フルサイズ対応の小型軽量シネマレンズSIRUI Saturn V2が選ばれる理由

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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

近年の映像制作業界において、シネマティックな表現を手軽に実現できる機材への需要が急速に高まっています。その中でも特に注目を集めているのが、SIRUI(シルイ)が展開する「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 50mm T2.9 1.6X Lマウント」です。従来、アナモルフィックレンズ(アナモフィックレンズ)といえば大型で重量があり、大規模な映画撮影でしか扱えない高価な機材という認識が一般的でした。しかし、カーボンファイバーを採用したこの軽量レンズの登場により、動画撮影の現場は大きく変わりつつあります。本記事では、プロフェッショナルな映像制作からワンマンオペレーションまで幅広く対応する「サターン」シリーズの魅力と、50mm単焦点レンズがもたらす独自のフレア効果や楕円ボケ、シネマスコープ映像の優位性について詳しく解説します。

映像制作の常識を覆す「SIRUI Saturn V2シリーズ」の基本スペックと概要

光学メーカーSIRUI(シルイ)が手がける革新的なシネマレンズの進化

三脚や防湿庫などのカメラアクセサリーで確固たる地位を築いてきた光学メーカーSIRUI(シルイ)は、近年シネマレンズ市場において目覚ましい躍進を遂げています。同社の開発コンセプトは、従来は一部のハイエンドな映画撮影現場でしか使用できなかったアナモルフィックレンズ(アナモフィックレンズ)を、より多くの映像クリエイターの手に届けることにあります。初期のAPS-C対応モデルから始まり、フルサイズ対応のVenusシリーズを経て、さらなる小型化と高性能化を追求した結果として誕生したのが「サターン(Saturn)」シリーズです。既存の光学設計を見直し、最新の加工技術と新素材を惜しみなく投入することで、プロフェッショナルの要求に応える高い描写力と、従来のシネマレンズの常識を覆す圧倒的な携帯性を両立させています。

フルサイズ対応アナモルフィックレンズ(アナモフィックレンズ)としての市場優位性

映像制作のトレンドがフルサイズセンサー搭載カメラへと移行する中、フルサイズ対応のアナモルフィックシネマレンズに対するニーズは年々高まっています。しかし、市場に存在する多くのフルサイズ用アナモフィックレンズは、光学系の複雑さゆえに1kgを超える重量級モデルが大半を占めていました。そのような市場環境において、SIRUI Saturn V2シリーズは、フルサイズセンサーのイメージサークルを完全にカバーしながらも、驚くほどの小型・軽量化を実現している点で圧倒的な市場優位性を持っています。これにより、大型のシネマカメラだけでなく、ミラーレス一眼カメラをベースとしたコンパクトなリグシステムにも無理なく組み込むことが可能となり、インディペンデント映画から商業コマーシャル、ミュージックビデオの制作に至るまで、導入のハードルを劇的に引き下げています。

50mm T2.9 1.6X Lマウント仕様がもたらす汎用性と実用性

本モデル「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 50mm T2.9 1.6X Lマウント」は、シリーズの中核を担う極めて実用性の高い単焦点レンズです。焦点距離50mmというスペックは、1.6倍のスクイーズファクターによって水平方向の画角が約31mm相当の広角として機能し、垂直方向は50mmの標準画角を維持します。この絶妙な画角バランスにより、広大な風景を収めるエスタブリッシングショットから、被写体に迫るミディアムショットやバストアップまで、レンズ交換の手間を最小限に抑えながら多様なシーンに対応可能です。さらに、パナソニックのLUMIXシリーズやシグマfp、ライカSLシステムなどが採用するLマウント仕様であるため、動画撮影に強みを持つ最新のフルサイズミラーレス機とダイレクトに結合でき、高い剛性と信頼性を確保した状態で撮影に臨むことができます。

項目 スペック詳細
製品名 SIRUI Saturn V2 50mm T2.9 1.6X フルサイズ アナモルフィックレンズ
対応マウント Lマウント(フルサイズ対応)
焦点距離 / 絞り値 50mm / T2.9 – T16
スクイーズファクター 1.6倍(1.6X)
最短撮影距離 0.9m
フィルター径 62mm

前モデルからSaturn V2へアップデートされた主要ポイント

初代Saturnシリーズ(35mmなど)で得られた市場からのフィードバックを反映し、Saturn V2として展開される50mmおよび75mmモデルでは、プロフェッショナルの現場で求められる実用性が大幅にアップデートされています。まず外観上の大きな変化として、シネマレンズ業界の標準規格に合わせた0.8Mギアピッチの位置統一が挙げられます。これにより、シリーズ内でレンズを交換した際にもフォローフォーカスの位置を再調整する手間が省け、現場でのワークフローが大幅に迅速化されました。また、光学系においてもさらなる最適化が図られており、アナモルフィックレンズ特有のフォーカスブリージングや画面周辺の歪みがより効果的に抑制されています。さらに、マウント部の耐久性向上やフォーカスリングのトルク感の改良など、細部にわたるブラッシュアップが施され、より過酷な映画撮影の現場にも耐えうる仕様へと進化を遂げています。

SIRUI Saturn V2がプロの映画撮影や動画撮影で選ばれる4つの理由

カーボンファイバー採用による圧倒的な小型・軽量レンズ設計

SIRUI Saturn V2が多くの映像クリエイターから熱烈な支持を集める最大の理由は、鏡筒の先端部分にカーボンファイバー(炭素繊維)を採用したことによる圧倒的な小型・軽量レンズ設計にあります。一般的に金属製のパーツで構成されるシネマレンズは堅牢性と引き換えに重量が増加しますが、SIRUIは軽量でありながら高い強度を誇るカーボンファイバーを巧みに組み合わせることで、耐久性を一切損なうことなく劇的な軽量化を達成しました。重量は約400g台後半に抑えられており、これは一般的なフルサイズ用のスチル向け単焦点レンズと同等か、それ以上に軽い数値です。この革新的な設計により、機材運搬の負担が軽減されるだけでなく、撮影現場でのセッティング変更や手持ち撮影における機動力が飛躍的に向上し、少人数のクルーでも大掛かりな映画撮影のようなカメラワークを実現できるようになりました。

1.6倍のスクイーズファクターが実現する高解像度なシネマスコープ映像

アナモルフィックレンズの魅力を決定づける要素がスクイーズファクター(圧縮率)ですが、本レンズはフルサイズセンサーの性能を最大限に引き出す「1.6倍(1.6X)」を採用しています。市場で多く見られる1.33倍のレンズでは、16:9のセンサーで撮影した際に上下をクロップしないと本格的なシネマスコープ(2.35:1〜2.40:1)の比率になりませんが、1.6倍のスクイーズファクターであれば、3:2のフルサイズセンサー全体を無駄なく使用して2.4:1のワイドスクリーン映像を直接生成することが可能です。さらに、16:9モードで撮影した場合には、よりワイドな2.8:1という超広角のシネマスコープ映像を作り出すことができます。センサーのピクセルをクロップによって捨てることなく、フルサイズの高解像度と豊かな階調情報をすべて維持したままアナモルフィック特有の映像美を記録できる点は、画質に妥協しないプロの映像制作において極めて大きなアドバンテージとなります。

T2.9の明るさと50mmの標準画角がもたらす優れた被写体描写力

開放T値2.9という明るさは、小型軽量化されたフルサイズ対応アナモルフィックレンズとしては非常に優れたスペックです。動画撮影において露出を正確に管理できるTナンバー表記が採用されているため、複数台のカメラや異なるレンズ間での露出合わせも容易に行えます。T2.9の明るい絞りは、夜間や室内などのローライト環境下での映画撮影においてノイズを抑えたクリアな映像表現を可能にするだけでなく、浅い被写界深度を活かして背景を美しくぼかし、主役となる被写体を立体的に際立たせる効果をもたらします。また、50mmという焦点距離は、人間の視野に近い自然な遠近感を保ちつつ、1.6倍の水平圧縮によって背景の情報を豊かに取り込むことができるため、人物のポートレート的なカットからドラマチックな風景描写まで、被写体の魅力を最大限に引き出す優れた描写力を発揮します。

高いコストパフォーマンスとプロフェッショナルなビルドクオリティの両立

従来の映画業界において、フルサイズ対応の1.6倍アナモルフィックシネマレンズを導入しようとすれば、1本あたり数百万円という莫大な予算が必要となり、基本的にはレンタルでしか運用できない機材でした。しかし、SIRUI(シルイ)は高度な大量生産技術と効率的なサプライチェーンを駆使することで、個人のビデオグラファーや中小規模の制作会社でも購入可能な価格帯でSaturn V2シリーズを市場に投入しました。特筆すべきは、低価格でありながらビルドクオリティに一切の妥協がない点です。カーボンファイバーと高精度に削り出されたアルミニウム合金の組み合わせは高級感にあふれ、フォーカスリングやアパチャーリングの滑らかな回転トルクは、高価なハイエンドシネマレンズに匹敵する操作感を提供します。この圧倒的なコストパフォーマンスの高さこそが、世界中の動画撮影現場で本レンズが選ばれ続けている決定的な理由と言えます。

アナモルフィックシネマレンズならではの独自表現と視覚効果

映画のような世界観を演出するワイドなシネマスコープのアスペクト比

私たちが映画館で目にするハリウッド映画の多くは、横長のシネマスコープサイズで制作されています。SIRUI Saturn V2 50mm T2.9 1.6Xを使用することで、通常の球面レンズ(スフェリカルレンズ)の上下を単に黒帯でクロップしただけの疑似的なシネマスコープとは根本的に異なる、本物のワイドスクリーン映像を手に入れることができます。50mmのレンズでありながら水平方向には約31mm相当の広い画角を持つため、被写体に近づいて大きく捉えつつも、その周囲に広がるロケーションの空気感や背景のディテールを同時にフレーム内に収めることが可能です。この独特の空間圧縮効果とワイドなアスペクト比は、視聴者の視線を自然と画面の隅々へと誘導し、日常の何気ない風景であっても、まるで壮大な物語の一部であるかのような映画的(シネマティック)な世界観へと昇華させる強力な視覚効果を持っています。

印象的なシーンを作り出す2種類の美しいフレア効果(ブルー・ニュートラル)

アナモルフィックレンズの代名詞とも言えるのが、強い光源がレンズに入った際に発生する水平方向のストリークフレアです。SIRUI Saturn V2シリーズでは、クリエイターの意図や作品の世界観に合わせて選択できるよう、「ブルーフレア」と「ニュートラルフレア(ナチュラルフレア)」の2種類のコーティングバリエーションが用意されています。

  • ブルーフレアモデル:SF映画やミュージックビデオなどで頻繁に用いられる、鮮やかで象徴的な青い水平フレアを生み出します。車のヘッドライトや街灯、逆光などを活かして、クールで近未来的な雰囲気や、感情の高まりをドラマチックに演出したい場合に最適です。
  • ニュートラルフレアモデル:光源そのものの色味を反映した、温かみのある自然なフレアを発生させます。夕日のオレンジ色や室内のタングステンライトの色をそのまま引き伸ばすため、ヒューマンドラマやウェディング映像、コマーシャルなど、過度な演出を抑えつつ上品なフレア効果を取り入れたい映像制作に重宝します。

被写体を立体的に際立たせるアナモフィック特有の美しい楕円ボケ

光学的に水平方向を1.6倍に圧縮して記録するアナモルフィックレンズでは、ピント面から外れた背景や前景の点光源が、縦長の美しい「楕円ボケ(オーバルボケ)」として描写されます。これはデジタル処理やプラグインでは決して再現することができない、光学式アナモフィックレンズならではの特権的な表現です。特にSIRUI Saturn V2の50mmという焦点距離は、35mmモデルと比較してボケ量を大きく作り出すことができるため、開放T2.9付近で撮影することで、背景のイルミネーションや木漏れ日が幻想的な縦長の楕円となって溶け合います。さらに、ピント面からアウトフォーカス部分へのなだらかな階調変化と、画面周辺部に見られる独特の渦巻き状のボケ味(バレルディストーションに伴う視覚効果)が相まって、被写体が背景から浮き上がるような圧倒的な立体感と奥行きを映像に与えます。

単焦点レンズならではの高い光学性能と歪みを抑えたクリアな描写

ビンテージのアナモルフィックレンズには、開放付近での極端な甘さや激しい周辺減光、大きな樽型歪曲収差がつきものでしたが、最新の光学設計を取り入れたSIRUI Saturn V2は、現代のデジタルシネマに求められる高い解像力とクリアな描写性能を兼ね備えています。単焦点レンズとして光学系を突き詰めることで、色収差や不要なゴーストを徹底的に抑制し、開放T2.9から被写体の輪郭をシャープに描き出します。また、アナモルフィック特有の味わいを残しつつも、建築物や直線的な背景を撮影した際に気になりがちな歪みを最小限に抑えているため、商業映像や企業VPなど、クライアントから正確でクリーンな画作りを求められる現場でも安心して使用できます。オールドレンズのようなクセの強さと、モダンレンズのシャープネスが絶妙なバランスで融合している点が、本レンズの光学的な特徴と言えます。

Lマウント機との組み合わせによる機動力を活かした撮影スタイル

フルサイズLマウントカメラとの高い親和性と重量バランス

Lマウントアライアンスによって展開されるフルサイズミラーレスカメラ(Panasonic LUMIX S5II / S5IIX、S1H、SIGMA fp / fp Lなど)は、そのコンパクトなボディサイズと高度な動画記録性能により、世界中の映像制作者から絶大な支持を得ています。SIRUI Saturn V2のLマウントモデルは、マウントアダプターを介すことなくこれらのカメラボディに直接装着できるため、フランジバックの狂いやガタつきの心配がなく、極めて高い剛性を確保できます。さらに、約400g台後半というレンズの軽さは、小型なLマウントボディに装着した際のフロントヘビー現象を完全に解消します。特に世界最小・最軽量クラスのフルサイズ機であるSIGMA fpシリーズと組み合わせた場合、手のひらに収まるほどのサイズ感でフルサイズ・アナモルフィック撮影システムが完結するという、従来の映画撮影の常識では考えられなかったほどの高い親和性と理想的な重量バランスを実現します。

ジンバルやスタビライザーを使用したワンマンオペレーションの効率化

現代の動画撮影現場では、少人数あるいは一人ですべてをこなすワンマンオペレーションの機会が増えています。その際、滑らかな移動ショットを実現するために不可欠なのが電動ジンバル(スタビライザー)ですが、従来の重く長いアナモルフィックレンズを載せるには、大型で高価なジンバルと強力なモーター、そして複雑なカウンターウェイトの調整が必要でした。しかし、小型軽量なSIRUI Saturn V2であれば、DJI RSシリーズなどの一般的な片手持ちジンバルに、カメラボディとワイヤレスフォローフォーカスモーターを組み込んだ状態でも余裕を持ってペイロード内に収まります。さらに、フォーカスリングを回してもレンズの全長が変化しないインナーフォーカス構造を採用しているため、一度ジンバルのバランス調整を行えば、撮影中に重心位置がズレることもありません。これにより、セッティング時間が大幅に短縮され、現場での圧倒的な効率化をもたらします。

ドローン撮影や車載撮影など特殊機材への搭載メリット

カーボンファイバー採用による軽量設計とコンパクトな筐体は、地上での撮影だけでなく、空中や移動体からの特殊撮影においても計り知れないメリットを生み出します。例えば、シネマカメラやミラーレス機を搭載する大型のFPVドローンやInspireシリーズなどの空撮機材において、レンズの重量が数百グラム軽いということは、飛行時間の延長や機体の安定性向上に直結します。これまで重量制限のために球面レンズしか選択肢がなかった空撮シーンにおいて、フルサイズ1.6倍の本格的なアナモルフィック映像を撮影できるようになった意義は非常に大きいです。また、吸盤マウントや小型の油圧アームを用いた車載撮影(カーマウント)においても、レンズ自体が小型で風圧を受けにくく、振動によるブレも最小限に抑えられるため、迫力のあるローアングルでの走行シーンなどを安全かつ高品質に収録することが可能になります。

長時間のハンドヘルド動画撮影における身体的負担の軽減

ドキュメンタリータッチの映像制作や、演者の動きに即座に反応してカメラを振るような映画撮影の現場では、あえて三脚やジンバルを使わず、カメラマンの手持ち(ハンドヘルド)によって臨場感を演出する手法が多用されます。このような撮影スタイルにおいて、機材の総重量はカメラマンの体力と集中力を維持するための極めて重要なファクターとなります。SIRUI Saturn V2とLマウント機の組み合わせであれば、リグや外部モニターを含めてもシステム全体の重量を大幅に抑えることができるため、丸一日に及ぶような長時間のハンドヘルド動画撮影であっても、腕や腰への身体的負担が劇的に軽減されます。機材が軽いことで、ハイアングルからローアングルへの素早い切り替えや、狭い室内での取り回しも容易になり、結果としてクリエイティブなカメラワークへの挑戦を後押しし、作品のクオリティ向上に大きく貢献します。

SIRUI Saturn V2 50mm T2.9を映像制作現場へ導入する際の注意点

1.6Xデスクイーズ処理に対応する外部モニターやカメラ設定の確認

アナモルフィックレンズを現場に導入する際、最初に確認すべき事項が「デスクイーズ(圧縮された映像を本来の比率に引き伸ばす処理)」のモニタリング環境です。SIRUI Saturn V2は1.6倍のスクイーズファクターを持っているため、通常のカメラ背面モニターにそのまま表示させると、被写体が縦に細長く潰れた状態で映し出され、正確な構図やピントの確認が困難になります。LUMIX S5IIなどのLマウント機には、カメラ内部でアナモルフィックデスクイーズ表示を行う機能が搭載されていますが、機種によっては1.33倍や1.5倍、2.0倍しか選択できないケースもあります。そのため、カメラ本体のファームウェアが「1.6倍(1.6X)」のデスクイーズ表示に対応しているかを事前に確認することが不可欠です。もし非対応のカメラボディを使用する場合には、AtomosやSmallRig、 Hollylandなどが販売している、1.6倍デスクイーズ機能やカスタムアスペクト比設定を備えた外部モニターを必ずシステムに組み込む必要があります。

マニュアルフォーカス操作を快適にするフォローフォーカス等のアクセサリー選び

シネマレンズである本製品は、電子接点を持たない完全なマニュアルフォーカス(MF)およびマニュアルアイリス(絞り)仕様となっています。特にアナモルフィックレンズは構造上、ピントが合っている範囲がシビアであり、さらに50mm T2.9の開放付近では被写界深度が浅くなるため、レンズ鏡筒を直接手で回すオペレーションでは微細なピント送りが難しく、画面に不要な微振動を与えてしまうリスクがあります。したがって、映像制作現場で本レンズの性能を最大限に引き出すためには、0.8Mギアピッチに対応したマニュアルフォローフォーカスや、Tilta Nucleusシリーズ、DJI Focusなどのワイヤレスフォローフォーカスシステムの導入が強く推奨されます。事前にリグのロッド位置とレンズのフォーカスギアの噛み合わせを確認し、滑らかで正確なフォーカシングが行える環境を構築しておくことが、プロフェッショナルな結果を得るための鍵となります。

最短撮影距離(0.9m)を考慮したロケーションと構図のシミュレーション

光学系が複雑なアナモルフィックレンズに共通する特性として、一般的な球面レンズよりも最短撮影距離が長くなる傾向があります。SIRUI Saturn V2 50mm T2.9の最短撮影距離は「0.9m(90cm)」に設定されており、これはアナモフィックレンズとしては比較的寄れる部類に入りますが、それでもスチル用の50mm単焦点レンズ(一般的に0.4m〜0.5m程度)と同じ感覚で被写体に近づくとピントが合いません。したがって、狭い室内での撮影や、テーブル上の料理、小物のクローズアップショットなどを計画している場合は、カメラから被写体まで最低でも90cm以上の距離を確保できるか、事前のロケハンや構図のシミュレーションを綿密に行う必要があります。もし撮影現場でどうしても0.9mより近づいてマクロ的な表現を行いたい場合には、レンズ先端に装着して最短撮影距離を短縮できる「クローズアップレンズ(ディオプター)」をフィルター感覚で併用する対策を準備しておくと安心です。

フィルター径やギア位置など既存シネマリグとの互換性チェック

現場でスムーズに機材を運用するためには、現在所有しているシネマリグやアクセサリーとの互換性を事前にチェックしておくことが重要です。まず、日中の屋外撮影でT2.9の開放付近を使用するために必須となるNDフィルターについてですが、SIRUI Saturn V2 50mmのフィルター径は「62mm」という非常にコンパクトなサイズになっています。一般的な動画撮影で多用される77mmや82mmの可変NDフィルターを流用する場合は、62mmからのステップアップリングを用意する必要があります。なお、本レンズはフォーカス操作によって前玉が回転しない設計になっているため、円偏光(CPL)フィルターや可変NDフィルター、クローズアップレンズを直接ねじ込んでも問題なく運用可能です。また、マットボックスを使用する場合には、レンズの先端外径に合わせたアダプターリングの手配や、超軽量レンズゆえに重いマットボックスを直接レンズに固定するとマウント部に負荷がかかるため、ロッドサポート式のマットボックスを選択するといった配慮が求められます。

まとめ:SIRUI Saturn V2はワンランク上の映像表現を実現する最適解

フルサイズアナモルフィックレンズの導入ハードルを下げた功績

「SIRUI Saturn V2シリーズ フルサイズ アナモルフィック シネマレンズ 50mm T2.9 1.6X Lマウント」が映像業界にもたらした最大の功績は、これまで一部の潤沢な予算と大規模なクルーを持つ映画撮影現場の専売特許であった「フルサイズ・アナモルフィック表現」を、あらゆるクリエイターにとって現実的な選択肢へと変えたことにあります。カーボンファイバーを用いた革新的な軽量レンズ設計と、手頃な価格設定、そして妥協のない光学性能の融合は、シネマレンズの歴史における一つの転換点と言っても過言ではありません。重厚長大な機材を振り回すことなく、日常のバッグに収まるサイズ感でハリウッド映画さながらのシネマスコープ映像を収録できる環境が整ったことで、インディペンデント映画や個人のクリエイティブな動画撮影の可能性は無限に広がっています。

50mm T2.9 1.6X Lマウントがカバーする幅広い映像制作ジャンル

シリーズの中でも50mmという焦点距離は、1.6倍のスクイーズ効果によって「広角の視野」と「標準レンズのボケ味・立体感」を同時に享受できる、最も汎用性の高いスイートスポットです。風景の広がりを活かしたトラベルビデオやドキュメンタリー、特徴的なブルーフレアやニュートラルフレアを効果的に用いたミュージックビデオやファッションフィルム、さらには美しい楕円ボケで新郎新婦を際立たせるウェディングムービーに至るまで、本レンズがカバーできる映像制作のジャンルは極めて多岐にわたります。さらに、動画性能に優れたLマウントのフルサイズミラーレス機と組み合わせることで、暗所での撮影からジンバルを駆使したダイナミックなアクションシーンまで、あらゆるシチュエーションで高いレベルのアウトプットを約束してくれます。

機動性とシネマティックな表現力を両立したいクリエイターへの推奨理由

現代の映像クリエイターには、限られた時間と予算の中で、クライアントや視聴者の目を引く差別化された映像美を生み出すことが強く求められています。通常の単焦点レンズで撮影された高精細なだけの映像に物足りなさを感じている方や、カラーグレーディングやデジタルエフェクトだけでは出せない「光学的な説得力」を求めている方にとって、SIRUI Saturn V2はまさに理想的なツールです。機動力という現代の動画撮影における最大の武器を一切犠牲にすることなく、アナモルフィックレンズ特有のワイドな画角、情緒的なフレア効果、そして幻想的な楕円ボケを手に入れられる本製品は、自身の作品ポートフォリオをワンランク上のステージへと引き上げたいすべてのビデオグラファーやシネマトグラファーに自信を持って推奨できます。

今後のSIRUI(シルイ)シネマレンズラインナップへの期待と展望

SIRUI(シルイ)は、このSaturn V2シリーズにおいて35mm、50mm、75mmという基本となる焦点距離のラインナップを完成させ、フルサイズアナモルフィック市場における確固たる地位を築きました。0.8Mギア位置の統一など、ユーザーの声を真摯に受け止めて製品をブラッシュアップしていく同社の姿勢は、プロの映像制作者からも高く評価されています。今後は、さらなる広角域や望遠域の拡充、あるいはオートフォーカス対応アナモルフィックレンズのさらなる進化など、私たちがまだ見たことのない革新的な機材を次々と世に送り出してくれることが期待されます。まずはその中核をなす「SIRUI Saturn V2 50mm T2.9 1.6X Lマウント」を現場に導入し、従来の動画撮影の枠を超えた本格的なシネマティック表現の扉を開いてみてはいかがでしょうか。

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