アナモルフィックレンズで縦動画を撮る、という発想はありませんでした。SIRUIがIBC 2026で見せた新しいSaturn V2(35・50・75mm)は、ロックを外すとマウント部が90度回転し、カメラを横位置に構えたままでも、縦位置でも、アナモルフィック特有の横長のフレアと楕円ボケが出せます。担当者いわく「世界初の機能」。
ブースでは、このSaturn V2に加えて、オートフォーカスが効く1.33倍のAstra、上位シリーズで1.5倍のIronStar、そしてスーパー35(クロップセンサー)向けの20mm・40mmと、4つのシリーズを順に説明してもらいました。SIRUIのアナモルフィックは、パンダスタジオレンタルでSaturn・Astra・IronStarの3シリーズを取り扱い中です。
動画で見た方が早いのは、冒頭のSaturn V2でマウントを回す動作。ロックを解除して90度カチッと回す、それだけで縦位置対応になる、という説明が20秒で終わります。言葉で読むより、レンズの向きが変わるところを見てください。
動画に出てきたシリーズのうち、いまパンダスタジオレンタルで借りられる代表格を1本。AFが効くアナモルフィック、Astraの50mmです。
→ 動画に登場。オートフォーカス対応の1.33倍アナモルフィック:
Saturn V2:マウントが90度回転、横位置でも縦位置でもアナモルフィック
担当者の説明を順に。新発売のSaturn V2は35・50・75mmの3本。ロックを解除するとマウントを90度回転でき、横位置でも縦位置でもアナモルフィック撮影ができる。「横位置・縦位置の両方でアナモルフィック特有の表現が可能。世界初の機能」。
なぜこれが要るのかを、レンタル屋の目線で補足します。アナモルフィックレンズは、フレアや楕円ボケがセンサーの長辺方向に出るように作られています。カメラを縦に構えると、フレアも縦に走ってしまう。縦動画のためにアナモルフィックの「横に伸びる光」を使いたければ、レンズ側の向きを変えるしかなく、それをマウントの回転で実現したのがV2です。SNS向けの縦型ミュージックビデオや、縦横両方を同じ現場で撮る案件で意味が出てきます。
V2はパンダスタジオレンタルではまだ扱っていません。現行のSaturn(1.6倍・T2.9・カーボンファイバー筐体)は各マウントでレンタル中です。
→ 現行Saturn。1.6倍・カーボン筐体で軽い:
※Saturn V2(35・50・75mm)は、現時点では新規取り扱い候補として紹介しています。パンダスタジオレンタルでのレンタル開始が決定しているものではありません。商品ページ公開後、この記事にもリンクを追加する予定です。
Astra:昨年出た1.33倍のフルサイズ、AF対応で絞りのクリック切替と絞りロック
続いてAstra。昨年発売した1.33倍のフルサイズ・アナモルフィックで、オートフォーカスに対応。絞りリングはクリックの有無を切り替えられ、絞りロックも備える。AFとMFの両方に対応し、マウントも幅広く用意。50・75・100mmの3本です。
「アナモルフィックでAF」は、ジンバルや一人現場で効きます。マニュアルのシネレンズは別途フォーカスマンかフォローフォーカスが要りますが、Astraはカメラのボディ側AFがそのまま使える。パンダスタジオレンタルでは、E・L・Zマウントで単品と3本セットを用意しています。
→ 3本まとめて借りるなら。専用ハードケース付き:
IronStar:上位シリーズ、1.5倍、16:9センサーとオープンゲートに向く。100mmマクロも
上位シリーズのIronStarは1.5倍。「画角と表現のバランスに優れ、16:9センサーにも適していて、オープンゲート撮影で真価を発揮する」。35mmから135mmまでの6本のラインアップで、アナモルフィックでは珍しい100mmのマクロもある、と担当者。
1.33倍と1.5倍、1.6倍の違いは、16:9センサーで撮ったときに、デスクイーズ後の画面がどれだけ横長になるか、です。1.33倍なら16:9から2.37:1くらい、1.5倍なら2.66:1、1.6倍なら2.84:1。オープンゲート(センサー全面・3:2や4:3)で撮るなら1.5倍〜1.6倍でシネスコ(2.39:1)付近に収まります。IronStarが「16:9にもオープンゲートにも」と言うのは、その中間を取った倍率だからです。
パンダスタジオレンタルのIronStarは、いま35・45・60mmの3本(PLマウント、EFマウント付属)。100mmマクロを含む6本体制はまだ載っていません。
→ IronStar。PLマウントにEFマウントも付属:
※IronStarの100mmマクロを含む35〜135mmの6本体制は、現時点では新規取り扱い候補として紹介しています。パンダスタジオレンタルでのレンタル開始が決定しているものではありません。商品ページ公開後、この記事にもリンクを追加する予定です。
スーパー35(クロップセンサー)向け:20mmと40mm、開放T1.8
最後に、スーパー35向けのアナモルフィックシリーズ。基本的にはAstraと同系で、20mmと40mmの2本、開放T1.8。「クロップセンサーにはこちら、フルサイズには先ほどのAstraを」と、使い分けが明快です。
この20mm・40mmは未掲載ですが、APS-C/スーパー35向けのSIRUIアナモルフィック(1.33倍・F1.8)は現行品を取り扱い中です。FX30やBMPCC 6K、a6700などのクロップ機で試すならこちらから。
→ APS-C・スーパー35のカメラで試す1.33倍:
※スーパー35用アナモルフィック 20mm・40mm T1.8は、現時点では新規取り扱い候補として紹介しています。パンダスタジオレンタルでのレンタル開始が決定しているものではありません。商品ページ公開後、この記事にもリンクを追加する予定です。
この機材が向いていそうな人・現場
- ミュージックビデオやショートフィルムで「シネスコの横長フレア」を、フォーカスマンなしの少人数で撮りたい人(Astra)
- 横型と縦型を同じ現場で1本のレンズから撮り分けたい、SNS向け映像の制作会社(Saturn V2・入荷待ち)
- オープンゲート対応のシネマカメラで、PLマウントのアナモルフィックを本番投入する前に借りて試したい撮影部(IronStar)
持ち帰り:SIRUIアナモルフィック4シリーズ、動画の説明から
| シリーズ | 倍率/対応センサー | 焦点距離(動画内の説明) | 特徴 | レンタル |
|---|---|---|---|---|
| Saturn V2 | —/フルサイズ | 35・50・75mm | マウント90度回転、縦位置対応(世界初) | 未掲載(現行Saturnはあり) |
| Astra | 1.33倍/フルサイズ | 50・75・100mm | AF対応、絞りクリック切替・絞りロック | あり(単品・3本セット) |
| IronStar | 1.5倍/フルサイズ | 35〜135mm 6本(100mmマクロ含む) | 16:9もオープンゲートも。上位シリーズ | あり(35/45/60mm) |
| スーパー35用 | —/クロップ | 20・40mm T1.8 | Astraと同系の小型版 | 未掲載(1.33x F1.8 APS-C系はあり) |
※倍率が動画内で明言されなかったSaturn V2とスーパー35用は「—」としています。
レンタルで試す価値があるところ
アナモルフィックは倍率で画面の横長さが決まるので、「自分のカメラで、自分の納品比率で、どの倍率が合うか」はカタログでは決められません。1.33倍のAstraと1.5倍のIronStar、1.6倍のSaturnを同じ週に借りて、同じ被写体を同じ距離で撮り比べる。デスクイーズ後の画面を編集ソフトで並べれば、次に買う(か借り続ける)1本が決まります。3シリーズがそろっているレンタルは珍しいので、比較のために使ってください。
用途別に探すなら
SIRUIのレンズをまとめて見たい人
アナモルフィックレンズをメーカー横断で比べたい人
展示会で見た新製品が入荷したかを確かめたい人
→ 新着機材一覧
3日目最初の取材はSIRUIから。Saturn V2、IronStarの100mmマクロ、スーパー35用の20・40mmは、取り扱いが決まればこの記事にリンクを追加します。次の記事は、日本のAmazonでも見かけるワイヤレスHDMIのLemoreleへ。
📦 倍率は、借りて撮り比べてから決める。
IBC 2026取材シリーズの動画は、撮れたものから順にPANDASTUDIO TVで公開しています。
→ 新着機材一覧(展示会で見た製品の入荷チェックに)
→ 映像制作・撮影技術のセミナー情報
→ PANDASTUDIO TV でIBC 2026取材動画をチェックする
出典:パンダスタジオ IBC 2026 アムステルダム取材動画「IBC Day3 01 SIRUI Rough v01 2」(2026年9月13日収録)
※製品名・仕様・発売時期は取材時のブース担当者の説明(字幕)に基づくもので、収録時点の情報です。掲載のレンタル商品は商品一覧(2026年7月版)でIDの実在を確認済みです。
