スタジオ構築に最適。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータの実力

NewTek

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現代の映像制作現場において、従来のSDIベースのシステムからIPベースのシステムへの移行が急速に進んでいます。その中で、既存の放送設備と最新のIPワークフローをシームレスに繋ぐ中核デバイスとして注目を集めているのが「NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータ」です。本記事では、スタジオ構築における本製品の基本概要から、導入メリット、具体的な活用事例、さらには技術的な要件までを網羅的に解説します。映像制作の効率化と高度化を目指すプロフェッショナル必見の内容です。

NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータの基本概要

製品の開発背景と市場での位置づけ

映像制作業界では、高画質化と多チャンネル化に伴い、従来のSDIケーブルによる物理的な配線が限界を迎えつつありました。このような課題を解決するため、NewTek社はIPネットワーク上で高品質な映像伝送を可能にするNDI技術を開発しました。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、既存のSDI資産を無駄にすることなく、最新のIPワークフローへ移行するための架け橋として開発されました。市場においては、放送局や大規模スタジオのマイグレーションを支える信頼性の高いプロフェッショナル向けインターフェースとして、確固たる地位を確立しています。

従来のベースバンド(SDI)とIP伝送の融合

ベースバンド伝送であるSDIは、遅延が少なく安定性が高い反面、1本のケーブルで1つの信号しか送れないという物理的な制約があります。一方、IP伝送は1本のLANケーブルで双方向の多チャンネル伝送が可能ですが、既存のSDI機器とは直接接続できません。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、これら2つの異なる規格をシームレスに融合させます。SDIカメラの映像をIPネットワーク(NDI)に変換して配信システムに送るだけでなく、ネットワーク上のNDI映像をSDIに変換して従来のモニターやスイッチャーに出力する双方向の変換機能を提供します。

NDI(Network Device Interface)規格の基礎知識

NDI(Network Device Interface)は、標準的なギガビットイーサネット環境で高品質かつ低遅延の映像・音声伝送を実現するIPビデオ規格です。専用のインフラを必要とせず、一般的なITネットワーク機器を利用してシステムを構築できるのが最大の特徴です。NDIは圧縮効率が高く、視覚的な劣化を最小限に抑えながらネットワーク帯域を節約します。また、ネットワーク上に接続されたNDI対応デバイスは自動的に認識されるため、複雑なIPアドレス設定やルーティング作業を大幅に簡略化でき、セットアップの迅速化に貢献します。

現代のスタジオ構築において求められる役割

現代のスタジオ構築では、柔軟性と拡張性が極めて重要視されています。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、スタジオ内のあらゆる映像リソースをネットワーク上で共有可能にするハブとしての役割を担います。これにより、物理的な距離に縛られないリモートプロダクションや、複数スタジオ間でのカメラ映像の相互利用が容易になります。また、将来的なシステム拡張の際にも、LANケーブルを追加するだけで機材をネットワークに参加させることができるため、変化の激しい映像制作のニーズに即座に対応できる強固な基盤を提供します。

導入を後押しする4つの主要スペック

8チャンネルの柔軟な入出力構成

本製品の最大の強みは、8つのSDI端子を搭載し、それぞれのチャンネルを入力または出力として独立して設定できる点にあります。例えば、4入力をカメラからのSDI受信に使い、残り4出力をスタジオモニターへの映像供給に割り当てるといった運用が可能です。制作現場の要件に合わせて、8入力0出力から0入力8出力まで、あらゆる組み合わせをソフトウェア上で即座に変更できます。この柔軟な入出力構成により、機材の増減やプロジェクトごとのワークフロー変更にも1台で柔軟に対応できます。

3G-SDI対応による高画質伝送の実現

プロフェッショナルな映像制作において、画質の妥協は許されません。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、すべてのチャンネルで3G-SDIに対応しており、最大1080p 60fpsのフルHD高画質映像の入出力が可能です。動きの速いスポーツ中継や、細部まで鮮明な描写が求められる医療系の映像制作においても、コマ落ちや画質劣化のない滑らかな映像を伝送します。既存の高品質なSDIカメラのポテンシャルを最大限に引き出し、放送品質のIPワークフローを実現します。

1RUラックマウントサイズの省スペース設計

限られたスペースを有効活用することは、スタジオや中継車における重要な課題です。本製品は、8チャンネルという多入力・多出力の処理能力を持ちながら、標準的な19インチラックの1U(1RU)サイズに収まるコンパクトな設計を採用しています。これにより、機材ラックのスペースを大幅に節約でき、他の重要な放送機器やサーバーを設置する余裕を生み出します。高密度なシステム構築が求められる現代の制作環境において、この省スペース性は大きなアドバンテージとなります。

冗長電源による高いシステムの信頼性

放送事故や配信トラブルを防ぐため、システムには極めて高い安定性が求められます。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、デュアルリダンダント電源(冗長電源)を標準搭載しています。万が一、一方の電源ユニットや供給元の電力ラインにトラブルが発生した場合でも、もう一方の電源から無瞬断で電力供給が継続されるため、システムがダウンすることはありません。24時間365日稼働が求められる放送局や、絶対に失敗が許されないライブイベントにおいて、揺るぎない安心感を提供します。

映像制作現場にもたらす4つの導入メリット

既存のSDI資産の有効活用と延命

映像制作環境の完全なIP化には莫大なコストがかかります。しかし、本製品を導入することで、これまで投資してきた高価なSDIカメラやスイッチャー、ルーターなどの既存資産をそのままIPネットワークに統合できます。機材を一度に買い替える必要がなく、現在稼働しているSDI機器の寿命を延ばしながら、最新のNDIワークフローの恩恵を受けることが可能です。これにより、段階的な設備投資が実現し、財務的な負担を大幅に軽減できます。

ケーブル配線の削減と運用コストの最適化

従来のSDIベースのシステムでは、映像、音声、制御信号ごとに大量の同軸ケーブルを敷設する必要がありました。本製品を利用してNDIに変換することで、これらの信号を1本のLANケーブルに集約できます。物理的なケーブル量が劇的に減少するため、配線作業の手間やケーブル自体の購入コストが削減されるだけでなく、スタジオ内の床面やラック裏の配線がスッキリと整理されます。結果として、日々の運用コストやメンテナンスにかかる人的リソースの最適化に繋がります。

IP化によるスタジオ間のリソース共有

NDIの導入により、物理的な配線にとらわれない柔軟なリソース共有が可能になります。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータを介してネットワーク上に送出された映像は、社内LANに繋がっているどの部屋からでもアクセスできます。例えば、Aスタジオのカメラ映像をBスタジオのスイッチャーで利用したり、別フロアの編集室でリアルタイムにプレビューしたりすることが容易になります。設備稼働率が飛躍的に向上し、より創造的で効率的な制作体制が構築できます。

トラブルシューティングの迅速化と保守性の向上

複雑なSDIマトリックスルーターを使用したシステムでは、映像が途切れた際の原因究明に時間がかかりました。しかし、IP化されたNDI環境では、ネットワークの監視ツールを用いて信号の到達状況や帯域幅を可視化できます。本製品はソフトウェアベースの設定インターフェースを備えており、入出力ステータスの確認やルーティングの変更をリモートから瞬時に行えます。これにより、物理的にケーブルを繋ぎ直す手間が省け、トラブル発生時のダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。

柔軟なワークフローを実現する機能群

各チャンネル独立のフォーマット変換機能

制作現場では、異なる解像度やフレームレートの映像素材が混在することが珍しくありません。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、強力なビルトイン・スケーラーを搭載しており、8つのチャンネルそれぞれで独立してフォーマット変換(アップコンバート、ダウンコンバート、クロスコンバート)を実行できます。1080iのカメラ映像と720pの映像を同時に受け取り、システム内で統一されたフォーマットとして扱うことができるため、外部のコンバーター機器を追加購入する必要がありません。

オーディオルーティングとエンベデッド対応

映像だけでなく、音声信号の柔軟な取り扱いも本製品の特長です。SDI信号にエンベデッド(重畳)されたマルチチャンネルオーディオをそのままNDIネットワークへ伝送し、任意に出力することができます。また、ソフトウェア上のオーディオミキサー機能により、入力された音声のレベル調整や、特定のチャンネルの音声を別の映像出力にマッピングするルーティング機能も備えています。これにより、複雑な音声配線なしで、映像と同期したクリアなオーディオ管理が実現します。

カラーコレクション機能による映像品質の均一化

複数メーカーのカメラを使用する場合や、異なる照明環境下での撮影では、映像の色味にばらつきが生じがちです。本製品は、各入力チャンネルに対して独立したカラーコレクション(色補正)機能を搭載しています。ホワイトバランス、明るさ、コントラスト、彩度などをソフトウェア上から細かく調整できるため、スイッチャーに映像を送る前の段階でカメラ間の色合わせを完了させることができます。これにより、プロフェッショナルとして求められる均一で高品質な映像制作をサポートします。

マルチビューワー機能を用いた監視の効率化

入出力される最大8チャンネルの映像信号を、専用のモニターを用意することなく1つの画面で確認できるマルチビューワー機能を内蔵しています。本体のディスプレイ出力端子にモニターを接続するだけで、各チャンネルの映像プレビュー、オーディオレベルメーター、タリーのステータスなどを一目で把握できます。画面のレイアウトも用途に合わせてカスタマイズ可能であり、オペレーターの監視業務の負担を軽減し、より正確なスイッチングやシステム管理を可能にします。

業界別・用途別の4つの活用事例

放送局における中継車・サブスタジオの連携

放送局では、中継車と本局サブスタジオ間の連携に本製品が活躍しています。中継現場の複数カメラ(SDI)の映像をNC1 Studio I/OでNDIに変換し、広帯域ネットワークを通じて本局へ伝送します。本局側では、受信したNDI映像を直接TriCasterなどのスイッチャーで処理するか、再度NC1を用いてSDIに戻して既存のベースバンドシステムに入力します。これにより、中継車に搭載する機材を最小限に抑えつつ、本局の充実したリソースを活用したリモートプロダクションが実現します。

企業の自社スタジオにおけるウェビナー配信

企業のマーケティング活動において、高品質なウェビナー配信の需要が高まっています。社内スタジオに本製品を導入することで、プレゼンターを映す業務用SDIカメラの映像と、ネットワーク上のPCからのプレゼン資料(NDI)を統合したハイレベルな配信システムを構築できます。複雑な配線工事を行うことなく、既存の社内LANインフラを活用してスタジオを拡張できるため、IT部門と連携したスムーズな導入が可能となり、企業ブランディングの向上に直結する映像発信が行えます。

eスポーツ大会における多カメラスイッチング

プレイヤーの表情、手元の操作、ゲーム画面、実況解説席など、膨大な数の映像ソースを扱うeスポーツ大会の配信において、NDIの多チャンネル伝送は極めて有効です。大会会場に設置された多数のSDIカメラ映像をNC1 Studio I/Oで一括してIP化することで、スイッチャー周りのケーブルの乱雑さを解消します。さらに、ゲームPCからの映像もNDIで直接ネットワークに取り込めるため、遅延のないシームレスな多カメラスイッチングが可能となり、視聴者に臨場感溢れる映像体験を提供します。

教育機関・大学でのハイブリッド講義収録

大学などの教育機関では、対面講義とオンライン配信を組み合わせたハイブリッド型の授業が定着しています。複数の教室に設置された講義収録用のSDIカメラを、本製品を用いてキャンパス内のネットワークに接続することで、中央のメディアセンターから全教室の映像を一括管理・収録することが可能になります。教員の負担を増やすことなく、高品質な講義映像をアーカイブ化し、学生のオンデマンド学習に活用できる先進的な教育ICT環境の構築に貢献します。

既存システムとのシームレスな統合プロセス

TriCasterシリーズとの強力な連携

NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、同じくNewTek社が提供するライブプロダクションシステム「TriCaster」シリーズと最高の親和性を誇ります。ネットワークに接続するだけで、TriCaster側からNC1の入出力チャンネルが自動的に認識され、追加のSDI入力ボードとして即座に機能します。タリー信号やPTZカメラの制御信号もNDI経由で双方向に通信されるため、まるで1つの巨大なシステムのようにシームレスな連携運用が可能です。

他社製スイッチャーやルーターとの接続性

本製品はNewTek製品専用の閉じたシステムではなく、オープンな規格であるNDIを採用しているため、他社製のNDI対応ソフトウェアやハードウェアとも問題なく連携します。また、SDI端子は標準的なSMPTE規格に準拠しているため、既存のSony、Panasonic、Blackmagic Designなどの他社製スイッチャーやマトリックスルーターとも直接接続できます。これにより、特定のメーカーに縛られることなく、既存のシステム環境を活かした柔軟な機材選定が可能です。

ネットワーク要件と推奨されるスイッチ構成

高品質なNDI伝送を安定して行うためには、適切なネットワークインフラの構築が不可欠です。本製品をフル活用する場合、ギガビットイーサネット(1GbE)以上の帯域幅を持つネットワークスイッチが必要となります。また、映像トラフィックを効率的に処理するために、QoS(Quality of Service)機能やIGMPスヌーピング機能をサポートするマネージドスイッチの導入が推奨されます。これにより、社内の他のデータ通信と映像伝送を適切に分離し、パケットロスや遅延を防ぐことができます。

段階的なIP化(マイグレーション)の進め方

システム全体を一度にIP化することはリスクとコストを伴います。そのため、本製品を活用した段階的なマイグレーションが推奨されます。第一段階として、既存のSDIスイッチャーの入出力の一部をNC1経由でNDI化し、サブスタジオやリモートカメラとの接続をIP化します。第二段階で、グラフィックスや録画サーバーをNDI対応製品に置き換え、最終的にコアスイッチャーをTriCasterなどのIPネイティブなシステムに移行することで、業務を止めることなく安全に最新環境へ移行できます。

スタジオ構築における投資対効果(ROI)の最大化

初期導入費用の抑制と長期的な運用益

スタジオのIP化において、ベースバンドルーターや専用の光伝送装置を導入する場合と比較して、NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータと汎用ITスイッチを用いたNDIシステムの初期導入費用は大幅に抑えられます。さらに、高価なSDIケーブルやBNCコネクタの代わりに安価なLANケーブルを使用できる点もコストダウンに寄与します。長期的には、物理的なパッチ作業の削減による業務効率化や、トラブル対応の迅速化が運用益を生み出し、高い投資対効果(ROI)を実現します。

設備拡張時の追加コスト削減メカニズム

従来のSDIシステムでは、カメラやモニターを増設する際、ルーターのポート不足に直面し、高額な大型ルーターへの買い替えが必要になることがありました。しかし、NDI環境では、ネットワークスイッチのポートが空いている限り、機材を無制限に追加できます。SDI機器をネットワークに参加させたい場合でも、本製品を1台追加するだけで8チャンネル分の入出力を拡張できます。このスケーラビリティにより、将来の設備拡張時に発生する追加コストを最小限に抑えることが可能です。

少人数オペレーションによる人件費の削減

本製品の導入によるIPワークフローの構築は、制作現場の省人化にも大きく貢献します。ネットワーク経由での映像ルーティング、カラーコレクション、オーディオ調整などが1台のPCから集中管理できるようになるため、機材ごとに専任のスタッフを配置する必要がなくなります。また、PTZカメラの制御もNDI経由で行えるため、カメラマンの人数を減らしつつ多彩なアングルからの撮影が可能になります。結果として、少人数での高品質な番組制作が実現し、恒常的な人件費の削減に繋がります。

減価償却とリース導入のビジネスモデル比較

映像機器の導入にあたっては、財務的な戦略も重要です。本製品を一括購入して固定資産として減価償却する場合、長期的な所有権が得られ、トータルコストを抑えることができます。一方、リース契約で導入する場合は、初期費用を平準化でき、月々の経費として処理できるためキャッシュフローが安定します。技術の陳腐化が早い映像業界において、リース期間終了後に最新機種へアップデートしやすいというメリットもあります。企業の財務状況と今後のスタジオ運用計画に合わせて最適な導入モデルを選択することが重要です。

導入前に確認すべき4つの技術的要件

NDIトラフィックを処理するための帯域幅計算

NDI(High Bandwidth NDI)は、1080p 60fpsの映像1ストリームあたり約100〜150Mbpsのネットワーク帯域を消費します。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータで8チャンネルすべてをフルHDで入出力する場合、最大で約1.2Gbpsのトラフィックが発生する可能性があります。したがって、本製品を接続するネットワークポートには10GbE(10ギガビットイーサネット)の環境を用意するか、リンクアグリゲーションを用いて十分な帯域幅を確保する設計が必須となります。

ネットワークセキュリティとセグメント分割

映像データを社内LANなどの共有ネットワークに流す場合、セキュリティと通信の安定性を確保するためのネットワーク設計が求められます。一般的な業務用のPCトラフィックとNDIの映像トラフィックが混在すると、ネットワークの輻輳を招く恐れがあります。これを防ぐため、VLAN(仮想LAN)を設定して映像専用のネットワークセグメントを分離することが推奨されます。また、外部からの不正アクセスを防ぐための適切なファイアウォール設定も、安全なスタジオ運用には欠かせません。

同期信号(ゲンロック)と遅延の管理

プロフェッショナルな映像制作では、複数カメラの映像タイミングを完全に一致させることが重要です。本製品は、外部からのリファレンス信号(ブラックバーストまたはTri-Level Sync)を受け取るゲンロック端子を装備しており、スタジオ内の他のSDI機器と正確に同期をとることができます。また、NDI伝送自体は非常に低遅延(通常1フレーム程度)ですが、ネットワーク構成やスイッチの性能によっては遅延が増大する可能性があるため、システム全体の遅延量を事前に検証しておく必要があります。

設置環境の排熱および電源設備の確認

本製品は1Uラックマウントサイズのコンパクトな筐体に高度な処理能力を詰め込んでいるため、稼働時には一定の熱を発します。機材ラックに組み込む際は、適切なエアフローを確保し、冷却ファンを設置するなどして熱暴走を防ぐ対策が必要です。また、冗長電源を最大限に活かすためには、2つの電源ユニットをそれぞれ異なるブレーカー系統やUPS(無停電電源装置)に接続することが推奨されます。これにより、施設側の電源トラブル時にもシステムの稼働を維持できる堅牢なインフラが完成します。

運用開始までの4つのステップ

要件定義とネットワークインフラの設計

導入の第一歩は、スタジオでどのような映像制作を行いたいかを明確にする要件定義です。必要なカメラの台数、出力先のモニター数、外部スタジオとの連携の有無などをリストアップします。その要件に基づき、NDIトラフィックを支えるためのネットワークスイッチの選定、IPアドレスの体系、VLANの設計を行います。この初期段階で、IT部門と映像制作部門が綿密に連携し、強固なインフラ基盤の設計図を作成することが、後のトラブルを防ぐ鍵となります。

機器の設置とIPアドレスの初期割り当て

ネットワーク設計が完了したら、実際にNewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータを機材ラックにマウントし、電源とLANケーブルを接続します。デフォルトではDHCPによって自動的にIPアドレスが割り当てられますが、安定した運用のためには、固定IPアドレスを設定することが推奨されます。本体にモニターとキーボードを接続し、WindowsベースのOSインターフェースからネットワーク設定を行い、同一ネットワーク上の他のNDIデバイスと通信できる状態を確立します。

SDI入出力のテストとNDIルーティングの設定

ネットワークの開通後、SDI機器との物理的な接続テストを実施します。カメラからのSDIケーブルを入力端子に接続し、管理ソフトウェア上で正しく映像が認識されているか、解像度やフレームレートが一致しているかを確認します。続いて、NDI化された映像がネットワーク上のスイッチャー(TriCasterなど)で受信できるかをテストします。逆方向の、ネットワーク上のNDI映像を本製品でSDIに変換し、モニターに出力するルーティングテストも併せて行い、双方向の通信を検証します。

運用マニュアルの策定とスタッフトレーニング

システムが正常に稼働することを確認したら、日々の運用に向けた準備を行います。IPベースのワークフローは従来のSDIベースとは概念が異なるため、オペレーター向けの運用マニュアルの作成が必須です。各チャンネルの割り当てルール、トラブル発生時のネットワーク確認手順、再起動のプロセスなどを文書化します。さらに、実際の機材を用いたスタッフトレーニングを実施し、現場の技術者がNDIの仕組みと本製品の操作方法を習熟することで、スムーズでミスのない運用開始を迎えることができます。

NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータが拓く未来

IP映像伝送の標準化と今後のトレンド

映像業界におけるIP化の波はもはや後戻りすることのないトレンドであり、NDIはそのデファクトスタンダードとして広く普及しています。SMPTE ST 2110などの非圧縮IP規格も存在しますが、コストパフォーマンスと構築の容易さから、多くのスタジオでNDIの採用が進んでいます。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは、この過渡期において過去の資産と未来の技術を繋ぐ重要な役割を果たしており、今後もソフトウェアのアップデートによって新たなフォーマットや機能への対応が期待されています。

クラウドプロダクションへの橋渡しとしての役割

次世代の映像制作として注目されているのが、物理的なスイッチャーを持たず、クラウド上のサーバーで映像処理を行うクラウドプロダクションです。本製品は、現場のSDIカメラ映像をIP化し、インターネットを経由してクラウド環境へ安全に送り届けるための強力なゲートウェイとして機能します。オンプレミスのスタジオ環境とクラウドインフラをシームレスに結合することで、ロケーションに依存しない全く新しい制作スタイルへの移行を強力に後押しします。

リモートプロダクション環境のさらなる進化

新型コロナウイルスの影響で一気に加速したリモートプロダクションは、今後さらに高度化していくと予想されます。NDI技術の進化により、インターネットを越えた遠隔地間での映像伝送(NDI Bridgeなど)が実用化されています。本製品を各拠点に配置することで、東京のメインスタジオから地方のサブスタジオのカメラやモニターを直接コントロールすることが可能になります。出張コストの削減と、有能なスタッフのリソース分散を防ぐ画期的な制作体制が実現します。

次世代スタジオ構築に向けた最終提言

スタジオのIP化は、単なるケーブルの置き換えではなく、制作ワークフローそのものの変革を意味します。NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータの導入は、その変革を最も安全かつ効率的に成し遂げるための最適な選択肢です。既存のSDI資産を守りながら、無限の拡張性を持つIPネットワークの世界へ踏み出すことで、ビジネスの競争力は飛躍的に向上します。映像制作の未来を見据え、柔軟で強靭な次世代スタジオの構築に向けて、今こそ本製品の導入を検討すべき時です。

よくある質問(FAQ)

Q1: NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータは4K映像に対応していますか?

A1: 本製品のSDI入出力は最大3G-SDI(1080p 60fps)までの対応となっており、4K映像の直接的なSDI入出力には対応していません。4K環境での運用を検討されている場合は、NewTek社の別モデルである「NC2 Studio I/O Module」などの12G-SDI対応製品の導入を推奨します。

Q2: NDIネットワークを構築する際、通常のルーターでも動作しますか?

A2: 動作自体は可能ですが、安定したプロフェッショナルな映像伝送を行うためには推奨されません。映像トラフィックを処理するためには、ギガビット以上の帯域を持ち、QoSやIGMPスヌーピングなどの設定が可能なマネージドスイッチ(L2/L3スイッチ)の使用が強く推奨されます。

Q3: 既存の他社製スイッチャー(Blackmagic Designなど)と接続できますか?

A3: はい、接続可能です。本製品のSDI端子は標準的なSMPTE規格に準拠しているため、他社製のSDIスイッチャーやルーターとBNCケーブルで直接接続し、映像の送受信を行うことができます。既存システムにNDIの機能を追加するゲートウェイとして最適です。

Q4: オーディオはSDIエンベデッドのみの対応ですか?アナログ音声は入力できますか?

A4: 基本的な音声入出力はSDIに重畳されたエンベデッドオーディオを利用します。アナログ音声を直接入力するための専用端子(XLRなど)は搭載されていません。アナログ音声を扱う場合は、外部のオーディオエンベッダーを使用して事前にSDI信号に音声を乗せるか、ネットワーク上の他のNDI対応オーディオインターフェースを利用する必要があります。

Q5: 機器の操作や設定はどのように行いますか?

A5: 本体のディスプレイ出力端子にモニターを接続し、USBマウスとキーボードを使用して操作します。内部はWindowsベースのOSで動作しており、専用の管理ソフトウェアのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を通じて、各チャンネルの入出力切り替え、フォーマット変換、カラーコレクションなどの設定を直感的に行うことができます。

NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータ
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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

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