シネマスコープ映像を効率的に制作|SIRUI T2.9 フルサイズレンズ3本セットの特徴

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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

動画制作を効率化するSIRUI(シルイ)Saturn V2 フルサイズアナモルフィックレンズセットの概要

映像制作の現場において、作品に映画のような重厚感と視覚的なインパクトを与えるシネマスコープサイズの映像表現は、多くのクリエイターやクライアントから高い支持を得ています。しかし、本格的なアナモルフィックレンズ(アナモフィックレンズ)を用いた映画撮影や動画制作は、機材の大型化や高額なコスト、さらには複雑なオペレーションが伴うため、導入に高いハードルが存在していました。こうした課題を解決し、より効率的かつ機動的な映像制作を実現するのが、「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 35mm / 50mm / 75mm T2.9 1.6X Lマウント 専用ハードケース付きセット」です。本記事では、Lマウントシステムを採用するプロフェッショナルやハイアマチュアの映像制作者に向けて、SIRUI(シルイ)が誇るこの最新シネマレンズセットの特徴や導入メリット、現場での実践的な活用ポイントについてビジネス視点から詳しく解説します。

映画撮影の現場で求められるアナモルフィックレンズ(アナモフィックレンズ)の役割

映画撮影や高品位な動画制作の現場において、アナモルフィックレンズ(アナモフィックレンズ)は単なる光学機器以上の重要な役割を担っています。一般的な球面レンズ(スフェリカルレンズ)で撮影された映像を後から上下クロップしてシネマスコープのアスペクト比にする手法とは異なり、アナモルフィックレンズは光学的に横方向の広い画角を圧縮(スクイーズ)してセンサーに記録します。これにより、センサーのピクセルを無駄にすることなく、高解像度かつ情報量の多いワイドスクリーン映像を生成することが可能です。また、アナモルフィックレンズ特有の縦長の楕円ボケや、強い光源がレンズに入った際に発生する水平方向の美しいレンズフレアは、視聴者に対して直感的に「映画的な世界観」を印象付ける強力な視覚効果をもたらします。クライアントワークや商業映画において、他の映像作品との差別化を図り、ストーリーの没入感を高めるために、この独特な光学特性を持つシネマレンズの需要は年々高まっています。

カーボンファイバー採用による小型・軽量化を実現したSaturn V2シリーズの進化

従来のフルサイズ対応アナモルフィックレンズは、複雑な光学構造ゆえに非常に大きく重いものが主流であり、大型のシネマカメラや堅牢な三脚、大掛かりなリグを組むことが前提とされてきました。しかし、SIRUI(シルイ)のSaturn(サターン)シリーズは、フロントバレルに軽量かつ高強度なカーボンファイバー素材を採用することで、常識を覆す圧倒的な小型・軽量化を実現しました。さらに進化した「Saturn V2シリーズ」では、前モデルの基本性能や軽量性を継承しつつ、現場のニーズに応えるべく外装デザインやメカニックの精度が向上しています。具体的には、フォーカシングやアイリス操作のトルク感が最適化され、より精密なピント送りが可能となったほか、レンズマウント部の堅牢性や鏡筒全体の耐久性が強化されています。この革新的な軽量設計により、ワンマンオペレーションや少人数でのロケーション撮影においても、アナモルフィックレンズの持ち出しが容易になり、制作現場の機動力を飛躍的に高めています。

Lマウントシステムにおけるフルサイズシネマレンズの優位性

近年、動画制作市場において急速にシェアを拡大しているのが、ライカ、パナソニック、シグマなどが参画する「Lマウントアライアンス」を基盤としたLマウントシステムです。パナソニックのLUMIX Sシリーズやシグマのfpシリーズ、さらにはブラックマジックデザインのシネマカメラなど、Lマウントを採用するフルサイズカメラは、優れた動画記録性能とコンパクトなボディサイズを両立しており、プロの現場で広く活用されています。このLマウントシステムにSIRUIのフルサイズ対応シネマレンズを組み合わせることで、短いフランジバックを活かした光学性能の最適化と、システム全体のコンパクト化という大きな優位性が生まれます。フルサイズセンサーの広い受光面積とダイナミックレンジを余すことなく活用できるため、暗部から明部まで豊かな階調表現が可能となり、Lマウントカメラが持つポテンシャルを最大限に引き出したハイエンドなシネマスコープ映像を効率的に制作することができます。

35mm・50mm・75mmの3本セットと専用ハードケースがもたらす機動力

映像制作の現場では、シーンの状況や演出意図に合わせて迅速に画角を変更する必要があります。「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 35mm / 50mm / 75mm T2.9 1.6X Lマウント 専用ハードケース付きセット」は、使用頻度の高い広角35mm、標準50mm、中望遠75mmという3つの焦点距離を網羅しており、これ1セットで風景のエスタブリッシングショットから人物のバストアップ、感情を切り取るクローズアップまで、あらゆるカットに対応可能です。さらに、これら3本のLマウントレンズを安全かつコンパクトに収納できる専用ハードケースが付属している点も、ビジネスユースにおいて極めて重要な要素です。耐衝撃性と防塵・防滴性に優れた専用ハードケースにより、遠方へのロケ移動や航空機での運搬時にも機材トラブルのリスクを最小限に抑え、現場到着後のセッティングから撤収までのワークフローを大幅に効率化します。

1.6倍スクイーズとT2.9の明るさが実現する4つのシネマスコープ表現

SIRUI Saturn V2シリーズが多くの映像クリエイターから選ばれる理由は、そのコンパクトさだけでなく、本格的な光学設計によってもたらされる妥協のない映像表現力にあります。特に「1.6倍(1.6X)スクイーズ」という圧縮率と、全焦点距離で統一された「開放T2.9」という明るさは、現代のデジタルシネマ制作において非常にバランスの取れたスペックです。ここでは、このレンズセットが実現する4つの特徴的なシネマスコープ表現について解説します。

1.6倍スクイーズによる圧倒的なワイド画角とシネマスコープ映像の生成

アナモルフィックレンズの核となるのがスクイーズファクター(圧縮率)です。市場には1.33倍や2倍のレンズも存在しますが、SIRUI Saturn V2シリーズが採用している「1.6倍スクイーズ」は、フルサイズセンサーとの組み合わせにおいて極めて高い親和性を発揮します。例えば、一般的な3:2のセンサー比率を持つフルサイズカメラで撮影し、ポストプロダクションで1.6倍のデスクイーズ(引き伸ばし)処理を行うと、約2.4:1という正統派のシネマスコープ映像が生成されます。さらに、カメラ側の16:9モードで記録した場合には、約2.8:1という超ワイドなパノラマ映像を作り出すことも可能です。1.33倍では物足りなさを感じていたアナモルフィック特有の歪み感やワイド感をしっかりと得られつつ、2倍スクイーズレンズよりも小型で取り回しが良いという、実用性と表現力を高次元で両立した仕様となっています。

被写体を際立たせるアナモルフィック特有の美しい楕円ボケ

1.6倍という高いスクイーズ倍率は、背景のボケ味にも顕著な効果をもたらします。球面レンズでは点光源のボケが正円に近くなるのに対し、1.6Xアナモルフィックレンズを通した光は縦方向に引き伸ばされ、非常に美しい「楕円ボケ(オーバルボケ)」を形成します。特に夜景のイルミネーションや木漏れ日などを背景にした際、この縦長の楕円ボケが画面全体に広がることで、被写体が背景から立体的に浮き上がるような独特の視覚効果が生まれます。また、フォーカシングに伴ってボケが独特の膨らみ方をする「アナモルフィック・ブリージング」や、画面周辺部に向かって渦を巻くような収差も相まって、デジタルカメラ特有の硬さを和らげ、有機的で味わい深いシネマティックなルックを容易に構築することができます。

撮影照明やLEDライトを活かした印象的なレンズフレアの演出

アナモルフィックレンズを象徴するもう一つの視覚効果が、強い光源がレンズに直接入った際に画面を水平に横切るストリーク状のレンズフレアです。映画撮影やミュージックビデオ、CMなどの動画制作現場では、撮影照明や高出力なLEDライトを意図的に画角内やフレームの端に配置し、このレンズフレアを演出として積極的に活用します。SIRUI Saturn V2シリーズは、コーティング技術の最適化により、画面全体のコントラストを損なうような過度なハレーションを抑えつつ、シャープで美しい水平フレアを発生させることができます。被写体の背後からLEDライトで逆光を当てたり、カメラワークによって光源を横切らせたりすることで、シーンにドラマチックな緊張感や未来的な雰囲気、あるいはノスタルジックな情緒を付加することが可能です。

開放T2.9の明るさがもたらす低照度環境での安定した撮影性能

シネマレンズの明るさを示すT値(Transmission値)は、レンズの実際の光透過率に基づいた厳密な指標です。SIRUI Saturn V2シリーズは、35mm、50mm、75mmのすべてのレンズにおいて「開放T2.9」という十分な明るさを確保しています。アナモルフィックレンズは構造上、レンズ枚数が多くなり光量が落ちやすい傾向にありますが、T2.9を実現していることで、室内での撮影や夕景、さらには夜間ロケといった低照度環境でも、カメラのISO感度を過度に上げることなくノイズの少ないクリーンな映像を記録できます。また、開放T2.9の浅い被写界深度を活かすことで、暗い現場でも撮影照明の数を最小限に抑えながら、被写体にしっかりとピントを合わせ、背景を大きくぼかした印象的な映像表現を安定して行うことができます。

35mm・50mm・75mmの焦点距離と共通仕様が持つ4つの特徴

「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 35mm / 50mm / 75mm T2.9 1.6X Lマウント 専用ハードケース付きセット」は、単体での優れた光学性能だけでなく、3本が揃うことで真価を発揮するシステムとして設計されています。ここでは、各焦点距離が持つ映像表現上の役割と、シネマレンズとしての共通仕様が現場にもたらす利便性について整理します。

モデル名 焦点距離 水平画角(35mm換算相当) 開放T値 スクイーズ倍率 主な用途・特徴
Saturn V2 35mm 35mm 約22mm相当 T2.9 1.6X 風景、建築、狭い室内での広い画角確保
Saturn V2 50mm 50mm 約31mm相当 T2.9 1.6X 標準的な人物撮影、日常シーン、自然な遠近感
Saturn V2 75mm 75mm 約47mm相当 T2.9 1.6X ポートレート、クローズアップ、大きな楕円ボケ

35mmレンズ:広角を活かした風景描写や建築・空間のダイナミックな撮影

セットの中で最も広い画角を持つ35mmレンズは、1.6倍のスクイーズ効果により、水平方向の画角が球面レンズの約22mm相当という超広角の視野を提供します。一方、垂直方向の画角は35mmのままであるため、一般的な超広角レンズで発生しがちな上下方向の過度なパースペクティブの歪みを抑えつつ、横方向へダイナミックに広がる空間描写が可能です。壮大な自然風景の撮影はもちろん、建築物の外観やインテリア、あるいはスペースが限られた室内での複数人のグループショットなどにおいて、状況説明(エスタブリッシングショット)として極めて高い効果を発揮します。広角でありながら周辺部の解像度も高く維持されており、画面の隅々まで緻密な情報を捉えることができます。

50mmレンズ:自然な遠近感で被写体を捉えるスタンダードな映像表現

50mmレンズは、水平方向が約31mm相当の画角となり、映像制作において最も汎用性の高いスタンダードな1本として機能します。人間の視覚に近い自然な遠近感を保ちながら、アナモルフィックならではのワイドなフレームの中に被写体と背景の情報をバランスよく収めることができます。ドキュメンタリータッチの撮影や、登場人物の日常的なアクションを追うミディアムショット、あるいは対話シーンなどにおいて、視聴者に違和感を与えることなくストーリーへ引き込むことが可能です。また、35mmよりも背景のボケ量が大きくなるため、被写体を適度に浮き立たせたい場合にも重宝し、現場で最初にカメラに装着するメインレンズとして最適な焦点距離と言えます。

75mmレンズ:圧縮効果と深いボケ味を活かしたポートレートやクローズアップ

中望遠域にあたる75mmレンズは、水平方向が約47mm相当の画角を持ち、中望遠ならではの圧縮効果と、シリーズ中で最も深く美しい楕円ボケを生み出します。人物のバストアップや表情の機微を捉えるクローズアップショットにおいて、顔の造形を歪ませることなく美しく描写し、背景を整理して被写体の感情を際立たせることができます。特に、背景に点光源や撮影照明を配置した際のボケの大きさと立体感は圧倒的であり、映画のクライマックスシーンや製品プロモーションにおけるインサートカットなど、視聴者の視線を一点に集中させたい重要なカットで絶大な威力を発揮します。

レンズ交換時の再セッティングを最小限に抑えるギア位置とサイズの統一設計

プロの映画撮影や動画制作の現場において、レンズ交換にかかる時間は全体のスケジュールを大きく左右します。SIRUI Saturn V2シリーズの35mm、50mm、75mmは、鏡筒の全長やフロント径、そしてフォーカスリングとアイリスリング(絞りリング)のギア位置が3本すべてで統一されています。この共通設計により、マットボックスやフィルター、フォローフォーカスといったアクセサリーを装着した状態でも、レンズ交換のたびにそれらの位置を調整し直す必要がありません。迅速かつスムーズに別の焦点距離へ移行できるため、限られた撮影時間の中でより多くのカットを収録することが可能となり、制作現場の生産性を大幅に向上させます。

Lマウント対応のSIRUI Saturn V2シリーズを導入する4つのメリット

機材投資の観点から見た場合、Lマウント対応の「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 3本セット」の導入は、制作会社やフリーランスのビデオグラファーにとって多くの実務的メリットをもたらします。ここでは、画質、運用性、管理、編集の4つの切り口から具体的な導入メリットを解説します。

  • 高解像度なフルサイズセンサーの性能を引き出す光学設計
  • ジンバルやドローンへの搭載を容易にする軽量カーボンボディ
  • 専用ハードケースによる安全かつ効率的な機材輸送と管理
  • 3本間の統一されたカラーサイエンスによるグレーディングの効率化

フルサイズセンサーの性能を最大限に引き出す高解像度な光学設計

現代のLマウントカメラは、4Kや6K、さらには8Kといった超高解像度での動画記録に対応しています。SIRUI Saturn V2シリーズは、こうした最新のフルサイズセンサーの要求に応える高い光学性能を備えています。精密に研磨された非球面レンズや特殊低分散ガラスを適切に配置することで、アナモルフィックレンズの味わい深い特性を残しつつ、ピント面においては極めてシャープでクリアな解像感を実現しています。色収差や歪曲収差も良好に補正されており、大画面のスクリーンや高精細なモニターで再生される商業映像においても、クライアントを満足させるプロフェッショナルな画質を提供します。

ジンバルやドローン撮影にも対応可能な圧倒的軽量ボディ

カーボンファイバーを採用した本レンズセットは、1本あたりの重量が約400g〜500g前後という驚異的な軽さを実現しています。これは一般的なフルサイズ対応アナモルフィックレンズの半分以下の重量であり、近年のトレンドである電動ジンバル(スタビライザー)や大型ドローンを用いた撮影において決定的なアドバンテージとなります。また、3本間で重量バランスが大きく変わらないため、ジンバル上で35mmから50mm、75mmへとレンズを交換した際にも、モーターのキャリブレーションやバランス調整を最小限の手間で済ませることができます。これまで大型クレーンやドリーが必要だったダイナミックな移動ショットを、小型ジンバル一つで軽快に実現できる点は大きな魅力です。

3本を安全に収納・運搬できる専用ハードケースによる機材管理の効率化

本セットに付属する専用ハードケースは、35mm、50mm、75mmの3本のレンズとレンズキャップ類が寸分の狂いもなく収まるよう、内部のウレタンフォームが精密にカッティングされています。外部からの強い衝撃や水滴、粉塵から高価なシネマレンズを確実に保護するため、過酷な屋外ロケや長距離の移動でも安心して持ち運ぶことができます。また、現場での機材チェックの際にも、ケースを開けるだけで3本すべての所在と状態を一目で確認できるため、撤収時の置き忘れや紛失といったヒューマンエラーを防ぎ、機材管理のワークフローを標準化・効率化することができます。

統一された色味とトーンによるポストプロダクション(編集作業)の時間短縮

異なるメーカーや異なるシリーズのレンズを混在させて撮影した素材を編集する場合、レンズごとの微妙な色味(カラーキャスト)やコントラストの違いを合わせるカラーマッチング作業に多大な時間を要します。しかし、SIRUI Saturn V2シリーズの3本セットは、同一の光学コーティングと設計思想のもとで製造されているため、35mm、50mm、75mmのどのレンズで撮影しても、色味やトーンが一貫して統一されています。これにより、ポストプロダクションにおけるカラーグレーディングの工程で、カットごとの色合わせにかかる手間と時間を大幅に削減でき、クリエイティブなルック作りにより多くの時間を割くことが可能となります。

映画撮影や本格的な動画制作でレンズセットを活用する4つの実践ポイント

アナモルフィックレンズは、その特殊な光学構造ゆえに、通常の球面レンズとは異なる撮影ノウハウが求められます。「SIRUI Saturn V2シリーズ 35mm / 50mm / 75mm T2.9 1.6X Lマウントセット」の性能を現場で100%引き出し、スムーズな動画制作を行うための4つの実践的なポイントを解説します。

1.6Xアナモルフィックのデスクイーズ処理を見据えたモニタリング設定

1.6倍スクイーズのレンズで撮影する際、カメラのセンサーには横方向が圧縮された縦長の映像が入力されます。このままの状態でフレーミングやピント合わせを行うことは困難なため、撮影現場ではリアルタイムで映像を横方向に1.6倍引き伸ばして表示する「デスクイーズ表示」のモニタリング環境が不可欠です。使用するLマウントカメラの内部機能に1.6Xデスクイーズ表示が搭載されている場合はそれを有効にし、もしカメラ側が1.33Xや2.0Xにしか対応していない場合は、1.6Xデスクイーズ表示に対応した外部フィールドモニター(ATOMOSやSmallRig、Portkeysなど)をHDMI経由で接続してモニタリングを行います。正確なアスペクト比で構図を確認しながら撮影を進めることが、失敗を防ぐ第一歩です。

LEDライトや撮影照明の配置によるフレアのコントロール手法

アナモルフィックレンズの魅力である水平フレアは、自然光だけでなく、現場に持ち込む撮影照明やLEDライトの配置によって意図的に作り出し、コントロールすることができます。例えば、小型で高輝度なスポット系LEDライトを被写体の背後やフレームのすぐ外側に配置し、レンズの前玉に対して直接光が当たる角度(入射角)を微調整することで、フレアの強さや画面を横切る高さを自在に操ることが可能です。逆に、フレアを発生させたくないクリーンなシーンでは、マットボックスやフレンチフラッグ(ハレ切り板)を使用して、撮影照明からの不要な光がレンズに入るのを遮断します。照明機材とレンズの特性を連動させることで、映像の表現幅は飛躍的に広がります。

T2.9の浅い被写界深度を正確に制御するためのフォーカスワーク

フルサイズセンサーと開放T2.9の組み合わせ、特に中望遠の75mmレンズを使用する際は、被写界深度が非常に浅くなり、シビアなピント合わせが求められます。さらにアナモルフィックレンズは、垂直方向と水平方向で焦点距離が異なるため、ボケ方やピントの立ち上がり方に特有のクセがあります。そのため、撮影時にはモニターのピーキング機能だけに頼るのではなく、ピント拡大表示機能を活用して被写体の瞳などに厳密にフォーカスを合わせることが重要です。また、動きのある被写体を追う場合は、T2.9開放にこだわらず、T4やT5.6まで適度に絞ることで被写界深度を深くし、フォーカスの歩留まりを向上させるといった柔軟な判断もプロの現場では重要になります。

現場の進行をスムーズにするLマウントカメラとシネマレンズのセッティング

LマウントカメラにSIRUI Saturn V2シリーズを装着して運用する際は、カメラボディの底部にケージやベースプレートを取り付け、15mmロッドシステムを構築することを推奨します。レンズ自体が非常に軽量であるためマウントへの負荷は少ないものの、フォローフォーカス(マニュアルまたはワイヤレス)を使用して精密なピント送りを行う場合、ロッドにしっかりと固定されたシステムを組むことで、フォーカス操作時の微細なブレを防ぐことができます。また、あらかじめカメラのカスタムボタンに「デスクイーズ表示のオン/オフ」や「ピント拡大」を割り当てておくことで、レンズ交換から撮影開始までのオペレーションを迅速に行うことができます。

SIRUI アナモルフィックレンズ3本セットの導入前に確認すべき4つの注意点

多くのメリットを持つ「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 35mm / 50mm / 75mm T2.9 1.6X Lマウント 専用ハードケース付きセット」ですが、既存の撮影システムに組み込む際には、事前に確認しておくべき仕様上の注意点が存在します。導入後のミスマッチを防ぐため、以下の4つのポイントを必ずチェックしてください。

使用するLマウントカメラボディ側のアナモルフィックモード対応状況

Lマウントを採用するすべてのカメラが、アナモルフィック撮影に最適化された機能を持っているわけではありません。導入前に、現在使用している、あるいは導入予定のカメラボディが「1.6倍デスクイーズ表示」に対応しているか、またボディ内手ブレ補正(IBIS)を搭載している機種の場合、「アナモルフィックレンズ用の手ブレ補正モード」が備わっているかを確認する必要があります。通常の球面レンズ用の手ブレ補正設定のままアナモルフィックレンズを使用すると、画面の周辺部に不自然な歪み(ワープ現象)が発生することがあります。カメラ側でアナモルフィック手ブレ補正の倍率設定(1.6X)が可能かを確認し、非対応の場合は手ブレ補正をオフにして三脚やジンバルで運用する計画を立てることが重要です。

マニュアルフォーカス操作を前提としたフォローフォーカス等の周辺機材準備

SIRUI Saturn V2シリーズは、プロの映画撮影基準で作られた純粋なメカニカル・シネマレンズであり、電子接点を持たず、オートフォーカス(AF)やカメラ側からの自動絞り制御には対応していません。すべての操作をレンズ鏡筒上のフォーカスリングとアイリスリング(絞りリング)によるマニュアル操作で行う必要があります。そのため、普段オートフォーカスレンズをメインに使用している制作者が導入する際は、スムーズなピント送りを補助するフォローフォーカスギアや、フォーカスプラーが遠隔操作するためのワイヤレスフォローフォーカス、さらには正確な露出を測るための露出計や波形モニターといった周辺機材の準備と、マニュアル操作の習熟が必要となります。

フレアの色味(ブルーまたはニュートラル)の選択と作品トーンのすり合わせ

SIRUI Saturn V2シリーズには、レンズフレアの色味に関して、SF映画やアクション映画で象徴的な青い光線を放つ「ブルーフレアモデル」と、光源そのものの色を反映して自然な色のフレアを発生させる「ニュートラルフレアモデル」の2種類がラインナップされています。ブルーフレアは一目でアナモルフィックと分かる強い個性を持つ反面、ウェディング映像やナチュラルなトーンの企業VPなどでは演出が過剰になる場合があります。一方、ニュートラルフレアは暖色系の撮影照明を使えばオレンジ色のフレアが出るなど汎用性が高いのが特徴です。自身が手掛ける動画制作のジャンルや、クライアントが求める作品のトーンに合わせて、最適なフレアタイプを選択することが不可欠です。

各焦点距離における最短撮影距離の把握と撮影スペースの確保

アナモルフィックレンズ全般の光学的な特性として、一般的な球面レンズよりも「最短撮影距離が長い(被写体に近づけない)」という点に注意が必要です。SIRUI Saturn V2シリーズにおいても、各焦点距離で約0.6m〜0.9m前後の最短撮影距離が設定されており、テーブルフォトのような極端な接写や、狭い空間で被写体に密着するような撮影には制限が生じる場合があります。そのため、狭い室内での撮影を計画する際は、被写体との距離を十分に確保できるか事前にロケハンで確認しておく必要があります。もし、どうしてもさらに被写体に寄ってクローズアップを撮影したい場合は、レンズの前面に装着して最短撮影距離を短縮する「クローズアップレンズ(ディオプター)」を別途用意しておくことで、この課題を効果的に解決することができます。

SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 35mm / 50mm / 75mm T2.9 1.6X Lマウント 専用ハードケース付きセット

●このセットに含まれる商品

SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 35mm T2.9 1.6X Lマウント
SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 50mm T2.9 1.6X Lマウント
SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 75mm T2.9 1.6X Lマウント
SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 35mm / 50mm / 75mm T2.9 1.6X 3本レンズセットの 専用ハードケース

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