧
→ Panasonic(パナソニック) 製品一覧(軽いシステムで遠征したい人に)
まとめ
空を基準にホワイトバランスを取り、ディストーション補正は切り、ノイズは残しすぎず消しすぎず。そこからカラーページで、円形マスクとグラデーションマスクを使って空と地上を分けて仕上げる。フォトページで下ごしらえ、カラーページで追い込みという役割分担がはっきり見える回でした。
そして「星空の色は全部太陽光」という一言。青くするか黒くするかではなく、星が持っている色をどこまで残すか——という視点は、星景を撮る人でなくても効いてくる考え方だと思います。次の〈D7〉では、写真と動画を混ぜて編集するときのファイル管理に進みます。
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出典:DRUM(DaVinci Resolve User Meeting)ダイジェスト「D6 星景写真現像ワークフロー」
動画:https://www.youtube.com/watch?v=Bqlqc-8HCmA
※本記事は動画内容を当社スタッフがまとめたものです。数値や機能名は音声からの聞き取りを含むため、公開前に最終確認してください。掲載のレンタル商品は商品一覧(2026-07-02版)でIDの実在を確認済みです。
