Ronin 4DとInspire 2ユーザー必見。DJI DL 24mmレンズの運用ガイド

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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

プロの映像制作現場において、機材の選定は作品のクオリティを左右する重要な要素です。本記事では、DJI(ディージェーアイ)が誇る高性能な交換レンズ「DJI DL 24mm F2.8 LS ASPH」に焦点を当て、Ronin 4DやInspire 2、Inspire 3ユーザーに向けた実践的な運用ガイドを解説いたします。この広角の単焦点レンズは、空撮やシネマティックな映像表現において圧倒的なパフォーマンスを発揮するよう設計されています。DLマウントを採用した本レンズの基本仕様から、プロの現場で求められる最適なセットアップ手順、さらには長く安全に運用するための保守管理術まで、映像クリエイターが知っておくべき必須情報を網羅しました。

DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHの基本仕様と映像制作における3つの優位性

カーボンファイバー製による軽量化とドローン空撮への高い適合性

DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、プロフェッショナルな映像制作において極めて重要な「軽量性」と「堅牢性」を両立させたシネマレンズです。外装に軽量かつ高強度のカーボンファイバー素材を採用することで、レンズ単体の重量を大幅に削減しています。この徹底した軽量化は、Inspire 2やInspire 3といったハイエンド機材を使用した空撮において、ドローンの飛行時間延長やジンバルモーターへの負荷軽減という形で大きなメリットをもたらします。ペイロード(積載重量)の制限が厳しいドローン用レンズとして、重量バランスの最適化は飛行の安定性に直結するため、過酷な撮影環境でも信頼性の高いパフォーマンスを発揮します。

また、軽量でありながらも外部からの衝撃に強いカーボンファイバーの特性は、移動の多いロケ現場や屋外でのドローン空撮において、機材保護の観点からも非常に優れています。DJI(ディージェーアイ)が独自に設計したDLマウントシステムと組み合わせることで、Ronin 4Dなどのシネマカメラシステムでも取り回しが向上し、長時間のハンドヘルド撮影におけるオペレーターの疲労を大幅に軽減します。このように、素材選びから徹底された本レンズの設計は、プロの映像制作現場における高い要求水準に完璧に応える仕様となっています。

非球面(ASPH)レンズ採用がもたらす画面全域の圧倒的な解像感

本レンズの名称にも含まれる「ASPH」は、非球面レンズ(Aspherical Lens)を採用していることを示しており、これが映像のクオリティを飛躍的に向上させる中核技術となっています。広角レンズ特有の課題である画面周辺部の歪みや球面収差を、この非球面レンズが効果的に補正します。その結果、画面の中心から四隅に至るまで、極めてシャープで均一な解像感を維持することが可能となります。8Kクラスの高解像度撮影が標準化しつつある現代の映像制作において、レンズの光学性能がセンサーの能力を最大限に引き出せるかどうかは作品の仕上がりを大きく左右します。

特に、Inspire 3やRonin 4Dに搭載されているフルサイズセンサーと組み合わせた際、この単焦点レンズの優れた光学設計が真価を発揮します。風景の細かなディテールや建築物の直線的なデザインを正確に描写し、ポストプロダクションでのクロップやカラーグレーディングにも耐えうる豊かな情報量を持った映像素材を提供します。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、妥協を許さないシネマティックな映像表現を追求するクリエイターにとって、最も信頼できる交換レンズの一つと言えるでしょう。

リーフシャッター(LS)搭載によるローリングシャッター歪みの抑制

DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHの最大の技術的特長の一つが、レンズ本体に内蔵されたリーフシャッター(LS)です。一般的な電子シャッターやフォーカルプレーンシャッターを使用した場合、高速で移動する被写体を撮影したり、カメラ自体が素早くパンニングしたりする際に「ローリングシャッター現象(こんにゃく現象)」と呼ばれる映像の歪みが発生しやすくなります。しかし、本レンズに搭載されたリーフシャッターは、センサー全体を同時に露光するメカニズムに近い働きをするため、この厄介な歪みを物理的なレベルで強力に抑制します。

この特性は、時速数十キロで飛行しながら撮影を行うドローン空撮や、アクションシーンを追従するRonin 4Dでの撮影において絶大な威力を発揮します。高速で回転する車のタイヤやヘリコプターのローター、あるいは素早く横切る被写体を撮影しても、形状が不自然に歪むことなく、肉眼で見たままの自然な姿を映像に収めることができます。プロの映像制作現場において、後処理での修正が困難なローリングシャッター歪みを撮影段階で防ぐことができるリーフシャッターの存在は、プロジェクトの品質と効率を同時に高める不可欠な要素です。

Ronin 4DおよびInspireシリーズでの最適なセットアップ手順3ステップ

DLマウントへの確実な装着とジンバルバランス調整の基本

DJIの独自規格であるDLマウントを採用したカメラシステムにレンズを装着する際は、確実なロックと接点の保護が最優先事項となります。まず、Ronin 4DやInspireシリーズのカメラボディ側とレンズ側のマウント指標(赤いドット)を正確に合わせ、カチッと音がしてロックピンが所定の位置に収まるまで静かに回転させます。装着後は、電子接点が正しく通信されているかをモニター上の絞り値表示などで確認してください。接触不良は撮影中の予期せぬエラーを引き起こす原因となるため、マウント部の清掃と慎重な着脱作業が不可欠です。

レンズの装着が完了した後は、ジンバルのバランス調整(キャリブレーション)が必須となります。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは軽量な単焦点レンズですが、レンズ交換によって重心位置は確実に変化します。カメラの電源を入れる前に、チルト、ロール、パンの各軸がどの角度でも静止するように物理的なバランスを微調整してください。物理バランスが完全に取れた状態でシステムの電源を入れ、オートチューン機能を使用してモーターの剛性を最適化することで、ドローン空撮時やハンドヘルド撮影時の微細なブレを排除し、滑らかな映像表現が可能になります。

Ronin 4Dの高度なフォーカス制御システムとのシームレスな連携

Ronin 4Dで本レンズを使用する場合、LiDARフォーカスシステムとの連携が映像制作のワークフローを劇的に進化させます。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは純正の交換レンズであるため、装着するだけでレンズのプロファイルが自動的に認識され、煩雑な手動フォーカスキャリブレーションを省略できるケースが多くあります。LiDARレンジファインダーが捉えた数万点の測距データは、瞬時にレンズのフォーカスモーターへと伝達され、極めて浅い被写界深度での撮影や低照度環境下でも、被写体を正確かつ高速にトラッキングし続けます。

また、マニュアルフォーカスでの緻密なピント送りが求められるシーンにおいても、Ronin 4Dのハンドグリップや高輝度モニターに搭載されたフォーカスホイールとシームレスに連動します。広角レンズ特有の深い被写界深度を活かしたパンフォーカス撮影から、被写体に肉薄して背景をぼかすシネマティックな表現まで、オペレーターの意図をダイレクトに反映させることができます。フォーカスアシスト機能(ピーキングや波形モニター)と組み合わせることで、プロフェッショナルな現場で求められる確実なピント合わせを強力にサポートします。

Inspire 2およびInspire 3におけるキャリブレーションとカメラ設定

ドローン空撮機であるInspire 2(Zenmuse X7搭載時)やInspire 3にDJI DL 24mm F2.8 LS ASPHをセットアップする際は、飛行前の厳密なキャリブレーションが安全な運用と高品質な映像取得の鍵となります。レンズ装着後、DJI Pilot 2などの操縦アプリを起動し、ジンバルのオートキャリブレーションを実行します。これにより、上空での風圧や機体の傾きに対するジンバルの補正精度が最適化されます。さらに、空撮特有の環境変化に対応するため、無限遠のフォーカスキャリブレーションも事前に行い、遠景の風景がシャープに結像することを確認してください。

カメラ設定においては、リーフシャッターの特性を最大限に活かすためのシャッタースピード選択が重要です。高速で移動する被写体を歪みなく捉えるためには、適切なフレームレートに合わせてシャッター角(またはシャッタースピード)を設定し、必要に応じてNDフィルターを使用して露出をコントロールします。本レンズには専用の軽量NDフィルターが用意されており、レンズ先端のネジ切りに直接装着することで、重量バランスを崩すことなく滑らかなモーションブラーを伴ったシネマティックな空撮映像を実現できます。

24mm広角単焦点レンズを最大限に活用すべき3つの撮影シーン

広大な自然風景や都市景観をダイナミックに捉えるドローン空撮

24mmという焦点距離は、広角レンズの中でも特に汎用性が高く、人間の視野に近い自然な広がりを持っています。この特性は、Inspireシリーズを使用したドローン空撮において、広大な大自然のパノラマや、高層ビルが林立する都市景観をダイナミックかつスケール感豊かに表現するのに最適です。超広角レンズに見られるような強烈なパースペクティブの誇張がないため、被写体の本来の形や位置関係を正確に保ちながら、一枚の絵画のような美しい構図を作り出すことができます。

さらに、非球面レンズの採用により画面周辺部まで解像感が維持されるため、森の木々の葉一枚一枚や、遠方の建物の窓枠のディテールまで鮮明に描写します。夕暮れ時のマジックアワーや夜景の空撮においても、F2.8の明るい開放F値がノイズの少ないクリアな映像を提供します。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、広域の状況説明(エスタブリッシング・ショット)から、特定のランドマークへのダイナミックな接近ショットまで、空撮クリエイターの想像力を掻き立てる強力なツールとなります。

被写体と背景の空間的バランスを活かしたシネマティックな表現

映画やミュージックビデオなどの映像制作において、24mm単焦点レンズは「被写体と環境の関係性」を描写する上で極めて重要な役割を果たします。人物をクローズアップで捉えつつも、その人物がどのような場所にいるのか、周囲の状況や空気感(コンテクスト)を同時に画面に収めることができるのが、この焦点距離の最大の強みです。Ronin 4Dの優れたスタビライズ機能と組み合わせることで、被写体の周囲を回り込むような滑らかなトラッキングショットにおいて、立体的で没入感のあるシネマティックな映像表現が可能になります。

また、F2.8という明るい開放絞り値を活かすことで、広角レンズでありながらも適度な背景ボケ(被写界深度の浅さ)を作り出すことができます。これにより、背景の情報を完全には潰さずに被写体を視覚的に際立たせることができ、ストーリーテリングにおいて視聴者の視線を自然に誘導する効果を生み出します。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHが持つ高い光学性能は、ピントが合っている部分のシャープさと、アウトフォーカス部分の滑らかなボケ味の美しいコントラストを実現し、作品全体のトーンを一段高いレベルへと引き上げます。

建築物や限られた屋内空間を広く見せる高精細なプロモーション映像

不動産のプロモーション映像や、ホテル、レストランなどの施設紹介ビデオの制作において、限られた屋内空間をいかに広く、かつ魅力的に見せるかはクリエイターの腕の見せ所です。24mmの広角レンズは、狭い室内でも十分な画角を確保できるため、空間全体の広がりやインテリアの配置を効果的に視聴者に伝えることができます。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、非球面レンズの恩恵により直線の歪みが極めて少なく補正されているため、柱や壁のラインを真っ直ぐに保ったまま、建築物の正確なプロポーションを描写することが可能です。

特にRonin 4Dを使用した屋内でのウォークスルー撮影では、Z軸(縦揺れ)のスタビライズ機能と24mmの画角が相まって、まるで空間内を浮遊しているかのような滑らかで高品質な映像を生み出します。さらに、窓からの強い自然光と室内の暗部が混在するような明暗差の激しい環境でも、レンズの優れた逆光耐性とセンサーの広いダイナミックレンジが組み合わさることで、白飛びや黒つぶれを抑えた豊かな階調表現を実現します。プロの映像制作において、空間の魅力を最大限に引き出すための必須レンズと言えます。

プロの現場で差がつくリーフシャッターとF2.8の光学性能に関する3つの特徴

高速移動を伴う空撮時でも被写体が歪まないリーフシャッターの恩恵

ドローンを使用したモータースポーツの追従撮影や、列車と並走するような高速移動を伴う空撮において、映像の品質を決定づけるのがシャッターの方式です。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHに搭載されたリーフシャッター(LS)は、レンズ内の絞り羽根付近に配置されたシャッター幕が円形に開閉する仕組みを持っています。これにより、CMOSセンサーの読み出し速度に起因するローリングシャッター現象を物理的に回避し、画面内を高速で横切る被写体であっても、垂直のラインが斜めに倒れ込むような不自然な歪みを防ぐことができます。

このリーフシャッターの恩恵は、映像のプロフェッショナリズムを担保する上で計り知れません。特に、VFX(視覚効果)合成を前提とした映像制作においては、素材となる映像にローリングシャッター歪みが含まれていると、トラッキングデータの抽出やCGオブジェクトの合成精度が著しく低下してしまいます。本レンズを使用することで、後処理の負担を大幅に軽減し、ピクセル単位で正確な形状を保った高品質なフッテージを確実に入手できることは、厳しいスケジュールで動くプロの現場において大きなアドバンテージとなります。

F2.8の明るさが実現する低照度環境でのノイズ低減とクリアな描写

映像制作の現場において、常に理想的な照明環境が用意されているとは限りません。特にドローン空撮では、夜間の都市景観や夜明け前の薄暗い自然風景など、低照度環境下での撮影が頻繁に求められます。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、F2.8という明るい開放絞り値を持つ単焦点レンズであり、センサーにより多くの光を届けることができます。これにより、カメラ側のISO感度を不必要に上げることなく適正露出を得ることが可能となり、結果として映像の暗部に発生しやすいカラーノイズや輝度ノイズを大幅に低減させることができます。

さらに、Inspire 3やRonin 4Dが搭載するデュアルネイティブISO機能と、このF2.8の明るいレンズを組み合わせることで、暗所での撮影能力は飛躍的に向上します。街灯のわずかな光や月明かりを頼りに行う撮影でも、被写体のディテールや色彩を鮮明に捉え、クリアでノイズレスなシネマティック映像を実現します。また、開放F2.8から画面全体の解像感が非常に高く、絞りを開けっ放しにしても描写が甘くならないという光学的な信頼性も、プロのクリエイターから高く評価されているポイントです。

フレアやゴーストを最小限に抑えるプロフェッショナル向け光学設計

屋外でのドローン空撮や、強いスポットライトが飛び交うライブステージの撮影など、光源が直接レンズ内に入り込む逆光・半逆光のシチュエーションは映像制作において避けて通れません。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、このような厳しい光線状態でもコントラストの低下を防ぐため、高度なレンズコーティングと内部反射を抑制する光学設計が施されています。これにより、映像の品位を損なう原因となる不要なフレア(画面全体が白っぽくなる現象)やゴースト(光の輪や斑点)の発生を最小限に抑え込みます。

フレアやゴーストが適切にコントロールされた映像は、黒の締まりが良く、色彩の彩度やコントラストが保たれるため、カラーグレーディングの自由度が格段に向上します。太陽を画面の端に配置したドラマチックな構図や、車のヘッドライトがレンズに向かってくるようなシーンでも、意図しない光の乱反射に悩まされることなく、クリエイターが思い描く通りのクリアで力強い映像表現が可能です。このプロフェッショナル向けの妥協なき光学設計こそが、DJIのシネマレンズが世界中の現場で選ばれ続ける理由の一つです。

他のDJI DLマウント交換レンズと比較した際の3つの選定ポイント

16mm・35mm・50mmレンズとの画角の違いと現場での使い分け

DJIのDLマウントレンズシリーズには、24mmの他に16mm、35mm、50mmといった異なる焦点距離の単焦点レンズがラインナップされています。プロジェクトの演出意図に合わせてこれらを使い分けることが、映像表現の幅を広げる鍵となります。

焦点距離 画角の特性 推奨される主な撮影シーン
16mm 超広角(パースペクティブが強い) 広大な風景、狭小空間の全景、ダイナミックなアクション
24mm 広角(自然な広がりと歪みの少なさ) 風景空撮、建築物、環境を含めた人物撮影(汎用性が最も高い)
35mm 標準〜広角寄り(人間の視野に近い) ドキュメンタリー、日常風景、人物のミディアムショット
50mm 標準〜中望遠(被写体を切り取る) ポートレート、特定の被写体のクローズアップ、背景ボケの強調

24mmレンズは、16mmほどの極端な歪みがなく、35mmよりも広い範囲を収めることができるため、ドローン空撮やRonin 4Dでの基本レンズとして最も多用される「現場のスタンダード」と言える存在です。

ペイロード制限の厳しい空撮機材における重量と重心バランスの比較

ドローン用の交換レンズを選定する際、光学性能と同等以上に重要視されるのがレンズの「重量」です。DJI DLマウントのレンズ群はすべてカーボンファイバー外装を採用して軽量化が図られていますが、焦点距離によってレンズ構成枚数やガラスの体積が異なるため、わずかな重量差が生じます。例えば、16mmや24mmといった広角レンズと50mmレンズでは、重量バランス(重心位置)が前後に変化するため、レンズ交換のたびにジンバルの厳密な再キャリブレーションが必要となります。

DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、シリーズの中でも非常にバランスの取れた重量設計となっており、Inspire 2やInspire 3のZenmuseカメラに装着した際、機体の飛行パフォーマンス(最高速度やバッテリー消費)に悪影響を与えません。また、NDフィルターを装着した場合でもジンバルモーターへの負担が少なく、強風下でのホバリングや高速飛行時においても、マイクロジッター(微細なブレ)の発生を防ぎ、極めて安定した映像を取得することができます。ペイロードの余裕は、そのまま撮影の安全性と直結します。

映像プロジェクトの演出意図に応じた最適な焦点距離の選び方

映像制作においてどのレンズを選択するかは、単なる「撮れる範囲」の問題ではなく、「視聴者に何をどう伝えたいか」という演出意図(ディレクション)に直結します。広角レンズである24mmは、視聴者にその場にいるかのような客観的かつ俯瞰的な視点を提供します。状況を説明するオープニングショットや、広大な世界観を提示するシーンにおいて、24mmレンズは不可欠な役割を果たします。一方で、登場人物の感情の機微や特定のオブジェクトに視線を集中させたい場合は、50mmなどのより焦点距離の長いレンズが適しています。

プロの現場では、DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHをベースレンズとしてカメラにセットアップしておき、必要に応じて他の焦点距離のレンズに交換するというワークフローが一般的です。同じDLマウントシリーズでレンズを統一することで、カラーサイエンス(発色の傾向)やコントラストの描写が揃うため、ポストプロダクションでのカラーマッチング作業が極めてスムーズになります。24mmの持つ汎用性の高さと、シネマレンズとしての妥協のない光学性能は、あらゆる映像プロジェクトの根幹を支える確かな基盤となります。

高価なシネマレンズを長く安全に運用するための3つの保守管理術

過酷な空撮現場からの撤収時におけるレンズ表面とマウント部の清掃手順

ドローン空撮や屋外ロケの現場は、砂埃、海風による塩害、花粉、排気ガスなど、精密な光学機器にとって過酷な環境です。高価なDJI DL 24mm F2.8 LS ASPHの性能を長期間維持するためには、撮影終了後、現場から撤収する際の迅速かつ適切な清掃が不可欠です。まず、レンズキャップを閉める前に、ブロアーを使用してレンズ表面や鏡筒に付着した大きな砂粒やホコリを丁寧に吹き飛ばします。この手順を怠り、いきなりクロスで拭いてしまうと、微小な砂粒がヤスリの役割を果たし、レンズのコーティングに致命的な傷をつけてしまいます。

表面のホコリを除去した後は、専用のレンズクリーニングペーパーと無水エタノール(または専用クリーナー)を使用し、中心から外側に向かって円を描くように優しく拭き上げます。さらに重要なのが、DLマウントの金属部分と電子接点の清掃です。マウント部に汚れが付着していると、カメラとの通信エラーや装着不良の原因となります。乾いた綿棒やマイクロファイバークロスを使用して接点部分を優しく拭き取り、常にクリーンな状態を保つことが、次回の撮影での機材トラブルを未然に防ぐ第一歩となります。

結露やカビの発生を未然に防ぐための適切な防湿保管環境の構築

シネマレンズの寿命を縮める最大の敵は「カビ」と「結露」です。特に日本のような高温多湿な環境下では、レンズ内部のガラス面にカビが繁殖しやすく、一度カビが発生すると高額なオーバーホールが必要になるか、最悪の場合は画質が修復不可能に劣化してしまいます。これを防ぐためには、撮影を行わない期間の保管環境を徹底的に管理することが求められます。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHを保管する際は、湿度を常に40%〜50%の最適な範囲に保つことができる電子防湿庫の使用を強く推奨します。

また、冬場の屋外撮影や、冷房の効いた室内から高温多湿な屋外へ機材を移動させる際に発生しやすい「結露」にも十分な注意が必要です。急激な温度変化にレンズを晒すと、内部のガラス面や電子基板に水滴が付着し、カビの発生やショートの原因となります。温度差のある場所へ移動する際は、レンズを密閉できるビニール袋や厚手のカメラバッグに入れ、時間をかけてゆっくりと周囲の温度に馴染ませる(順応させる)ことが、精密な非球面レンズやリーフシャッター機構を守るための重要な保守管理術です。

機材トラブルを防ぐ定期的な動作確認とファームウェアアップデート

DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは、高度な電子制御システム(電子接点、オートフォーカスモーター、リーフシャッター機構など)を内蔵した現代のシネマレンズです。そのため、光学的なメンテナンスだけでなく、ソフトウェア面での管理も機材の信頼性を維持する上で重要です。長期間使用していなかったレンズを重要なプロジェクトに投入する前には、必ずRonin 4DやInspireシリーズのカメラ本体に装着し、絞りの開閉、フォーカスの追従性、リーフシャッターの動作音などを入念にテストし、異常がないかを確認してください。

さらに、DJI(ディージェーアイ)から定期的に提供されるカメラ本体およびレンズのファームウェアアップデートを常に最新の状態に保つことも忘れてはなりません。ファームウェアの更新には、オートフォーカス精度の向上、新しいカメラシステムとの互換性追加、あるいは潜在的なバグの修正などが含まれています。専用のアプリやPCソフトウェア(DJI Assistant 2など)を経由してアップデートを適切に実行することで、レンズの持つポテンシャルを常に100%引き出し、プロの現場で求められる極めて高い動作安定性を確保することができます。

よくある質問(FAQ)

DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHはフルサイズセンサーに対応していますか?

はい、対応しています。本レンズはフルサイズセンサーをカバーするイメージサークルを持っており、Ronin 4D(6K/8Kモデル)やInspire 3(Zenmuse X9-8K Air)などのフルサイズシネマカメラでケラレ(画面四隅の黒つぶれ)を発生させることなく、広角24mmの本来の画角を最大限に活かした高精細な映像制作が可能です。

リーフシャッター(LS)機能はすべてのDJIカメラで利用できますか?

リーフシャッター機能は、レンズ自体に内蔵されていますが、それを制御するためには対応するカメラシステム(Zenmuse X7、X9シリーズなど)が必要です。Inspire 2やInspire 3、Ronin 4Dなどの互換性のあるシステムに装着した場合にのみ、ローリングシャッター歪みを抑制するリーフシャッターの恩恵を完全に受けることができます。

このレンズでオートフォーカス(AF)は使用できますか?

はい、使用可能です。DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは電子接点を備えており、対応するカメラボディと組み合わせることで高速かつ正確なオートフォーカスが機能します。特にRonin 4DのLiDARフォーカスシステムと組み合わせた場合、暗所やコントラストの低い被写体に対しても極めて精度の高いオートフォーカス追従を実現します。

サードパーティ製のフィルターを取り付けることは可能ですか?

可能です。本レンズの先端には46mm径のフィルターネジが切られており、市販のNDフィルターやPLフィルター、プロテクトフィルターなどを装着することができます。ただし、ドローン空撮やジンバル運用においては、重いフィルターを装着するとバランスが崩れる可能性があるため、DJI純正の軽量なDLマウント専用NDフィルターの使用を推奨します。

ズーム機能はついていますか?

いいえ、DJI DL 24mm F2.8 LS ASPHは「単焦点レンズ」であるため、ズーム機能(焦点距離の変更)は備わっていません。画角を変更したい場合は、カメラ自体(またはドローン)を被写体に近づける・遠ざけるか、16mmや35mmといった他の焦点距離のDLマウント交換レンズに付け替える必要があります。単焦点ならではの圧倒的な解像感とF2.8の明るさがこのレンズの強みです。

DJI DL 24mm F2.8 LS ASPH DLマウント

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