近年、動画撮影や映画制作の現場において、機材のコンパクト化と高画質化が同時に求められています。その中で、SIRUI(シルイ)が展開する「Night Walker(ナイトウォーカー)」シリーズの広角レンズは、多くのクリエイターから高い評価を獲得しています。本記事では、スーパー35(APS-C)センサーに対応した「SIRUI Night Walker 16mm T1.2 シネマレンズ S35 Eマウント メタルグレー ( MS16E-G-JP )」に焦点を当て、その圧倒的な光学性能とプロフェッショナルな現場での活用方法について徹底的に解説いたします。ソニー(SONY)Eマウントシステムにおける本シネレンズの導入メリットから、T1.2という大口径レンズがもたらす映像表現の可能性まで、実践的な視点から詳細に紐解いていきます。
SIRUI Night Walker 16mm T1.2の基本概要と3つの導入メリット
スーパー35(APS-C)対応シネマレンズとしての立ち位置
スーパー35(APS-C)フォーマットは、映画制作やプロモーション動画撮影において長年にわたり標準的なセンサーサイズとして採用されてきました。SIRUI シルイ Night Walker 16mm T1.2は、このS35センサーに最適化された専用設計のシネマレンズです。フルサイズ対応レンズと比較して、システム全体を大幅に小型・軽量化できる点が最大のメリットであり、機動力が求められる現代の映像制作現場において極めて重要な役割を果たします。また、16mmという焦点距離はAPS-Cセンサー搭載機で使用した場合、35mm判換算で約24mm相当の広角レンズとして機能し、広大な風景から閉鎖的な室内での撮影まで、幅広いシチュエーションでダイナミックな構図を構築することが可能です。
シネレンズ(シネマレンズ)としての厳格な基準を満たしつつ、スーパー35フォーマットの特性を最大限に引き出す本製品は、妥協のない解像感と豊かな階調表現を実現します。さらに、動画撮影に特化した光学設計により、画面の中心から周辺部まで均一な画質を維持し、ポストプロダクションでのカラーグレーディング耐性にも優れた素材を提供します。これにより、インディーズ映画から商業品質のプロジェクトまで、あらゆる規模のプロダクションにおいて主力レンズとして活躍できる確固たる立ち位置を確立しています。
ソニーEマウントシステムとの高い親和性
ソニー(SONY)のEマウントシステムは、その豊富なカメララインナップと優れたオートフォーカス性能、そして拡張性の高さから、現在多くの映像クリエイターに支持されています。SIRUI Night Walker 16mm T1.2は、このEマウントにネイティブ対応しており、FX30やα6000シリーズなどのAPS-Cセンサー搭載機と組み合わせることで、極めてバランスの取れた撮影システムを構築できます。マウントアダプターを介さずに直接装着できるため、フランジバックの精度が担保され、シビアなフォーカシングが要求されるシネマレンズの性能を余すことなく発揮することが可能です。
また、ソニー製カメラが持つ強力なボディ内手ブレ補正機構(IBIS)と組み合わせることで、手持ち撮影時でも滑らかで安定した映像の収録が実現します。本レンズは完全なマニュアルフォーカスレンズですが、ソニー機に搭載されているピーキング機能やフォーカスマグニファイア(拡大表示)機能を活用することで、T1.2という極めて浅い被写界深度においても正確なピント合わせが容易に行えます。このように、カメラボディ側の先進的なアシスト機能と、レンズ側の純粋な光学性能が高度に融合することで、プロフェッショナルな動画撮影における作業効率と作品のクオリティを同時に向上させる高い親和性を誇っています。
映像制作現場に映えるメタルグレー(MS16E-G-JP)の堅牢設計
過酷な環境下で行われる映像制作の現場において、機材の堅牢性と信頼性は作品の成否を左右する重要な要素です。SIRUI Night Walker 16mm T1.2(型番:MS16E-G-JP)は、外装に高品質なアルミニウム合金を採用し、プロの酷使に耐えうる極めて高い耐久性を実現しています。特に本モデルに採用されている「メタルグレー」のカラーリングは、単に美しい外観を提供するだけでなく、撮影現場での不要な光の反射を抑え、被写体への写り込みを防ぐという実用的なメリットも兼ね備えています。この洗練されたインダストリアルデザインは、クライアントワークにおいてもプロフェッショナルとしての確かな存在感と信頼感を演出します。
筐体設計においては、フォーカスリングおよびアイリス(絞り)リングの回転トルクが綿密に調整されており、適度な粘り気を持つスムーズな操作感を提供します。これにより、撮影中の微細なフォーカス送りや滑らかな露出変更が可能となり、クリエイターの意図を正確に映像へと反映させることができます。また、金属製のマウント部はカメラボディとの強固な結合を約束し、長期間の使用においてもガタつきが生じにくい構造となっています。堅牢でありながら取り回しのしやすい絶妙な重量バランスを実現した本レンズは、過酷なロケーション撮影から精密なスタジオ撮影まで、あらゆる環境下で安定したパフォーマンスを発揮する頼もしい機材です。
T1.2の大口径がもたらす映像表現における3つの優位性
暗所撮影(ナイトウォーカー)における圧倒的な集光能力
「Night Walker(ナイトウォーカー)」というシリーズ名が示す通り、本レンズの最大の特長はT1.2という驚異的な大口径(明るさ)にあります。動画撮影において、照明機材を十分に配置できない環境や、自然光のみを頼りとする夜間・暗所での撮影は常に大きな課題となります。しかし、T1.2の圧倒的な集光能力を持つ本レンズを使用することで、センサーに届く光量を大幅に増加させることができ、ISO感度を不必要に上げることなく適正露出を得ることが可能です。これにより、暗部ノイズの発生を最小限に抑え、クリアで高精細な映像を記録することができます。
さらに、街灯のわずかな明かりや月明かりなど、低照度環境下での繊細な光のニュアンスを美しく捉えることができるため、映画制作における「ナイトシーン」の表現力が飛躍的に向上します。意図的にアンダー気味に撮影し、シャドウ部のディテールを残すようなシネマティックなライティング手法においても、十分な光量情報を保持できる本レンズは極めて有利に働きます。照明のセッティングにかかる時間とコストを削減しつつ、これまでにない自由度の高い暗所撮影を実現する集光能力は、小規模なプロダクションやドキュメンタリー撮影において強力な武器となるでしょう。
広角16mmが描く浅い被写界深度と美しいボケ味の表現
一般的に、広角レンズは被写界深度が深くなりやすく、背景を大きくぼかす表現が難しいとされています。しかし、SIRUI Night Walker 16mm T1.2は、広角レンズでありながらT1.2という極めて明るい開放T値を実現しているため、被写体に接近して撮影することで、驚くほど浅い被写界深度を作り出すことが可能です。この特性により、広い背景を画角に収めながらも、主要な被写体のみをシャープに浮き立たせ、背景を柔らかく溶かすような立体感のある映像表現が実現します。
本レンズの絞り羽根は複数枚で構成されており、開放付近から絞り込んだ状態まで、常に円形に近い美しいボケ味(ボケの形状)を維持します。背景の点光源は滑らかな玉ボケとなり、映像全体にシネマティックで幻想的な雰囲気を与えます。また、広角特有のパースペクティブ(遠近感)と豊かなボケ味の組み合わせは、視聴者の視線を自然に主題へと誘導し、ストーリーテリングをより効果的にサポートします。人物のクローズアップから、環境を取り入れたポートレート動画まで、通常の広角レンズでは得られないエモーショナルな視覚効果を生み出すことができる点は、本レンズならではの大きな優位性です。
映画制作に求められる高い解像感と優れた光学性能
映画制作やハイエンドな動画撮影において、レンズの光学性能は作品のクオリティを決定づける最重要ファクターです。SIRUI Night Walker 16mm T1.2 シネマレンズは、高度な光学設計と特殊硝材の採用により、T1.2の開放絞りから画面中心部において極めて高い解像感とコントラストを発揮します。高画素化が進む現代のスーパー35(APS-C)センサーの能力を最大限に引き出し、被写体の質感や細部のディテールまでを克明に描写することが可能です。
また、広角レンズで課題となりやすい歪曲収差(ディストーション)や色収差に関しても、独自のレンズ構成によって効果的に補正されています。特に、明暗差の激しいシーンで発生しやすいパープルフリンジなどの色にじみを最小限に抑えることで、ポストプロダクションでの補正作業の負担を大幅に軽減します。さらに、レンズ表面には高品質な反射防止コーティングが施されており、逆光時や強い光源が画面内に入るシチュエーションでも、フレアやゴーストの発生を抑制し、クリアで抜けの良い描写を維持します。妥協のない高い光学性能は、4Kやそれ以上の高解像度フォーマットでの納品が求められる現代のプロフェッショナルな現場において、確かな安心感をもたらします。
プロの動画撮影を支える3つの実践的仕様と操作性
シネレンズ特有の無段階絞りとフォーカスギアの高精度な挙動
動画撮影に特化したシネマレンズと一般的なスチル用レンズの最大の違いは、その操作機構にあります。SIRUI Night Walker 16mm T1.2は、プロの現場で必須となる無段階(クリックレス)の絞りリングを搭載しています。これにより、撮影中の明るさの変化に合わせて、段階的な明るさのジャンプを伴わずに、極めて滑らかで自然な露出調整を行うことが可能です。例えば、室内から屋外へ移動するようなワンカット撮影において、視聴者に違和感を与えることなく露出をコントロールできます。
また、フォーカスリングおよび絞りリングには、映像業界の標準規格である0.8MODのギアが採用されています。これにより、フォローフォーカスシステムやワイヤレスフォーカスモーターなどの周辺機器を直接かつ正確に噛み合わせることができ、シビアなピント送りが要求される現場でも確実な操作を約束します。フォーカスリングの回転角(フォーカススロー)は十分に広く設計されており、最短撮影距離から無限遠まで、微細なピント調整が容易に行えるよう最適化されています。これらのシネレンズ特有の仕様と高精度な挙動は、カメラマンやフォーカスプラーの意図を正確に具現化し、撮影現場のワークフローを劇的に改善します。
ジンバルやリグ構築を容易にする軽量かつコンパクトな筐体
現代の動画制作では、カメラをジンバル(スタビライザー)に搭載したり、各種アクセサリーを取り付けたリグを構築したりするスタイルが主流となっています。SIRUI Night Walker 16mm T1.2は、T1.2という大口径シネマレンズでありながら、驚くほど軽量かつコンパクトな筐体設計を実現しています。この優れた携行性と取り回しの良さは、ワンマンオペレーションでの撮影や、移動の多いロケーション撮影において多大なメリットをもたらします。
特にジンバル運用時において、レンズの軽量さはモーターへの負担を軽減し、より安定したスタビライズ効果を得ることに直結します。さらに、SIRUIのNight Walkerシリーズ(24mm、35mm、55mmなど)は、ギアの位置やレンズの外径、重量バランスが統一されるよう設計されているため、レンズ交換の際にジンバルの再バランス調整の手間を最小限に抑えることができます。また、リグ構築時にもマットボックスやフォーカスモーターの位置を頻繁に調整する必要がなく、現場でのセットアップ時間を大幅に短縮できます。機材のコンパクト化は、長時間の撮影における疲労軽減にも寄与し、クリエイターがクリエイティビティの追求に集中できる環境を提供します。
フォーカスブリージングの抑制による自然な映像表現
動画撮影において、ピント位置を移動させる際に画角がわずかに変動してしまう現象を「フォーカスブリージング」と呼びます。これはスチル写真では問題になりにくいものの、動画においては視聴者の没入感を削ぐ大きな要因となり得ます。SIRUI Night Walker 16mm T1.2は、シネマレンズとしての厳格な設計基準に基づき、このフォーカスブリージングを極めて低いレベルに抑制するよう光学設計がなされています。
手前にある被写体から奥の背景へとピントを送る(ラックフォーカス)際にも、画角の変化がほとんど生じないため、極めて自然でシネマティックなトランジションを実現します。この特性は、物語の焦点を視覚的に誘導する映画制作や、商品のディテールを強調するコマーシャル撮影において、映像の品位を保つ上で不可欠です。フォーカスブリージングが効果的に抑えられていることで、ポストプロダクションでの画角補正などの追加作業も不要となり、編集プロセスの効率化にも貢献します。純粋な光学技術によって実現されたこの自然な映像表現力は、本レンズがプロフェッショナルユースに耐えうる真のシネレンズであることを証明しています。
本広角レンズの導入が推奨される3つの映像制作現場
ソニー製APS-Cカメラを活用した機動的な小規模プロダクション
限られた予算と人員で高品質な映像を制作する小規模プロダクションにおいて、機材の選定は極めて重要です。SIRUI Night Walker 16mm T1.2 メタルグレー ( MS16E-G-JP )は、ソニーのFX30やα6700といった高性能なAPS-Cカメラとの組み合わせにおいて、最強のコストパフォーマンスと機動力を発揮します。ワンマンオペレーションや少人数のクルーであっても、このシステムであれば、本格的な映画のワンシーンのような映像を軽快に撮影することが可能です。
特に、大掛かりな照明機材を持ち込めないドキュメンタリーや、ロケ地の制約が厳しいインディーズ映画の現場では、本レンズのT1.2という明るさが撮影の自由度を飛躍的に高めます。軽量コンパクトなシステムは、狭い室内や車内での撮影、あるいは長時間のハンドヘルド(手持ち)撮影においてもクルーの疲労を軽減し、常にベストなフットワークを維持できます。ソニーEマウントの機動力を損なうことなく、シネマ品質のルックを付加できる本レンズは、現代の小規模プロダクションにおける標準レンズとして強く推奨される一本です。
広大な背景と被写体を同時に捉えるドキュメンタリーやMV撮影
ミュージックビデオ(MV)やドキュメンタリー映像の制作では、被写体の感情やパフォーマンスだけでなく、その場の空気感や環境全体を視聴者に伝えることが求められます。35mm判換算で約24mm相当となる16mmの焦点距離は、広大な風景やダイナミックな建築物を背景に取り入れつつ、主要な被写体をクローズアップで捉えるようなアプローチに最適です。広角レンズならではのパースペクティブを活かした迫力ある構図は、映像に強いインパクトと奥行きを与えます。
また、MV撮影などで動きのある被写体をジンバルで追いかける際にも、16mmの広い画角は被写体をフレームに収めやすく、ダイナミックなカメラワークをサポートします。さらに、T1.2の大口径を活かして背景を適度にぼかすことで、情報量の多い広角の画作りの中にも明確な主題の分離を生み出すことができます。環境と被写体の関係性を美しく描き出す能力に長けた本レンズは、空間の広がりを表現したいあらゆるロケーション撮影において、クリエイターの強力な表現手段となります。
商業品質のシネマティック表現を追求する企業VPやプロモーション動画
企業のブランドイメージを形成するVP(ビデオパッケージ)や製品プロモーション動画において、映像の質感は企業の信頼性に直結します。SIRUI Night Walker 16mm T1.2は、単に高画質なだけでなく、シネマレンズ特有の豊かで滑らかな階調表現と、美しいボケ味を提供します。これにより、一般的なスチル用レンズで撮影された「ビデオライク」な映像とは一線を画す、深みのある「シネマティック」なルックを容易に実現することが可能です。
オフィスの紹介映像や工場の製造ラインの撮影など、比較的狭い空間での撮影が多い企業VPにおいて、16mmの広角画角は空間を広く見せる効果をもたらします。同時に、無段階絞りやフォーカスリングのスムーズな操作性を活かすことで、商品の細部にゆっくりとピントを合わせるような高級感のある演出も精密に行えます。メタルグレーの洗練された外観(MS16E-G-JP)は、クライアントが立ち会う撮影現場においてもプロ仕様の機材としての説得力を持ち、映像制作のプロフェッショナルとしての信頼感を高める要素となります。商業品質の要求に応える光学性能と操作性は、企業向け映像制作の競争力を一段階引き上げるでしょう。
市場の競合シネマレンズと比較した際の3つの差別化要因
T1.2という驚異的な明るさと導入コストの優れたバランス(費用対効果)
シネマレンズ市場には数多くの製品が存在しますが、T1.2という極めて明るい開放T値を持つレンズは、通常、非常に高価であり、導入ハードルが高い傾向にあります。しかし、SIRUI Night Walker 16mm T1.2は、このクラスの明るさを持つシネマレンズとしては破格とも言える価格設定を実現しており、圧倒的な費用対効果を誇ります。このコストパフォーマンスの高さは、予算に制限のあるフリーランスのクリエイターや映像制作会社にとって、最大の差別化要因となります。
競合他社の同価格帯のシネマレンズの多くがT1.5やT2.0クラスである中、T1.2の集光能力は暗所撮影における明確なアドバンテージを提供します。低予算のプロジェクトであっても、ハイエンドなシネマレンズに匹敵するような浅い被写界深度や低ノイズの映像表現が可能になるため、制作物のクオリティを劇的に向上させることができます。高価なレンタル機材に頼ることなく、自身の機材として所有し、日常のあらゆる撮影現場に投入できる手軽さと、プロユースに耐えうる確かな性能のバランスは、本レンズが市場で高く評価されている最大の理由です。
Night Walkerシリーズ内における16mmの役割とシステム拡張性
SIRUIのNight Walkerシリーズは、16mmだけでなく、24mm、35mm、55mm、75mmなど、複数の焦点距離をラインナップする包括的なシネマレンズシステムとして展開されています。このシリーズ展開において、16mm T1.2は「広角域」をカバーする極めて重要な役割を担っています。単体のレンズとして優れているだけでなく、シリーズ全体でカラーバランスやコントラストの傾向が統一されているため、複数のレンズを切り替えて撮影・編集する際に、カラーグレーディングの手間を大幅に削減できるという強みがあります。
また、前述の通り、シリーズ間でギアの位置や外径(フィルター径67mmなど)が統一されている点は、映像制作の現場におけるシステム拡張性と運用効率を飛躍的に高めます。競合他社のレンズを単発で集めた場合、レンズ交換のたびにリグの調整やフィルターの変更が必要になりますが、Night Walkerシリーズで統一することで、シームレスな撮影ワークフローが実現します。16mmという広角レンズをシステムの基盤として導入し、その後に必要に応じて他の焦点距離を追加していくことで、一貫したトーンを持つプロフェッショナルなシネマレンズセットを段階的に構築できる点は、長期的な視点で見ても大きなメリットです。
プロフェッショナルな所有欲を満たすメタルグレー仕上げの独自性
映像機材において、機能性や光学性能はもちろん重要ですが、機材そのもののデザインや質感も、クリエイターのモチベーションや現場でのプレゼンスに影響を与える要素です。SIRUI Night Walker 16mm T1.2の「メタルグレー(MS16E-G-JP)」仕上げは、市場に溢れる一般的なブラック塗装のレンズ群とは一線を画す、洗練された独自性を放っています。このガンメタリック調の美しい外観は、ソニーEマウントのカメラボディ(特にFXシリーズのグレー系ボディ)と視覚的に見事なマッチングを見せます。
このメタルグレーの筐体は、単なるカラーバリエーションではなく、指紋や汚れが目立ちにくく、過酷な現場での使用による細かな傷も味わいとして昇華されるような高品質な表面処理が施されています。フォーカスリングの精緻な目盛りや、滑らかな金属の質感は、道具としての機能美を体現しており、プロフェッショナルな所有欲を深く満たしてくれます。競合製品が実用性のみを追求した無骨なデザインになりがちな中、SIRUIは映像表現のツールとしての実用性と、クリエイターの感性を刺激するデザイン性を高い次元で融合させており、これもまた本製品を選ぶべき重要な差別化要因と言えます。
SIRUI Night Walker 16mm T1.2導入に向けた3つの最終確認事項
既存のソニーEマウント機材との互換性およびセンサーサイズの確認
本レンズの導入を検討するにあたり、まず確認すべきは手持ちのカメラシステムとの互換性です。SIRUI Night Walker 16mm T1.2は「ソニーEマウント」を採用しており、マウントアダプターなしで直接装着可能ですが、対応するセンサーサイズは「スーパー35(APS-C)」フォーマットに最適化されている点に留意が必要です。FX30、α6700、VLOGCAM ZV-E10などのAPS-C機では、レンズの性能を100%発揮し、ケラレ(画面四隅の暗転)のない正常な撮影が可能です。
一方、FX3、α7S III、α7 IVなどの「フルサイズ」センサー搭載機で使用する場合、そのままのフルサイズ設定では画面の周囲に黒いケラレが発生します。フルサイズ機で本レンズを活用するためには、カメラ側の設定で「APS-C/Super 35mm撮影」モードをオン(クロップモード)にする必要があります。このモードを使用することでケラレは解消されますが、記録される画素数が減少するため、納品フォーマット(4Kなど)に対する要件を満たせるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。自身のメインカメラのセンサーサイズと、クロップ時の仕様を正しく理解した上で導入を進めてください。
マットボックスやフォローフォーカスなど周辺アクセサリーの選定基準
シネマレンズの真価を発揮するためには、周辺アクセサリーとの適切な連携が不可欠です。本レンズを導入する際は、同時に使用するアクセサリーの仕様を確認することが推奨されます。まず、レンズ前面のフィルター径は「67mm」に統一されています。NDフィルターやブラックミストフィルターなどを直接ねじ込む場合は、この67mm径のものを揃えるか、ステップアップリングを活用して既存のフィルター資産を活かす計画を立てましょう。
また、シネマティックな撮影に欠かせないマットボックスを選定する際は、レンズの外径(フロント径)が標準的なシネレンズ仕様に準拠しているかを確認し、クランプオン式またはロッドサポート式のどちらが自身の撮影スタイルに適しているかを検討します。フォーカスリングと絞りリングには標準の「0.8MODギア」が刻まれているため、市販されているほとんどのフォローフォーカス(手動・ワイヤレス問わず)と互換性があります。ただし、コンパクトなレンズであるため、フォーカスモーターを取り付ける際は、カメラボディやジンバルとの干渉が生じないよう、小型の15mmロッドシステムや適切なリグパーツを併せて選定することが、快適な操作環境を構築する鍵となります。
映像制作の品質を次の次元へ引き上げる長期的な投資価値
最後に考慮すべきは、SIRUI Night Walker 16mm T1.2がもたらす長期的な投資価値です。動画制作の現場では、カメラボディの進化(高画素化、高感度化)が著しい一方で、優れた光学性能と物理的な操作性を持つシネマレンズは、長年にわたって第一線で活躍し続ける「資産」となります。本レンズが提供するT1.2の圧倒的な明るさ、ブリージングの少なさ、そして統一されたギアシステムは、将来的にカメラボディをアップグレードした際にも、その価値を失うことはありません。
また、本レンズを導入することで、これまで技術的・機材的な制約から諦めていたような高度な映像表現(極端な低照度撮影や、広角での浅い被写界深度表現など)が可能となり、クリエイターとしての表現の幅が劇的に広がります。これは、クライアントへの提案力の強化や、ポートフォリオの質的向上に直結し、結果として新たな案件の獲得や単価アップといったビジネス上のリターンをもたらす可能性を秘めています。初期投資を抑えつつ、プロフェッショナルなシネマ品質を手に入れることができる本レンズは、映像制作を本業とする方、あるいはこれから本格的に動画制作に取り組む方にとって、確かな成長を約束する極めて価値の高い投資となるでしょう。
SIRUI Night Walker 16mm T1.2に関するよくある質問(FAQ)
Q1. このレンズはオートフォーカス(AF)に対応していますか?
A1. いいえ、SIRUI Night Walker 16mm T1.2は完全なマニュアルフォーカス(MF)専用のシネマレンズです。動画撮影における意図的で滑らかなピント送りを実現するために設計されており、オートフォーカス機能は搭載されていません。ソニーのカメラに搭載されているピーキング機能や拡大表示機能を活用することで、正確なマニュアルフォーカシングが可能です。
Q2. フルサイズ機(α7シリーズなど)に装着して使用することは可能ですか?
A2. 物理的にソニーEマウントを採用しているため装着自体は可能ですが、本レンズはスーパー35(APS-C)センサー向けに設計されています。そのため、フルサイズ機でそのまま撮影すると画面の四隅が黒くケラレてしまいます。フルサイズ機で使用する場合は、カメラ側の設定で「APS-C/Super 35mm撮影(クロップモード)」を有効にする必要があります。
Q3. ジンバルでの使用に適していますか?
A3. はい、非常に適しています。本レンズは約500g前後とシネマレンズとしては非常に軽量かつコンパクトに設計されており、DJI RSシリーズなどの一般的なジンバルに搭載してもモーターへの負担が少なく、バランス調整も容易です。また、Night Walkerシリーズ内で重量バランスが近いため、同シリーズの別レンズに交換する際の手間も軽減されます。
Q4. 写真(スチル)撮影にも使用できますか?
A4. もちろん写真撮影にもご使用いただけます。T1.2(F値換算で約F1.2相当)の明るさと高い解像感は、星景写真や暗所でのポートレート撮影などで優れた性能を発揮します。ただし、無段階絞りであるため、絞り値のクリック感がなく、EXIFデータ(レンズ情報)がカメラ側に記録されない点にご注意ください。
Q5. フィルター径はいくつですか?NDフィルターは装着できますか?
A5. レンズ前面のフィルター径(ネジ山)は67mmに統一されています。そのため、市販の67mm径の可変NDフィルターや円偏光フィルターを直接ねじ込んで装着することが可能です。動画撮影において開放T1.2の明るさを日中屋外で活かすためには、適切なNDフィルターの併用が強く推奨されます。
