星空指数100の夜、DWARF mini は「見えない銀河団」をど真ん中に捉えていた——天の理・地の利・人の智

※本記事はパンダスタジオレンタルのデータベースを元にAIを活用して制作しています。 リンク経由のレンタルや購入で収益を得る場合があります。

この記事を書いた人・監修した人

パンダスタジオの創業メンバーの1人。東京都立産業技術大学院大学で修士号を取得。電気通信大学大学院、熊本大学大学院、グロービス大学院でも学ぶ。PANDASTUDIO.TVでは、主に、BlackMagic Design製品を担当しスタジオ構築や配信を担当。

撮れた写真には、星しか写っていませんでした。

9月17日の夜、富山市の岩瀬浜。展示会の仕事で富山に来ていて、天気予報の星空指数は100。DWARF mini を海辺に置いて、アプリのAIが勧めてきた天体を撮りました。結果は、名前の分からない星が並んでいるだけの1枚。正直「今回は外したな」と思って寝ました。

ところが10日後、その写真を astrometry.net という無料サービスに放り込んだら、話が変わりました。狙った銀河団は、画面の中心から1分角以内に、たしかに「いた」のです。しかも写野の中には名前のついた銀河が20個以上。見えていないだけでした。

今回は、この「失敗写真が銀河団の集合写真だった」一夜を、天の理・地の利・人の智という3つの物差しで整理します。スマート望遠鏡で何を狙うか迷っている人の、判断の道具になるはずです。


動画で見た方が早いのは3か所です。砂浜に箱を置いただけの、水平もへったくれもない設置(2:16〜)。アプリに「この隙間で撮れるやつある?」と検索してもらって、出てきた候補を何も考えずに押す瞬間(3:20〜)。そして、持ち帰った写真をAIに見せたら「なんでC24を撮ったんですか」と文句を言われるくだり(5:15〜)。文章で書くより、動画の方が失敗の温度が伝わります。


【画像挿入:DWARF_C24_astrometry_clean.jpg(astrometry.net の解析結果をもとに銀河の位置を書き込んだもの。WPアップ後にURL置換)】

この画像は、DWARF mini が撮った1枚に、あとから「ここに何があるか」を書き込んだものです。橙の丸が狙ったNGC 1275、水色が銀河団の中心メンバー、灰色が周辺の銀河。丸の中を見ても、星と区別がつきません。それがこの記事の全部です。

使った DWARF mini は、パンダスタジオレンタルで取り扱いがあります。「自分の空で何が写るのか」は、一晩置いてみるのが一番早いです。

→ DWARF mini:

DWARF mini スマート望遠鏡


その夜の条件(検証条件)

確認日2026年9月17日 21:20〜21:50
場所富山県富山市 岩瀬浜(富山駅から路面電車で約25分、日本海側の砂浜)
空tenki.jp 星空指数100(17日朝の予報)。実際は薄雲が流れ、北〜北東と天頂付近に星。月は細く、夜半前に沈む
望遠鏡DWARF mini 望遠側(30mm口径)、ディープスカイモード、経緯台追尾。54枚を約13分かけてスタック(動画内の発言)。ゲイン・露出は【要確認:アプリの記録値】
カメラSONY α6400 + 24mm、f/4、1.8秒、ISO800、三脚固定で19枚連写
解析nova.astrometry.net(無料・ログイン不要)。解析結果:写野 2.13°×1.20°、中心 RA 03h19m49s / Dec +41°31′、1ピクセル約2秒角

天の理——予報の「星空指数100」と、現地の空は別物だった

天の理は、天候・季節・時刻・月齢のことです。人間にはどうにもならない側。

この日は tenki.jp で富山市が「曇のち晴」、夜の降水確率20%、星空指数100。翌日は指数20まで落ちる予報だったので、「行くなら今夜しかない」と判断しました。ここまでは正しかったと思います。

ただ、現地の空は予報ほど素直ではありませんでした。南の空は雲、北〜北東と天頂だけ星が出ている状態。DWARF mini の写真にも右上にうっすら光かぶりがあって、薄雲か街明かりを拾っています。星空指数は「晴れるかどうか」の指数であって、「どこまで暗い天体が写るか」の指数ではない。当たり前ですが、現地で思い知りました。


地の利——環水公園をやめて、岩瀬浜に行った

地の利は、撮る場所の条件。周りが暗いか、撮りたい方角が開けているか。これは人間が選べる側です。

最初は駅近くの富岩運河環水公園を考えていましたが、あそこはライトアップと人出があって、星には向きません。路面電車で行ける範囲で暗い場所を探して、日本海に面した岩瀬浜にしました。海側は暗く、富山市街の明かりは背後(南)に回ります。

結果、α6400 の星景写真には、砂浜と防波堤、海の家の灯り、遠くの市街地の光、そしてプレアデス星団(すばる)まで写りました。この判断は正解です。東京・日本橋のベランダで北アメリカ星雲を撮ったときと比べれば、空の暗さは段違いでした。

ひとつだけ引っかかったのは足場です。砂浜なので平らな場所がなく、DWARF mini は砂の上に箱を置いて、その上に載せただけ。水平も何もありません。それでもキャリブレーションが通って追尾したのは、この機材の偉いところです。

【画像挿入:DSC00028_annotated.jpg(α6400 の星景写真。プレアデス・カペラ・アルゴル・C24の位置を注釈)】


人の智——AIのサジェストに乗ったら、暗すぎる相手を選んでいた

人の智は、最後に人間が決める部分。何を撮るか、どう撮るか。今回の反省点はここに集中しています。

本当は北の空の明るい天体を狙うつもりでした。ところが北は雲ばかりで、空いているのは北東から東にかけての隙間だけ。「やばい、何を撮ろう」となって、DWARF mini のアプリに「この隙間で撮れる天体」を検索してもらいました。出てきた候補のサムネイルに星がいっぱい写っていたので、何も考えずに押したのが C24(ペルセウス座銀河団、中心銀河 NGC 1275)。アプリは54枚・約13分のスタックを組んで、淡々と撮ってくれました。

撮り終えたら終電が危なかったので、画面の「なんか写っているけど何だこれ」を確かめる間もなく岩瀬浜を離れました。

あとで調べると、NGC 1275 は12等級前後、周りのメンバー銀河は13〜14等級の小さな楕円銀河です。北アメリカ星雲のような「大きくて淡い」天体ではなく、「小さくて暗い」天体。光害と薄雲の下、約13分の積算では、星の点と区別がつかなくて当然でした。

正直に書くと、アプリのサジェストは「今、高度と方角が撮りやすい天体」を出しているだけで、「今夜のこの空で写るかどうか」までは見ていません。難易度の判断は自分でやる必要がある。これが今回いちばん高くついた学びです。

ちなみに翌日、北陸放送機器展の会場で4人ほどに「これ撮れました」と見せたら、「なんでこれ? もっと映えるのがあるじゃないですか」と全員に言われました。C24を選んだことに賛同してくれた人は、AIも含めてゼロです。


astrometry.net に上げたら、失敗写真が銀河団の集合写真になった

「何が写っているのか分からない星野写真」は、nova.astrometry.net にアップロードすると、星の並びだけで空のどこを撮ったかを自動で特定してくれます。無料で、ログインも不要。今回は解析に18秒でした。

【画像挿入:astrometry.net の結果ページのスクリーンショット(緑のラベルが写野内の銀河)】

出てきた結果はこうです。

  • 写野の中心は RA 03h19m49s / Dec +41°31′。NGC 1275 のカタログ位置との差は1分角以下。導入は正確だった
  • 写野は 2.13°×1.20°。満月4個分の横幅に、NGC 1272・1277・1278・1281・1282 など銀河団の中心メンバー13個と、周辺の NGC 1265・1260・1293・1294、IC 310・312 が入っていた
  • NGC 1260 は2006年に当時史上最大級の超新星 SN 2006gy が見つかった銀河。それも写野の右上にいた

【画像挿入:DWARF_C24_astrometry_core_zoom.jpg(中心部の3倍拡大)】

拡大すると、NGC 1275 の位置に、まわりの星よりわずかに滲んだ光があります。断言はしませんが、中心銀河がかろうじて写っていた可能性はあります。同じ空で30分以上積算すれば、はっきりするはずです。次に岩瀬浜クラスの空に行けたら、これがリベンジの1枚になります。

つまり、機材は仕事をしていました。失敗したのは天でも地でもなく、人の智のほうです。


持ち帰り用:天地人チェックリスト(スマート望遠鏡で対象を決める前に)

見るもの今回の岩瀬浜前回の日本橋(北アメリカ星雲)
天の理雲・月齢・透明度。予報の指数より、現地で天頂に星が何個見えるか薄雲あり、月は細い晴れ、都心
地の利周囲の暗さ、狙う方角が開けているか、光源が背後に回せるか◎ 海側が暗い× ベランダ、街明かり
人の智対象の明るさ(等級)と大きさ、積算時間。暗い対象ほど天と地の欠点を許してくれない× 12〜14等級の銀河団を約13分○ 大きくて明るい星雲

順番が大事です。天と地を見てから、人(対象)を決める。今回はこの順番が逆で、対象を先に決めてしまいました。天と地が完璧でないなら、明るい対象を選ぶ。この季節の北〜東の空なら、二重星団(NGC 869/884)、アンドロメダ銀河(M31)、プレアデス(M45)あたりが失敗しにくい相手です。

→ このチェックリストを、自分の空で一度回してみるなら:

DWARF mini スマート望遠鏡


DWARF mini の3つの撮り方と、α6400 との役割分担

もうひとつ、現地で分からなくて困ったことがあります。「α6400 で撮ったような広い星景写真は、DWARF mini でどう撮るのか」。天の川モードはあるけれど、今夜は北を向いている。天の川と逆方向なのに使えるのか。

整理すると、DWARF mini の星の撮り方は3つです。

撮り方レンズ写野の目安向いている相手
ディープスカイ望遠(30mm)約2.1°×1.2°(今回の実測)星雲・銀河・星団を1つ狙う。今回のC24、前回の北アメリカ星雲
天の川(広角)モード広角(3.4mm)広い名前に反してどの方角でも使える。広角レンズで長時間露光してスタックする仕組み。目標天体は選ばず、手動で構図を決める
アストロモザイク望遠(30mm)写野を1.0→1.8などに拡張赤道儀モードで複数写野を自動連結。星座くらいのスケールを望遠画質で撮る

ただし広角側のセンサーは小さいので、画質は α6400 に及びません。「空と地上を一緒に写す」星景写真は α6400 の仕事、DWARF mini の広角は「同じ構図を別の手段で押さえておく」記録用。この役割分担が分かっただけでも、富山まで機材を持っていった価値がありました。

→ 星景写真側の相棒。三脚固定・1.8秒で星が点に止まります:

SONY α6400(ボディーのみ)SDカード 128G付属


反省点のまとめ

  • 星空指数100を「暗い天体まで写る夜」と読み替えてしまった。指数は晴れの目安であって、透明度の目安ではない
  • アプリのサジェストをそのまま採用した。高度と方角しか見ていないので、等級は自分で確認する
  • 積算は54枚・約13分。1つに絞って30分回すほうが、3つ回って10分ずつより結果が出る
  • 写野の広さを「約3度」だと思い込んでいた。astrometry.net の実測は 2.13°×1.20°。思っていたより狭い
  • それでも導入精度は1分角以内。機材を疑う前に、自分の対象選びを疑う

DWARF mini が向いていそうな人

  • 出張先や旅先で、夜に2時間だけ空いた人。840gなのでカメラバッグに入り、路面電車で海辺まで行って、三脚を立てて放っておけます
  • 「自分の家の空で何等級まで写るのか」を、買う前に一度知っておきたい人。一晩で天地人の3つが体感できます
  • 撮った写真が何なのか分からず、そのまま放置している人。astrometry.net に上げれば、この記事と同じことが自分の写真でできます

レンタルで試す価値があるところ

スマート望遠鏡は、作例写真とスペック表だけ見ても「自分の空で何が撮れるか」が分かりません。作例は暗い場所で、明るい対象を、30分以上積算したものがほとんどです。今回のように、場所が良くても対象の選び方ひとつで結果がゼロになる。逆に東京のベランダでも、明るい対象なら形は出る。

この「天・地・人のどれが足りないと、どう失敗するか」は、一度自分でやってみないと身につきません。一晩借りて、天頂の星の数を数えて、対象を選んで、翌朝 astrometry.net に上げる。ここまでやると、買うかどうかの判断材料が揃います。


DWARF mini のレンタルはこちら

→ DWARF mini:

DWARF mini スマート望遠鏡

→ 口径が大きく、今回のような暗い銀河団をもう少し攻めたい人は:

DWARF 3 コンパクトなスマート望遠鏡


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📦 星しか写っていない写真の真ん中に、銀河が20個いました。天の理・地の利・人の智、次はそろえて撮りに行きます。DWARF mini、ぜひ皆さんもパンダスタジオレンタルで借りてみてください。
まずは一晩、自分の空で。

→ パンダスタジオ・レンタル
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