ワイヤレスマイクの受信機に「送信機を遠隔操作する機能」が入ると、現場の動きが1つ減ります。DeityがIBC 2026で見せたD4RXは4チャンネルのワイヤレス受信機で、2.4GHzのアンテナ経由で4台の送信機をまとめて操作できます。受信機側でスキャンしてチャンネルを無線で割り当て、ボディパックの録音もここから開始。「出演者の所へ行ってボディパックを操作する必要がない」。受信は1チャンネルあたり2つ、計8つの無線チップを使うトゥルーダイバーシティで、ライン出力に加えてAES3デジタル出力も備えます。
もうひとつはTC-2。パンダスタジオレンタルでも扱っているタイムコードボックスTC-1の進化版で、Bluetoothでカメラに直接タイムコードを送ります。1分46秒の短い動画ですが、音声部門の人には情報が詰まっています。
動画で見た方が早いのは、D4RXの画面で送信機をスキャンしてチャンネルを割り当てる操作です。受信機のダイヤルで、離れた送信機の設定が変わる。それだけの場面ですが、「出演者のポケットからボディパックを出してもらう」が要らなくなる意味は、現場を知っている人ほど大きく感じるはずです。
TC-2はまだ未掲載ですが、前モデルのTC-1はパンダスタジオレンタルで借りられます。複数カメラの同期をタイムコードで揃える運用は、いまのTC-1でそのまま始められます。
→ TC-2の前モデル。2.4GHzで複数台を同期するワイヤレスタイムコードボックス:
D4RX:4ch、8チップのトゥルーダイバーシティ、AES3出力
担当者の説明を順に。D4RXは4チャンネルのワイヤレス受信機。トゥルーダイバーシティ方式で、1チャンネルあたり2つ、計8つの無線チップを搭載。ライン出力に加えてAES3デジタル出力を備え、デジタル入力を持つレコーダーに接続できる。4台の送信機と同時に通信する。
「トゥルーダイバーシティ」は、1チャンネルに受信回路を2系統持って、電波状態の良い方を使う方式です。安価なワイヤレスは1系統のことが多く、出演者が動いたときの音切れの差になります。AES3で出せるのは、放送用ミキサーやレコーダーにデジタルで渡せるということで、これも業務機寄りの仕様です。
送信機を受信機から遠隔操作:スキャン、チャンネル割り当て、録音開始
ここがD4RXの目玉です。2.4GHzのアンテナで4台すべての送信機を遠隔操作できる。受信機でスキャンして、送信機に無線でチャンネルを割り当てる。「出演者の所へ行ってボディパックを操作する必要がない」。さらに、ボディパック側の録音もこの受信機から開始できる。
ボディパック内に録音(バックアップ)を持つ送信機は増えましたが、「録音ボタンを押すのは出演者のポケットの中」というのが運用上の弱点でした。それを受信機側から押せる。本番直前に4人分の録音を1か所で開始できるのは、ワンオペのインタビュー現場でも効きます。
D4RXがどの送信機と組み合わさるかは動画内で明言されていませんが、DeityのデジタルワイヤレスTHEOSシリーズの受信機は現行の2ch機D2RXがレンタル中です。4ch版がD4RX、と理解しておくと位置づけが分かります(要確認)。
→ THEOSの現行キット。2ch受信機D2RXと送信機2台:
※Deity D4RX(4chワイヤレス受信機)は、現時点では新規取り扱い候補として紹介しています。パンダスタジオレンタルでのレンタル開始が決定しているものではありません。商品ページ公開後、この記事にもリンクを追加する予定です。
TC-2:Bluetoothタイムコード、1台で3カメを同期。Kinefinityと提携
もうひとつの新製品TC-2はTC-1の進化版で、Bluetoothタイムコードに対応。本体からカメラへ直接送信でき、ケーブルを挿す必要がない。「たとえば3台のカメラで撮影する場合、1台のタイムコードボックスで3台すべてを同期できる」。今回はKinefinityとの新しい提携を披露し、Bluetoothタイムコードに対応するベータ版ファームウェアを検証中。会期中にほかのカメラメーカーとも打ち合わせをしていて、発売時にはさらに多くの提携を発表したい、とのことです。
Bluetoothでタイムコードを受けられるカメラはまだ限られます。いま複数台のカメラを同期するなら、TC-1をカメラごとに載せてケーブルで入れる運用が現実的で、それはレンタルで揃います。FX3/FX30やR5 C向けのケーブル付きセットも用意しています。
※Deity TC-2(Bluetoothタイムコード)は、現時点では新規取り扱い候補として紹介しています。パンダスタジオレンタルでのレンタル開始が決定しているものではありません。商品ページ公開後、この記事にもリンクを追加する予定です。
→ 32bitフロートで録れるDeityのラベリア付きレコーダー。バックアップ録音の考え方が近い1台:
この機材が向いていそうな人・現場
- 出演者4人のトーク収録や座談会で、ボディパックの操作に毎回出演者の手を借りている音声担当(D4RX)
- デジタルミキサー・レコーダーにAES3で入れたい、放送寄りの収録チーム
- 3〜4カメのイベント収録で、タイムコード合わせのケーブル配線を減らしたい撮影部(TC-2・対応カメラ待ち)
レンタルで試す価値があるところ
Deityの新製品は日本での電波の扱い(技適、特定ラジオマイクの帯域)を確認してからの導入になります。それまでに、現行のTHEOSキット(A帯/B帯)を借りて、デジタルワイヤレスの音と到達距離を自分の現場で確かめておく。TC-1で3カメ同期を1回やってみる。D4RXとTC-2が入荷したときに、「遠隔操作」「Bluetooth」が自分の現場でどれだけ手間を減らすかを、比較の基準を持って判断できます。
用途別に探すなら
Deityの製品をまとめて見たい人
タイムコード同期の機材を探している人
展示会で見た新製品が入荷したかを確かめたい人
→ 新着機材一覧
D4RXとTC-2は、取り扱いが決まればこの記事にリンクを追加します。次の記事は、風船のように膨らむLEDライトのINKEEへ。社長へのインタビューです。
📦 ボディパックの録音ボタンを、出演者のポケットから取り戻す。
IBC 2026取材シリーズの動画は、撮れたものから順にPANDASTUDIO TVで公開しています。
→ 新着機材一覧(展示会で見た製品の入荷チェックに)
→ 映像制作・撮影技術のセミナー情報
→ PANDASTUDIO TV でIBC 2026取材動画をチェックする
出典:パンダスタジオ IBC 2026 アムステルダム取材動画「IBC Day3 06 Deity Rough v01」(2026年9月13日収録)
※製品名・仕様・発売時期は取材時のブース担当者の説明(字幕)に基づくもので、収録時点の情報です。掲載のレンタル商品は商品一覧(2026年7月版)でIDの実在を確認済みです。
