リモート映像編集を効率化するBlackmagic Cloud Podの実力とは?機材貸出で徹底検証

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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

近年、映像制作や映画制作の現場において、リモートワークを取り入れた柔軟な制作体制が急速に普及しています。それに伴い、数テラバイトに及ぶ大容量の映像データを、離れた場所にいるチーム間でいかに効率的かつ安全に共有するかが、ビジネス上の大きな課題となっています。本記事では、Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)が提供する画期的なネットワークストレージ「Blackmagic Cloud Pod(クラウドポッド)」の実力と、DaVinci Resolveを活用した最新のクラウドワークフローについて徹底解説します。さらに、本格導入前に活用すべき機材貸出サービス(評価機)を利用した検証ステップや、ビジネスにもたらす具体的なメリットについても詳しく紐解いていきます。

Blackmagic Cloud Pod(クラウドポッド)とは?次世代ネットワークストレージの概要

Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)が提供する革新的なNASソリューション

Blackmagic Design(BMD)が開発したBlackmagic Cloud Podは、現代のプロフェッショナルな映像制作環境に最適化された次世代のネットワークストレージソリューションです。従来の大規模で高価なNAS(Network Attached Storage)システムとは一線を画し、デスクに収まるコンパクトな筐体でありながらエンタープライズクラスの性能を誇ります。特に、大容量のメディアファイルを日常的に扱う映画制作や放送局、ポストプロダクションにおいて、ファイル共有のボトルネックを解消するために専用設計されました。

このクラウドポッドは、単なるデータの保存先にとどまらず、グローバルに分散したチーム同士をシームレスに繋ぐコラボレーションのハブとして機能します。DaVinci Resolveなどのプロフェッショナル向け映像編集ソフトウェアとの親和性が極めて高く、複雑なITインフラを構築することなく、直感的かつ迅速にクラウドワークフローを導入できる点が最大の強みです。映像クリエイターがIT管理に煩わされることなく、純粋なクリエイティブ作業に集中できる環境を提供します。

手持ちのUSB-Cディスクを高性能なネットワークストレージ化する仕組み

Blackmagic Cloud Podの最も革新的な特長の一つは、ユーザーが既に所有しているUSB-Cディスクをそのまま高性能なネットワークストレージ(NAS)として活用できる点にあります。本体には2つの高速なUSB-Cポートが搭載されており、市販の外付けSSDやハードディスクを接続するだけで、即座にネットワーク経由でのファイル共有が可能になります。これにより、高価な専用ドライブや独自規格のストレージメディアを追加購入する必要がなくなり、大幅な初期導入コストの削減が実現します。

また、撮影現場で使用したUSB-Cディスクをそのままオフィスのクラウドポッドに接続するだけで、エディターやリモートワーク中のクリエイターが即座にデータへアクセスできる環境が整います。データのコピーや移動にかかる膨大な時間を大幅に短縮し、撮影から編集までのシームレスな移行を可能にするこの仕組みは、スピードと効率が求められる現代の映像制作ビジネスにおいて極めて強力な武器となります。

映像制作や映画制作に特化したクラウドワークフローの全体像

映像制作や映画制作のプロジェクトにおいて、Blackmagic Cloud Podは次世代のクラウドワークフローの中核を担います。撮影現場で収録された大容量のカメラオリジナルデータは、クラウドポッドに接続されたUSB-Cディスクに保存され、内蔵されたDropbox同期機能を通じてバックグラウンドで自動的にクラウドへアップロードされます。同時に、軽量なプロキシファイルが生成・共有されることで、世界中のどこにいるエディターでも即座に編集作業を開始することが可能です。

このワークフローにより、オフライン編集とオンライン編集の境界線が取り払われ、カラーグレーディングやVFX、MA(音声編集)などの各工程を並行して進めるコンカレント(同時並行)な制作体制が実現します。地理的な制約を受けずに最高水準のクリエイティブチームを編成できるため、制作のクオリティ向上とスケジュールの短縮を両立させる、未来型の理想的な制作環境を構築できます。

従来型のNASとBlackmagic Cloud Podのビジネスにおける決定的な違い

一般的なIT用途向けに設計された従来型のNASと、映像制作に特化したBlackmagic Cloud Podとでは、ビジネス上の導入効果や運用面において決定的な違いが存在します。従来型のNASは、複雑なアクセス権限の設定やネットワーク構築の専門知識を必要とし、大容量の映像データを扱う際には転送速度の低下や遅延が頻発しがちです。一方、Blackmagic Cloud Podは、IT専任者が不在のクリエイティブ部門でも容易にセットアップできるよう、設定プロセスが極限まで簡略化されています。

比較項目 従来型の汎用NAS Blackmagic Cloud Pod
初期設定・導入ハードル 高度なIT知識と複雑な設定が必要 専用アプリで直感的かつ数分で設定完了
ストレージの拡張性 専用HDDの購入やRAID再構築が必要 市販のUSB-Cディスクを挿すだけで即拡張
クラウド同期機能 サードパーティ製アプリの設定が必要 Dropbox同期機能がOSレベルでネイティブ統合
映像編集ソフトとの連携 汎用的なファイル共有のみ DaVinci Resolveとシームレスに連携

映像編集を加速させるBlackmagic Cloud Podの4つの主要機能

超高速なデータ転送を実現する10Gイーサネット接続の実力

Blackmagic Cloud Podは、プロフェッショナルな映像制作環境に不可欠な10Gイーサネットポートを標準搭載しており、大容量のメディアファイルを超高速で転送することが可能です。一般的な1Gイーサネット環境と比較して理論値で10倍の帯域幅を持つため、数テラバイトに及ぶ4Kや8Kの高解像度映像データであっても、ネットワーク越しのコピーや移動が極めて短時間で完了します。これにより、データ転送の待ち時間という非生産的なコストが大幅に削減されます。

特に、複数のエディターが同時に高解像度データにアクセスする環境下において、10Gイーサネットの恩恵は顕著に表れます。ネットワークのボトルネックによるコマ落ちや再生遅延を防ぎ、ローカルストレージに直接接続しているかのような滑らかな操作性を実現します。この圧倒的な転送速度は、納期の厳しいプロジェクトにおいてチーム全体の生産性を飛躍的に向上させる強固なインフラ基盤となります。

リモートワーク環境を支えるシームレスなDropbox同期機能

現代の多様な働き方に対応するため、Blackmagic Cloud PodにはDropboxと連携した強力な同期機能が内蔵されています。ユーザーは専用のセットアップ画面から自身のDropboxアカウントを紐付けるだけで、指定したフォルダ内のファイルが自動的にクラウドと同期されるようになります。この機能により、オフィスに設置されたクラウドポッドのデータと、リモートワーク中のスタッフのローカル環境が常に最新の状態に保たれます。

また、同期の優先順位や帯域幅の制限を柔軟に設定できるため、業務時間中のネットワークトラフィックを圧迫することなく、バックグラウンドで効率的にデータを転送できます。万が一、ローカルのストレージに障害が発生した場合でも、データは安全にDropbox上にバックアップされているため、ビジネスの継続性(BCP)の観点からも極めて有効なリスク管理ソリューションとして機能します。

ストレージ状況をリアルタイムで視覚化するHDMIモニタリング

Blackmagic Cloud Podの独自機能としてプロの現場で高く評価されているのが、専用のHDMIモニタリング出力です。本体のHDMIポートにテレビやPCモニターを接続するだけで、ストレージの稼働状況をグラフィカルかつ直感的に確認できるダッシュボードが表示されます。この画面では、ネットワークの転送速度、各USB-Cディスクの空き容量、Dropboxの同期ステータス、そして接続しているユーザーのアクセス状況などがリアルタイムで可視化されます。

従来のNASでは、管理画面にアクセスするためにPCのブラウザを開き、IPアドレスを入力してログインするという煩雑な手順が必要でした。しかし、HDMIモニタリング機能により、スタジオや編集室の壁掛けモニターに常にステータスを表示しておくことが可能となり、システムの異常や容量不足の兆候を瞬時に察知できます。この視覚的なフィードバックは、トラブルの未然防止と円滑なプロジェクト進行に大きく貢献します。

複数人での大容量ファイル共有を円滑にするUSB-Cディスク共有

Blackmagic Cloud Podの核心は、シンプルかつ強力なUSB-Cディスク共有機能にあります。撮影現場で収録を終えたSSDやハードディスクをそのままクラウドポッドに接続するだけで、ネットワーク上の全てのユーザーが即座にそのメディアにアクセスできるようになります。ファイルのインジェスト(取り込み)作業を省略できるため、撮影から編集への移行が驚くほどスムーズになります。

さらに、2つのUSB-Cポートを活かして、プロジェクトごとに異なるディスクを接続したり、容量が不足した際に新しいディスクを容易に追加したりといった柔軟な運用が可能です。MacおよびWindowsの双方から標準的なファイル共有プロトコル(SMB)でアクセスできるため、OSの異なる混成チームであっても互換性の問題に悩まされることなく、大容量ファイルのやり取りを円滑に行うことができます。

DaVinci Resolveと連携したクラウドワークフローの4つの利点

世界中のスタッフと共同作業が可能なリモート映像編集の実現

Blackmagic Cloud PodとDaVinci Resolveの組み合わせは、映像編集における真のコラボレーションを実現します。Blackmagic Cloudサービスを利用してプロジェクトライブラリをホストすることで、東京、ロサンゼルス、ロンドンなど、世界中に点在するエディター、カラリスト、オーディオエンジニアが同一のタイムライン上で同時に作業を行うことが可能になります。

クラウドポッドがメディアファイルの物理的な同期を担い、Blackmagic Cloudがプロジェクトデータ(メタデータ)の同期を管理するという役割分担により、変更履歴はリアルタイムで全員の画面に反映されます。誰かがクリップをカットすれば瞬時に他のスタッフの画面も更新されるため、バージョン管理の煩わしさやファイルの先祖返りといった人為的ミスを完全に排除し、地理的な壁を越えたシームレスなリモート映像編集環境を構築できます。

大容量データでも遅延なく処理できるマルチカム編集への対応

複数のカメラで同時収録された素材を扱うマルチカム編集は、ストレージに対する負荷が極めて高い作業です。Blackmagic Cloud Podは、10Gイーサネットによる広帯域幅と、DaVinci Resolveの高度なメディア管理機能の連携により、この過酷な要件をクリアします。高解像度のカメラオリジナルデータであっても、複数ストリームの同時読み出しを安定して実行し、コマ落ちのない滑らかなマルチカム再生を実現します。

また、ネットワークの帯域が限られているリモート環境においては、DaVinci Resolveが自動生成する軽量なプロキシメディアを活用することで、遅延のない快適な編集作業が可能です。クラウドポッドを通じてプロキシファイルのみを優先的に同期させる設定を利用すれば、自宅のインターネット回線でもスタジオと同等のレスポンスでマルチカム編集を進めることができ、作業効率を飛躍的に高めることができます。

プロキシメディアの自動生成とクラウド同期による作業時間短縮

Blackmagic Cloud Podを組み込んだワークフローでは、プロキシメディアの効果的な活用が作業時間短縮の鍵を握ります。DaVinci ResolveやBlackmagic Proxy Generatorを使用して生成された軽量なH.264やH.265のプロキシファイルは、クラウドポッドのDropbox同期機能によって迅速にクラウドへアップロードされ、リモートスタッフの環境へ即座に共有されます。

編集作業は軽量なプロキシファイルを用いてサクサクと進行し、最終的なレンダリングやカラーグレーディングの段階で、クラウドポッドに接続されたオリジナル(RAW)データへワンクリックで再リンクさせることができます。重いオリジナルデータの転送を待つことなく即座に編集に着手できるこの仕組みは、タイトな納期のプロジェクトにおいて絶対的なアドバンテージとなり、クリエイターがクリエイティブな作業に集中できる時間を大幅に創出します。

複雑なIT設定が不要で直感的に操作できるプロジェクト管理

映像制作の現場において、複雑なITインフラの設定や保守はクリエイティビティを阻害する要因となります。Blackmagic Cloud PodとDaVinci Resolveの連携は、ITの専門知識を持たないクリエイターでも直感的に扱えるよう設計されています。IPアドレスの固定やポート開放、複雑な権限設定などは一切不要で、専用のユーティリティソフトウェアから数回のクリックで初期設定が完了します。

プロジェクトの管理も極めてシンプルです。DaVinci Resolveのプロジェクトマネージャー画面から、ローカル、ネットワーク、クラウドのプロジェクトを統合的に管理でき、参加メンバーの招待やアクセス権の付与もメールアドレスを入力するだけで完結します。テクノロジーの壁を取り払い、純粋に映像制作そのものに集中できる環境を提供することこそが、このソリューションの最大の価値と言えます。

(評価機)Blackmagic Cloud Podを活用した導入検証の4ステップ

本格導入前に機材貸出サービスを利用して自社環境を評価すべき理由

Blackmagic Cloud Podの導入を検討する際、カタログスペックだけでは自社のネットワーク環境や既存のワークフローに適合するかどうかを完全に判断することは困難です。そのため、機材販売店やシステムインテグレーターが提供している(評価機)Blackmagic Cloud Podの機材貸出サービスを積極的に活用し、実環境での事前検証(PoC:概念実証)を行うことがビジネス上のリスクヘッジとして極めて重要です。

評価機を利用することで、社内のセキュリティポリシーとの整合性確認、既存のネットワーク機器(スイッチやルーター)との相性、そして何より実際の業務データを用いたパフォーマンス測定が可能になります。導入後に「想定していた速度が出ない」「自社のルールでDropboxが使えない」といった致命的なトラブルを未然に防ぎ、費用対効果を正確に見極めるための重要なステップとなります。

評価機材のセットアップとネットワーク初期設定の確認手順

評価機が手元に届いたら、まずは基本的なセットアップとネットワーク設定の検証を行います。Blackmagic Cloud Podを電源に接続し、10Gイーサネットケーブルで社内ネットワークのスイッチングハブに接続します。続いて、検証用のUSB-Cディスクを本体のポートに接続し、MacまたはWindows PCにインストールした「Blackmagic Cloud Setup」ユーティリティを起動します。

この初期段階で確認すべきポイントは、デバイスがネットワーク上で正常に認識されるか、DHCPによるIPアドレスの自動取得が機能しているか、そしてファームウェアが最新バージョンにアップデートされているかの3点です。また、HDMIモニターを接続し、ステータス画面が正しく表示されるかも併せて確認します。これらの手順を通じて、IT担当者のサポートなしでも現場のスタッフのみで設置・運用が可能であるかを評価します。

実際の業務環境における実効転送速度とシステム安定性のテスト

初期設定が完了したら、次に実際の業務を想定したパフォーマンステストを実施します。検証用のUSB-Cディスクに数GBから数十GBの映像ファイル(BRAWやProResなど)を保存し、複数のPCから同時にアクセスして実効転送速度を計測します。10Gイーサネット環境下において、理論値に近い転送速度が得られるか、また複数人アクセス時の速度低下が許容範囲内に収まるかを厳密にチェックします。

さらに、大容量データの連続転送テストを行い、システムの安定性や発熱状態を確認することも重要です。DaVinci Resolveを起動し、クラウドポッド上の素材を直接タイムラインに配置してマルチカム再生を試みることで、コマ落ちや遅延が発生しないかを検証します。このストレステストにより、自社のネットワークインフラがクラウドポッドの性能を十分に引き出せる状態にあるかを客観的に判断できます。

既存の映像制作フローと組み合わせた実践的な運用シミュレーション

検証の最終ステップとして、既存の映像制作フローにBlackmagic Cloud Podを組み込んだ実践的な運用シミュレーションを行います。撮影データのインジェストから、プロキシ生成、Dropboxを通じたリモートエディターへの共有、DaVinci Resolveを用いた共同編集、そして最終書き出しに至るまでの一連のプロセスをテストプロジェクトで通しで実行します。

このシミュレーションを通じて、データの受け渡しにかかる時間が従来と比べてどれだけ短縮されたか、リモートスタッフとの連携がスムーズに行えたかといった定性的な効果を評価します。また、運用上のボトルネックや改善すべき社内ルール(フォルダ階層の命名規則や同期対象ファイルの選定など)を洗い出し、本格導入に向けた運用マニュアルのベースを作成することで、スムーズな本稼働への移行準備が整います。

映画制作やリモートワークにもたらす4つのビジネスメリット

ポスプロ工程の分散化による制作スケジュールの最適化と納期短縮

Blackmagic Cloud Podの導入は、ポストプロダクション工程に革命的な効率化をもたらします。従来は、オフライン編集が完了してからカラーグレーディングや音声ミックスの担当者へ物理的なドライブを受け渡すというリレー方式の進行が一般的でした。しかし、クラウドネットワークストレージを活用することで、これらの工程を同時並行で進めることが可能になります。

例えば、エディターがカット編集を進めている最中に、カラリストが確定したシーンから順次カラーコレクションを開始し、同時にサウンドデザイナーが効果音の調整を行うといった具合です。このコンカレントなワークフローにより、全体の制作スケジュールが大幅に圧縮され、厳しい納期要件にも余裕を持って対応できるようになります。結果として、クライアントへの納品スピードが向上し、ビジネスの競争力強化に直結します。

高価な専用サーバー構築を不要にする優れたコストパフォーマンス

企業規模を問わず、映像制作インフラの構築においてコスト管理は常に重要な課題です。従来、大容量かつ高速な共有ストレージ環境を構築するには、数百万円規模のエンタープライズ向けNASや専用のSAN(Storage Area Network)サーバー、そして高額な保守契約が必要不可欠でした。しかし、Blackmagic Cloud Podは、既存のUSB-Cディスクを再利用できる設計により、ハードウェアの初期投資を劇的に抑えることに成功しています。

さらに、ライセンス費用やユーザー数に応じた追加課金が一切発生しない点も、ビジネスにおいて高く評価されています。小規模なプロダクションやフリーランスのクリエイター集団であっても、大企業と同等の高度なファイル共有・共同作業環境を低コストで構築できるため、限られた予算を機材費ではなくクリエイティブな人材やコンテンツ制作そのものに再投資することが可能となります。

機密性の高い映像データを守る安全なファイル共有体制の確立

未公開の映画作品や企業のプロモーション映像など、機密性の高いメディアデータを扱う際、セキュリティの担保は最優先事項です。物理的なハードディスクを郵送やバイク便でやり取りする従来の手法は、紛失や盗難、破損といった重大な情報漏洩リスクを常に孕んでいました。Blackmagic Cloud PodとDropboxの連携を活用することで、これらの物理的リスクを根本から排除できます。

データは堅牢な暗号化通信を通じてクラウドへ同期され、アクセス権限を持つプロジェクトメンバーのみが安全にデータを取得できます。また、ローカルのUSB-Cディスクにマスターデータが存在し、クラウド上にはプロキシファイルのみを置くといった柔軟な運用も可能なため、万が一クラウドアカウントへの不正アクセスがあった場合でも、オリジナル素材の流出を防ぐことができます。このように、利便性とセキュリティを高い次元で両立できる点が大きなメリットです。

外部のフリーランスやクリエイターとの協業を促進する柔軟な拡張性

現代の映像制作ビジネスにおいて、プロジェクトごとに最適な外部のフリーランスやスペシャリストをアサインするアジャイルなチーム編成が主流となっています。Blackmagic Cloud Podは、こうした流動的なチーム構成に対して極めて柔軟に対応できる拡張性を備えています。新たなクリエイターがプロジェクトに参加する際も、VPNの複雑な設定や社内ネットワークへの直接アクセスを許可する必要はありません。

管理者が対象のDropbox共有フォルダへのアクセス権を付与するだけで、外部クリエイターは自身の環境から即座にプロジェクトデータへアクセスし、作業を開始できます。プロジェクトが終了すれば権限を解除するだけで安全にアクセスを遮断できます。このシームレスなオンボーディングとオフボーディングの仕組みにより、優秀な外部タレントとの協業障壁が下がり、より高品質な映像作品を生み出すための組織的なアジリティ(俊敏性)が向上します。

BMDのネットワークストレージ導入を成功に導く4つの重要ポイント

10Gイーサネットの性能を最大限に引き出す社内ネットワーク環境の整備

Blackmagic Cloud Podのポテンシャルを完全に引き出すためには、ストレージ本体だけでなく、社内のネットワークインフラ全体を見直す必要があります。いくらクラウドポッドが10Gイーサネットに対応していても、接続先のスイッチングハブやルーター、そして各PCのLANポートが1G(ギガビット)規格であれば、転送速度は1Gに制限されてしまい、本来のパフォーマンスを発揮できません。

導入に際しては、10G対応のスイッチングハブの導入、Cat6A(カテゴリー6A)以上の高品質なLANケーブルの敷設、そして編集用PCへの10G対応ネットワークカード(NIC)またはThunderbolt接続の10Gアダプターの追加を計画的に進める必要があります。これらのインフラ整備をセットで行うことが、投資対効果を最大化するための絶対条件となります。

用途やデータ容量に合わせた最適なUSB-Cディスクの選定基準

クラウドポッドに接続するUSB-Cディスクの選定は、システム全体のパフォーマンスと信頼性を左右する重要な要素です。マルチカム編集や非圧縮のRAWデータを扱うような高負荷の作業環境では、ランダムアクセスに優れ、高速な読み書きが可能なNVMe接続のポータブルSSDを採用することが強く推奨されます。SSDを使用することで、10Gネットワークの広帯域幅をボトルネックなく活用できます。

一方で、過去のプロジェクトのアーカイブや、プロキシファイルの共有を主目的とする場合は、大容量でコストパフォーマンスに優れたUSB-C接続のハードディスク(HDD)を選択するのも一つの戦略です。Blackmagic Cloud Podは2つのポートを備えているため、ポート1には作業領域として高速なSSDを、ポート2にはバックアップ・アーカイブ用として大容量HDDを接続するといった、用途に応じたハイブリッドなストレージ運用を設計することが成功の鍵となります。

チーム内でのファイル管理ルールの策定とDropboxアカウントの運用

テクノロジーがいかに優れていても、それを利用する人間の運用ルールが曖昧であれば、ファイル共有環境はたちまちカオスに陥ります。Blackmagic Cloud Podを導入する際は、チーム全体で厳格なファイル管理ルールを策定し、徹底することが不可欠です。フォルダ階層の標準化、ファイル命名規則の統一、そして「どのデータをクラウドに同期し、どのデータをローカルのみに留めるか」といったポリシーを明確に定義します。

また、Dropboxの運用においても注意が必要です。大容量の映像データを頻繁に同期するため、個人向けの無料アカウントや容量制限の厳しいプランではすぐに上限に達してしまいます。ビジネス向けで大容量のストレージが提供される法人向けプランの契約を前提とし、同期によるネットワーク帯域の圧迫を防ぐためのスケジュール設定や帯域制限のチューニングを適切に行うことが求められます。

評価機の機材貸出依頼から本格的な実業務運用開始までのロードマップ

Blackmagic Cloud Podの導入プロジェクトを円滑に進めるためには、明確なロードマップの策定が欠かせません。まずは、販売代理店へ(評価機)Blackmagic Cloud Podの機材貸出を依頼し、1〜2週間の検証期間を確保します。この期間中に、前述したネットワークテストや運用シミュレーションを実施し、技術的・運用的な課題を洗い出します。

検証結果に基づき、必要な周辺機器(10GスイッチやSSDなど)の要件定義と予算取りを行い、正式な発注へと進みます。機材納品後は、一部のテストプロジェクトでスモールスタートを切り、新ワークフローにスタッフを慣れさせながら、徐々に適用範囲を拡大していくアプローチが安全です。この段階的な移行プロセスを踏むことで、現場の混乱を最小限に抑えつつ、リモート映像編集の効率化というビジネス上の果実を確実に収穫することができます。

よくある質問(FAQ)

  • Q1. Blackmagic Cloud PodはネットワークやNASの専門知識がなくても設定できますか?
    A1. はい、設定可能です。専用の「Blackmagic Cloud Setup」ソフトウェアを使用することで、複雑なIP設定やアクセス権限の構築を行うことなく、直感的な操作で数分以内にセットアップを完了させることができます。
  • Q2. どのようなUSB-Cディスクが対応していますか?
    A2. 一般的な市販のUSB-C接続のSSDおよびHDDが使用可能です。ただし、マルチカム編集や高解像度映像の編集を行う場合は、高速な転送速度を持つNVMe対応のポータブルSSDの使用を推奨します。
  • Q3. DaVinci Resolve以外の映像編集ソフト(Premiere ProやFinal Cut Proなど)でも利用可能ですか?
    A3. はい、利用可能です。Blackmagic Cloud Podは標準的なファイル共有プロトコル(SMB)を使用しているため、OS(Mac/Windows)や編集ソフトウェアを問わず、一般的な高速NASとして大容量ファイルの共有に活用できます。
  • Q4. 評価機(機材貸出)はどのように申し込めばよいですか?
    A4. Blackmagic Designの正規販売代理店や、プロフェッショナル向け映像機材を取り扱うシステムインテグレーターの窓口からお申し込みいただけます。貸出期間や条件は代理店によって異なるため、直接お問い合わせください。
  • Q5. 社内に10Gイーサネット環境がない場合でも使用できますか?
    A5. 使用可能ですが、転送速度は接続しているネットワーク環境(例えば1Gイーサネット)の上限に制限されます。Blackmagic Cloud Podの性能を最大限に引き出し、快適な映像編集を行うためには、10G対応のスイッチやケーブルへのアップグレードを推奨します。
(評価機)Blackmagic Cloud Pod

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