NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータの全貌と導入メリット

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映像制作の現場において、IPベースのワークフローへの移行はもはや避けて通れない課題となっています。その中で、「NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータ」は、従来のSDI機器と最新のNDIネットワークをシームレスに結ぶ中核デバイスとして高い注目を集めています。本記事では、この強力なI/Oモジュールの全貌から、導入によって得られる具体的なメリット、技術仕様、そして未来の映像制作に向けた展望までを徹底的に解説いたします。

NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータとは?基本概要を徹底解説

映像制作に革命をもたらすNDIテクノロジーの基礎

NDI(Network Device Interface)は、標準的なイーサネットネットワークを介して高品質な映像、音声、メタデータを低遅延で双方向伝送する革新的なテクノロジーです。従来のベースバンド映像伝送とは異なり、専用の同軸ケーブルを張り巡らせる必要がなく、LANケーブル1本で多チャンネルの映像ソースを共有できます。この技術により、スタジオ内のあらゆるデバイスがネットワーク上で互いを認識し、映像のルーティングをソフトウェア上で柔軟に変更することが可能となりました。映像制作のIP化を牽引する中核技術と言えます。

NewTek NC1 Studio I/Oモジュールの主な役割と位置づけ

NewTek NC1 Studio I/Oモジュールは、既存のSDIベースの映像機器とNDIネットワーク環境を接続するためのゲートウェイとして機能します。放送局やプロダクションが長年蓄積してきたSDIカメラやスイッチャーなどのハードウェア資産を無駄にすることなく、最新のIPワークフローへと統合する役割を担います。単なる変換器にとどまらず、ネットワーク上のどこからでもアクセス可能な共有リソースとして映像入出力を管理できるため、システム全体の柔軟性と拡張性を飛躍的に高める重要な中核デバイスとして位置づけられています。

8チャンネル対応(SDI/NDI双方向変換)の基本スペック

本製品の最大の特徴は、1Uラックマウントサイズの筐体に8系統の3G-SDIポートを搭載している点です。これら8つのポートは、それぞれ独立して入力または出力として自由に設定することができます。SDIからNDIへのエンコード、またはNDIからSDIへのデコードを最大8チャンネル同時に処理することが可能です。1080p 60fpsの高画質映像に対応しており、双方向の変換を極めて低いレイテンシで実行します。これにより、多カメ収録や複雑な送り返し映像の構築など、要求の厳しい現場にも余裕を持って対応できるスペックを備えています。

従来のベースバンド運用からIPワークフローへの架け橋

完全なIP化を目指す映像制作現場において、一気にすべての機材をIP対応製品にリプレイスすることは、莫大なコストと運用リスクを伴います。NewTek NC1 Studio I/Oは、この移行期における理想的な「架け橋」となります。ベースバンドの安定性とIPの柔軟性を両立させ、段階的なマイグレーションを可能にします。SDI機器をネットワーク上のNDIソースとして扱えるようになるため、既存のインフラを活かしながら、次世代のクラウドプロダクションやリモート制作への移行をスムーズに進めることができるのです。

映像制作現場がNewTek NC1 Studio I/Oを導入する4つのメリット

複雑なケーブル配線の削減とシステム構築の省力化

従来のSDIベースのシステムでは、カメラやモニターが増えるたびに大量の同軸ケーブルを敷設する必要があり、配線の複雑化や断線リスクが課題でした。本機を導入することで、映像や音声、タリー、制御信号のすべてを標準的なLANケーブル1本に統合できます。これにより、スタジオ内の物理的なケーブル量が劇的に削減され、システム構築の省力化が実現します。設営や撤収にかかる時間も大幅に短縮されるため、特に仮設スタジオやイベント現場において強力なメリットを発揮します。

既存のSDI資産(カメラ・スイッチャー)の有効活用

最新のIPワークフローを導入する際、これまで投資してきた高価なSDI対応の放送用カメラやハードウェアスイッチャーをどう扱うかが大きな課題となります。NC1 Studio I/Oを活用すれば、これらの既存資産をそのままNDIネットワークに組み込むことが可能です。機材を丸ごと買い替える必要がないため、過去の設備投資を無駄にすることなく、IP化の恩恵を受けることができます。コストを抑えながらシステムを近代化できる点は、経営的にも非常に大きな利点です。

ネットワーク経由での柔軟なルーティングと拡張性

NDIネットワークの最大の魅力は、物理的な結線に縛られない柔軟なルーティングです。NC1 Studio I/Oで変換された映像ソースは、同一ネットワーク上のすべてのNDI対応機器から即座にアクセス可能となります。ルーターやパッチパネルでの物理的な切り替え作業は不要で、ソフトウェアのUI上からドラッグ&ドロップで簡単に映像の送り先を変更できます。また、将来的にカメラやモニターを追加したい場合も、ネットワークに接続するだけで容易に拡張できるため、システム変更への対応力が格段に向上します。

制作コストの最適化と運用効率の大幅な向上

本製品の導入は、中長期的な制作コストの削減と運用効率の向上に直結します。高価なSDIルーターや分配器が不要になるだけでなく、配線トラブルの減少によってメンテナンスコストも低減します。また、遠隔地からのリモート制御や、少人数でのマルチカメラ運用が容易になるため、人件費や出張費の削減にも貢献します。機材のセットアップ時間が短縮されることで、制作スタッフはクリエイティブな作業により多くの時間を割くことができ、コンテンツの品質向上と効率的な運用を同時に達成できます。

NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータの4つの主要機能

8系統の3G-SDI入出力の自在な割り当て機能

NC1 Studio I/Oに搭載された8つのBNC端子は、固定された入出力ではなく、ユーザーの運用に合わせて1チャンネルごとに「入力」か「出力」かを自由に割り当てることができます。例えば、8カメの入力モジュールとして使用することも、4入力・4出力の双方向コンバータとして使用することも、あるいは8系統のモニター出力専用機として使用することも可能です。この極めて高い汎用性により、現場の要件が急遽変更された場合でも、柔軟かつ迅速にシステム構成を組み替えることができます。

高画質・低遅延を実現するNDIネイティブサポート

NewTek社が開発したNDIプロトコルをネイティブにサポートしているため、画質の劣化を極限まで抑えつつ、放送品質の映像を極めて低いレイテンシ(遅延)で伝送します。ライブ配信やスポーツ中継など、数フレームの遅れが致命的となるシビアな現場においても、ベースバンドと同等のリアルタイム性を確保します。また、NDI|HXなどの高圧縮フォーマットにも対応しており、ネットワークの帯域幅に応じた最適な伝送方式を選択できる点も、プロフェッショナル向け機器ならではの強力な機能です。

各チャンネル独立のカラーコレクションと音声制御

映像の変換だけでなく、内蔵されたプロセッシング機能も充実しています。8つのチャンネルそれぞれに対して独立したカラーコレクション(色調補正)機能を備えており、異なるメーカーのカメラを使用する際の色合わせをモジュール内部で完結させることができます。さらに、オーディオレベルの調整やチャンネルのマッピングなど、きめ細やかな音声制御も可能です。これにより、後段のスイッチャーやミキサーでの負担を軽減し、システム全体での安定した品質管理を実現します。

マルチビューワ監視と内蔵ウェブインターフェース

ネットワーク上のPCのブラウザからアクセスできるウェブベースのユーザーインターフェースを内蔵しています。専用のソフトウェアをインストールすることなく、IPアドレスを叩くだけで、入出力の設定やステータスの確認、ファームウェアの更新などを遠隔から直感的に操作できます。また、各チャンネルの映像を一覧できるマルチビューワ機能も備えており、信号が正常に入出力されているかを視覚的にリアルタイムで監視できるため、運用中の安心感が大きく向上します。

TriCasterシステムとの連携による4つの相乗効果

TriCasterの入出力チャンネルの大幅な拡張

NewTekのライブプロダクションシステム「TriCaster」と組み合わせることで、システムのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。TriCaster本体の物理的なSDI入力数に制限がある場合でも、ネットワーク上にNC1 Studio I/Oを追加するだけで、実質的に8チャンネルのSDI入出力をシームレスに増設できます。これにより、大規模なマルチカメラ収録や、多数のモニターへの個別映像の送り返しが必要な現場においても、TriCaster単体では難しかった高度な運用が可能になります。

ネットワーク上でのシームレスなデバイス自動認識

TriCasterとNC1 Studio I/Oを同じローカルネットワークに接続するだけで、面倒なIP設定やルーティング設定を行うことなく、互いのデバイスを自動的に認識します。TriCasterのインターフェース上のプルダウンメニューから、NC1に入力されたカメラ映像をNDIソースとして即座に選択できます。このプラグアンドプレイに近いシームレスな連携は、IPネットワークに関する高度な専門知識を持たないオペレーターでも、直感的かつ迅速にシステムを構築できるという大きな利点をもたらします。

遠隔地や別スタジオからの映像ソースの統合管理

大規模な放送局や企業内スタジオにおいて、物理的に離れた場所にあるサブスタジオや会議室の映像を統合管理する際にも強力な相乗効果を発揮します。別室にNC1 Studio I/Oを設置し、現地のSDIカメラを接続するだけで、メインスタジオのTriCasterからネットワーク経由でその映像を直接スイッチングできます。施設内に敷設された既存のLANインフラをそのまま活用できるため、長距離のSDIケーブルを新たに引き回す必要がなく、施設全体の映像リソースを効率的に一元管理できます。

大規模ライブ配信におけるバックアップ体制の強化

絶対に失敗が許されない大規模なライブ配信や放送において、システムの冗長化は必須です。TriCasterとNC1 Studio I/Oを組み合わせることで、柔軟なバックアップ体制を構築できます。例えば、メインのTriCasterに障害が発生した場合でも、ネットワーク上のNC1からバックアップ用の別のTriCasterやNDI対応スイッチャーへ即座に映像をルーティングし直すことが可能です。物理的なケーブルの差し替えなしにフェイルオーバーを実現できるため、配信のダウンタイムを最小限に抑えることができます。

導入前に確認すべき4つの技術仕様とインフラ要件

対応するビデオフォーマットと解像度(1080p/4K対応状況)

導入を検討する際、まずは現場で必要とされる解像度とフレームレートとの適合性を確認することが重要です。NC1 Studio I/Oの主な対応フォーマットは以下の通りです。

対応フォーマット 最大解像度・フレームレート
3G-SDI 1080p 59.94/60fps
HD-SDI 1080i, 720p
SD-SDI NTSC / PAL

SD、HD、3Gの各フォーマットを自動認識し、異なる解像度の混在環境でも柔軟に動作します。ただし、4K(UHD)映像のネイティブ入出力には対応していないため、4Kワークフローを主体とする現場においては、システムのダウンコンバート運用を事前に設計しておく必要があります。

安定したNDI伝送に必要なネットワーク帯域の確保

高品質なNDI(High Bandwidth NDI)は、1080p 60fpsの映像1ストリームあたり約100〜150Mbpsのネットワーク帯域を消費します。NC1 Studio I/Oで8チャンネルすべてを同時稼働させる場合、理論上1Gbps近い帯域が必要となります。そのため、安定した運用を実現するには、ギガビットイーサネット(GbE)対応のネットワークスイッチが必須であり、可能であれば10GbEのアップリンクを持つスイッチや、映像伝送専用の独立したVLANを構築するなどのネットワーク設計が強く推奨されます。

オーディオ入出力仕様(DanteやAES67との互換性)

映像だけでなく、オーディオのルーティング設計も重要な確認ポイントです。本機はSDIエンベデッドオーディオに対応しており、映像と同期したマルチチャンネル音声の入出力が可能です。さらに、NDIネットワークを通じて、DanteやAES67といった業界標準のIPオーディオプロトコルとの連携もソフトウェアベースで実現可能です(別途ライセンスやソフトウェアが必要な場合があります)。既存のPAシステムや音声ミキサーとの接続をIP上で完結できるか、事前に検証を行うことが望ましいです。

ラックマウント(1RU)設計と冗長電源システム

物理的な設置環境として、本機は19インチの標準ラックに収まる1Uサイズ(1RU)で設計されています。限られたラックスペースを有効活用できるコンパクトな筐体です。また、プロフェッショナルな現場での信頼性を担保するため、デュアルリダンダント電源(冗長電源)を標準搭載しています。万が一、片方の電源ユニットや供給元にトラブルが発生した場合でも、無瞬断で運用を継続できる設計となっており、24時間365日の連続稼働が求められる放送局の主調整室などでも安心して導入できます。

業界別:NewTek NC1 Studio I/Oが活躍する4つのユースケース

放送局・テレビ局におけるスタジオ間IP接続

放送局において、複数のスタジオやサブ(副調整室)間で映像をやり取りする際、従来は巨大なベースバンドルーターが使用されていました。NC1 Studio I/Oを各スタジオに配置することで、局内のLANインフラを利用した柔軟な映像共有ネットワークを構築できます。ニューススタジオのカメラ映像を、情報番組のスタジオでモニタリングしたり、素材として直接引き込んだりすることが、IP上で容易に行えます。局内設備のIPマイグレーションを段階的に進めるための強力なツールとして機能します。

大規模イベント・スポーツ中継でのマルチカメラ収録

スタジアムやアリーナで開催されるスポーツ中継では、広大な会場内に多数のカメラを配置する必要があります。中継車と各カメラ位置との間に長距離のSDIケーブルを這わせるのは非効率です。会場のネットワークインフラにNC1 Studio I/Oを接続し、カメラの近くでSDIをNDIに変換することで、光ファイバーを介したLANネットワーク経由で中継車へ映像を集約できます。配線コストの削減とセットアップ時間の短縮を実現し、より機動力の高いスポーツプロダクションを可能にします。

企業内スタジオ・株主総会での高品質な映像配信

近年、大企業を中心に社内スタジオを構築し、全社向けメッセージや株主総会を自社で配信するケースが増加しています。NC1 Studio I/Oは、企業の既存のITネットワークを活用してプロ品質の映像配信システムを構築するのに最適です。会議室のPTZカメラや、プレゼン用のPC出力などをSDI経由で取り込み、NDI化して配信ルームのTriCasterへ送出できます。専門の放送設備がないオフィスビル環境でも、高品質で安定したマルチカメラ配信を低コストで実現できるのが強みです。

eスポーツ大会における複雑な画面構成と低遅延配信

プレイヤーのPC画面、プレイヤーの表情を捉えるカメラ、実況解説席の映像など、膨大な数の映像ソースを扱うeスポーツ大会の配信において、本機は絶大な威力を発揮します。最大8チャンネルの入力を1台で処理できるため、複雑な画面構成(ピクチャー・イン・ピクチャー等)に不可欠な多入力を省スペースで実現します。また、NDIの低遅延特性により、ゲームの進行と実況の音声・映像のズレを最小限に抑え、視聴者に臨場感あふれるライブ体験を提供するための強力なバックボーンとなります。

スムーズなセットアップを実現する4つの導入ステップ

ネットワークインフラの事前評価と専用スイッチの選定

安定したNDI環境を構築するための第一歩は、ネットワークインフラの事前評価です。以下のポイントを満たすスイッチの選定が不可欠です。

  • ギガビット(1GbE)以上のポート速度
  • IGMPスヌーピング機能のサポート
  • 十分なバックプレーン容量

既存の社内LANと映像用ネットワークは論理的または物理的に分離することが推奨されます。マルチキャストトラフィックを適切に処理できるL2/L3マネージドスイッチを選定し、8チャンネル分のフルHD映像を処理する際のボトルネックを事前に排除しておくことが、安定運用の鍵となります。

ハードウェアのラッキングとSDIケーブルの物理結線

ネットワーク環境が整ったら、ハードウェアの物理的な設置を行います。1Uサイズの筐体をサーバーラックにマウントし、十分な排熱スペースを確保します。その後、冗長化された2系統の電源ケーブルを別々の系統に接続し、冗長性を担保します。続いて、カメラやスイッチャーからの同軸ケーブルを背面の8つのBNC端子に接続します。この際、どのポートにどの機材を接続したかを物理的なラベルや構成図で明確に記録しておくことで、後のソフトウェア設定やトラブルシューティングがスムーズになります。

IPアドレスの設定とウェブベースでのI/O割り当て

物理結線が完了したら、モジュールをネットワークに接続し、管理用のPCからウェブブラウザを通じてIPアドレスにアクセスします。DHCP環境であれば自動でIPが割り当てられますが、安定運用のために固定IPアドレスの設定を推奨します。管理画面にログイン後、8つのSDIポートそれぞれに対して、入力(エンコード)として使うか、出力(デコード)として使うかを設定します。同時に、ネットワーク上で識別しやすいように、各チャンネルに「Camera 1」などの分かりやすい名称(NDIソース名)を付与します。

映像・音声のテスト送受信と遅延(レイテンシ)の確認

設定が完了したら、実際の運用を想定したテスト送受信を行います。NDI Studio Monitorなどの無料ツールを使用し、ネットワーク上のPCから各チャンネルの映像が正常に表示されるか、ブロックノイズやコマ落ちが発生していないかを確認します。また、オーディオメーターをチェックし、音声のレベルやリップシンク(映像と音声の同期)に問題がないかを検証します。最後に、スイッチャーとモニター間で映像をループさせ、許容範囲内の低遅延で伝送できているかを実測してセットアップ完了となります。

運用時のトラブルを防ぐ4つの保守・管理ポイント

最新ファームウェアおよびNDIツールの定期的なアップデート

システムの安定性とセキュリティを維持するためには、ソフトウェアの保守が不可欠です。NewTek社からは、機能改善やバグ修正、最新のNDIバージョンへの対応を含むファームウェアアップデートが定期的にリリースされます。本番環境での運用がないメンテナンス期間を設け、NC1 Studio I/O本体のファームウェアや、連携するPCのNDI Toolsを最新状態に保つことが重要です。ただし、アップデート前には必ずリリースノートを確認し、既存のシステム構成への影響をテスト環境で検証することを推奨します。

ネットワークトラフィックの監視とQoS(帯域制御)の設定

IP映像伝送において最も多いトラブルは、ネットワークの帯域不足やパケットロスによる映像の乱れです。これを防ぐため、ネットワークスイッチの管理画面や監視ツールを用いて、トラフィックの状況を常時モニタリングする体制を整えます。また、社内LANとネットワークを共有している環境では、QoS(Quality of Service)を設定し、NDIの映像・音声パケットの優先度を高く設定することで、他のデータ通信による影響を排除し、安定したストリーミング品質を維持することが求められます。

長時間運用における排熱管理と電源の二重化確認

NC1 Studio I/Oは高度な映像処理をリアルタイムで行うため、内部で熱が発生します。特にラック内に多数の機材を密接してマウントしている場合、熱暴走によるフリーズや再起動のリスクが高まります。ラック内の空調や吸排気ファンが正常に機能しているか、定期的に確認してください。また、冗長電源システムが正しく機能しているかを担保するため、定期的なメンテナンス時に片方の電源を意図的に抜き、無瞬断で稼働し続けるかのフェイルオーバーテストを実施することも、堅牢な運用のために有効です。

障害発生時の切り分け手法とメーカーサポートの活用

万が一、映像が映らないなどのトラブルが発生した際は、迅速な「原因の切り分け」が復旧の鍵となります。まずは物理的なSDIケーブルの断線か、NC1の設定エラーか、ネットワークスイッチの不具合かを特定します。NDI Test Patternsなどのソフトウェアを使用して、ネットワーク自体が正常に疎通しているかを確認する手法が効果的です。それでも解決しない場合は、ログデータを取得した上で、正規代理店やメーカーのテクニカルサポートを速やかに活用できる体制を事前に構築しておくことが重要です。

競合製品・類似コンバータと比較した際の4つの優位性

8チャンネルという圧倒的なポート密度とコストパフォーマンス

市場には様々なNDIコンバータが存在しますが、その多くは1〜2チャンネルの小規模な製品です。NC1 Studio I/Oは、1Uのコンパクトな筐体に8チャンネルもの独立した双方向ポートを搭載している点で、圧倒的なポート密度を誇ります。多チャンネルを扱う現場において、小型コンバータを複数台購入して管理するよりも、本機を1台導入する方が、ラックスペースの節約、電源管理の簡略化、そして1チャンネルあたりの導入コスト(コストパフォーマンス)の面で極めて高い優位性を持ちます。

NewTek純正モジュールならではの完全なNDI互換性と安定性

NDIテクノロジーの開発元であるNewTek社(現Vizrtグループ)が直接設計・製造している純正ハードウェアであることは、最大の強みの一つです。サードパーティ製のコンバータと比較して、TriCasterシリーズやNDIプロトコルとの完全な互換性が保証されています。プロトコルのアップデート時にも最も早く最適化され、相性問題や予期せぬ不具合のリスクが極めて低いため、絶対に失敗が許されないプロフェッショナルの放送・配信現場において、比類なき安心感と安定性を提供します。

ソフトウェアベースの柔軟な機能アップデート対応力

単なるハードウェアの信号変換器とは異なり、NC1 Studio I/Oは強力なコンピューティングコアを内蔵したソフトウェアベースのアーキテクチャを採用しています。これにより、将来的に新しい映像フォーマットや、より効率的な圧縮アルゴリズム(新しいバージョンのNDIなど)が登場した際にも、ハードウェアを買い替えることなく、ソフトウェアのアップデートのみで最新技術に対応できる拡張性を秘めています。長期的な設備投資の保護という観点から、非常に優れた選択肢となります。

映像だけでなくタリーやタイムコードの双方向伝送機能

一般的な映像コンバータは映像と音声の変換に特化していますが、本機はプロのプロダクション環境で不可欠なメタデータの伝送にも標準で対応しています。NDIネットワーク経由で送信されるタリー信号(オンエア状態を示すランプ)を解釈し、対応するSDI機器へ伝達することが可能です。また、複数台のカメラ間で同期を取るためのタイムコードの双方向伝送にも対応しています。これにより、ベースバンド時代と同等の高度な連携システムを、IPネットワーク上でも一切妥協することなく構築できます。

NewTek NC1 Studio I/Oで実現する未来の映像制作(4つの展望)

フルIP化に向けたマイグレーションの第一歩としての役割

放送・映像業界全体がSMPTE ST 2110やNDIを中心としたフルIPインフラへと向かう中、NC1 Studio I/Oは既存のSDI環境からIP環境への安全な移行ルートを提供します。すべての機材を一斉にリプレイスするのではなく、まずはI/O部分をIP化し、段階的にネットワークベースのワークフローに習熟していくことが可能です。このハイブリッドな運用期間を経ることで、現場のスタッフは新しい技術に順応し、将来的な完全IP化に向けたスムーズなマイグレーションを実現するための重要な第一歩となります。

クラウドプロダクションとのシームレスな統合の可能性

映像制作の拠点が物理的なスタジオからクラウド上へと移行しつつある現在、NC1 Studio I/Oはオンプレミス(現場)とクラウドを繋ぐ重要なエッジデバイスとしての役割を果たします。現場のカメラ映像を本機でNDI化し、セキュアなVPNやインターネット回線を通じてクラウド上のソフトウェアスイッチャーへと伝送するワークフローが現実のものとなっています。ロケーションに依存しない柔軟な制作環境を構築するための、強力なオンランプ(入り口)として機能し、クラウドプロダクションを加速させます。

リモートプロダクション(REMI)環境の業界標準化

スポーツ中継などで普及が進むリモートプロダクション(REMI)において、現場の機材と人員を最小限に抑え、遠隔地のセンターで制作を行うスタイルが標準化しつつあります。NC1 Studio I/Oを現地のスタジアムに設置すれば、最大8台のカメラ映像をIP化し、専用線を介して制作センターへ低遅延で伝送できます。ディレクターやオペレーターが現地に赴く必要がなくなり、移動コストやCO2排出量の削減、さらには1日で複数の現場を掛け持ちするといった働き方改革にも直結する未来をもたらします。

持続可能な映像制作ビジネスを支えるインフラ投資の重要性

激しく変化するメディア環境において、特定のフォーマットや物理ケーブルに依存したシステムはすぐに陳腐化してしまいます。NC1 Studio I/Oを中心としたNDIベースのIPインフラへの投資は、変化に柔軟に対応できる持続可能なビジネスモデルを構築することを意味します。機材の再配置やシステムの拡張がソフトウェア上で容易に行えるため、将来のビジネス要件の変化に対しても追加投資を最小限に抑えることができます。次世代の映像制作において、競争力を維持し続けるための極めて重要な戦略的投資と言えるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. NewTek NC1 Studio I/Oは4K映像の入出力に対応していますか?

A1. 本モデル(8ch版)は標準で最大1080p 60fpsの3G-SDIフォーマットまでの対応となっており、4K(UHD)のネイティブ入出力には対応していません。4K環境での運用を前提とする場合は、4K対応の上位モデルの導入をご検討いただくか、外部でダウンコンバートした信号を入力する必要があります。

Q2. 8つのSDIポートは、同時に入力と出力を混在させることができますか?

A2. はい、可能です。8つのポートはそれぞれ完全に独立しており、ウェブベースの管理画面から1チャンネルごとに「入力(SDIからNDI)」または「出力(NDIからSDI)」を自由に割り当てることができます。例えば、3入力・5出力といった変則的な構成も問題なく設定可能です。

Q3. NDIネットワークを構築する際、通常のルーターやスイッチで問題ありませんか?

A3. 安定した運用のためには、ギガビット対応(1Gbps以上)のマネージドスイッチの使用が強く推奨されます。特に、マルチキャストトラフィックを適切に管理するための「IGMPスヌーピング」機能が備わっているスイッチを選定し、映像伝送に最適化されたネットワーク設計を行うことが重要です。

Q4. TriCaster以外の他社製スイッチャーやソフトウェアでも使用できますか?

A4. はい、ご使用いただけます。NewTek純正品ですが、標準的なNDIプロトコルを出力するため、vMix、OBS Studio、WirecastなどのNDI対応ソフトウェアスイッチャーや、他社製のNDI対応ハードウェアと組み合わせて利用することが可能です。

Q5. 音声はSDIにエンベデッドされたもの以外も扱えますか?

A5. 基本的にはSDIエンベデッドオーディオの入出力に対応しています。さらに、NDIネットワークを経由することで、DanteなどのIPオーディオ規格とソフトウェアベースでルーティングさせることも可能です。複雑な音声ルーティングが必要な場合は、NDIオーディオツール等との併用をおすすめします。

NewTek NC1 Studio I/O NDI 8ch コンバータ
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PANDASTUDIO.TVのCEOの西村正宏のWeb上ニックネーム。東京都中央区在住。兵庫県たつの市出身。早稲田大学大学院で情報工学の修士号。駒澤大学大学院で経営学の修士号を取得。IT,インターネット、AI、映像機器、音響機器を愛す。

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