こんにちは、パンダスタジオの中村です。 今回は、先日発表されたばかりの Blackmagic DaVinci Resolve Studio 21 の注目機能「AI Cine Focus(シネフォーカス)」について、実践的な検証レポートをお届けします。
この機能、巷では「後からピントを合わせ直せる魔法のツール」として期待されていますが、果たしてどこまで実用的なのでしょうか?今回は、私が過去に撮影してしまった「痛恨のピントミス素材」を使って、その限界に挑んでみました。
検証:インタビュー動画のピントミスをリカバーできるか?
検証に使用したのは、特産物飲料を紹介するインタビュー映像です。撮影時、本来ピントを合わせるべき人物の顔ではなく、手前に置いてある「飲料の瓶」にピントが合ってしまいました。
映像制作者なら誰しも経験がある「やってしまった……」という素材ですが、これをCine Focusでどこまで修正できるのかを試しました。
【Cine Focusの使い方】
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カラーページのノードに「AI CineFocus」エフェクトを追加
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空間の奥行きをAIが解析
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ピントを合わせたい位置をクリックして指定
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「絞り(アパーチャー)」等を調整してボケ具合をコントロール
検証結果:魔法の杖ではないが、演出ツールとしては超優秀
結論から申し上げます。残念ながら、「完全にボケてしまったディテールをバキバキに復活させる魔法」ではありませんでした。
Cine Focusは、AIが深度を認識し、指定した箇所以外を「光学的に正しくぼかす」ツールです。そのため、元々ボケてしまっている部分に無理やりピントの芯を作るというよりは、全体のボケ感を整理し、視線誘導をコントロールすることに長けています。
ワンポイント・テクニック:AIスーパースケールとの併用
どうしても素材を救いたい場合に有効なのが、DaVinci Resolve Studioの「スーパースケール(Super Scale)」です。 クリップ属性からスーパースケールを適用し、解像感を補完した上でCine Focusで背景を整理。さらにシャープネスを追い込むことで、オリジナルよりは「見られる映像」に近づけることができました。
まとめ
「後出しでピントが直せる」と過信せず、撮影時のピント合わせはやはり基本。 ただし、パンフォーカスで撮った素材に「シネマティックな被写界深度」を与えたい場合には、Cine Focusはこれまでにない強力な武器になります。
皆さんはこの新機能をどう活用されますか?「もっとこんな方法でリカバリーできたよ!」という匠の技をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひコメント欄で教えていただけると嬉しいです!