北京のBIRTV 2026でも新製品をたくさん見せてくれたFEELWORLDのブース。今回の話は少し方向が違いました。「SEETECとFEELWORLDはこれまでハードウェア中心だったが、今後はソフトウェアにも力を入れる」。その第一弾として見せてくれたのが、データを外部に送らずローカルで処理するAIボックスと、声でスイッチャーを操作するデモです。
デモの途中、担当者が「日本語でも話してみてください」と言い、取材班が日本語で話すと、画面の字幕が自動で日本語を認識して表示される場面があります。会議のリアルタイム記録や要約もローカルで、という話は、社外に出せない会議を配信・収録している企業には気になるはずです。
動画で見た方が早いのは、字幕の自動言語認識(1分40秒すぎ)と、音声コマンド「SEETEC」「Preview 1」「PGM」でスイッチャーが反応する場面(4分半すぎ)。「会場が騒がしくて反応に遅れが出ている」と担当者が正直に言っているところまで含めて、いまの完成度が分かります。
Lシリーズのスイッチャーは、パンダスタジオレンタルで現行機を借りられます。AIや音声操作の話を聞いた後だからこそ、まず「いまのLシリーズのタッチ操作」を触っておくと、次の世代で何が変わるかが分かります。
→ 10.1インチタッチ画面のLシリーズ現行上位機:
SEETECのAIボックス:処理をローカルで行い、データを外に送らない
担当者の説明では、一般にAIを使うにはネットワークが必要だが、SEETECは処理をローカルで行い、データを外部へ送らない仕組みを開発している。モデルの学習や実行など、処理をこのAIボックスの中で行う。展示していたのはAIを使ったポートレートシステムで、美肌処理、フィルター、しわの除去などを組み込んでいました。
特長として挙げていたのが音声まわり。話している声をリアルタイムに認識し、画面に中国語と英語の字幕を同時表示。話している言語を自動で認識するので、取材班が日本語で話すとすぐ日本語で表示されました。「会議システムのAIサーバーがデータを外部ネットワークへ送ることはない」「会議のリアルタイム記録や要約もローカルで行える」というのが売りです。
これは初期段階のコンセプトで、まず会議の場面を想定。今後はこのAIをビデオスイッチャーにも展開し、人物認識、追跡、美肌処理、リアルタイム翻訳などを開発していく、とのことでした。発売時期は「まだはっきり決まっていない。戻ってからエンジニアに確認する」。取材班は「特に会議の翻訳機能を楽しみにしている」と返しています。
Lシリーズ:L3/L3 PRO/L3 MAXと、声で操作するコンセプト機
後半はライブ配信システム。今年はLシリーズを幅広く展開しているとのことで、動画内で挙がった構成は次のとおり(担当者発言・要確認)。
- L3:HDMI 4系統入力。PTZカメラ制御、USBメモリーでの録画・再生に対応
- L3 PRO:SDIとHDMIの入力に対応した上位モデル
- L3 MAX:画面を備え、タッチ操作ができる
- よりプロ向けのモデル(コンセプト):AIの音声認識を組み込み、声でスイッチャーを操作
音声操作の実演では、「SEETEC」と呼びかけてから「Preview 1」「PGM」と話すと切り替わります。ただし「会場が騒がしく、反応に少し遅れが出ている」と担当者。現在は簡単なコマンドのみで、この機体はコンセプトモデルです。
編集部の感想を書くと、声でスイッチャーを操作するのは、ワンオペ配信で両手がカメラとPCで埋まっているときには本当に欲しい機能です。一方で、配信現場は登壇者の声もBGMも鳴っている。「SEETEC」というウェイクワードがどこまで誤反応しないかは、借りて自分の現場で試すまで分からない種類の話です。
OTA更新:スイッチャーをネットにつなぐと更新が通知される
最後に、シリーズ全体でソフトウェア更新の仕組みを整えていく、という話。ユーザーが更新ファイルを手動で準備する必要はなくなり、スイッチャーなどをネットワークにつなぐと更新可能なソフトウェアが通知され、選んで実行すると自動で更新される。OTA更新を含めてソフトウェアの仕組みを充実させていく、とのことでした。
※SEETECのAIボックス、L3/L3 PRO/L3 MAX、音声操作対応のコンセプト機は、現時点では新規取り扱い候補として紹介しています。パンダスタジオレンタルでのレンタル開始が決定しているものではありません。商品ページ公開後、この記事にもリンクを追加する予定です。
→ HDMI入力のコンパクトなLシリーズ現行機:
この機材が向いていそうな人・現場
- 社外に出せない役員会議を配信・収録していて、クラウドAIの字幕や要約が使えずに困っている企業の総務・情報システム担当者
- ワンオペ配信で、カメラとPCで両手が埋まったまま「いま切り替えたい」と思っている配信者
- FEELWORLDのL2 Plus/L4を使っていて、次のL3系で何が変わるか知っておきたい人
持ち帰り:Lシリーズの選び方(動画の説明ベース・要確認)
| モデル | 入力 | 特徴(動画内の説明) | レンタル |
|---|---|---|---|
| L2 Plus | HDMI | コンパクトなマルチフォーマット機 | 取り扱いあり |
| L4 | HDMI | 10.1インチタッチ、USB3.0配信 | 取り扱いあり |
| L3 | HDMI×4 | PTZ制御、USB録画・再生 | 候補 |
| L3 PRO | SDI+HDMI | 上位モデル | 候補 |
| L3 MAX | — | タッチ画面搭載 | 候補 |
| プロ向けコンセプト機 | — | 音声コマンドで操作(デモ段階) | 未定 |
→ 表の「取り扱いあり」の上位機を試すなら:
レンタルで試す価値があるところ
スイッチャーのAIや音声操作は、静かな展示ブースと、BGMと登壇者の声が鳴る本番会場では別物です。いまできるのは、現行のL2 PlusやL4を借りて「自分の現場でタッチ操作のどこに手が足りないか」を洗い出しておくこと。そこが音声操作で本当に解決するかどうかが、次の世代を借りるときの判断基準になります。
用途別に探すなら
FEELWORLD/SEETECの製品をまとめて見たい人
小型の配信スイッチャーをメーカー横断で比べたい人
展示会で見た新製品が入荷したかを確かめたい人
→ 新着機材一覧
AIボックスの発売時期は未定と聞いています。L3系の入荷や、音声操作の製品化が決まればこの記事に追記します。北京・BIRTV 2026でのFEELWORLD取材記事もあわせてどうぞ → 【BIRTV記事の公開URLを挿入】。
📦 声で切り替える前に、いまのタッチ操作で「手が足りない瞬間」を洗い出す。
IBC 2026取材シリーズの動画は、撮れたものから順にPANDASTUDIO TVで公開しています。
→ 新着機材一覧(展示会で見た製品の入荷チェックに)
→ 映像制作・撮影技術のセミナー情報
→ PANDASTUDIO TV でIBC 2026取材動画をチェックする
出典:パンダスタジオ IBC 2026 アムステルダム取材動画「IBC Day1 10 FEELWORLD Rough v01 2」(2026年9月11日収録)
※製品名・仕様・発売時期は取材時のブース担当者の説明(字幕)に基づくもので、収録時点の情報です。掲載のレンタル商品は商品一覧(2026年7月版)でIDの実在を確認済みです。
