対談収録の音質を劇的に向上させる「Saramonic K9 XTX Kit」の実力と設定手順

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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

対談収録・インタビュー撮影における音声課題とUHFワイヤレスマイクシステムの重要性

動画コンテンツの需要が急速に拡大する現代のビジネスシーンにおいて、企業のプロモーション動画や経営者対談、採用向けの社員インタビューなど、複数人が登場する映像制作の機会が増加しています。このような対談収録やインタビュー撮影において、映像の美しさ以上にコンテンツの品質を決定づけるのが「音声の明瞭さ」です。特に2人同時収録の現場では、それぞれの発言をクリアに、かつバランスよく収音することが求められますが、従来の収録機材では混信や音切れ、環境ノイズの混入といった課題が頻発していました。そこで今、プロのビデオグラファーや企業のインハウス動画制作チームから熱い視線を集めているのが、B帯(800MHz帯)を利用したデジタルUHFワイヤレスマイクシステム「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )」です。本記事では、音響機器メーカーとして確固たる地位を築くSaramonic(サラモニック)が提供するこのデュアルワイヤレスシステムの実力と、対談収録の音質を劇的に向上させるための具体的な設定手順、実践的な運用テクニックについて徹底的に解説します。

動画撮影において「音質」が視聴維持率を左右する理由

ビジネス用途の動画撮影において、多くの制作者が高解像度なカメラや照明機材への投資を優先しがちですが、実際の視聴維持率に最も大きな影響を与えるのは「音声の品質」であると言っても過言ではありません。視覚情報に多少の乱れや画質の粗さがあったとしても、人間は内容を理解し視聴を継続することができます。しかし、音声にホワイトノイズが乗っていたり、話し手の声が反響して聞き取りづらかったり、あるいは音量レベルが極端に小さかったりする場合、視聴者は強いストレスを感じて即座に動画を閉じてしまいます。特に対談収録やインタビュー撮影のような「言葉」によって重要なメッセージや専門的な知見を伝達するコンテンツにおいては、音声の不明瞭さは致命的な欠陥となります。発言の細かなニュアンスや感情の機微までを正確に届けるためには、カメラ内蔵マイクや安価なガンマイクではなく、話し手の口元で直接音を捉える高品質なピンマイク(ラベリアマイク)と、それを劣化なく伝送する信頼性の高いワイヤレスマイクシステムの導入が不可欠なのです。

さらに、クリアな音声収録は視聴者のエンゲージメントを高めるだけでなく、撮影後のポストプロダクション(編集作業)における業務効率を大幅に改善します。収録段階で環境音やノイズが混入してしまうと、編集ソフトのノイズリダクション機能を使用せざるを得ず、結果として声本来の自然な帯域まで削られてしまい、機械的で聞き疲れする音質に劣化してしまいます。また、近年では動画に自動文字起こし機能でテロップを付与するワークフローが一般化していますが、元の音声がクリアであればあるほどAIの音声認識精度が向上し、字幕修正にかかる工数を劇的に削減することが可能です。つまり、Saramonic K9 XTX Kitのようなプロフェッショナル仕様の音声収録機材を導入することは、単に動画のクオリティを引き上げるだけでなく、制作全体のコストパフォーマンスとタイムパフォーマンスを最大化する極めて合理的なビジネス投資と言えます。

2人同時収録で発生しやすい音声トラブルと解決策

対談収録やインタビュー撮影など、2人同時収録を行う現場では、単独のスピーカーを撮影する場合とは異なる特有の音声トラブルが数多く発生します。最も代表的な課題が、2人の話者の「声量差」と「音の被り(クロストーク)」です。例えば、声が大きくハキハキと話すインタビュアーと、声が小さく落ち着いたトーンで話すゲストを1本のマイクやミキシングされた単一トラックで収録してしまうと、一方の声にレベルを合わせればもう一方が音割れ(クリッピング)を起こすか、逆に聞き取れないほど小さくなってしまいます。また、相手の話を聞いている最中の相槌や咳払い、衣擦れの音が、メインで話している人物の音声に重なってしまい、編集でカットできないという事態も頻発します。さらに、有線マイクを使用する場合はケーブルの取り回しが煩雑になり、演者の自然な身振り手振りを制限してしまうほか、足元でケーブルを引っ掛けて機材を転倒させるといった物理的なリスクも伴います。

これらの複雑な問題を一挙に解決するのが、送信機2台と受信機1台で構成されるデュアルワイヤレスマイクシステムの導入です。2人の演者それぞれに独立した送信機とラベリアマイクを装着し、受信機側で2つの音声を別々のトラック(LチャンネルとRチャンネル)に振り分けてカメラやレコーダーへ出力することで、互いの干渉を最小限に抑えた収録が可能となります。このセパレート収録を行えば、編集時にそれぞれの声量に合わせて個別にゲイン(音量)を調整できるだけでなく、話していない側のトラックを一時的にミュートすることで、不要な環境音や衣擦れ音を完全に排除し、極めてクリアな対談音声を構築できます。Saramonic K9 XTX Kitは、まさにこのような2人同時収録の現場ニーズに応えるために設計されたシステムであり、ケーブルレスの自由な撮影環境と、編集耐性の高いプロレベルのマルチトラック音声収録を同時に実現する最適なソリューションなのです。

2.4GHz帯とB帯(800MHz帯)ワイヤレスマイクの決定的な違い

現在、市場に流通している動画撮影用のワイヤレスマイクは、使用する周波数帯によって大きく「2.4GHz帯」と「B帯(800MHz帯)」の2種類に分類されます。近年、小型で安価な2.4GHz帯のデジタルワイヤレスマイクが数多く登場し、手軽に導入できることから人気を集めていますが、ビジネスの重要な収録現場においてはその特性上のリスクを正しく理解しておく必要があります。2.4GHz帯は、Wi-FiルーターやBluetooth機器、スマートフォン、さらには電子レンジに至るまで、現代のあらゆるデジタル機器が共有している極めて混雑した周波数帯(ISMバンド)です。そのため、オフィス街での企業インタビューや、多くの来場者がスマートフォンを所持している展示会・イベント会場などで2.4GHz帯マイクを使用すると、深刻な電波干渉(混信)が発生し、音声がブツブツと途切れる「ドロップアウト現象」が頻繁に起こります。また、2.4GHz帯の電波は直進性が高く、人間の体(水分)に吸収されやすいという性質があるため、演者が少し向きを変えたり、送信機が衣服や体の陰に隠れたりしただけで通信が遮断されてしまう弱点があります。

これに対して、Saramonic K9 XTX Kitが採用している「B帯(800MHz帯)」は、日本国内の電波法において特定小電力無線局(ラジオマイク用)として明確に割り当てられた、プロフェッショナル音響機器専用のUHF(極超短波)帯域です。806MHzから810MHzまでの帯域を使用するB帯は、日常的なWi-FiやBluetoothの電波とは完全に分離されているため、IT機器が密集するオフィス環境や都市部のスタジオであっても、外部からの電波干渉を受けるリスクが劇的に低いという決定的な優位性を持っています。さらに、800MHz帯の電波は波長が比較的長く、障害物の裏側へ回り込む「回折性」に優れているため、送信機を演者の腰の後ろに装着したり、カメラマンと演者の間に遮蔽物が一時的に入ったりするような状況でも、安定した通信を維持することができます。失敗が許されないクライアントワークや、やり直しの効かない重要な対談収録において、どちらの周波数帯を選ぶべきかは明白であり、圧倒的な信頼性を誇るB帯ワイヤレスマイクこそがビジネス現場のスタンダードなのです。

プロの現場でUHFワイヤレスシステムが選ばれ続ける背景

放送局の番組制作や映画撮影、大規模な企業カンファレンスの配信など、プロの映像制作現場において長年にわたりUHF(B帯)ワイヤレスシステムが選ばれ続けている背景には、単なる通信の安定性だけでなく、音響機材としての総合的な完成度の高さがあります。プロの現場では、突発的なトラブルに即座に対応できる柔軟性と、過酷な使用環境に耐えうる堅牢性が求められます。一般的な民生用の2.4GHz帯マイクは、ペアリングや周波数選択が完全自動化されている反面、万が一混信が発生した際にユーザーが手動で周波数を微調整する手段を持たないケースがほとんどです。一方、B帯のUHFワイヤレスシステムは、現場の電波状況をスキャンして空いているクリーンなチャンネルを特定し、複数のマイクを干渉なく同時に運用するための緻密なグループ・チャンネル管理機能を備えています。これにより、他の撮影クルーが近くでワイヤレス機材を使用しているような状況でも、安全に周波数を棲み分けることが可能です。

また、Saramonic K9 XTX Kitをはじめとする最新のデジタルUHFシステムは、従来のB帯アナログワイヤレスが抱えていた「コンパンダー(音声圧縮伸長技術)による音質の変化」や「ホワイトノイズ」といった課題を、高度なデジタル信号処理技術によって完全に克服しています。B帯特有の「電波の粘り強さと回り込みやすさ」という物理的なメリットをそのまま継承しつつ、デジタル化によって原音に忠実なフラットな周波数特性と広いダイナミックレンジを獲得したことで、その実用性はかつてないレベルに到達しています。さらに、脱着可能なスクリューロック式のラベリアマイク端子や、現場で即座に交換できるバッテリー構造、視認性に優れたディスプレイ表示など、プロの音声スタッフやワンオペレーションのビデオグラファーが現場でストレスなく機材をコントロールできる設計思想が貫かれている点も、UHFワイヤレスシステムが信頼され続ける大きな理由です。

Saramonic(サラモニック)K9 XTX Kitが実現する4つの革新的メリット

数あるB帯ワイヤレスマイクシステムの中でも、「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )」は、現代の動画制作ワークフローに最適化された設計により、他社製品と一線を画す優れたパフォーマンスを発揮します。ここでは、本製品を対談収録やインタビュー撮影に導入することで得られる4つの革新的なメリットについて詳しく掘り下げていきます。

B帯(800MHz)デジタルワイヤレスによる圧倒的な通信安定性

Saramonic K9 XTX Kitの最大の強みは、日本国内の電波法に準拠したB帯(806〜810MHz)を使用しながら、内部の音声伝送に最新のデジタルワイヤレス技術を採用している点にあります。従来のアナログ方式のB帯ワイヤレスマイクでは、電波が弱くなった際に「サー」という耳障りなノイズが混入したり、音声を電波に乗せる際の圧縮・伸長処理によって声の立ち上がりが不自然になったりすることがありました。しかし、K9 XTX Kitは音声信号を非圧縮に近い高品位なデジタルデータに変換してUHF帯で伝送するため、電波が届く範囲内であれば、有線接続と遜色のない極めてクリアでノイズレスなオーディオ品質を一貫して維持することができます。もちろん、2.4GHz帯のワイヤレスマイクが苦手とするWi-Fi環境下や、多数のスマートフォンが飛び交うオフィスビル内での撮影でも、一切の影響を受けることなく安定した収録が可能です。

さらに、通信の安定性を極限まで高めるために、送信機(TX)と受信機(RX)の双方に高性能な外部ホイップアンテナが搭載されています。内蔵アンテナ方式を採用する小型マイクとは異なり、外部に露出したフレキシブルなアンテナが電波を効率よく送受信するため、見通しの良い環境であれば最大で100メートル近い長距離伝送を実現します。また、受信機側には電波の受信状況を常に監視し、マルチパス(建物の壁や床などに反射した電波が干渉し合う現象)による音切れを防ぐ高度な受信回路が組み込まれています。これにより、対談収録中に演者が立ち上がって移動しながらプレゼンテーションを行うようなダイナミックなカメラワークを伴う撮影であっても、音の途切れやノイズを心配することなく、カメラマンは構図やピント合わせに100%集中することができるのです。

送信機2台・受信機1台のデュアルシステムによる効率的な2人同時収録

従来、B帯のワイヤレスマイクで2人同時収録(対談やインタビュー)を行う場合、送信機2台に対して受信機も2台用意する必要がありました。これは、1台の受信機で1つの電波しか受けられないシングルチャンネル仕様が一般的だったためです。しかし、カメラの上に2台の大型受信機をマウントすることは物理的に困難であり、ブラケットを使用して無理に取り付けたとしても、カメラ全体の重量バランスが崩れてジンバル(スタビライザー)に載せられなくなったり、2本の出力ケーブルをミキサーやスプリッターで結合する際に配線が複雑化して接触不良のリスクが高まったりと、現場の機動力を大きく損なう要因となっていました。Saramonic K9 XTX Kitは、この課題を解決する「2チャンネルデュアル受信機」を採用しており、わずか1台のコンパクトな受信機で、2台の送信機からの電波を同時に、かつ独立して受信することが可能です。

この「送信機2台・受信機1台」というパッケージングは、少数精鋭やワンオペレーションで撮影に臨むビデオグラファーにとって計り知れないメリットをもたらします。カメラのコールドシュー(アクセサリーシュー)に受信機を1台取り付けるだけで2人分のワイヤレス環境が完結するため、機材のセッティング時間を大幅に短縮できるだけでなく、カメラリグ全体を極めてスリムで軽量な状態に保つことができます。また、管理すべき受信機のバッテリーが1台分で済むことや、カメラのマイク入力端子へ接続するケーブルが1本に集約されることも、現場でのオペレーションミスを減らす上で非常に重要です。機材の準備や撤収に追われることなく、限られた取材時間の中でインタビュイーとのコミュニケーションや照明の作り込みに時間を割けるようになる点は、デュアルシステムならではの大きな恩恵と言えます。

高品位なラベリアマイク(ピンマイク)が捉えるクリアな音声特性

どれほどワイヤレス伝送部分の性能が優れていても、最初に声を拾うマイクロフォン自体の品質が低ければ、決して良い音で収録することはできません。近年流行している一体型ワイヤレスマイクの多くは、送信機本体に内蔵されたマイクをそのまま襟元にクリップで挟むスタイルを推奨していますが、送信機の重みで衣服が垂れ下がり、マイクの向きが口元から外れてしまったり、送信機のプラスチック筐体が衣服と擦れて大きなノイズを発生させたりする問題が指摘されています。Saramonic K9 XTX Kitには、放送業務レベルの高い音響特性を備えた高品位な無指向性ラベリアマイク(ピンマイク)が標準で2本同梱されており、送信機をベルトやポケットに隠した状態で、小型軽量のマイクカプセルのみを演者の胸元にスマートに装着することができます。

付属のラベリアマイクは、人間の声の帯域(中音域から高音域)を自然かつ明瞭に捉えるようチューニングされており、こもりのない抜けの良いサウンドを実現します。指向性には「無指向性(オムニディレクショナル)」が採用されているため、対談中に出演者が相槌を打つために首を振ったり、少しうつむいたりして口元とマイクの距離や角度が変化しても、音量のバラつきや音質の変化が最小限に抑えられるという特徴があります。また、送信機とマイクを繋ぐコネクターには、確実な固定が可能な「スクリューロック式(ネジ込み式)3.5mmプラグ」が採用されています。これにより、撮影中に演者が大きく動いてもケーブルが不意に抜けてしまう事故を完全に防止します。さらに、風切り音や吐息による吹かれ(ポップノイズ)を軽減するフォームウインドスクリーンも付属しており、屋内・屋外を問わず、常に安定したプロフェッショナルな声の収録を約束します。

長時間のインタビュー撮影を支える堅牢な設計とバッテリー性能

企業のドキュメンタリー撮影や長時間のシンポジウム、複数人を連続して撮影するインタビュー現場などでは、機材が途中でバッテリー切れを起こすことは絶対に許されません。また、毎日のように現場へ持ち出し、ハードに使い倒すプロフェッショナルの道具としては、落下や衝撃、温度変化に耐えうる物理的なタフさも求められます。Saramonic K9 XTX Kitの送信機および受信機の筐体は、軽量でありながら高い剛性を誇る高品質な素材で構築されており、過酷なロケーション撮影にも耐えうる堅牢なビルドクオリティを実現しています。安価なプラスチック製品にありがちな軋みや脆さは皆無であり、スイッチ類や端子の取り付け精度も高く、長期間にわたって安心して運用できる高い耐久性を備えています。

電源システムにおいても、プロの現場を見据えた実用的な設計がなされています。長時間の連続稼働を実現する大容量バッテリーシステムを採用しており、1回の充電または電池交換で、丸一日のインタビュー撮影や複数本の対談収録を余裕でこなすことができます。また、本体には視認性に優れた有機EL(OLED)ディスプレイが搭載されており、現在のバッテリー残量をリアルタイムかつ正確に把握することが可能です。万が一、収録が予定時間を大幅に超過するような緊急事態においても、USB Type-Cポートを介した外部給電(モバイルバッテリー等からの給電)に対応しているため、撮影を中断することなく給電しながらの連続運用が可能です。このように、ハードウェアとしての頑丈さと、柔軟でスタミナのある電源設計が組み合わさることで、クリエイターは機材のトラブルに怯えることなく、コンテンツの質を高めることだけに専念できるのです。

競合機種との比較でわかるSaramonic K9 XTX Kitの実力とスペック詳細

B帯ワイヤレスマイクシステムの導入を検討する際、具体的なスペックや競合他社製品との違いを把握しておくことは、自社の撮影スタイルに合った最適な機材選定を行う上で不可欠です。ここでは、「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )」のハードウェア仕様を詳細に紐解き、その実力を客観的に評価します。

送信機(TX)と受信機(RX)の基本仕様とインターフェース

Saramonic K9 XTX Kitを構成する送信機(TX)2台と受信機(RX)1台は、直感的な操作性と高度な機能性を両立したインターフェースを備えています。まず送信機側には、ロック機構付きの3.5mm TRSマイク入力端子およびライン入力端子が備わっており、付属のラベリアマイクだけでなく、ミキサーからのライン出力や別売りのハンドマイクなどを接続してワイヤレス化することも可能です。本体前面には高コントラストなディスプレイと操作ボタンが配置され、現在のグループ・チャンネル番号、電波出力強度(RFパワー)、マイクミュートの状態、そして入力されている音声のレベルメーターがリアルタイムに表示されます。特筆すべきは、誤操作を防止するための「キーロック機能」や、演者が一時的に席を外す際などに受信機側の設定を触らずに手元で即座に音を切れる「ミュートボタン」が適切な位置に配置されている点であり、現場での使い勝手が徹底的に計算されています。

一方、2チャンネル分の電波を一手に引き受ける受信機(RX)側も、極めて充実したインターフェースを誇ります。ディスプレイにはAチャンネルとBチャンネルそれぞれの電波受信感度(RFレベル)、オーディオ入力レベル(AFレベル)、そして送信機側のバッテリー残量までもが一括して表示されるため、カメラマンは手元の受信機を見るだけで、離れた場所にいる演者2人のマイク状態を完全に把握できます。出力端子としては、カメラやレコーダーへ音声を送る3.5mm出力端子に加え、収録音を遅滞なく直接耳で確認するための「3.5mmヘッドホンモニター端子」が独立して設けられています。もちろん、ヘッドホンの音量調整もボタン操作で即座に行えるため、カメラ側にヘッドホン端子がないミラーレス一眼カメラなどを使用する場合でも、確実な音声モニタリング環境を構築することが可能です。

デジタルUHF方式がもたらす低遅延と高いオーディオダイナミックレンジ

動画撮影用のワイヤレスマイクにおいて、通信の安定性と並んで重要なスペックが「レイテンシー(音声遅延)」と「ダイナミックレンジ(収音可能な最小音から最大音までの幅)」です。デジタルワイヤレスマイクは、アナログの音声を一度デジタルデータに変換(A/D変換)して送信し、受信機側で再びアナログまたはデジタル音声として出力するため、必ず数ミリ秒の処理遅延が発生します。この遅延が大きいと、映像の口の動きと音声がズレる「リップシンクのズレ」が生じたり、カメラマンがヘッドホンでモニターした際に自分の耳に直接届く生の声とヘッドホンからの音が重なってエコーのように聞こえ、気持ち悪さを感じたりする原因となります。Saramonic K9 XTX Kitは、高度に最適化された最新のデジタルUHFコーデックを採用することで、人間が知覚できないレベルの「超低遅延」を実現しており、別系統の有線ガンマイクと同時に収録して後からミックスするような高度な現場でも、位相ズレや違和感のない自然な音声処理が可能です。

また、オーディオのダイナミックレンジの広さも特筆すべき点です。対談収録やインタビューでは、静かに語りかけるような小さな声から、盛り上がって大笑いする瞬間や強調して大きく発声する瞬間まで、音量の変化が激しく起こります。ダイナミックレンジが狭い安価なマイクシステムでは、小さな声にゲインを合わせると大きな声で簡単に音割れ(デジタルクリッピング)を起こしてしまいます。K9 XTX Kitは、プロフェッショナルなデジタルオーディオ処理回路を搭載することで極めて広いダイナミックレンジを確保しており、ささやき声の繊細なニュアンスをノイズに埋もれさせることなく拾い上げると同時に、突発的な大声に対しても歪みにくい高いヘッドルーム(余裕度)を持っています。これにより、感情表現が豊かな対談動画であっても、最初から最後まで破綻のないリッチで聴き心地の良いサウンドを収録することができるのです。

同梱アクセサリーの充実度と現場での拡張性

業務用クラスのB帯ワイヤレスマイクシステムを購入する場合、メーカーによっては送信機と受信機の本体のみが販売されており、ラベリアマイクやカメラ接続用の各種ケーブル、マウントアダプターなどを別途買い揃えなければならず、結果として初期導入コストが大きく膨らんでしまうケースが少なくありません。その点、Saramonic K9 XTX Kitは「オールインワンパッケージ」としての完成度が非常に高く、箱を開けたその日からあらゆる撮影現場に即座に投入できる豊富なアクセサリーが標準で同梱されています。具体的には、送信機×2、受信機×1の本体に加え、高品位な無指向性ラベリアマイク×2(ウインドスクリーン・マイククリップ付属)、ベルトクリップ×3、カメラマウント用のコールドシューアダプター、そして各種接続ケーブル類が一通り網羅されています。

特にケーブル類の充実度は素晴らしく、一般的なミラーレス一眼カメラやビデオカメラのマイク端子に接続するための「3.5mm TRS – TRSケーブル」だけでなく、業務用のシネマカメラやXLR入力を備えたフィールドレコーダー(TASCAMやZoomなど)、配信用スイッチャーに直接バランス接続するための「3.5mm – デュアルXLRオス変換ケーブル」までもが最初から付属しています。このXLR変換ケーブルを使用すれば、AチャンネルとBチャンネルの音声を物理的に2本の独立したXLR端子へ分岐して入力できるため、プロ仕様の機材との親和性が劇的に高まります。さらに、すべての機材とアクセサリーを安全かつコンパクトに収納して持ち運べる専用のハードケースまたはキャリングポーチが付属している点も、移動の多いロケ撮影においては非常にありがたい配慮であり、現場での紛失防止や機材の保護に大きく貢献します。

同価格帯の他社製B帯ワイヤレスマイクシステムとのコストパフォーマンス比較

B帯ワイヤレスマイクの市場には、長年業界標準として君臨する老舗音響メーカーの製品から、新興メーカーの製品まで様々な選択肢が存在します。ここでは、Saramonic K9 XTX Kitが市場においてどのような立ち位置にあり、いかに優れたコストパフォーマンスを有しているかを比較表を用いて検証します。

比較項目 Saramonic K9 XTX Kit A社(老舗定番B帯システム) B社(エントリー向け2.4GHzシステム)
周波数帯・伝送方式 B帯(800MHz)デジタルUHF B帯(800MHz)アナログUHF 2.4GHz帯 デジタル
2人同時収録の構成 送信機2台 + 受信機1台(デュアル) 送信機2台 + 受信機2台(個別購入) 送信機2台 + 受信機1台(デュアル)
混信耐性(オフィス・都会) 極めて高い(Wi-Fi干渉なし) 極めて高い(Wi-Fi干渉なし) 低い〜中程度(環境により音切れ)
音質傾向・ノイズ クリア・低ノイズ(デジタル伝送) 自然だが特有のホワイトノイズあり クリアだが圧縮感が残る場合あり
ラベリアマイク同梱 標準で2本付属(ロック式端子) 付属(1セットにつき1本) 別売りのケースが多い(本体内蔵マイク)
導入コスト(2波構成時) 中価格帯(圧倒的ハイコスパ) 高価格帯(K9の約2倍以上のコスト) 低価格帯

上の表からも明らかなように、老舗メーカー(A社)の定番B帯システムで2人同時収録環境を構築しようとすると、シングルセットを2つ購入する必要があり、導入コストが跳ね上がるだけでなく、受信機が2台になることでカメラ周りの取り回しが非常に重く複雑になります。また、設計が古いアナログ方式のまま据え置かれている製品も多く、デジタル時代においてはS/N比(信号対雑音比)の面で見劣りする部分もあります。一方で、安価な2.4GHz帯システム(B社)は手軽ですが、ビジネス現場での混信リスクという最大の弱点を抱えています。Saramonic K9 XTX Kitは、「B帯の圧倒的な安定性」「デジタルの高音質」「2波を1台で受けるデュアル受信機の機動性」「充実の付属品」というすべての要素を兼ね備えながら、老舗メーカーで2波を揃える場合の半額近いリーズナブルな価格帯を実現しています。プロ品質の対談収録環境を最小限の投資で構築したい企業やクリエイターにとって、これ以上ない圧倒的なコストパフォーマンスを誇る製品であると断言できます。

現場で迷わない!Saramonic K9 XTX Kitの基本設定4ステップ

B帯のUHFワイヤレスマイクシステムと聞くと、「設定が難しそう」「専門的な音響知識が必要なのではないか」と身構えてしまう方もいるかもしれません。しかし、「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )」は、自動化機能と直感的なメニュー構造により、初心者でも迷うことなく数分でセッティングを完了できます。ここでは、現場到着から収録開始までの基本設定を4つのステップに分けて解説します。

ステップ1:送信機・受信機の電源投入とバッテリー残量の確認

撮影現場に到着したら、まずはケースから送信機2台と受信機1台を取り出し、それぞれの電源を投入します。電源ボタンを長押しすると有機ELディスプレイが点灯し、Saramonicのロゴに続いてホーム画面が表示されます。この最初の段階で必ず習慣づけていただきたいのが、3台すべての「バッテリー残量インジケーター」の確認です。特に2人同時収録では、どちらか一方の送信機だけでもバッテリーが切れてしまえば、対談全体の収録がストップしてしまいます。ディスプレイ右上のバッテリーアイコンが十分に満たされているかを確認し、もし残量が少ない場合は、照明やカメラのセッティングを行っている間にUSB Type-Cケーブルを接続してモバイルバッテリー等で継ぎ足し充電を行っておくか、予備のバッテリー(電池)へ交換してください。

次に、送信機2台に対して、付属のラベリアマイク(ピンマイク)を接続します。K9 XTX Kitの送信機上部にある「MIC/LINE」入力端子に、ラベリアマイクのプラグを奥までしっかりと差し込み、プラグ根元の金属製リングを時計回りに回してネジを締め込みます(スクリューロック)。このロックが緩んでいると、接触不良によるガリノイズの発生原因となるため、指でしっかりと固定されているか確認してください。また、この時点で受信機をカメラのコールドシュー(上部アクセサリー枠)にスライドさせて取り付け、落下防止のダイヤルを締めて固定しておきます。まだカメラ本体とのケーブル接続は行わず、まずはワイヤレスシステム単体での電波の確立(ペアリング)へと進みます。

ステップ2:混信を回避するオートスキャンと赤外線ペアリングの手順

B帯ワイヤレスマイクを運用する上で最も重要なプロセスが、その撮影現場で「他の無線機器が使っていないクリーンな周波数(空きチャンネル)」を見つけて設定することです。Saramonic K9 XTX Kitには、周囲の電波環境を自動で調査して最適なチャンネルを割り出す「オートスキャン機能」が搭載されているため、面倒な周波数計算は一切不要です。まず、受信機(RX)のメニュー画面を開き、チャンネルA(またはB)の設定項目から「Auto Scan(オートスキャン)」を選択して実行します。すると受信機が800MHz帯の電波を瞬時にスキャンし、最も干渉の少ない安全なグループとチャンネルを自動的に選択してセットしてくれます。

受信機側でクリーンなチャンネルが決定したら、次はその周波数情報を送信機(TX)側へ転送して同期させる「赤外線(IR)ペアリング」を行います。手順は非常に簡単です。まず送信機の電源が入っていることを確認し、受信機と送信機の「IR(赤外線受発光部)」の窓同士を、数センチの距離で向かい合わせにします。その状態で受信機側のペアリング(Sync)機能を実行すると、赤外線通信によってわずか数秒で周波数データが送信機へコピーされ、自動的にリンクが確立します。リンクが成功すると、受信機のディスプレイにある「RF(電波受信レベル)」のアンテナピクトが最大まで立ち上がります。この「オートスキャン→赤外線ペアリング」の作業を、1台目の送信機(Aチャンネル用)と2台目の送信機(Bチャンネル用)のそれぞれに対して順番に行うことで、現場の電波環境に最適化された混信知らずのデュアルワイヤレス環境があっという間に完成します。

ステップ3:カメラやレコーダーへの接続と適切なゲイン(入力感度)調整

ワイヤレスの通信が確立したら、受信機の「OUTPUT(出力端子)」と、カメラまたは音声レコーダーの「MIC IN(マイク入力端子)」を付属のオーディオケーブルで接続します。一眼カメラに接続する場合は3.5mm TRSケーブルを、業務用ビデオカメラやレコーダーに接続する場合はXLR変換ケーブルを使用してください。接続が完了したら、対談収録の音質を決定づける最重要工程である「ゲイン(音量レベル)の調整」を行います。ここでの鉄則は、「カメラ側の録音レベルは極力下げ、ワイヤレス受信機側の出力レベルを適切に上げる」ということです。なぜなら、多くのミラーレス一眼カメラに内蔵されているマイクプリアンプ(増幅回路)は性能があまり高くなく、カメラ側の録音レベルを高く設定すると「サー」というホワイトノイズ(フロアノイズ)が大量に発生してしまうためです。

具体的な手順としては、まずカメラ側の音声録音設定メニューを開き、マニュアル録音モードに切り替えた上で、録音レベルを最低値から1〜2メモリ程度上げただけの低い状態(例:レベル1〜3程度)に固定します。次に、演者に実際にマイクを装着してもらい、本番と同じくらいの声量でテストトーク(マイクチェック)をしてもらいます。その声を聞きながら、Saramonic K9 XTX Kitの受信機(または送信機)のゲイン調整メニューを操作し、カメラ側の画面に表示されるオーディオレベルメーターが、通常の会話時に「-12dBから-6dB」の間で振れるように出力レベルを追い込んでいきます。どれだけ大きな声で笑ったり強調したりしても、メーターの右端である「0dB(ピーク)」に絶対に張り付かない(赤く点灯しない)バランスを見つけることができれば、ノイズが少なく音割れもしない、プロフェッショナルなゲイン設定の完了です。

ステップ4:対談収録に最適なモノラル・ステレオ出力モードの切り替え

基本設定の最後のステップとして、受信機の出力モード(Output Mode)を「モノラル(Mono)」にするか「ステレオ(Stereo)」にするかを、撮影後の編集ワークフローに合わせて選択します。Saramonic K9 XTX Kitの受信機には、2台の送信機から届いた音声をどのようにカメラへ出力するかを切り替える機能が備わっています。「モノラルモード」を選択すると、送信機Aと送信機Bの2人分の音声が受信機内部でミックス(統合)され、カメラの左(L)チャンネルと右(R)チャンネルの両方に同じミックス音声が記録されます。このモードは、撮影後に音声編集を一切行わず、撮って出しの状態でそのまま動画を納品・公開する場合や、ライブ配信でそのまま音声を乗せたい場合に非常に便利です。

一方、対談収録やインタビュー動画を後から編集ソフト(Premiere ProやDaVinci Resolveなど)でしっかり編集する場合は、迷わず「ステレオモード」を選択することを強く推奨します。ステレオモードに設定すると、送信機A(例:インタビュアー)の音声はカメラの「左(L)チャンネル」だけに、送信機B(例:ゲスト)の音声は「右(R)チャンネル」だけに、完全に分離された状態で記録されます。そのまま再生すると片耳ずつから別々の声が聞こえる状態になりますが、編集ソフト上で「ステレオトラックを2つのモノラルトラックに分割」する処理を行うことで、2人の声をそれぞれ独立したセンター定位の音声トラックとして扱うことができます。これにより、「ステップ3」で調整しきれなかった本番中の2人の声量差を後から個別に補正したり、ゲストが話している最中にインタビュアーが入れた大きすぎる相槌だけをピンポイントで下げたりといった高度な音声編集が可能となり、動画の完成度が劇的に向上します。

対談やインタビューの音質を劇的に向上させる実践的な収録テクニック

「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )」の基本設定をマスターしたら、次は現場でのマイキング(マイクの装着)や運用に関する実践的なノウハウを取り入れましょう。機材のポテンシャルを100%引き出し、プロフェッショナルな対談音声を収録するための4つのテクニックをご紹介します。

衣擦れ音や吹かれを防ぐピンマイク(ラベリアマイク)の正しい装着位置

高品位なラベリアマイクを使用しても、装着する位置や方法が間違っていると、衣服とマイクが擦れる「ガサガサ」という衣擦れ音(タッチノイズ)や、鼻息・吐息がマイクに直接当たる「ボフッ」という吹かれ(ポップノイズ)が収録されてしまい、聞き苦しい音声になってしまいます。ピンマイクを装着する際の黄金律は、「口元から約15cm〜20cm離れた胸元の中央付近(ネクタイの結び目の少し下、または第2ボタン付近)」に取り付けることです。口に近すぎると吹かれや歯擦音(サ行の刺さる音)が強調され、逆に遠すぎると部屋の反響音(ルームリバーブ)を多く拾ってしまい、声が遠くぼやけた印象になります。また、対談収録では演者が相手の方を向いて話すことが多いため、演者が座る位置関係を確認し、顔を向けた方向(相手側)の襟元にマイクを装着すると、話している最中に口元がマイクの正面に来るため、より明瞭に声を拾うことができます。

衣擦れ音を防ぐための重要なテクニックが、ケーブルの「ループ作り(テンションリリース)」と「ウインドスクリーンの常時装着」です。マイククリップで衣服に固定する際、ケーブルをピンと張った状態のまま垂らしてしまうと、演者が体を動かすたびにケーブルが引っ張られ、その振動がダイレクトにマイクカプセルへ伝わって大きなノイズになります。これを防ぐため、クリップのすぐ下でケーブルを小さな輪っか状(ループ)にしてクリップに挟み込むか、衣服の裏側に医療用テープやガファーテープ等でケーブルを1箇所固定し、振動を吸収するクッションを作ってあげることがプロの現場では常識となっています。また、屋内でのインタビュー撮影であっても、付属のスポンジ製ウインドスクリーン(風防)は必ず装着してください。これは風を防ぐだけでなく、下を向いて話した際の吐息をブロックし、万が一上着の襟などがマイクに触れた際の物理的な擦れ音を軽減するバンパーとしての役割も果たしてくれるからです。

2人の声量差をカバーする個別チャンネル収録と音声編集のコツ

実際のビジネス対談やインタビューの現場では、プロの司会者と一般の社員、あるいは声の通る男性と控えめなトーンの女性など、2人のスピーカーの間で圧倒的な「声量差」が存在するケースが日常茶飯事です。マイクチェックの段階では同じくらいの声量で話してくれていたとしても、いざ本番のカメラが回り始めると、緊張から声が小さくなってしまったり、逆に話が盛り上がって想定以上に声が大きくなったりすることは珍しくありません。このような状況において、Saramonic K9 XTX Kitの受信機設定を「ステレオモード(L/R分離出力)」にして収録しておくことの真価が発揮されます。まずは収録段階において、受信機のディスプレイでA・Bそれぞれのレベルメーターを注視し、声が小さい側の送信機のゲイン(または受信機側のチャンネル別出力レベル)をあらかじめ少し高めに、声が大きい側を少し低めに個別のプリセットとしてバランスを取っておきます。

そして撮影後の編集段階では、LチャンネルとRチャンネルを別々のモノラルトラックに分割した上で、それぞれのトラックに対して個別のオーディオエフェクトを適用します。具体的には、声が小さい人物のトラックにはゲインを上げて音量を稼ぎつつ、コンプレッサー(音の粒を揃えるエフェクト)を浅めにかけて聞き取りやすく補正します。一方、声量が大きくダイナミクス(抑揚)が激しい人物のトラックには、リミッターや強めのコンプレッサーを適用して突出したピークを抑え込みます。さらに、対談音声のクオリティを一段階引き上げるプロの編集テクニックとして、「自分が話していない時間帯のトラックの音量を下げる(オートミックス、または手動でのフェード処理)」という手法があります。これにより、2つのマイクが同時に部屋の空調音(エアコンのノイズ等)を拾ってノイズが2倍に増幅される現象や、相手の声がもう一方のマイクに遅れて入り込むことで生じる「フェイズ(位相の干渉による不自然な響き)」を完全に消し去り、まるでスタジオの防音ブースで収録したかのようなデッドでクリアな対談音声を作り出すことができます。

電波干渉が起きやすい都市部やイベント会場でのグループ・チャンネル管理

Saramonic K9 XTX Kitが採用しているB帯(800MHz帯)は、2.4GHz帯に比べて圧倒的に混信に強い帯域ですが、注意しなければならないのが「同じB帯を使用する他のワイヤレスマイクとのバッティング」です。例えば、都心の貸し会議室やホテルの宴会場、展示会ブースなどで撮影を行う場合、隣の部屋や近くのブースで別のイベントが開催されており、そこで会場備え付けのB帯ワイヤレスハンドマイクが使用されている可能性があります。B帯の周波数は806〜810MHzという限られた幅の中に設定されているため、無秩序にチャンネルを選ぶと、互いの電波が衝突して深刻な混信ノイズや音切れを引き起こします。これを防ぐために用意されているのが「グループ(Group)」と「チャンネル(Channel)」という管理概念です。

ワイヤレスマイクを複数台(K9 XTX Kitの場合は2台)同時に使用すると、電波同士が空中で混ざり合い、本来設定していないはずの別の周波数に妨害電波が発生する「相互変調歪み(インターモジュレーション)」という物理現象が起こります。Saramonic K9 XTX Kitの内部には、あらかじめ「この周波数とこの周波数の組み合わせなら、同時に使っても絶対に相互変調歪みが起きない」という計算し尽くされたチャンネルのセットが、「グループ」として複数登録されています。したがって、現場で2台の送信機をセッティングする際は、**必ず2台とも「同じグループ(例:Group A)」の中に属する別々のチャンネル(例:Channel 1とChannel 2)に割り当てる**というルールを徹底してください。オートスキャン機能を使用する際も、同一グループ内でスキャンを行うことで、外部からの電波干渉を避けつつ、自前の送信機2台同士の干渉も完璧に防ぐことができ、B帯本来の安定したパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能となります。

ヘッドホン出力を活用したリアルタイムモニタリングによる収録ミスの防止

動画撮影の現場において、どれほど高価で高性能なワイヤレスマイクシステムを導入したとしても、絶対に省略してはならないプロセスが「ヘッドホンによるリアルタイムモニタリング(同時聴取)」です。ワンオペレーションや少人数での撮影現場では、カメラの液晶画面に表示されるレベルメーターが振れていることだけを確認して、「音は入っているから大丈夫だろう」とヘッドホンを着けずに本番を回してしまうケースが散見されます。しかし、レベルメーターは単に「何らかの音(音量)が入力されている」ことを示しているに過ぎず、その音がクリアな声なのか、それとも激しい衣擦れ音や空調の風切り音、あるいはケーブルの接触不良による「ブーン」というハムノイズなのかまでは判別できません。撮影が終わって編集室に戻り、パソコンで再生して初めて「最初から最後までノイズが乗っていて使い物にならない」と気づいても、対談のやり直しは不可能です。

Saramonic K9 XTX Kitの受信機には、プロフェッショナルの現場要請に応える専用の3.5mmヘッドホン出力端子が搭載されています。撮影中は必ずこの端子(またはカメラ本体のヘッドホン端子)に密閉型のモニターヘッドホンやイヤホンを接続し、常に自分の耳で実際の収録音を聴きながらカメラを回す習慣をつけてください。耳で直接モニタリングしていれば、演者が動いた際にマイクにネックレスが当たって「カチカチ」と鳴っていることや、近くを救急車が通った際の環境音の混入、さらには万が一の電波状況の悪化による微細なノイズの兆候を、その瞬間にリアルタイムで察知することができます。異常に気づけば、「すみません、今の質問だけもう一度お願いします」とその場で即座にリテイク(撮り直し)を要求したり、マイクの位置を直しに行ったりといったリカバリーが可能となり、納品不能という最悪のビジネストラブルを100%未然に防ぐことができるのです。

Saramonic K9 XTX Kitの導入検討に向けた確認事項とまとめ

ここまで、「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )」の優れた機能性と、対談収録・インタビュー撮影における実践的な運用方法を解説してきました。最後に、本製品を実際に導入する前に確認しておくべき技術的・法的なチェックポイントと、本システムがもたらすビジネス価値についてまとめます。

導入前にチェックすべき撮影機材との接続互換性

Saramonic K9 XTX Kitは非常に汎用性の高いワイヤレスマイクシステムですが、導入後にスムーズに運用を開始できるよう、現在お使いのカメラやレコーダー、配信機材との接続互換性を事前に確認しておくことをお勧めします。まず、一般的なミラーレス一眼カメラ(Sony αシリーズ、Canon EOS Rシリーズ、Panasonic LUMIXシリーズなど)や小型ビデオカメラを使用している場合は、カメラ本体に「3.5mmステレオミニジャック(マイク入力端子)」が備わっているかを確認してください。この端子があれば、K9 XTX Kitに標準付属している3.5mm TRSケーブル1本でそのまま接続し、ステレオ分離収録(2人別トラック収録)まで完璧に行うことができます。また、カメラの上部に受信機を取り付けるための「コールドシュー(またはストロボ用のホットシュー)」が空いているかも合わせて確認しておきましょう。

次に、業務用のカムコーダーやシネマカメラ(Sony FXシリーズ、Canon Cinema EOSなど)、あるいはXLR入力端子を備えた外付けマイクアダプターやフィールドレコーダーを使用している場合は、同梱の「3.5mm – デュアルXLR変換ケーブル」を使用することで、2つのXLR端子(CH1とCH2)へそれぞれ独立して音声を入力することができます。この際、カメラ側のXLR端子の設定スイッチを「LINE(ライン入力)」や「+48V(ファンタム電源)」ではなく、必ず通常の「MIC(マイク入力)」に設定して運用する点に注意してください(K9 XTX Kitの受信機自体は電源を内蔵しているため、カメラ側から+48Vファンタム電源を送る必要はありません)。なお、iPhoneなどのスマートフォンや最新のノートパソコン(USB Type-C端子のみ搭載のモデル)に直接接続して収録・Web会議等を行いたい場合は、別途3.5mm TRSからUSB-C(またはLightning)へ変換するオーディオインターフェースケーブルを用意することで、問題なく高音質なワイヤレス音声を入力することが可能です。

B帯ワイヤレスマイクを運用する際の国内電波法に関する注意点

ビジネスでワイヤレス機器を導入するにあたり、コンプライアンス(法令遵守)の観点から絶対に確認しておかなければならないのが、日本の「電波法」への適合性です。近年、海外のECサイトや並行輸入品として、日本国内では使用が許可されていない周波数帯(例えば海外仕様の500MHz帯や600MHz帯、900MHz帯など)を発信するUHFワイヤレスマイクが安価に販売されているケースが見受けられます。これら日本国内の「技術基準適合証明(いわゆる技適マーク)」を取得していない無線機器を国内で電源を入れて使用すると、テレビ放送や携帯電話の通信、さらには警察・消防などの重要無線通信を妨害する恐れがあり、電波法違反として厳しい罰則(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の対象となります。企業の公式動画の撮影現場で違法無線機を使用していたとなれば、企業の社会的信用を失墜させる重大なリスクとなります。

その点、国内正規流通品である「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム」は、日本の電波法が定める特定小電力無線局の規格(B帯:806MHz〜810MHz)に完全に準拠して設計されており、総務省の基準をクリアした適法な製品であるため、特別な無線従事者免許や局の開設申請などを一切行うことなく、購入したその日から日本全国どこでも合法的に安心して使用することができます。ただし、B帯のルールとして知っておくべき注意点が1つあります。それは、同じ場所(同一空間)で同時に使用できるB帯ワイヤレスマイクの本数には物理的な限界があるという点です。アナログ・デジタルの方式や環境にもよりますが、一般的に同一空間で干渉なく同時運用できるB帯マイクは最大で4波〜6波程度とされています。K9 XTX Kitは1セットで2波(送信機2台分)を使用するため、もし4人〜6人の大規模な座談会などで複数セットを同時に導入する場合は、事前に会場の電波状況を確認し、適切なグループ・チャンネル設計を行うようにしてください。

Saramonic K9 XTX Kitはどのような動画クリエイター・企業に最適か

これまでの特徴やスペックを踏まえると、Saramonic K9 XTX Kitは以下のような課題やニーズを抱える動画クリエイター、ビデオグラファー、そして企業のインハウス動画制作・広報担当者に最も最適なソリューションと言えます。

  • 経営者対談・社員インタビュー・顧客事例動画を頻繁に制作する企業広報・マーケティング担当者: オフィス内のWi-Fiが飛び交う環境でも音切れを起こさず、やり直しの効かないエグゼクティブやクライアントの声を確実に、かつ放送局レベルのクリアな音質で収録したい場合に最適です。
  • 2.4GHz帯ワイヤレスマイクの音切れや混信トラブルに悩まされているプロのビデオグラファー: イベント会場や展示会、都心のスタジオなど、電波環境が劣悪な現場でのクライアントワークにおいて、機材トラブルによる信用失墜を防ぎ、圧倒的な通信安定性を手に入れたい方に強く推奨されます。
  • ワンオペレーションや少人数で機動力を重視した撮影を行う映像制作者: 送信機2台をわずか1台のコンパクトな受信機で受けられるデュアルシステムにより、カメラリグを大型化させることなく、2人同時収録のセッティングと撤収を極限まで効率化したい現場で真価を発揮します。
  • ウェディング撮影やセミナー・講演会の記録撮影を行うカメラマン: 広大な披露宴会場やホールでの長距離伝送が求められ、かつバッテリー切れやケーブル抜けといったミスが絶対に許されない長時間の長回し撮影において、堅牢な筐体とスクリューロック式ラベリアマイクが高い安心感を提供します。

このように、手軽さだけを追求したエントリー機材から一歩踏み出し、ビジネスレベルの「確実性」と「高音質」を高いコストパフォーマンスで両立させたいと考えるすべての制作者にとって、本製品はまさに理想的な選択肢となります。

高品質な音声収録機材への投資が動画コンテンツの価値を高める

映像制作の技術が進化し、スマートフォンやエントリークラスのミラーレスカメラでも誰もが美しい4K映像を撮影できるようになった現代において、競合他社の動画コンテンツと決定的な差別化を図るための鍵は「音(オーディオ)のクオリティ」にあります。どれほど美しい映像美や凝った編集エフェクトを施したとしても、肝心の対談相手の声がこもっていたり、ノイズまみれで聞き取りづらかったりすれば、視聴者はその動画に対して「素人っぽさ」を感じ取り、メッセージの説得力は半減してしまいます。逆に言えば、ノイズのないクリアで芯のある音声が耳にスッと入ってくる動画は、それだけで視聴者に「プロフェッショナルで信頼できる企業(チャンネル)である」という強いブランディング効果を与え、最後までストレスなく視聴してもらうための強力なフックとなります。

カメラのボディやレンズは数年ごとに新しいモデルが登場し、陳腐化のスピードが速い機材ですが、電波法で定められたB帯を使用する完成されたワイヤレスマイクシステムは、一度導入すれば長年にわたって第一線の現場で使い続けることができる、極めて資産価値の高い機材投資です。「【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )」は、B帯デジタルUHFによる揺るぎない通信安定性、2人同時収録をスマートに完結させるデュアル受信機、そして声の魅力を最大限に引き出す高品位なラベリアマイクを手の届きやすい価格でパッケージングした、現代の対談・インタビュー収録における決定版とも言えるシステムです。ぜひ本記事で解説した設定手順や収録テクニックを活用し、あなたの制作する動画コンテンツの音質とビジネス価値を劇的に向上させてください。

【B帯】Saramonic K9 XTX Kit UHFワイヤレスマイクシステム( 送信機2台・受信機1台 )
送信機2-受信機1 ワイヤレスマイク
32bitフロート録音対応
B帯 デジタル (550–960 MHz)
ワイヤレス・ハンドマイク

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