フルサイズミラーレスの性能を引き出す。シグマ 70mm F2.8 DG MACRO Artの徹底評価

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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

ソニーEマウント対応のフルサイズミラーレスカメラが持つ圧倒的な解像性能を、極限まで引き出せるマクロレンズをお探しではないでしょうか。本記事では、かつて「カミソリマクロ」として名を馳せた名玉のDNAを受け継ぐ交換レンズ、「SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art」について徹底評価いたします。息を呑むような解像力と美しいボケ味を両立した本製品は、プロフェッショナルの厳しい要求に応える高性能な単焦点レンズです。接写から遠景まで妥協のない描写力を誇り、コンティニュアスAFやボディ内手ブレ補正対応、レンズ補正対応など、SONY製カメラの最新機能にも高度に連携します。さらに、持ち運びに便利な専用ハードケース付である点も、現場で活躍するクリエイターにとって見逃せないポイントです。機動力と堅牢性を兼ね備えたSIGMA(シグマ)の傑作レンズが、ビジネスや作品撮りにおいてどのような真価を発揮するのか、その魅力と実力を詳しく解説します。

伝説の「カミソリマクロ」が進化。SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artの3つの基本概要

圧倒的な解像力を誇るArtラインの妥協なき設計思想

株式会社シグマ(SIGMA)が展開する交換レンズのラインナップにおいて、「Artライン」は圧倒的な光学性能と芸術的な表現力を最優先に設計されています。その中でも「SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO (Artライン)」は、かつてその鋭い描写力から「カミソリマクロ」という異名で写真家たちに愛された名玉の精神を、現代の高度な技術で甦らせた単焦点レンズです。フルサイズミラーレスカメラの高画素センサーが持つポテンシャルを極限まで引き出すため、画質に一切の妥協を許さない設計思想が貫かれています。ピントが合った部分の息を呑むような解像感と、そこからなだらかに続く美しいボケ味のコントラストは、Artラインならではの特筆すべき魅力と言えるでしょう。

この妥協なき設計を根底で支えているのが、最新の光学シミュレーション技術と高度な硝材の組み合わせです。接写時から無限遠まで、あらゆる撮影距離において均一で高い解像力を維持するための工夫が随所に凝らされています。単なるマクロレンズの枠を超え、風景やポートレートなど多彩なシーンで極めて高いパフォーマンスを発揮する本製品は、プロフェッショナルからハイアマチュアまで、作品のクオリティにこだわるすべてのフォトグラファーにとって強力な武器となります。

フルサイズミラーレス(ソニーEマウント)専用に最適化された基本仕様

本レンズは、SONYのフルサイズミラーレスカメラシステムに向けて最適化された「ソニーEマウント」専用設計を採用しています。マウントの通信仕様に完全対応しているため、カメラボディとの間で高速かつ大容量のデータ通信が可能です。これにより、ファストハイブリッドAFなどの高度なオートフォーカスシステムを最大限に活用できるだけでなく、カメラ側での各種設定や補正機能ともシームレスに連動します。マウントアダプターを介在させることなく直接ボディに装着できるため、システム全体の剛性が向上し、マクロ撮影において重要となるミリ単位のシビアなピント合わせにおいてもブレやガタつきが生じません。

また、フルサイズセンサーの広い画角の隅々まで光を届ける余裕のある光学設計により、画面中心部だけでなく周辺部においても高い解像力とコントラストを維持します。高画素化が進む最新のフルサイズミラーレスカメラの要求水準を優に超える光学性能を備えており、クロップ耐性にも優れているため、撮影後のトリミングやレタッチを前提としたビジネスユースのワークフローにおいても絶大な信頼性を発揮します。

プロユースの携帯性と保護性を両立する専用ハードケースの付属

プロフェッショナルの撮影現場において、機材の安全な運搬は撮影の成否に関わる重要な要素です。「ソニーEマウント(ハードケ-ス付)」として展開されている本製品には、レンズ本体を外部の衝撃や環境変化から厳重に保護する専用のハードケースが付属しています。このハードケースは、レンズの形状に合わせて精密に成型されたクッション材を内装しており、移動中の振動や落下時の衝撃を効果的に吸収します。過酷なロケーション撮影や長距離の出張撮影においても、極めて精細な光学機器であるマクロレンズを安心して持ち運ぶことが可能です。

さらに、専用ハードケースの存在は、機材管理の観点からも大きなメリットをもたらします。複数の交換レンズを所有するプロフェッショナルにとって、一目でSIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art用と判別できるケースは、現場での迅速なレンズ交換や撤収作業をサポートします。単なる付属品の枠を超え、撮影者の機動力と機材の保護性を高い次元で両立させるこのハードケースは、ユーザーの視点に立ったSIGMA(シグマ)の細やかな配慮と、製品に対する自信の表れと言えます。

接写から遠景まで妥協なし。圧倒的描写力を支える3つの光学技術

色収差を極限まで抑え込む特殊低分散ガラスの贅沢な採用

マクロ撮影において、被写体の輪郭部分に発生しやすい色ごとにじみ(色収差)は、画像のクリアな印象を大きく損なう要因となります。SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artは、この色収差を極限まで抑え込むために、蛍石と同等の性能を持つFLDガラス2枚、およびSLDガラス2枚という特殊低分散ガラスを贅沢に採用しています。さらに、屈折率が高く異常部分分散性の高いガラス1枚と、非球面レンズ2枚を効果的に配置することで、軸上色収差をはじめとする諸収差を徹底的に補正しています。

この高度な光学設計により、ピント面における滲みのないシャープな描写と、アウトフォーカス部分の自然で濁りのないボケ味を両立しています。金属の輝きや水滴の透明感、花びらの繊細なグラデーションなど、被写体が持つ本来の色と質感を忠実に再現することが可能です。後処理でのデジタル補正に頼るのではなく、光学系の基本設計から収差を根本的に排除するアプローチは、Artラインが掲げる「最高性能」を体現する重要な要素となっています。

撮影距離による収差変動を抑制するフローティングフォーカス機構

一般的なレンズでは、撮影距離が変化することによって光学系内部のバランスが崩れ、収差が変動して画質が低下する現象が起こります。特に、等倍(1:1)の接写から無限遠まで幅広い撮影距離をカバーするマクロレンズにおいては、この収差変動をいかに抑えるかが最大の課題となります。本製品は、この課題を解決するために「フローティングフォーカス」機構を採用しています。これは、フォーカスレンズ群を2つのグループに分け、それぞれを異なる移動量で駆動させる高度な設計技術です。

フローティングフォーカス機構の搭載により、最短撮影距離でのマクロ撮影時においても、無限遠での風景撮影時においても、収差を極小に抑え込んだ圧倒的な高画質を維持します。被写体に限界まで近づいて微細なテクスチャを捉える場面から、一歩引いて被写体とその周囲の環境を克明に描写する場面まで、距離に依存することなく常に安定した最高峰の解像力を発揮します。この機構は、撮影者の意図を制限することなく、あらゆるシチュエーションで「カミソリマクロ」の切れ味を約束します。

カメラボディ側のレンズ補正機能(周辺光量・倍率色収差・歪曲収差)への完全対応

SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artは、優れた光学設計によって極めて高い基本性能を実現していますが、さらにSONYのフルサイズミラーレスカメラが備える「レンズ補正対応」機能とも完璧な連携を果たします。カメラボディ側で周辺光量、倍率色収差、歪曲収差の3つの項目について、レンズの光学特性データに基づいた最適なデジタル補正をリアルタイムに行うことが可能です。これにより、光学設計だけでは完全に排除しきれない微小な収差をも徹底的に払拭し、画面の隅々まで均一で美しい描写を実現します。

特に、建築物の撮影や直線的なプロダクトの撮影において気になる歪曲収差や、大口径レンズの開放絞り付近で発生しやすい周辺光量落ちが自動的に補正されることは、ポストプロダクション(撮影後の画像処理)の負担を大幅に軽減します。プロフェッショナルのワークフローにおいて、撮影直後のJPEGデータからすでに高い完成度を誇る画像が得られることは、納品までのスピードアップと品質の安定化に直結する極めて実用的なメリットです。

プロフェッショナルの現場で活きる3つの操作性とフォーカス性能

ソニーEマウントのコンティニュアスAF(AF-C)に高度に連動する駆動系

マクロレンズはピントの移動量が大きいため、オートフォーカスの速度や精度が実用性に直結します。本製品は、フォーカス駆動系に新開発のコアレスDCモーターを採用し、さらに最新のアルゴリズムを組み合わせることで、静粛かつ高速なオートフォーカスを実現しています。特に、ソニーEマウントカメラの強力な「コンティニュアスAF(AF-C)」機能に高度に連動するよう最適化されており、風で揺れる花や動き回る昆虫など、ピント位置が常に変化する被写体に対しても、粘り強くフォーカスを追従させることが可能です。

また、SONYの瞳AFやリアルタイムトラッキングなどの被写体認識機能とも完全に互換性を持っています。これにより、ポートレート撮影において被写体の瞳に極めて浅い被写界深度で正確にピントを合わせ続けるといった、高度な撮影手法も容易に実践できます。高解像度なフルサイズセンサーのシビアなピント要求に対して、カメラボディの先進的なAF性能を一切スポイルすることなく、確実に応える駆動系を備えています。

シームレスな微小ピント調整を実現するフルタイムマニュアル機構

マクロ撮影の現場では、オートフォーカスで大まかなピントを合わせた後、撮影者の意図に合わせて手動でミリ単位の微調整を行いたい場面が頻繁に発生します。本製品は、オートフォーカス作動中でもフォーカスリングを回すだけで即座にマニュアルフォーカスに切り替わる「フルタイムマニュアル」機構を搭載しています。フォーカスリングにはバイワイヤ方式(電子式)を採用しており、リングの回転量に応じてフォーカスレンズがリニアかつ精密に駆動するため、撮影者の指先の感覚と完全に同期した直感的なピント合わせが可能です。

このフルタイムマニュアル機構は、カメラ側のピーキング機能やピント拡大機能と組み合わせることで、その真価を最大限に発揮します。ファインダーから目を離すことなく、AFとMFをシームレスに行き来できる操作性は、被写界深度が極端に浅くなる等倍接写において、ピントの歩留まりを飛躍的に向上させます。妥協を許さないプロフェッショナルの作品作りにおいて、撮影者の意図をダイレクトに反映できるこの操作系は不可欠な要素です。

ボディ内手ブレ補正機構との的確な連携による安定したマクロ撮影

マクロ撮影では、わずかなカメラのブレが写真全体の解像感を大きく損なう原因となります。SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art自体には光学式手ブレ補正機構は搭載されていませんが、ソニーEマウントカメラが内蔵する「ボディ内手ブレ補正対応」機能と的確に連携する設計となっています。レンズ側からカメラボディへ正確な焦点距離情報や撮影距離情報が通信されるため、カメラ側は常に最適な手ブレ補正(IBIS)アルゴリズムを適用し、強力にブレを抑制します。

この連携により、三脚を使用できない環境下での手持ちマクロ撮影や、光量の少ない室内での撮影においても、シャッタースピードに余裕を持たせることが可能になります。手持ち撮影の自由度と機動力を確保しつつ、Artラインならではのシャープな解像力を損なうことなく画像に定着させることができるため、ネイチャーフォトグラファーや取材現場のカメラマンにとって、極めて信頼性の高い撮影システムを構築できます。

SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artが真価を発揮する3つのビジネス・撮影シーン

素材の質感まで精緻に描き出す商用プロダクト撮影(ブツ撮り)

ECサイトの商品画像やカタログ用の写真など、商用プロダクト撮影(ブツ撮り)においては、被写体のディテールや素材の質感をいかに正確に伝えるかが購買意欲を左右します。SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artの持つ圧倒的な解像力は、金属のヘアライン加工、革製品の微細なシボ、ジュエリーの複雑なカット面など、肉眼では捉えきれないような精緻なテクスチャまで克明に描き出します。歪曲収差が極めて少なく、被写体の形状を正確に描写できる点も、プロダクト撮影において非常に重要なアドバンテージです。

また、70mmという焦点距離は、卓上での小物撮影においてカメラと被写体との間に適切な空間(ワーキングディスタンス)を確保しやすく、ライティングの自由度を妨げません。ストロボや定常光を用いた複雑なライティング環境下でも、レンズの影が被写体に落ちるリスクを軽減しつつ、歪みのない自然なパースペクティブで商品を捉えることができます。高品質なビジュアルコンテンツが求められる現代のビジネスシーンにおいて、確かな説得力を持つ画像を効率的に生み出す強力なツールとなります。

被写体の細部と生命力を克明に捉えるネイチャー・接写撮影

花脈の繊細な構造や、昆虫の複眼の輝きなど、自然界に潜むミクロの世界を切り取るネイチャー・接写撮影は、マクロレンズの独壇場です。本製品は最短撮影距離25.8cm、最大撮影倍率1:1(等倍)の本格的な接写性能を備えており、小さな被写体を画面いっぱいに大きく写し出すことができます。「カミソリマクロ」の系譜を受け継ぐ鋭いピント面の描写力は、被写体の生命力や息遣いまでも克明に捉え、見る者を圧倒するようなインパクトのある作品を生み出します。

さらに、開放F値2.8の明るさと、9枚羽根の円形絞りがもたらす美しく滑らかなボケ味は、主題となる被写体を背景から鮮やかに浮き上がらせる効果を生みます。前ボケや後ボケに色づき(二線ボケや軸上色収差)が発生しにくいため、複雑な背景を持つ自然環境下でも、被写体だけを純粋に際立たせることが可能です。防塵防滴に配慮したマウント部のゴムシーリングなど、屋外でのハードな使用を想定したビルドクオリティも、ネイチャーフォトグラファーの活動をサポートします。

単焦点レンズならではの自然なボケ味を活かしたポートレート撮影

マクロレンズは接写専用と思われがちですが、SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artはポートレート(人物撮影)用の中望遠単焦点レンズとしても非常に優秀な性能を発揮します。70mmという焦点距離は、一般的な85mmレンズよりもわずかに画角が広いため、室内などの限られたスペースでも被写体とのコミュニケーションを取りながら撮影しやすいという特徴があります。モデルのまつ毛一本一本まで解像する鋭いピント面と、そこからなだらかに溶けていく美しいボケ味のコントラストは、人物を立体的に、かつ魅力的に表現します。

コンティニュアスAFや瞳AFといったソニー製カメラの高度なトラッキング機能と組み合わせることで、動きのあるポートレート撮影でもピントを外すことなく、構図作りに集中できます。また、マクロレンズ特有の近接撮影能力を活かし、瞳や唇のクローズアップ、手元のアクセサリーのディテールなど、通常のレンズでは寄り切れないパーツの撮影をレンズ交換なしでシームレスに行える点も、表現の幅を大きく広げるメリットです。

他社製交換レンズや従来モデルと比較してわかる当レンズの3つの優位性

焦点距離70mmがもたらすワーキングディスタンスと画角の絶妙なバランス

マクロレンズを選ぶ際、焦点距離は撮影の快適さや表現の幅を左右する重要な要素です。50mmクラスの標準マクロレンズは画角が広く背景を取り入れやすい反面、被写体に極端に近づく必要があり、ライティングの妨げになることや、警戒心の強い被写体に逃げられてしまうリスクがあります。一方、90mmや100mmクラスの中望遠マクロレンズはワーキングディスタンス(レンズ先端から被写体までの距離)を確保しやすいものの、画角が狭く、室内での手持ち撮影やテーブルフォトでは取り回しに苦労する場面が少なくありません。その点、本レンズが採用する70mmという焦点距離は、両者のメリットを掛け合わせた絶妙なバランスを実現しています。以下の表は、一般的な焦点距離によるマクロレンズの特性を比較したものです。

焦点距離クラス 画角の広さ ワーキングディスタンス 主な適正シーン
50mm(標準) 広い(背景を活かしやすい) 短い(被写体に近づく必要あり) スナップ、日常のテーブルフォト
70mm(本製品) 適度(扱いやすい) 適度(ライティングしやすい) ブツ撮り、ポートレート、花・植物
90mm〜100mm(中望遠) 狭い(背景を整理しやすい) 長い(被写体と距離を取れる) 昆虫撮影、屋外での本格的なネイチャー

このように、SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artは、適度なワーキングディスタンスを保ちながらも画角が狭すぎないため、商用プロダクト撮影から日常のスナップ、ポートレートまで幅広い用途に柔軟に対応できます。フルサイズミラーレスカメラに装着した際の重量バランスや取り回しの良さは抜群であり、現場でのスムーズなワークフローを強力にサポートします。SONY純正のラインナップにはない「70mm」という独自のポジションは、他社製交換レンズと比較しても明確な優位性を持つ本製品ならではの魅力です。

旧型「カミソリマクロ」からの光学性能およびAF精度の飛躍的向上

かつて一眼レフカメラ用として一世を風靡した旧モデル「MACRO 70mm F2.8 EX DG」は、その圧倒的なシャープさから「カミソリマクロ」として伝説的な評価を得ていました。本製品はそのコンセプトを継承しつつ、現代の高画素フルサイズミラーレスカメラ向けに光学設計をゼロから見直すことで、解像性能をさらに飛躍的に向上させています。旧モデルでは補正しきれなかった軸上色収差を最新の特殊低分散ガラスによって徹底的に排除し、絞り開放から画面周辺部まで均一でクリアな描写を実現しました。

加えて、オートフォーカス性能においても劇的な進化を遂げています。旧モデルのギア駆動方式から、新開発のコアレスDCモーターによるバイワイヤ駆動へと刷新されたことで、ピント合わせの静粛性と速度が大幅に向上しました。これにより、動画撮影時におけるAF駆動音の低減や、ソニーEマウントの高速なコンティニュアスAFへの対応など、現代のクリエイターに求められる厳しい要求水準を満たす、全く新しい世代のマクロレンズへと生まれ変わっています。

高いコストパフォーマンスと妥協のないビルドクオリティの両立

SIGMAのArtラインは、最高峰の光学性能を追求しながらも、現実的な価格設定を維持している点で多くのフォトグラファーから支持を集めています。本製品も例外ではなく、他社の純正高級マクロレンズと比較して非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。しかし、価格を抑えながらもビルドクオリティに一切の妥協はありません。鏡筒には軽量かつ堅牢な金属部品と、温度収縮率がアルミニウムと同等の新素材TSC(Thermally Stable Composite)を適所に採用し、高い剛性と滑らかな操作性を実現しています。

さらに、マウント部にはゴムのシーリングを施した簡易防塵防滴構造を採用しており、屋外での過酷な撮影環境下でも安心して使用できます。操作リングのトルク感やスイッチ類のクリック感など、手に触れる部分の感触にまで徹底的にこだわった意匠は、所有する喜びを満たしてくれるはずです。専用のハードケース付であることも含め、長期にわたってプロの現場で酷使に耐えうる耐久性と信頼性を、この価格帯で実現している点は大きな優位性と言えます。

導入前に確認すべき3つの留意ポイントと本製品の総評

繰り出し式フォーカス機構がもたらす運用上の特性と注意点

本製品を導入するにあたり、最も留意すべきポイントはフォーカス機構に「繰り出し式」を採用している点です。近年の多くのレンズが採用している、全長が変わらないインナーフォーカス方式とは異なり、本製品はピント位置を近接(マクロ側)に合わせるほどレンズの前群が前方に大きく繰り出します。これは、画質を最優先し、あらゆる撮影距離において収差を極限まで抑え込むフローティングフォーカス機構を成立させるための、SIGMAの妥協なき選択の結果です。

運用上の注意点として、被写体に極端に近づいて撮影する際、繰り出したレンズ先端が被写体に接触しないよう距離感を測る必要があります。また、レンズが伸長した状態では重心が前方に移動するため、三脚使用時のバランス調整や、ジンバルを用いた動画撮影時のセッティングには多少の配慮が求められます。しかし、これらの特性を理解し適切に運用することで、インナーフォーカス方式では到達し得ない、息を呑むような圧倒的な高画質を手にすることができます。

ソニー純正マクロレンズ群との明確な選び分けの基準

ソニーEマウントのフルサイズミラーレス用マクロレンズには、純正の「FE 90mm F2.8 Macro G OSS」や「FE 50mm F2.8 Macro」などの強力な競合が存在します。これら純正レンズ群と本製品とを比較検討する際の明確な基準は、「焦点距離」と「画質へのアプローチ」です。90mmはワーキングディスタンスを稼ぎやすい反面、サイズが大きく重量もあります。50mmは軽量コンパクトですが、被写体にかなり近づく必要があります。SIGMAの70mmは、その中間に位置する絶妙な取り回しの良さが最大の武器です。

また、AFの絶対的な速度や純正ならではの完全なシステム連携(レンズ内手ブレ補正など)を最優先する場合は純正レンズが有利な場面もありますが、純粋な「解像力」と「ボケ味の美しさ」、そしてArtライン特有の抜けの良いクリアな描写力においては、本製品は純正レンズを凌駕するポテンシャルを秘めています。プロダクト撮影やポートレートなど、じっくりと被写体と向き合い、最高の一枚を創り上げるような撮影スタイルにおいて、SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Artは最良の選択肢となります。

フルサイズミラーレスの解像度を最大限に引き出す確かな投資価値

総評として、SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO (Artライン)は、現代の高画素フルサイズミラーレスカメラが持つポテンシャルを限界まで引き出すことができる、極めて完成度の高い単焦点レンズです。伝説の「カミソリマクロ」の異名に恥じない圧倒的なシャープネスと、Artラインならではの豊かな表現力は、マクロ撮影の枠を超えてあらゆるジャンルの撮影でクリエイティビティを刺激します。コンティニュアスAFやフルタイムマニュアル、レンズ補正対応といった最新機能への適応も申し分ありません。

繰り出し式フォーカスという構造上の特性はあるものの、それは最高画質を獲得するための必然的なトレードオフであり、得られる描写力を考えれば十分に納得できるものです。専用ハードケース付による携帯性と保護性の高さ、そして優れたコストパフォーマンスも相まって、プロフェッショナルのビジネスユースからハイアマチュアの作品作りまで、長く愛用できる名玉となることは間違いありません。あなたの写真表現を次の次元へと引き上げる、確かな投資価値を持つ一本です。

よくあるご質問(FAQ)

ここでは、SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art(ソニーEマウント用)に関するよくあるご質問を5つまとめました。導入をご検討の際にお役立てください。

Q1. フルサイズ以外のAPS-Cセンサー搭載カメラ(ソニーEマウント)でも使用できますか? はい、ご使用いただけます。APS-Cサイズのセンサーを搭載したソニー製ミラーレスカメラに装着した場合、35mm判換算で約105mm相当の中望遠マクロレンズとして機能します。ワーキングディスタンスをより長く確保できるため、昆虫や小動物などの撮影において非常に使い勝手の良い画角となります。 Q2. レンズ本体に光学式手ブレ補正機構(OS)は搭載されていますか? 本レンズ本体には光学式手ブレ補正機構は搭載されていません。しかし、ソニーEマウントカメラボディに内蔵されているボディ内手ブレ補正機構と通信機能を用いて的確に連携するため、カメラ側の強力な手ブレ補正効果を最大限に活用して安定した撮影を行うことが可能です。 Q3. 付属の「ハードケース」はどのような場面で役立ちますか? 付属の専用ハードケースは、レンズ本体を外部の衝撃や圧力から強力に保護します。海外ロケや出張撮影など、機材を預け荷物にする場合や、機材車に多くの機材を積み込んで移動する際など、過酷な運搬環境において高精度なマクロレンズを安全に持ち運ぶために非常に役立ちます。 Q4. フルタイムマニュアルフォーカスはどのように操作するのですか? カメラ側の設定がオートフォーカス(AF)モードであっても、シャッターボタンを半押ししてAFを動作させながら、あるいはAF合焦後に、レンズのフォーカスリングを回すだけで即座にマニュアルフォーカス(MF)による微細なピント調整への切り替えが可能です。特別なスイッチ操作は必要ありません。 Q5. なぜインナーフォーカスではなく、レンズが伸びる「繰り出し式」を採用しているのですか? SIGMAのArtラインが掲げる「画質最優先」の設計思想に基づき、マクロ撮影から無限遠まであらゆる距離で収差を極限まで抑える「フローティングフォーカス機構」を最適に機能させるためです。レンズの全長が変わらない利便性よりも、圧倒的な光学性能(解像力とボケ味)を実現することを優先した結果の構造です。

SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO (Artライン) ソニーEマウント(ハードケ-ス付)

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