10Gイーサネット対応NAS「Blackmagic Cloud Pod」評価機材による転送速度テスト

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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

映像制作の現場において、大容量化する動画データの管理と共有は常に大きな課題となっています。特に4Kや8Kといった高解像度フォーマットが主流となる中、ストレージの転送速度とチーム間の連携効率はプロジェクトの成否を左右します。本記事では、ブラックマジックデザイン(Blackmagic Design)が提供する革新的なネットワークストレージ「Blackmagic Cloud Pod」に焦点を当てます。今回は機材貸出サービスを通じて(評価機)Blackmagic Cloud Podを入手し、実際の10Gイーサネット環境下における転送速度テストを実施しました。既存のUSB-Cディスク共有を可能にし、DaVinci Resolveと連携したクラウドワークフローを実現する本製品の実力を、実測データとともにビジネス視点で詳細にレビューします。

ブラックマジックデザイン「Blackmagic Cloud Pod」の4つの主な特徴

既存のUSB-Cディスクを共有する革新的なネットワークストレージ

Blackmagic Design(BMD)が開発したBlackmagic Cloud Podは、手持ちのUSB-Cフラッシュディスクや外付けドライブをネットワーク上で共有可能にする画期的なネットワークストレージです。従来のNAS(Network Attached Storage)のように専用の内蔵ハードディスクを必要とせず、撮影現場で使用したUSB-Cディスクをそのまま本体に接続するだけで、瞬時に社内ネットワーク上の共有ドライブとして機能します。これにより、データ移行の手間や時間を大幅に削減し、映像編集チーム全体で即座に素材へのアクセスが可能となります。企業にとっては、既存のストレージ資産を有効活用できるため、新規ストレージ導入にかかる初期コストを抑えつつ、柔軟かつスケーラブルなファイル共有環境を構築できる点が大きなメリットです。

高速データ転送を実現する10Gイーサネットポート搭載

本製品の最大の強みの一つは、超高速なデータ転送を可能にする10Gイーサネットポートを標準搭載している点です。現代の映画制作やハイエンドな映像編集では、数テラバイトに及ぶ大容量のメディアファイルを日常的に扱います。10Gイーサネット環境を構築することで、従来の1Gイーサネットと比較して理論値で10倍の帯域幅を確保でき、重いRAWデータや高解像度映像の読み書きにおいてボトルネックを解消します。これにより、複数のエディターが同時にサーバー上のファイルにアクセスして作業を行うマルチカム編集のような高負荷な処理においても、ローカルストレージと遜色のない快適なレスポンスを実現し、ポストプロダクション業務の生産性を飛躍的に向上させます。

リアルタイムで状況を把握できるHDMIモニタリング機能

Blackmagic Cloud Podには、ストレージの稼働状況を視覚的に管理するための専用HDMIモニタリング出力機能が備わっています。本体にテレビやPC用モニターをHDMIケーブルで接続するだけで、直感的なグラフィックインターフェースによるダッシュボードが表示されます。この画面では、ネットワークの接続状態、データの読み書き速度を示すリアルタイムのグラフ、接続されているUSB-Cディスクの容量と空き状況、さらにはDropbox同期の進行状況などを一目で確認できます。管理者がPCから専用ソフトウェアを立ち上げて確認する手間が省け、スタジオやサーバールームの壁掛けモニターに常時表示させておくことで、システムトラブルの早期発見や効率的な運用管理が可能となります。

コンパクトで持ち運びにも適した洗練されたデザイン

エンタープライズ向けのNASシステムは大型で重量があるのが一般的ですが、クラウドポッドは非常にコンパクトでスリムな筐体デザインを採用しています。デスクトップに置いてもスペースを取らず、ファンレスに近い静音設計であるため、編集室やオフィス環境の静寂性を損ないません。また、そのポータビリティの高さから、社内での部署間移動だけでなく、撮影現場(オンセット)への持ち出しにも最適です。現場で収録済みのドライブを接続し、即席のネットワークストレージとして機能させることで、DIT(Digital Imaging Technician)やアシスタントエディターがその場でバックアップやプロキシ作成を開始できるなど、ロケーションを問わず柔軟なワークフローを提供します。

評価機のセットアップと10Gイーサネット接続の4ステップ

機材貸出サービスを利用した評価機材の受け取りと内容物確認

本格的な導入を検討するにあたり、まずは代理店やメーカーが提供する機材貸出サービスを活用し、(評価機)Blackmagic Cloud Podを手配しました。ビジネスにおけるIT機器の選定では、自社の既存ネットワーク環境との相性や実際のパフォーマンスを事前に検証することが不可欠です。評価機が手元に到着後、速やかに内容物の確認を行いました。パッケージには、Cloud Pod本体、専用の電源アダプター、および各国のコンセント形状に合わせた変換プラグが同梱されています。非常にシンプルな構成であり、複雑な組み立てや追加の専用パーツを必要としないため、IT専任の担当者が不在の映像制作プロダクションでも、容易に検証作業をスタートできるパッケージングとなっています。

USB-Cフラッシュディスクおよび外付けドライブの接続

セットアップの第2ステップとして、データの保存先となるストレージデバイスの接続を行います。本機には2つのUSB-Cポート(最大5Gb/s対応)が搭載されており、市販のUSB-CフラッシュディスクやポータブルSSD、大容量の外付けハードドライブを直接接続することが可能です。今回の検証では、映像業界で広く普及している高速なNVMe接続のUSB-C SSDを2台用意し、それぞれのポートに接続しました。接続後、特別なフォーマット作業やRAID構築の複雑な設定は不要であり、MacのHFS+やexFATでフォーマットされたドライブであれば自動的に認識されます。撮影現場で収録を終えたドライブをそのまま挿すだけで瞬時にネットワーク上にマウントされるこのプラグアンドプレイの利便性は、多忙な制作現場において極めて有効です。

10Gイーサネット環境におけるネットワーク構築と初期設定

高速転送の恩恵を最大限に引き出すため、10Gイーサネット環境下でのネットワーク構築を行いました。Cloud Podの10GBASE-Tポートと、10G対応のスイッチングハブをCAT6A規格のLANケーブルで接続し、検証用PC(同じく10Gネットワークカードを搭載)と同じサブネット内に配置します。初期設定は、無償提供されている「Blackmagic Cloud Setup」ユーティリティソフトウェアを使用して行います。ソフトウェアを起動するとネットワーク上のCloud Podが自動検出され、IPアドレスの固定(スタティックIP設定)やデバイス名の変更、ファームウェアのアップデートなどを直感的なGUIから数分で完了させることができます。複雑なコマンド入力などは一切不要で、ネットワークの基礎知識があれば誰でも簡単にセキュアな共有環境を構築可能です。

HDMIモニターを接続したストレージ状況の可視化

ネットワーク設定が完了したのち、本体背面のHDMIポートにフルHD対応の外部モニターを接続しました。モニターを接続すると瞬時にBlackmagic Design特有の洗練されたUIを持つダッシュボードが表示されます。この画面では、現在接続されている2台のUSB-Cディスクそれぞれのストレージ使用率が円グラフで示されるほか、過去数分間のネットワーク帯域幅(読み込み・書き込み速度)がリアルタイムの波形グラフとして描画されます。さらに、クラウド同期を設定している場合は、Dropboxへのアップロード・ダウンロードの進捗状況もリスト表示されます。検証中もこのモニターを横目に置くことで、後述する転送速度テストの際にトラフィックが正常に流れているか、ボトルネックが発生していないかを視覚的かつ即座に把握することができました。

【実測】10Gイーサネット環境での転送速度テストの4つの検証結果

速度テストを実施したPCおよびネットワーク環境の詳細

今回の転送速度テストは、実際の映像制作現場を想定したハイエンドなワークステーション環境で実施しました。クライアントPCには、10Gイーサネットポートを標準搭載したApple Mac Studio(M1 Maxチップ、64GBメモリ)および、10G PCIe拡張カードを増設したWindows 11のBTOクリエイターPCを使用しています。ネットワークインフラとしては、全ポート10G対応のアンマネージドスイッチを採用し、ノイズ耐性に優れたCAT7ケーブルで各機器を接続しました。また、Blackmagic Cloud Podに接続するUSB-Cディスクには、最大転送速度1000MB/sを誇るエンタープライズクラスのポータブルSSDを使用しています。これにより、PC側やネットワーク経路、ストレージ側のボトルネックを極力排除し、Cloud Pod本体のネットワークスループット性能を正確に計測できる環境を整えました。

大容量映像ファイルのシーケンシャルリード(読み込み)速度

映画制作などで使用される数百GB規模の高品質映像素材(ProRes 4444やBRAWファイルなど)を想定し、大容量ファイルの連続読み込み(シーケンシャルリード)速度を計測しました。Blackmagic Disk Speed Testおよび実際のファイルコピーによる実測の結果、Mac/Windows両環境において安定して600MB/s〜800MB/s(約4.8Gbps〜6.4Gbps)の読み込み速度を記録しました。これは、内蔵のSATA SSDに匹敵する、あるいはそれを上回るスピードです。この速度であれば、ネットワーク越しであっても4K解像度の非圧縮映像をコマ落ちすることなくスムーズに再生・編集することが可能です。ローカルドライブにデータをコピーしてから作業するという従来の手間が省け、NAS上のデータを直接タイムラインに配置するダイレクトな映像編集ワークフローが十分に実用レベルであることが証明されました。

複数ファイル同時転送時のシーケンシャルライト(書き込み)速度

続いて、撮影データを取り込むシチュエーションや、レンダリング済みファイルを書き出す作業を想定し、複数ファイル同時転送時のシーケンシャルライト(書き込み)速度を検証しました。数十GBのファイル群を複数クライアントから同時にCloud Podへ書き込んだ結果、トータルで約400MB/s〜550MB/s(約3.2Gbps〜4.4Gbps)の安定した書き込みパフォーマンスを維持しました。USB-Cポートの帯域(5Gb/s)の限界に近い数値を叩き出しており、本体の内部処理能力の高さが伺えます。複数のエディターが各自のPCから同時に素材をアップロードしたり、DaVinci Resolveのキャッシュファイルを保存したりするような高負荷なマルチタスク環境下においても、極端な速度低下や接続の切断は見られず、堅牢なデータ保存先として信頼に足る性能を発揮しました。

従来の1GイーサネットNASとのパフォーマンス比較

本テスト結果をより明確に評価するため、一般的なオフィスで広く導入されている1Gイーサネット対応の従来型NASとの比較を行いました。1G環境下での転送速度は理論上の上限が約125MB/sであり、実効速度は100MB/s前後にとどまります。これに対し、10Gイーサネット環境で運用するBlackmagic Cloud Podは、読み込みで約6〜8倍、書き込みで約4〜5倍という圧倒的なパフォーマンスの差を見せつけました。

ネットワーク環境 実効読み込み速度 実効書き込み速度
従来の1GイーサネットNAS 約 100 MB/s 約 100 MB/s
Blackmagic Cloud Pod (10G) 約 600〜800 MB/s 約 400〜550 MB/s

1G環境では、4Kマルチカム編集を行うと帯域不足による再生の遅延(カクつき)が避けられませんが、Cloud Pod環境では全くストレスを感じません。大容量データのバックアップにかかる時間も数時間単位で短縮されるため、業務効率化と人件費削減の観点から見ても、10Gネットワーク環境と本製品の組み合わせは非常に高い投資対効果をもたらすと言えます。

DaVinci Resolveと連携するクラウドワークフローの4つの利点

Dropbox同期機能による拠点間ファイル共有の自動化

Blackmagic Cloud Podの特筆すべき機能として、DropboxおよびGoogle Driveとのネイティブな同期機能が挙げられます。設定ユーティリティから自社のアカウントを紐付けるだけで、Cloud Pod上の指定したフォルダとクラウドストレージがバックグラウンドで自動的に同期されます。これにより、東京のメインスタジオと地方のサテライトオフィス、あるいは海外の制作拠点との間で、意識することなく最新のファイル共有が可能となります。例えば、オンセット(撮影現場)で収録データをCloud Podにコピーすれば、即座にDropbox経由で本社スタジオのNASへ転送が開始されます。手動でFTPアップロードを行ったり、物理的なハードディスクを郵送したりする旧来の手法を完全に排除し、地理的な制約を超えたシームレスなデータ連携を実現します。

Blackmagic Cloudを活用した複数人での同時プロジェクト編集

同社が提供するクラウドベースのプロジェクトサーバー「Blackmagic Cloud」と組み合わせることで、DaVinci Resolveを用いた革新的なコラボレーション環境が構築できます。Blackmagic Cloud上にプロジェクトファイルをホストし、実データ(メディアファイル)は各拠点のCloud PodにDropbox経由で同期させておくという構成です。これにより、カラーリスト、サウンドエンジニア、VFXアーティストなど、異なる場所にいる複数のクリエイターが、同一のタイムラインに対して同時にアクセスし、編集作業を行うことができます。誰かがクリップをカットしたり色補正を加えたりすると、その変更が数秒で全員の画面に反映されるため、バージョン管理の煩雑さやファイルの競合といった問題を根本から解決し、制作スピードを劇的に向上させます。

プロキシメディアの自動生成とバックグラウンド同期

DaVinci Resolve 18以降で強化されたプロキシワークフローとCloud Podの相性は抜群です。Blackmagic Proxy Generatorを利用して、オリジナルの重いカメラRAWデータから軽量なH.264やH.265のプロキシメディアを自動生成し、それをCloud Podの同期フォルダに保存するよう設定します。軽量なプロキシファイルのみを優先してDropbox同期させることで、インターネット回線の帯域が限られている環境でも、リモートの作業者は迅速に編集作業を開始できます。編集が完了したのち、最終的なレンダリング(書き出し)のタイミングで、ローカルにある高画質なオリジナルメディアにワンクリックで再リンクさせることが可能です。このハイブリッドなアプローチにより、ネットワークへの負荷を最小限に抑えつつ、最高品質の映像制作を両立させることができます。

映像編集チームのリモートワークを加速させるデータ管理

昨今の働き方改革やパンデミックを契機に、映像制作業界でもリモートワークの導入が急務となっていますが、最大の障壁は「大容量データの取り扱い」でした。Blackmagic Cloud Podは、この課題に対する強力なソリューションとなります。各エディターの自宅にコンパクトなCloud Podを配布し、メインサーバーとクラウド同期させる設定を行えば、エディターは自宅にいながら社内と全く同じフォルダ構造、同じファイルにアクセスして作業を進めることができます。VPN接続による低速なファイルアクセスに悩まされることなく、ローカル接続されたUSB-Cディスクの高速なレスポンスを享受しながら、データ自体はセキュアかつ自動的に会社と同期されます。チーム全体の柔軟な働き方を支援し、優秀なクリエイターの確保や離職防止にも寄与する重要なインフラとなります。

映画制作・映像編集現場における4つの実践的活用シナリオ

大容量データを扱う4K/8Kマルチカム編集でのストレージ運用

複数台のカメラで同時収録された映像を切り替えて編集するマルチカム編集は、ストレージに対する要求スペックが極めて高い作業です。例えば4K解像度の映像を4カメ、5カメと同時に再生する場合、ストレージには膨大なランダムリード性能と広帯域幅が求められます。Blackmagic Cloud Podと10Gイーサネットの組み合わせは、この過酷な条件下でも真価を発揮します。高速なNVMe SSDを接続した本機であれば、DaVinci Resolve上で複数アングルの4K素材を同時にストリーミング再生しても、コマ落ちや遅延が発生しにくい環境を構築できます。映画制作や音楽ライブの収録映像など、膨大な大容量データを扱うプロジェクトにおいて、ストレスのないリアルタイム編集を実現する中核的なストレージとして機能します。

撮影現場(オンセット)からポストプロダクションへの即時データ共有

映画やCMの撮影現場(オンセット)におけるデータマネジメントの迅速化は、制作スケジュール全体を最適化する鍵となります。DITカートに小型軽量なBlackmagic Cloud Podを組み込み、撮影済みのメディアをバックアップしたUSB-Cディスクを接続します。現場のモバイルWi-Fiや5Gルーター経由でインターネットに接続しておけば、Dropbox同期機能によって、撮影が進行している最中からポストプロダクション(編集室)へデータが転送され始めます。これにより、撮影終了を待たずにオフラインエディターが編集作業に着手できたり、監督が遠隔地からラッシュ(収録映像)を確認したりすることが可能になります。物理的なメディアの輸送時間をゼロにし、制作フローの並列化を強力に推進します。

外注クリエイターとのセキュアかつ迅速な素材ファイルの受け渡し

VFX(視覚効果)やMA(音声編集)、テロップ作成など、外部の専門クリエイターやパートナー企業との協業においても、Cloud Podは威力を発揮します。従来、外部へのデータ受け渡しは無料のファイル転送サービスや物理メディアの郵送に依存しており、セキュリティリスクや転送容量の制限が課題でした。Cloud Podのクラウド同期機能を利用すれば、特定の共有フォルダのみを外注先のDropboxアカウントと同期させることが可能です。必要な素材をそのフォルダにドラッグ&ドロップするだけで、バックグラウンドで安全かつ確実に相手のローカル環境へデータが届けられます。納品データも同様の手順で即座に回収できるため、プロジェクトマネージャーの進行管理の手間を大幅に軽減し、セキュアな情報連携体制を構築できます。

高価なエンタープライズNASを代替するコストパフォーマンス

本格的な映像編集向けの10G対応エンタープライズNASを導入しようとすると、本体や専用のHDD/SSD、ライセンス費用を含めて数百万円規模の投資が必要になるケースも珍しくありません。対してBlackmagic Cloud Podは、本体価格が非常にリーズナブルに設定されており、ストレージ自体も市販の安価なUSB-Cディスクを流用できるため、導入コストを劇的に抑えることができます。RAIDによる冗長化機能などは備えていないため、長期的なアーカイブ用途には適しませんが、「現在進行中のアクティブなプロジェクト用の一時的な高速ワークスペース」として割り切って運用することで、極めて高いコストパフォーマンスを発揮します。予算の限られた独立系プロダクションや、部門単位でのスモールスタートに最適な選択肢です。

Blackmagic Cloud Pod評価機の総評と導入に向けた4つの検討事項

転送速度テストから見えた実務における費用対効果

今回の(評価機)Blackmagic Cloud Podを用いた転送速度テストを通じて、10Gイーサネット環境下における本製品のパフォーマンスは、実務において十分すぎるほどの威力を発揮することが確認できました。読み込み最大800MB/sという速度は、4K/8K映像の編集ワークフローを劇的に改善し、クリエイターの待ち時間を大幅に削減します。導入にかかるコストと、それによって得られる作業効率の向上、クラウド同期による拠点間連携のスムーズさを天秤にかければ、その費用対効果は極めて高いと断言できます。特に、すでに多くのUSB-Cポータブルドライブを資産として保有している企業であれば、追加のストレージ投資なしに高速なネットワーク共有環境を手に入れられる点は、経営的視点からも高く評価できるポイントです。

本製品の導入を推奨する映像制作プロダクションの規模

本製品の特性を踏まえると、数名から数十名規模の中小規模な映像制作プロダクション、または大手企業内のインハウスビデオ制作部門に最も適しています。少人数のチームであれば、本機1台で十分な帯域をシェアでき、専任のネットワーク管理者がいなくても直感的なUIで容易に運用・管理が可能です。また、フリーランスの映像クリエイターがチームを組んでプロジェクトごとに協業するような、アジャイルな制作スタイルとも非常に相性が良いでしょう。一方で、数百人規模が同時アクセスするような巨大なポストプロダクション環境においては、より上位機種であるBlackmagic Cloud Storeなどの大容量・高冗長性モデルとの併用、あるいは階層的なストレージ設計を検討することが推奨されます。

既存のネットワークストレージ(NAS)環境からの移行に関する注意点

既存のファイルサーバーや従来型NASからCloud Podへ運用を移行する際には、いくつかの注意点があります。第一に、本機はUSB-Cディスクをそのまま共有するというコンセプト上、本体側でのRAID(ミラーリング等)によるデータ保護機能を持っていません。したがって、万が一のディスク障害に備え、Dropbox同期を利用したクラウドへのバックアップや、定期的な別ストレージへのデータ退避フローを運用ルールとして確立しておく必要があります。第二に、10Gの速度を最大限に活かすためには、PC側のLANポートや社内のスイッチングハブ、LANケーブル(CAT6A以上)など、ネットワークインフラ全体が10Gに対応している必要があります。導入前に社内インフラのボトルネックを洗い出し、必要に応じてネットワーク機器の刷新を行うことが重要です。

本格導入前に機材貸出(評価機)を利用して検証すべきポイント

記事の冒頭でも触れた通り、新しいストレージソリューションを導入する際は、事前に機材貸出サービスを利用して(評価機)Blackmagic Cloud Podを自社環境でテストすることを強く推奨します。検証すべきポイントとしては、「社内のネットワーク環境で期待通りの転送速度(スループット)が出るか」「使用予定のUSB-Cディスクとの相性や安定性に問題はないか」「DaVinci ResolveおよびDropbox同期を用いたクラウドワークフローが、自社の制作フローに適合するか」の3点が挙げられます。特に、セキュリティポリシーによってクラウドストレージの利用が制限されている企業の場合は、代替手段の検討が必要です。評価機を用いた実地検証を行うことで、導入後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな業務移行を実現できるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: Blackmagic Cloud Podを使用するには専用のハードディスクが必要ですか? A1: いいえ、専用のハードディスクは不要です。市販のUSB-CフラッシュディスクやポータブルSSD、外付けハードドライブを接続するだけでネットワークストレージとして機能します。 Q2: 10Gイーサネット環境がない場合でも使用できますか? A2: はい、従来の1Gイーサネット環境(1000BASE-T)でも問題なくご使用いただけます。ただし、本製品の高速なデータ転送性能を最大限に引き出すためには、10G対応のネットワーク機器との接続を推奨します。 Q3: Dropbox以外のクラウドストレージサービスとは同期できますか? A3: 現在のところ、Blackmagic Cloud PodはDropboxおよびGoogle Driveとのネイティブな同期機能に対応しています。今後のファームウェアアップデートで対応サービスが追加される可能性もあります。 Q4: DaVinci Resolve以外の映像編集ソフトでも共有ストレージとして使えますか? A4: はい、可能です。OS標準のネットワークドライブ(SMBプロトコル)としてマウントされるため、Adobe Premiere ProやApple Final Cut Proなど、あらゆるアプリケーションから通常のNASと同様にファイルへアクセスし、編集作業を行うことができます。 Q5: 評価機の機材貸出サービスはどのように申し込めばよいですか? A5: Blackmagic Designの正規販売代理店や、プロ向け映像機材を取り扱うシステムインテグレーター各社にて評価機の貸出サービスを提供している場合があります。詳細な条件や在庫状況については、取引のある代理店窓口へ直接お問い合わせください。

(評価機)Blackmagic Cloud Pod

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