6月25日発売 ローランド V-1-4K 体験会レポート| 配信現場で効く「マイナスワン音声」とPTZ制御、無償アプリ群

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パンダスタジオの創業メンバーの1人。東京都立産業技術大学院大学で修士号を取得。電気通信大学大学院、熊本大学大学院、グロービス大学院でも学ぶ。PANDASTUDIO.TVでは、主に、BlackMagic Design製品を担当しスタジオ構築や配信を担当。

6月25日発売 ローランド V-1-4K 体験会レポート|配信現場で効く「マイナスワン音声」とPTZ制御、無償アプリ群

ローランドのコンパクトスイッチャー新製品V-1-4Kが、2026年6月25日に発売されます。4月に発表され、すでに予約受付も始まっているこのモデル。発売に先駆けて開催された体験会で実機がお披露目され、ローランドの伊藤氏が概要から目玉機能のデモまでを解説しました。

本記事では、その体験会の内容を「配信・ウェブ会議の現場でどう効くか」という視点を軸にレポートします。派手な目玉機能(ROI)はもちろん、地味だけれど現場で差がつく音声まわり(マイナスワン)やPTZ制御、無償アプリ群まで、ひととおり押さえていきます。


Roland V-1-4K スイッチャー体験会のアーカイブ。製品概要のプレゼンに加え、ROIモード・オーディオルーティング・アプリ連携のデモを収録しています。

体験会で披露された Roland V-1-4K はこちら(※2026年6月25日発売予定/現在入荷待ち):

Roland V-1-4K

まずは位置づけ|10年続くV-1シリーズに、待望の4Kモデル

ローランドは10〜11年前から、V-1HD・V-1HDプラス・V-1 SDIといった小型ビデオスイッチャー「V-1シリーズ」を展開してきました。小規模イベントやセミナーでのスクリーン演出、収録、配信の手前に挟むライブスイッチャーとして定着しています。

V-1-4Kは、その系譜を継ぐ4K対応モデル。「後継機種」ではなく「ラインナップが1台増えた」という位置づけです。昨今はLEDビジョン、パソコン、カメラと4K対応機材が当たり前になる一方、こうした小規模現場で手軽に使えるライブスイッチャーだけが手薄でした。V-1-4Kは、そこへのローランドからの回答といえます。

本体は従来のV-1シリーズと幅がほとんど変わらず、iPadと並べても同じくらいのサイズ。ボタンは明るく視認性が高く、わずかに傾斜したパネルデザインで、Tバー(ビデオフェーダー)でのライブスイッチングがしっかり行えます。


入出力|5系統+スケーラーで「4KとHDの混在」を1台で吸収

V-1-4KはHDMI入出力のスイッチャーで、入力・出力ともに5系統。入力にはすべてスケーラーが搭載されており、4KとHDを混在させて使えます。4K対応機ながら、全系統を4Kで統一する必要はありません。

設定画面のビデオインプット欄では、入力1〜5それぞれの解像度(4K/フルHD)とフレームレート(59.94/30P/60 など)を確認できます。とくに便利なのが60Pと30Pの混在。「4Kは60Pだとケーブルを長く引き回せない」「カメラが長時間運用で熱を持ち不安定になる」といった事情から、あえて4Kを30P、フルHDを60Pで運用する、といったことが、手前にコンバーターを置かずに本体だけで成立します。

出力側は、1番・2番がプログラム/プレビューアウトで役割固定。3番・4番は出力する映像を選べるうえ、ダウンコンバーターを内蔵しているため、メインを4Kで出しながら3番・4番だけ個別にHDへ落とす、といった出し分けができます。特定のパソコンを返しモニターへ、特定のカメラをバックアップ収録へ——といった信号マネジメントも、周辺機器なしで1台にまとまります。5番はマルチビュー出力で、プログラム・プレビュー+入力が並ぶ自由分割表示です。

システム検討時の注意点:USB映像出力はHDMI 4番と同じ映像が出ます(4番のダウンコンバーター後段から信号を引いているため)。HDMI 4番をHDにすればUSBもHD、という連動になります。USB用スケーラーがあるので「HDMI 4番は4K・USBはHD」は可能ですが、その逆はできません。


USB出力|UVC対応でZoom・Teamsのカメラとして即認識

USB端子はUVC(USBビデオクラス)対応。パソコンにつなぐとドライバー不要でウェブカメラ同等のデバイスとして認識され、ZoomやTeamsなどの映像入力にそのまま使えます。配信用PCとの接続が一気に簡単になります。


ここが本命①|内蔵オーディオミキサーと「マイナスワン」音声

ローランドならではの作り込みが光るのが音声です。本体には14チャンネル構成のデジタルオーディオミキサーを内蔵しています。

  • HDMI 1〜5(各ステレオ)で10チャンネル
  • XLRアナログ入力で2チャンネル(※LINEレベルのみ。マイク直結不可のため、手前にミキサーを挟んでラインレベルに上げる)
  • USB経由(送受信)で2チャンネル

そして配信で決定的に効くのが、出力バスメイン/AUX1/AUX2/モニターを持つこと。出力先ごとにミックスを作り分けられます。

伊藤氏はウェブ会議の構成例で説明してくれました。会議室マイクの音をミキサーでラインレベルに上げてV-1-4Kへ入れ、USB1本で配信PCと送受信。遠隔参加者の声はUSB経由で戻ってきます。ここで出力が「メイン」だけだと、全部の音が混ざって出るため、遠隔参加者の声が配信PCへ送り返され、音がループしてしまいます。

そこでAUX(出力バス)の出番です。入力ごとに「この音声はAUX1へ送る/送らない」を個別設定でき、いわゆるマイナスワンを1台で構築できます。たとえばAUX1は現場の声を相手へ、AUX2は相手から来た声だけを会場スピーカーへ——と、現場ごとに柔軟なルーティングが組めます。外部にデジタルオーディオミキサーを足さなくても、この1台で音の経路を管理できるのは大きな利点です。各入力・各出力にはEQ、コンプレッサー、音声ディレイも備わります。


ここが本命②|PTZ(リモート)カメラ制御は“メーカー混在”が可能

従来のV-1シリーズにはなかった有線LAN端子が付き、スイッチングハブ経由で最大5台のPTZ(リモート)カメラを制御できるようになりました。

ローランドのカメラ制御の特徴はメーカー混在に対応すること。ソニー、パナソニック、キヤノン、JVCなど主要メーカーのプロトコルに対応し、カメラ1〜5にそれぞれ別メーカーのIDを割り当てて制御できます。現場にある手持ちのカメラを組み合わせて使えるのは実用的です。


新機能|アサイナブルパッドで最大32個の“自分専用ボタン”

本体のプログラム/プリセット列の上、3列目に新設されたのがアサイナブルパッドです。上位機のV-8HDやV-160HDにはあったボタン列ですが、それらでは「1〜8まで同じ機能がずらりと並ぶ」使い方が中心でした。

V-1-4Kでは、バンクA/B/C/Dを切り替えて、1〜8のボタンに最大32個の機能を割り当てられます。しかも、オーディオミュート、メモリー切り替え、出力する映像の選択など、ボタンごとにバラバラの機能を自由にアサイン可能。よく使う操作だけを効率よく手元に並べられる、実質的なユーザーボタンです。

このほか、設定メモリー、ボタン・ノブ単位で細かく設定できるパネルロック(操作に不慣れな方の誤操作防止に有効)、オートスイッチング/オートミキシングなど、ローランド機で人気の機能も継承しています。


画面合成|DSK・ピクチャーインピクチャー・スプリットの3パターン

画面合成は3パターン。プログラム/プリセットの上にDSKを載せる、その上にピクチャーインピクチャーを1枚足す、左右・上下に分割するスプリット+DSK——と、ウェブ会議やセミナーには十分なシンプルな仕様です。

注意点として、テロップ合成アプリ「グラフィックスプレゼンター」のローランド フィル+キー機能を使う場合、ピクチャーインピクチャーとスプリットは同時使用できません。グラフィックスプレゼンター使用時は、映像を切り替えながらDSKでテロップを載せる運用になります。


目玉機能|ROIモード:4Kカメラ1台でマルチカメラ演出

体験会最大の見どころがROI(リージョン・オブ・インタレスト)専用モード。4Kカメラ1台の映像からHD解像度を切り出し(クロップ)、複数カメラがあるかのような演出を実現します。

HDMI 1番に入れた4K映像がROIの対象で、ROIモードをオンにするとクロスポイント1〜4番に分配。各ポイントで切り出しエリアを決めてスイッチングします。デモでは、マルチビュー左下にROI 1〜4の枠が表示され、赤枠=オンエア、緑枠=プレビューとして、引き絵のROI 1番から人物に寄ったROI 2番へ、と作り込んでいきました。

調整はズームとポジションのシンプルなパラメータです。画質の目安は200%=ドットバイドット(4KからちょうどHDを切り出す状態)。最大400%まで寄れ、400%付近はディテールがやや甘くなる傾向はあるものの、201%でいきなり破綻するわけではなく、配信で小さく見る用途なら200〜300%でも実用範囲とのことでした。

従来、ROI機能を持つコンバーターもありましたが、それらは1入力のスケーラーを切り替えているだけで、切り替えの途中にディゾルブを掛けることはできません。スイッチャーであるV-1-4Kは、ROIで作ったショットを通常の映像ソースと同等に扱えるため、Tバーでのディゾルブやスプリットなどの画面合成も併用でき、演出の幅が段違いです。

iPadアプリ「V-1 4K Remote」で直感操作

本体メニューでも設定できますが、文字を見ながらの調整は直感的でなく、メニューがマルチビューに重なって見づらい面もあります。これを解決するのがiPadアプリ「V-1 4K Remote」(本体発売までにリリース予定)。指でスワイプするだけでROIのポジション・ズームを滑らかに調整でき、まるでリモートカメラを操作しているような感覚で、引き→寄りのショットを作り込めます。


無償アプリ群|“慣れていない人”も“作り込みたい人”もカバー

ローランドはここ数年アプリ対応に力を入れており、いずれも無償でダウンロード可能です。

  • グラフィックスプレゼンター(4K対応版):タイトル・グラフィックスを合成。HDMIケーブル1本できれいな合成ができる
  • Venue Set:必要なボタンとフェーダーだけを自由にデザイン配置できるリモートアプリ。機材に不慣れな企業・学校の現場でも、本体に触れずグラフィカルな画面で操作できる
  • V-1 4K Remote(iPad)/Windows・Mac版:フルコントロール用。オーディオミキサーのAUX送り分けやEQ・コンプレッサーもグラフィカルに調整できる

まとめ|“足し算しないで済む”が、V-1-4Kの強み

体験会を通じて伝わってきたのは、V-1-4Kが「手前に機材を足さずに、1台で現場を完結させる」ことに徹したスイッチャーだということです。

4K/HD・フレームレート混在を吸収するスケーラー、ループを防ぐマイナスワン音声、メーカー混在のPTZ制御、そして4Kカメラ1台をマルチカメラ化するROI——いずれも、コンバーターや分配器、外部ミキサーといった“足し算”を不要にする方向に効いています。配信・ウェブ会議・セミナー・教室収録など、機材も人手も最小限にしたい現場ほど、導入メリットがはっきりします。


発売・パンダスタジオでの取り扱い

Roland V-1-4Kは2026年6月25日発売予定です。本記事公開時点では入荷待ちのため、現時点でレンタル可能とは限りませんが、発売以降、パンダスタジオでのレンタル・販売での取り扱いを予定しています。最新の在庫状況は商品ページでご確認ください。

→ Roland V-1-4K 商品ページ(入荷待ち):

Roland V-1-4K

→ 発売を待つあいだに、上位のローランド製AVミキサー/スイッチャーを試したい方はこちら:

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Roland V-1-4K は発売後、パンダスタジオでの取り扱いを予定しています。マイナスワン音声やROIが現場でどう効くのか、ぜひ実機で確かめてみてください。

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