近年、ライブ配信やオンラインイベントの需要が急増する中で、複数台のPTZカメラを効率的かつ正確に制御するシステムの重要性が高まっています。特にプロフェッショナルな映像制作の現場では、機材のセットアップにかかる時間を短縮し、オペレーションのミスを最小限に抑えることが求められます。こうした課題を解決する革新的なソリューションとして注目を集めているのが、Lilliput(リリプット)の「K2-N」PTZカメラジョイスティックコントローラーです。本記事では、PoE対応による配線の簡略化をはじめ、5インチタッチスクリーンや4Dジョイスティックを活用した直感的な操作性、NDIやVISCAといった多様なプロトコルへの対応など、リリプットK2-Nがもたらすリモートカメラ制御の圧倒的な効率化について詳しく解説します。
リリプットK2-Nとは?PTZカメラ制御を革新する次世代コントローラー
Lilliput(リリプット)ブランドの信頼性と実績
Lilliput(リリプット)は、長年にわたりプロフェッショナル向けの映像機器やモニター市場で高い評価を得ているグローバルブランドです。放送局から企業の映像制作部門まで、幅広い現場で採用されている実績があり、その高い耐久性と革新的な技術力は多くのクリエイターから支持されています。特に近年は、ライブ配信やリモートプロダクションの需要拡大に伴い、PTZカメラやその周辺機器の開発に注力しており、現場の声を反映した実用的な製品を次々と世に送り出しています。Lilliputが培ってきた映像処理技術とハードウェア設計のノウハウが結集された製品の一つが、次世代のカメラ操作卓として開発された「K2-N」ジョイスティックコントローラーです。このデバイスは、単なる操作端末の枠を超え、複雑化する映像制作システムの中核を担う信頼性の高いハブとして機能します。
K2-Nが解決するリモートカメラ操作の課題
従来のPTZカメラ制御システムでは、複数台のカメラを管理するために膨大なケーブル配線が必要となり、セットアップに多大な時間と労力を要していました。また、異なるメーカーのカメラを混在させる場合、プロトコルの違いによる互換性の問題が発生し、統合的な制御が困難になるという課題も存在しました。リリプットK2-Nは、これらの課題を根本から解決するために設計されたリモートカメラコントローラーです。IP制御をベースとし、NDIやVISCA、ONVIFといった主要なプロトコルを網羅することで、ネットワーク経由でのシームレスな複数カメラ管理を実現します。さらに、直感的な操作を可能にするインターフェースを採用することで、専門的な技術を持たないオペレーターでも、複雑なパン・チルト・ズーム操作をスムーズに行えるようになり、現場の省力化に大きく貢献します。
ライブ配信や映像制作におけるカメラ操作卓の重要性
高品質なライブ配信や映像制作において、視聴者を惹きつけるダイナミックな映像表現は不可欠です。これを実現するためには、被写体の動きに合わせてカメラアングルを瞬時に調整し、適切なタイミングで映像を切り替える高度なカメラワークが求められます。ここで重要になるのが、オペレーターの意図を正確かつ遅延なくカメラに伝える「カメラ操作卓」の存在です。キーボードやマウスによるソフトウェア制御では限界がある微細な速度調整や、複数の動作を同時に行う複雑な操作も、専用のハードウェアコントローラーであれば直感的に実行可能です。特に生放送の現場では、一瞬の操作ミスが致命的な放送事故につながるため、確実なフィードバックと高い操作性を備えたリリプットK2-Nのようなプロフェッショナル向けコントローラーの導入は、コンテンツの品質を担保する上で極めて重要な投資となります。
プロフェッショナルな現場で選ばれる4つの理由
リリプットK2-Nが多くの映像プロフェッショナルから選ばれる理由は、主に4つの圧倒的な強みに集約されます。第一に、PoE対応による配線の劇的な簡略化です。電源と制御ネットワークをLANケーブル1本に統合できるため、設営撤収の負担が大幅に軽減されます。第二に、5インチタッチスクリーンと4Dジョイスティックの融合による直感的な操作性です。リアルタイムプレビューを確認しながら、指先一つで精密なカメラワークを実現します。第三に、NDIやVISCAをはじめとする多様なプロトコルへの対応力であり、既存のシステムに柔軟に組み込むことが可能です。そして最後に、最大数十台規模の複数カメラ管理を単一のデバイスで完結できる拡張性の高さです。これらの要素が組み合わさることで、K2-Nはあらゆる配信現場のニーズに応える最強のソリューションとして位置づけられています。
PoE対応がもたらす4つのメリットと配線の簡略化
電源とネットワークをケーブル1本で統合するPoE技術
PoE(Power over Ethernet)技術は、映像制作現場のインフラ構築に革命をもたらしました。リリプットK2-NはこのPoEに標準対応しており、対応するネットワークスイッチとLANケーブル1本で接続するだけで、データ通信と電力供給の両方を同時に行うことができます。従来のように、コントローラーの設置場所ごとに専用のACアダプターや電源タップを用意する必要がなくなるため、配線周りが非常にスッキリとします。特に、限られたスペースでのオペレーションが求められる仮設の配信現場や、コンセントの位置に制約があるホール施設などにおいて、この電源統合のメリットは計り知れません。シンプルかつスマートな結線は、現場の美観を保つだけでなく、設営スタッフの作業負荷を劇的に軽減する重要な要素となります。
複雑な配線作業の削減によるセットアップ時間の短縮
ライブ配信やイベント収録の現場では、限られた時間内で確実なシステム構築を行うことが求められます。機材の数が増えるほど配線は複雑化し、セットアップにかかる時間は指数関数的に増加します。しかし、PoE対応のリリプットK2-Nを導入することで、配線作業の手間は最小限に抑えられます。LANケーブルをスイッチングハブに接続するだけで即座に起動し、ネットワーク上のPTZカメラを自動または手動で迅速に認識するため、従来のような複雑なシリアルケーブルの引き回しや電源確保の工程を省略できます。このセットアップ時間の短縮は、リハーサルやカメラの画角調整といった、よりクリエイティブで重要な作業に時間を割くことを可能にし、結果としてプロジェクト全体の進行をスムーズにするという大きなビジネスメリットをもたらします。
ライブ配信現場でのトラブルリスクを低減する安定性
生放送の現場において最も恐れるべき事態は、機材の電源喪失やケーブルの接触不良による制御不能トラブルです。複数のケーブルが入り乱れる環境では、スタッフが誤ってケーブルを引っ掛けて抜いてしまうリスクが常に付きまといます。リリプットK2-NのPoE接続は、ケーブルをLANケーブル1本に集約することで物理的な障害ポイントを減らし、こうしたトラブルの発生確率を大幅に低減します。また、業務用のPoEスイッチと組み合わせることで、安定した電力供給と高品質なデータ通信が担保されるため、長時間の連続運用でもコントローラーがフリーズしたり、カメラとの通信が途絶えたりするリスクを最小限に抑えることができます。この高いシステム安定性は、絶対に失敗が許されないプロフェッショナルなライブ配信現場において、オペレーターに大きな安心感を与えます。
機材配置の自由度を飛躍的に高めるIP制御の恩恵
従来のRS-232やRS-422といったシリアル通信ベースの制御では、ケーブルの延長距離に厳しい制限があり、カメラとコントローラーの物理的な配置が大きく制限されていました。しかし、PoEとIP制御を組み合わせたリリプットK2-Nであれば、LANケーブルの規格上、最大100メートルの長距離接続が容易に行えます。さらにネットワークインフラを活用すれば、別室のコントロールルームや、さらには遠隔地からでも会場内のPTZカメラを操作することが可能です。これにより、オペレーターは現場のノイズや動線に煩わされることなく、最も集中できる環境にカメラ操作卓を設置できるようになります。機材配置の自由度が飛躍的に高まることで、より効率的で安全なオペレーション環境の構築が実現し、多様化する現代の配信スタイルに柔軟に対応することが可能となります。
5インチタッチスクリーンと4Dジョイスティックによる直感的な操作性
パン・チルト・ズームを正確に制御する4Dジョイスティック
PTZカメラの魅力を最大限に引き出すためには、滑らかで正確なパン(左右)、チルト(上下)、ズーム(拡大・縮小)の操作が不可欠です。リリプットK2-Nに搭載されている4Dジョイスティックは、オペレーターの指先の微細な動きを忠実に読み取り、カメラのモーターへと遅延なく伝達します。スティックを傾ける角度によって移動速度を直感的にコントロールできるため、ゆっくりとした情緒的なパンニングから、瞬時に被写体を捉える高速なフレーミングまで、自由自在なカメラワークが可能です。さらに、スティックを回転させることでズームイン・ズームアウトを行う機能(4D制御)を備えており、片手だけでPTZの3軸すべてを同時にコントロールできるため、もう一方の手で別の操作を行う余裕が生まれ、ワンマンオペレーション時の作業効率を飛躍的に向上させます。
リアルタイムプレビューを可能にする5インチ高精細モニター
リリプットK2-Nの最大の特徴の一つが、本体に内蔵された5インチの大型タッチスクリーンです。この高精細モニターは、単なる設定画面としてだけでなく、ネットワーク経由で受信したカメラの映像をリアルタイムプレビューする機能を持っています。従来、カメラの画角を確認するためには別途プレビュー用のモニターを用意する必要がありましたが、K2-Nであれば手元の画面で直接映像を確認しながらジョイスティック操作を行うことができます。これにより、オペレーターの視線移動が最小限に抑えられ、より被写体に集中した精度の高いフレーミングが可能になります。手元で映像のフォーカスや色彩、アングルを即座に把握できるこの機能は、特にスピードが求められるライブ配信やスポーツ中継の現場において、絶大な威力を発揮します。
複雑な設定も画面上で完結するタッチパネルインターフェース
多機能なカメラコントローラーは、その設定項目も多岐にわたるため、操作が煩雑になりがちです。しかし、リリプットK2-Nは5インチのタッチパネルを採用することで、スマートフォンのような直感的でわかりやすいユーザーインターフェースを実現しています。IPアドレスの入力やプロトコルの選択、カメラの追加といった初期設定から、ホワイトバランスや露出、フォーカスなどの詳細なカメラパラメーターの調整に至るまで、すべて画面上のタッチ操作でスムーズに完結します。物理ボタンやダイヤルの階層メニューを深く潜る必要がなく、視覚的なアイコンとわかりやすいメニュー構成によって目的の設定に素早くアクセスできるため、機材に不慣れなスタッフでも短時間のトレーニングで即座に運用を開始できるという大きな利点があります。
オペレーターの負担を軽減する人間工学に基づいたデザイン
長時間のライブ配信や収録において、オペレーターの肉体的な疲労は集中力の低下を招き、操作ミスにつながる危険性があります。リリプットK2-Nは、プロフェッショナルの過酷な使用環境を想定し、人間工学に基づいた筐体デザインを採用しています。手首を自然な角度で預けられる適度な傾斜、指にフィットするジョイスティックの形状、そしてブラインドタッチでも押し間違いを防ぐように適切に配置された物理ボタン群など、細部にわたって使いやすさが追求されています。また、堅牢なメタルボディは操作時の安定性を高め、激しいジョイスティック操作でも本体がずれることがありません。これらの設計思想により、オペレーターは長時間の業務でもストレスなくカメラ操作に専念でき、常に高品質な映像コンテンツを安定して提供し続けることが可能になります。
NDI・VISCA・ONVIF対応が実現する4つの高度なシステム連携
NDIプロトコルによる低遅延かつ高品質な映像伝送
現代の映像制作ネットワークにおいて、デファクトスタンダードとなりつつあるのがNDI(Network Device Interface)プロトコルです。リリプットK2-NはNDIに完全対応しており、ネットワーク上のNDI対応PTZカメラを自動的に検出し、即座に制御と映像プレビューを開始することができます。NDIの最大の強みは、一般的なギガビットイーサネット環境において、極めて低遅延かつ視覚的損失のない高品質な映像伝送を実現できる点にあります。K2-Nの5インチモニターでのリアルタイムプレビューも、このNDIの恩恵を受けており、操作と映像のズレを感じさせないスムーズなモニタリングを提供します。これにより、従来のSDIやHDMIケーブルに依存しない、完全なIPベースの洗練された映像制作ワークフローを構築することが可能となります。
VISCA over IPを活用した精密なリモートカメラ制御
放送局やハイエンドな映像制作現場で長年標準的に使用されてきたVISCAプロトコルも、IPネットワーク向けに最適化された「VISCA over IP」としてリリプットK2-Nに実装されています。VISCA over IPを使用することで、ネットワーク経由でありながら、従来のシリアル接続と同等以上の極めて精密で応答性の高いカメラ制御が可能になります。パン・チルトの微細な速度調整や、フォーカス、アイリス、シャッタースピードといった詳細なカメラパラメーターへのディープなアクセスが実現し、映像のトーンを厳密にコントロールする必要がある現場の要求に完璧に応えます。K2-NのジョイスティックとVISCA over IPの組み合わせは、まさにプロフェッショナルのための妥協のない操作環境を提供するものです。
ONVIF対応による多様なメーカー製PTZカメラとの互換性
システム構築において、特定のメーカーの機材に縛られる「ベンダーロックイン」は、拡張性やコスト最適化の観点から避けるべき課題です。リリプットK2-Nは、ネットワークカメラの国際標準規格であるONVIF(Open Network Video Interface Forum)をサポートすることで、この問題をクリアしています。ONVIF対応により、Lilliput製のカメラだけでなく、他社製の様々なPTZカメラやネットワークカメラを同一のコントローラー上で統合管理することが可能になります。これにより、既存の設備を活かしながら段階的にシステムをアップグレードしたり、用途に合わせて最適なカメラを自由に組み合わせて導入したりする柔軟なシステム設計が実現し、投資対効果を最大化することができます。
RS-232やIP制御を組み合わせたハイブリッドな運用構築
完全なIP化が進む映像業界ですが、現場によっては既存のレガシーな機材を継続して使用する必要があるケースも少なくありません。リリプットK2-Nは、最新のIP制御(NDI、VISCA over IP、ONVIF)に対応するだけでなく、背面にRS-232やRS-422/485といった従来のシリアル通信ポートもしっかりと備えています。これにより、IPネットワークに対応していない旧型のPTZカメラと、最新のIP対応カメラを一つのコントローラーで同時に制御するハイブリッドな運用環境を構築することが可能です。過渡期にあるシステム環境において、過去の資産を無駄にすることなく最新技術の恩恵を享受できるK2-Nの幅広いインターフェース設計は、企業のシステム管理者にとって非常に心強い仕様と言えます。
複数カメラ管理を効率化するライブ配信向け4つの機能
大規模なライブ配信を支える複数カメラの一括管理
音楽ライブや大規模なカンファレンスなど、複数の視点から映像を届けるマルチカメラ配信において、カメラの管理は複雑を極めます。リリプットK2-Nは、ネットワーク上に存在する多数のPTZカメラを単一の操作卓で一括管理できる強力な機能を備えています。タッチスクリーン上のリストから操作したいカメラを瞬時に選択し、シームレスにコントロールを切り替えることが可能です。各カメラには個別のIPアドレスやプロトコルを割り当てて登録できるため、最大数十台規模のカメラネットワークであっても、迷うことなく的確な操作が行えます。この一元管理機能により、複数のオペレーターや複数のコントローラーを配置する必要がなくなり、省スペースかつ低コストで高度なマルチカメラシステムを運用することができます。
瞬時にカメラを切り替えるショートカットとプリセット機能
ライブ配信では、台本に合わせて即座に狙った画角へカメラを移動させる必要があります。手動のジョイスティック操作だけでは間に合わないような場面で活躍するのが、K2-Nの高度なプリセット機能です。あらかじめ特定のアングルやズーム倍率をプリセットとして記憶させておくことで、タッチパネルや物理ボタンをワンタッチするだけで、カメラが自動的かつ正確に指定の位置へ移動します。1台のカメラにつき多数のプリセットを保存できるため、登壇者の顔のアップ、ステージ全体の引きの画、特定の資料へのズームなど、必要なショットを事前にすべて仕込んでおくことが可能です。これにより、本番中のオペレーション負荷が劇的に下がり、カメラワークのミスを未然に防ぐことができます。
リアルタイムプレビューを活用した確実なアングル調整
複数台のカメラを運用する際、現在操作していないバックグラウンドのカメラがどのような映像を捉えているかを把握することは非常に重要です。リリプットK2-Nの5インチモニターによるリアルタイムプレビュー機能は、次に切り替える予定のカメラの映像を事前に手元で確認し、スイッチャーで本線に乗せる前に微調整を行う作業(いわゆる「ネクスト」の確認)を容易にします。これにより、「切り替えた瞬間に被写体がフレームアウトしていた」といった放送事故を確実に防ぐことができます。また、タッチスクリーン上でプレビュー映像を見ながら直感的にフォーカスや露出を合わせることができるため、常に最高の画質で視聴者に映像を届けるためのクリティカルな品質管理ツールとして機能します。
少人数でのオペレーションを可能にする自動化と省力化
昨今の映像制作現場では、予算や人員の制約から、少人数またはワンマンでのオペレーションが強く求められています。リリプットK2-Nは、そのような省力化のニーズに直結するデバイスです。スイッチャーの操作と並行して、片手でK2-Nのジョイスティックを操り、もう一方の手でプリセットボタンを押すといったマルチタスクが容易に行えるよう設計されています。複数カメラの制御、事前の画角設定、リアルタイムのプレビュー確認という、本来であれば複数のスタッフと機材が必要な作業を、このコンパクトなカメラ操作卓1台に集約できるのです。この圧倒的な効率化は、人件費の削減だけでなく、限られたリソースでもプロ品質のライブ配信を実現するための強力な武器となります。
リリプットK2-Nコントローラーが活躍する4つのビジネスシーン
企業カンファレンスやオンラインセミナーの映像収録
企業の株主総会や新製品発表会、オンラインセミナー(ウェビナー)といったビジネスイベントでは、プレゼンターの表情やスライド資料をクリアかつ効果的に伝えることが求められます。リリプットK2-Nを導入することで、会場の後方や側面に設置した目立たないPTZカメラを遠隔から静かに操作し、参加者の集中を削ぐことなくプロフェッショナルな映像収録が可能になります。PoE対応により、ホテルの宴会場や企業の会議室など、仮設の配線が難しい環境でもLANケーブル1本でスマートに設営できる点が大きなメリットです。また、プリセット機能を活用すれば、演台、パネルディスカッションの各パネリスト、質疑応答の席などへ瞬時にカメラを向けることができ、少人数の運営スタッフでもスムーズな進行をサポートします。
教会やコンサートホールなどの大規模イベント配信
教会での礼拝配信や、コンサートホールでの音楽ライブなど、厳かな雰囲気や芸術性が重視される空間では、カメラマンがステージ周辺を動き回ることが制限されるケースが多々あります。このような環境において、壁面や天井に固定されたPTZカメラと、別室からそれらを制御するリリプットK2-Nの組み合わせは理想的なソリューションです。4Dジョイスティックによる滑らかなカメラワークは、音楽のテンポに合わせた情緒的なパンニングやズームを可能にし、現場の臨場感を損なうことなく視聴者に届けます。さらに、NDIによる低遅延伝送とリアルタイムプレビューを活用することで、離れたコントロールルームからでもステージ上の細かな変化を逃さず捉えることができます。
放送局やスタジオにおけるプロフェッショナルな番組制作
放送局のニューススタジオや、YouTubeなどの高品質なネット番組の制作スタジオにおいても、PTZカメラと高性能コントローラーの導入が進んでいます。リリプットK2-Nは、VISCA over IPやRS-232/422といった放送業界標準のプロトコルに完全対応しており、既存のスタジオシステムにシームレスに統合することが可能です。5インチタッチスクリーンによる直感的なパラメーター調整機能は、スタジオの照明環境に合わせた厳密なカラーコレクションやアイリス調整を迅速に行う上で非常に有用です。複数カメラの統合管理と高い堅牢性を備えたK2-Nは、日々の過酷な番組収録に耐えうる信頼性の高いカメラ操作卓として、プロフェッショナルな現場の厳しい要求に応えます。
教育機関や医療現場での遠隔講義・リモートモニタリング
大学のハイブリッド講義や、医療機関における手術映像のライブ配信など、教育・医療分野でも映像技術の活用が急速に広がっています。リリプットK2-Nは、専門の映像スタッフが常駐していないこれらの現場でも、直感的なタッチパネル操作によって教員や医療スタッフが簡単にカメラを制御できる環境を提供します。例えば大講義室では、黒板の文字をズームしたり、学生の発表風景に切り替えたりする操作をプリセットで自動化できます。また、医療現場ではONVIF対応のネットワークカメラと連携し、複数ルームのモニタリングシステムの中核として活用することも可能です。PoEによる簡略化された配線は、衛生面や安全面が重視される環境においても、機材導入のハードルを大きく下げる要因となります。
リリプットK2-Nの導入手順と運用を成功させる4つのステップ
既存のPTZカメラやネットワーク環境との適合性確認
リリプットK2-Nを導入する際の最初のステップは、既存の機材およびネットワークインフラとの適合性をしっかりと確認することです。まず、制御対象となるPTZカメラがNDI、VISCA over IP、ONVIFのいずれかのプロトコルに対応しているか、あるいはRS-232等のシリアル接続が可能かをチェックします。次に、ネットワーク環境の確認です。複数台のカメラ映像をNDIで伝送し、PoEで電力を供給する場合、ネットワークスイッチには十分なPoE給電能力(PoE+など)と、大容量のデータ通信を処理できるギガビット対応の帯域幅が求められます。これらの要件を事前にクリアにしておくことで、導入後のボトルネックを防ぎ、K2-Nのパフォーマンスを最大限に引き出す基盤を構築することができます。
PoEスイッチを活用した効率的な初期セットアップ
機材の適合性が確認できたら、実際のセットアップに移行します。ここでPoE対応のメリットを最大限に活かすため、信頼性の高いPoEスイッチングハブを中心にネットワークを構築します。K2-N本体と各PTZカメラをLANケーブルでPoEスイッチに接続するだけで、すべての機材への電源供給とデータ通信ネットワークの構築が一度に完了します。コンセントの空き状況を気にすることなく、最適な位置に機材を配置できるため、設営時間は大幅に短縮されます。この際、ケーブルの品質(Cat5eやCat6以上)にも注意を払い、ノイズや断線による通信不良を防ぐことが、後の安定した運用につながる重要なポイントとなります。
IPアドレス割り当てと各プロトコル(NDI/VISCA)の設定
物理的な接続が完了した後は、K2-Nの5インチタッチスクリーンを使用してネットワーク設定を行います。同一ネットワーク内に接続された機材同士が正しく通信できるよう、K2-Nおよび各カメラに固有のIPアドレスを適切に割り当てます(DHCPによる自動割り当て、または固定IPの静的設定)。続いて、カメラごとに使用するプロトコルを選択します。NDI対応カメラであれば、ネットワーク上のNDIソースとして自動検出される機能を利用して素早く登録できます。VISCA over IPやONVIFを使用する場合は、カメラ側のIPアドレスとポート番号、認証情報(ユーザー名・パスワード)を入力して紐付けを行います。直感的なタッチインターフェースにより、これらの複雑な設定も画面の指示に従ってスムーズに完了させることができます。
運用開始前のテストとトラブルシューティングのポイント
本番環境での運用を開始する前には、必ず入念な動作テストとトラブルシューティングを実施します。K2-Nの4Dジョイスティックを操作し、登録したすべてのカメラが遅延なく正確にパン・チルト・ズームに応答するかを確認します。また、プリセット機能が正しく動作し、指定した画角へ瞬時に移動できるかもテストします。さらに、5インチモニターでのリアルタイムプレビューにブロックノイズや遅延が発生していないかを確認し、問題があればネットワークの帯域不足やIPアドレスの競合を疑い、スイッチの設定やケーブルの接続状態を見直します。万が一のトラブルに備え、カメラ本体の再起動手順や、K2-Nの工場出荷時リセットの方法をスタッフ間で共有しておくことで、本番中の不測の事態にも迅速に対応できる盤石な運用体制が整います。
FAQ
- Q1: リリプットK2-Nは他社製のPTZカメラでも使用できますか?
A1: はい、使用可能です。VISCA over IPやONVIF、NDIといった標準的なプロトコルに対応しているため、Lilliput製以外の多くのメーカーのPTZカメラと高い互換性を持っています。ただし、メーカー独自の特殊な機能については一部制限される場合があります。 - Q2: PoE給電を使用せず、ACアダプターで電源を取ることは可能ですか?
A2: 可能です。PoE環境がない現場でも使用できるよう、付属のDCアダプターによる電源供給にも対応しています。現場のインフラ状況に合わせて柔軟に給電方法を選択できます。 - Q3: 5インチモニターには複数のカメラ映像を同時に分割表示(マルチビュー)できますか?
A3: K2-Nのモニターは、基本的に選択中の1台のカメラ映像のリアルタイムプレビューを目的としています。マルチビュー表示が必要な場合は、別途配信用スイッチャーや専用モニターの併用を推奨します。 - Q4: 最大何台のカメラを同時に管理・制御できますか?
A4: IPネットワーク経由であれば、システム上、最大数十台以上のカメラを登録し切り替えて制御することが可能です。ただし、ネットワークの帯域幅やスイッチの性能によって実用的な台数は変動します。 - Q5: NDIを使用する場合、別途ライセンスの購入は必要ですか?
A5: リリプットK2-Nは標準でNDIプロトコルをサポートしており、コントローラー側で追加のライセンス費用は発生しません。ただし、接続するカメラ側がNDI|HX等のライセンスを必要とする場合は、カメラ側の仕様に依存します。
