カメラを買い替える前に、まず照明を学ぶ|内製・インハウス動画制作者のための照明入門

NANLITE (ナンライト)

社内で動画を撮る機会が増えたけれど、なんとなく「素人っぽさ」が抜けない。会議室で撮ったインタビューがのっぺりして見える——。そんな悩みの正体は、多くの場合カメラではなく照明にあります。NANLITE 元アンバサダー・鈴木ゆうすけ氏のセミナー「映像のための照明入門 LEDライティング基礎講座」から、もっとも根っこの考え方をまとめた約9分のダイジェストを、ブログ記事として再構成しました。

「自分たちで撮るしかない」時代の悩み

コロナ禍を経て、社内で動画を撮る機会が一気に増えました。
インタビュー、対談、社員紹介、製品紹介、セミナー記録、ドキュメンタリー、物撮り——かつては外注していた動画制作を、いまは多くの会社が内製で回しています。専門教育を受けたわけではないのに、気がつけば社内で動画を撮ることになっていた、という方も多いのではないでしょうか。
iPhone でも撮れるし、ミラーレスも手ごろになりました。けれど、いざ撮ってみると「会議室で撮るとのっぺりする」「インタビューが垢抜けない」という壁にぶつかる。
ここで多くの人が陥るのが、「もっといいカメラを買えば解決するはず」という発想です。
——でも、実はそうではありません。
写真と動画の両軸で 23 年活動するライティングディレクター・鈴木ゆうすけ氏は、パンダスタジオで開催したセミナーでこう断言しています。

「照明が分かれば、どんなカメラでも綺麗に撮れます。ぶっちゃけソニーだろうがキヤノンだろうがニコンだろうが REDだろうが、差分ないです。分かっていれば」

これはカメラを軽視しているのではなく、順序の話です。
ライティングを理解しないままより高価なカメラに買い替えても、絵の印象は劇的には変わりません。一方、いまあるカメラのままで照明の考え方を身につけると、絵がはっきりと変わります。

「カメラを向けて綺麗に見える」と「光を読めている」は別

普段あまり意識せず撮影していると、無意識のうちに「光が当たって綺麗に見える角度」を選んでカメラを向けています。それで偶然いい絵が撮れることもあります。
ただし、それは光を読んでいるのではなく、たまたま光が良かっただけ。
「あの時の自然光で撮れた感じをスタジオで再現してください」と言われたとき、再現できるかどうかが分かれ目になります。光がどの方向から、どんな質で、どこに影を落としていたのか——意識的に観察していないと、再現はできません。
逆に、光を読む目を持っていれば、屋外だろうが室内だろうが、根本の考え方は同じです。動画の場合はさらに、編集を意識して複数カットの間で光の方向性に整合性を持たせる必要があります。写真は1枚だけ綺麗に撮れていればなんとかなる場合もありますが、動画はそうはいきません。
ライティングって、結局なに?——「バランス」です
「ライティング」と聞くと、多くの人が「光を当てること」「明るくすること」をイメージします。でも、鈴木氏の定義はこうです。

「ライティングはバランスです」

何のバランスかというと、明るい部分(明部)と暗い部分(暗部)のバランスです。
考えてみてください。日本語では「照明」と書きますが、撮影は「影を撮る」と書きます。つまり、撮影とは影を撮ること。そして照明とは、その影を作るために光を当てる行為です。
影がない絵はつまらない。のっぺりとして、立体感がなく、印象に残りません。逆に、影がきちんとある絵は立体的で、印象に残ります。だから、どこに影を作るか・どこまで影を見せるかが、ライティングの本質的な仕事になります。

影を「処理する」発想

例えば、被写体の真正面からライトを当てると、首の下や顎の下に影ができます。この影をどう扱うかで、絵の印象が決まります。
クライアントから「この顎下の影、ヒゲみたいに見えるから消してほしい」と言われたら、選択肢はいくつかあります。光を柔らかくして影を薄くする方法。もう一灯ライトを足して暗部を持ち上げる方法。レフ板で暗部の輝度を上げて、影との境界をなだらかなグラデーションにする方法。
つまり、ライティングの仕事の大半は「光をどう当てるか」ではなく、生まれた暗部をどうコントロールするかにあります。
これは外光でも同じです。屋外でポートレートを撮るとき、太陽が真正面から当たれば鼻の下に強い影が落ちます。気になればレフで起こす。反逆光で撮るときに人物が暗くなりすぎれば、レフで起こす。やっていることは「明部と暗部のバランスを整える」こと、それだけです。
考え方そのものは、そんなに難しくありません。

ISO を上げても、絵の印象は変わらない

ここで多くの人が誤解しているポイントがあります。
部屋が暗いから ISO を上げて撮る——これ自体は時として正しい判断ですが、「ISO を上げれば暗いままの絵が改善される」というのは違います。

「ISO だけ上げると結局オフセットされちゃう、って意味分かります? 
今あるコントラストが保たれたまんま明るくなるだけだから、明暗差が変わらないんですよ」

ISO を上げると、画面全体が均等に明るくなります。
もともとあった明部と暗部のコントラスト関係(バランス)はそのまま保たれた状態で、画面が一律に持ち上がるだけ。
明暗差は変わりません。

一方、きちんとライティングをすると、暗部の処理が整理され、結果として発色も綺麗になります。
色は明部と暗部の関係性の中で見えるものなので、その関係を整えれば見え方が変わるわけです。
「明るく撮ること」と「整った絵を撮ること」は、まったく別の作業なんです。

会議室インタビューは、ここまで変わる

セミナー本編では、ある某メーカーの会議室で撮ったインタビューカットの「ノーライト」と「ライティング後」を並べて比較しています(冒頭の動画でぜひご確認ください)。
ノーライトの状態は、天井のシーリングライトと窓からのわずかな外光だけ。被写体は写っているし、暗くもありません。一見、これでもよさそうに見えます。
ところがライティングを施した状態と並べると、印象がまったく違います。
最も違うのは「立体感」。被写体が背景から浮き出るように見えるようになります。
これは奇跡でも魔法でもありません。やっていることは、もともと天井からのフラットな光しかなかった部屋に、

キーライト(主光)の方向を意図的に作る
生まれた影をフィルライトで処理する
被写体の輪郭を背景から分離する

という、「影を作って、その影をコントロールする」作業を意図的に組み立てているだけ。
会議室のような均質な照明環境こそ、実はライティングが最も劇的な変化をもたらす場所です。「いつもの会議室で撮るインタビュー動画が、なぜ素人っぽく見えるのか」の答えは、影が足りないから——シンプルに、これに尽きます。

まずは「光を意識する」だけで世界が変わる

ライティングをすべて自分で組み立てる必要はありません。スタジオを借りる、照明スタッフに依頼する、機材を借りて誰かに頼む——選択肢はいくつもあります。
ただし、依頼する側に「こんな絵にしたい」というイメージがなければ、誰も再現できません。逆に、

ライティングの本質は明部と暗部の「バランス」だ
影を作って、その影を処理することが仕事の中心だ
ISO を上げても、明暗差は整理されない

——この3点を持ち帰ってもらえるだけで、社内チームでの会話、外部スタッフへの発注、機材選びの判断、すべての解像度が変わります。
普段から街を歩くとき、夕方の窓際の人物、会議室の天井光、カフェの逆光——光がどこから来ていて、どこに影を落としているかを意識する。それだけで、半年後のあなたの動画は確実に変わっています。

講師について|鈴木ゆうすけ 氏
ライティングディレクター/フォトグラファー。フリーランスとして 23 年活動し、人物撮影を中心に、写真・映像両軸で活躍。NANLITE 元アンバサダー(〜2025年2月)。著書に『(書名・出版社/編集時に追記してください)』。
続編ダイジェスト・配信予定
本記事はシリーズ第1回です。今後、以下のテーマで順次ダイジェスト動画と記事を公開していく予定です。

三点照明をゼロから組み立てる実演
「いつもの会議室」を映画的に変える具体的な手順
光の方向と質(ハードライト/ソフトライト)が印象を決める仕組み
LED ライトの種類とモディファイヤー(ソフトボックス・グリッド・フレネル等)の選び方
色温度(デイライト/バイカラー/フルカラー)の使いこなしと NANLITE Forza シリーズの選び分け
既存の環境光と「馴染ませる」ライティング——リビング・窓背景インタビューの実例

NANLITE 機材は、パンダスタジオでレンタルできます

セミナーで紹介された NANLITE 製品——Forza FC / FS シリーズ、PavoTube、PavoSlim、各種ソフトボックスやモディファイヤー——は、パンダスタジオでレンタル可能です。
「いきなり数十万円の機材を買い揃える前に、まずは現場で試したい」
「次のインタビュー撮影で、ちゃんとした三点照明を組んでみたい」
「社内に常設するか、必要時にレンタルで回すか判断したい」
——そんな内製チーム・制作プロダクションの方に、ぜひ活用していただきたいラインナップです。

NANLITE 機材レンタルはこちら(リンク)
パンダスタジオのスタジオレンタルはこちら

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本記事はAIが作成したものをもとに、PANDA TIMES編集部が加筆・修正、編集を加えて作成しています。リンク経由のレンタルや購入で収益を得る場合があります。

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パンダスタジオの創業メンバーの1人。東京都立産業技術大学院大学で修士号を取得。電気通信大学大学院、熊本大学大学院、グロービス大学院でも学ぶ。PANDASTUDIO.TVでは、主に、BlackMagic Design製品を担当しスタジオ構築や配信を担当。

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