現代の映像制作や放送現場において、高精細な4K映像を遅延なく長距離伝送する技術は不可欠です。本記事では、プロフェッショナルな現場で高い評価を得ている「ADTECHNO UHD_QOTR 4K UHD対応3G-SDI6系統伝送光延長器 送受信機セット」の全貌を徹底解説します。本製品がもたらす圧倒的な伝送品質と運用効率の向上について、技術的優位性から具体的な導入ステップまで詳しく紐解いていきましょう。
ADTECHNO UHD_QOTRとは?製品の基本概要
開発メーカー「エーディテクノ」の信頼性
株式会社エーディテクノ(ADTECHNO)は、日本国内に拠点を置く業務用映像機器の専門メーカーです。長年にわたり、放送局や医療現場、デジタルサイネージなど、極めて高い信頼性が求められる分野へ高品質な製品を提供し続けてきました。
同社の製品は、過酷な現場環境でも安定して稼働する堅牢な設計と、日本のユーザーニーズに寄り添った緻密なサポート体制で高い評価を得ています。この確かな技術力と実績の結晶として開発されたのが、本記事で紹介する「ADTECHNO UHD_QOTR 4K UHD対応3G-SDI6系統伝送光延長器 送受信機セット」です。
4K UHD対応光延長器の基本機能
本製品は、4K UHD(3840×2160)の高精細映像信号を、光ファイバーケーブルを用いて長距離伝送するための業務用光延長器です。最大の特徴は、大容量の映像データを一切の圧縮をかけずに、非圧縮かつゼロ遅延で伝送できる点にあります。
映像信号の劣化を極限まで抑えることで、入力されたオリジナル映像のクオリティを損なうことなく、遠隔地にあるモニターやスイッチャーへ届けることが可能です。プロフェッショナルな現場で求められるシビアな画質基準をクリアする、極めて高性能な基本スペックを備えています。
送信機と受信機がセットになったオールインワン設計
ADTECHNO UHD_QOTRは、送信機(TX)と受信機(RX)が最初からペアになった送受信機セットとして提供されています。これにより、機器の相性問題や複雑な設定に悩まされることなく、導入後すぐに運用を開始できるのが大きな魅力です。
セットアップは非常にシンプルで、送信機にカメラなどのソース機器を接続し、受信機側にモニター等を繋ぐだけで、瞬時に光伝送の環境が構築できます。現場でのセッティング時間を大幅に短縮し、技術スタッフの作業負担を軽減する実用的なオールインワン設計となっています。
放送局やイベント現場で求められる背景
近年、放送業界やライブイベントの現場では、映像の4K化が急速に進んでいます。これに伴い、扱うデータ量が飛躍的に増大し、従来の同軸ケーブルでは伝送距離や帯域幅の限界が顕著な課題となってきました。
特に大規模なスタジアムやコンサートホールでは、カメラから中継車、あるいはコントロールルームまでの距離が数百メートルに及ぶことも珍しくありません。このような環境下で、ノイズの影響を受けず、複数系統の重い映像データを確実かつ長距離に届ける手段として、光延長器への需要が爆発的に高まっているのです。
本製品を導入する4つのメリット
4K UHDの高画質映像を劣化なく長距離伝送
ADTECHNO UHD_QOTRを導入する最大のメリットは、4K UHDの超高画質映像を無劣化で長距離伝送できる点です。従来のメタルケーブルでは、数十メートルを超えると信号の減衰が起き、映像のドロップアウトやノイズが発生するリスクがありました。
しかし、本製品は光ファイバーを使用することで、最大10km(シングルモード光ファイバー使用時)という驚異的な長距離伝送を実現します。これにより、広大な会場内でのカメラ配置や、離れた別棟への映像配信など、物理的な距離の制約から完全に解放された自由なシステム構築が可能となります。
3G-SDIを最大6系統まで同時伝送可能な効率性
本製品は、1本の光ファイバーケーブルで最大6系統の3G-SDI信号を同時に伝送できる驚異的な効率性を誇ります。これは、4K映像(12G-SDI相当)をクワッドリンク(3G-SDI×4本)で伝送しつつ、さらに2系統のフルHD(3G-SDI)信号を余力として送ることができる計算です。
例えば、メインの4Kカメラ映像に加え、返しモニター用の映像やプロンプター用の信号などを、別々のケーブルを用意することなく一本の光ファイバーで一括して送受信できます。これにより、現場の配線が劇的にシンプルになります。
光ファイバー採用によるノイズ耐性の向上
映像制作の現場には、大型の電源ケーブルや照明機器、ワイヤレスマイクの電波など、映像信号に悪影響を与える電磁ノイズの発生源が無数に存在します。同軸ケーブルを用いた伝送では、これらのノイズが干渉し、映像の乱れを引き起こす原因となります。
光ファイバー伝送を採用している本製品は、電気信号ではなく「光」でデータを送るため、外部からの電磁干渉(EMI)を一切受けません。いかなる過酷な電波環境下においても、極めてクリアで安定した映像伝送を約束する、プロ仕様のノイズ耐性を備えています。
現場の省スペース化を実現するコンパクト設計
放送現場やイベントの機材ラックは、常にスペースとの戦いです。多くのケーブルや変換器が密集する中で、機材の小型化は運用効率に直結する重要な要素となります。
ADTECHNO UHD_QOTRは、6系統ものSDI信号を処理する高度な機能を持ちながら、非常にコンパクトな筐体に収められています。重厚な同軸ケーブルの束を細く軽量な光ファイバー1本に置き換えられることと相まって、機材周りの省スペース化と軽量化を強力に推し進め、現場の機動力を大幅に向上させます。
4K UHD対応と3G-SDI6系統伝送の技術的優位性
4K UHD(3840×2160)映像伝送のメカニズム
4K UHD映像は、フルHDの4倍にあたる膨大なピクセル情報を持っています。この大容量データを遅延なく送るため、本製品は高度な信号処理技術を採用しています。
入力された映像信号は、送信機内部で瞬時に光信号へと電気・光変換(E/O変換)されます。光の点滅として伝送されたデータは、受信機側で光・電気変換(O/E変換)され、元の映像信号へと正確に復元されます。この一連のプロセスを極小のレイテンシーで実行するメカニズムが、シビアなプロ現場での使用を可能にしています。
3G-SDI信号のマルチチャンネル伝送の仕組み
1本の光ファイバーで複数の信号を送るために、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)という高度な光通信技術が用いられています。これは、異なる波長(色)の光にそれぞれ個別のSDI信号を乗せ、1本のケーブル内で束ねて送る技術です。
ADTECHNO UHD_QOTRでは、このWDM技術を駆使することで、最大6系統の3G-SDI信号を互いに干渉させることなく同時に伝送します。受信機側ではプリズムのように波長を分離し、各チャンネルの信号として正確に出力する仕組みが構築されています。
大容量データを遅延なく送る帯域幅の確保
6系統の3G-SDI信号を同時に伝送するためには、約18Gbps(3Gbps×6)という極めて広大な伝送帯域が必要です。IP伝送などの場合、このデータ量を処理するために映像の圧縮が行われ、結果として数フレームの遅延が発生してしまいます。
しかし、本製品は光ファイバーの持つ圧倒的な広帯域をフル活用し、映像信号を非圧縮のままベースバンドで伝送します。これにより、ライブスイッチングやカメラのパン・チルト操作など、タイミングが命となる現場でも、演者の動きと映像のズレを全く感じさせないゼロ遅延伝送を実現しています。
複数カメラの同期を保つ安定した信号処理
マルチカメラ収録の現場において、各カメラの映像信号の同期(ゲンロック)が保たれていることは極めて重要です。同期がずれると、スイッチャーでの切り替え時に映像が乱れる原因となります。
本製品は、入力された各チャンネルのSDI信号の位相やクロック情報を正確に保持したまま伝送するよう設計されています。6系統の信号が同一の光ファイバーを通過するため、ケーブル間の長短による物理的な遅延差(スキュー)が発生せず、受信側でも完全な同期を保ったまま安定した信号処理を行うことができます。
光延長器(光ファイバー伝送)がもたらす4つの効果
同軸ケーブルの限界を超える長距離伝送の実現
一般的な3G-SDI用同軸ケーブル(5C-FB等)での伝送距離は、長くても100メートル程度が限界です。それ以上になるとリクロッカー(信号増幅器)を複数挟む必要があり、システムが複雑化してトラブルの温床となります。
光ファイバー伝送を採用する本製品は、シングルモード光ファイバーケーブル1本で最大10kmという、同軸ケーブルとは次元の違う長距離伝送を可能にします。中継車からスタジアムの反対側にあるカメラまで、中継機器を一切挟むことなくダイレクトに接続できるため、システムの信頼性が飛躍的に向上します。
電磁波干渉(EMI)を防ぐ高いセキュリティと安定性
光ファイバーは絶縁体であるガラスやプラスチックで構成されているため、電気を通しません。そのため、周囲の強力なモーター、大型照明機材、落雷によるサージ電流などの影響を全く受けないという特性があります。
この電磁波干渉(EMI)に対する完全な耐性は、映像の乱れを防ぐだけでなく、ノイズによる機材の故障リスクも低減します。また、光ファイバーはケーブルから電磁波が漏洩しないため、外部からの信号傍受が極めて困難であり、高い情報セキュリティが求められる現場でも安心して使用できます。
ケーブルの軽量化による敷設作業の負担軽減
6系統のSDI信号を同軸ケーブルで引く場合、太くて重いケーブルの束を何十メートルも引き回す必要があり、設営スタッフにとって多大な肉体的負担となります。また、ケーブルを這わせるためのスペース確保や養生作業も大掛かりになります。
本製品を導入すれば、これらを直径数ミリの細くて軽量な光ファイバーケーブル1本に置き換えることができます。設営・撤収作業の大幅な時間短縮と労力削減を実現し、限られたスタッフ数でも効率的かつスピーディな現場構築が可能となります。
屋外イベントや過酷な環境下での耐久性
屋外でのフェスやスポーツ中継では、雨天や極端な気温変化など、機材にとって過酷な環境下での運用が求められます。ADTECHNO UHD_QOTRは、プロユースを前提とした堅牢な金属筐体を採用しており、外部からの衝撃から内部基板をしっかりと保護します。
さらに、光ファイバーケーブル自体も、タクティカル仕様(軍用規格の耐久性を持つもの)などを選択することで、踏みつけや引っ張りに対する高い耐性を持たせることができます。過酷な屋外現場でも、安定した映像伝送を途切れさせることなく完遂する耐久性を備えています。
UHD_QOTRが活躍する4つの主要なビジネスシーン
大規模なコンサートやライブイベントの映像配信
数万人を収容するドームツアーや野外音楽フェスでは、ステージ上のカメラから会場最後方のPA・映像コントロールブースまで、数百メートルの距離を映像信号が往復します。
ADTECHNO UHD_QOTRを使用すれば、メインの4Kカメラ映像、ステージ袖の確認用モニター映像、さらにはプロンプター用のテキストデータまで、必要な全ての映像信号を1本の光ファイバーで遅延なく送受信できます。ライブ演出の要となる巨大LEDスクリーンへの高精細映像の送出にも、その威力を遺憾なく発揮します。
スポーツ中継における複数カメラの映像集約
ゴルフやマラソン、モータースポーツなど、広大な敷地で行われるスポーツ中継では、コース各所に配置された複数台のカメラ映像を1箇所の中継車に集約する必要があります。
本製品の6系統同時伝送機能を活用すれば、1つの観測ポイントに設置した複数台のカメラ(寄り・引き・スローモーション用など)の映像を、たった1本の光ケーブルで中継車まで送り届けることが可能です。ケーブルの敷設コストを大幅に削減しつつ、臨場感あふれる多角的なスポーツ中継の実現に貢献します。
放送局内のスタジオ間ネットワーク構築
テレビ局などの放送施設内では、複数のスタジオ、サブコントロールルーム(副調整室)、マスタールーム間で、日々膨大な量の映像信号がやり取りされています。局内のインフラ更新に伴う4K化の推進において、配線スペースの枯渇は深刻な問題です。
本製品を局内の映像ルーティングシステムに組み込むことで、既存の狭い配線ピット内でも、細い光ファイバーを通して大容量の4K映像や複数のHD映像を効率よくルーティングできます。局内の省スペース化と、将来的な拡張性を見据えたインフラ構築に最適です。
医療機関や研究施設での高精細映像の共有
最新の医療現場、特に内視鏡手術や顕微鏡手術においては、患部の微細な状態を正確に把握するため、4K UHD解像度のモニターが標準となりつつあります。また、手術室の映像を離れたカンファレンスルームや医局へリアルタイムで配信するニーズも高まっています。
ADTECHNO UHD_QOTRは、ノイズレスで遅延のない高精細映像を安全に伝送できるため、医療現場での使用に非常に適しています。術野カメラ、生体情報モニター、電子カルテの画面など、複数の映像情報を一括して遠隔地へ共有し、遠隔医療指導や学術研究を強力にサポートします。
送受信機セットのインターフェースと接続方法
送信機(TX)の入力端子とフロントパネルの解説
送信機(TX)のフロントパネルには、最大6系統の3G-SDI信号を入力するためのBNC端子が整然と配置されています。各端子は精度の高い金属製で、頻繁なケーブルの抜き差しにも耐えうる頑丈な作りとなっています。
また、4K映像(12G-SDI相当)をクワッドリンクで入力する際の接続順序(Ch1〜Ch4など)も視覚的に分かりやすく印字されており、現場での結線ミスを防ぐ工夫が施されています。複雑な設定スイッチは排除されており、ケーブルを繋ぐだけのプラグアンドプレイで直感的に操作できる設計です。
受信機(RX)の出力端子と信号確認方法
受信機(RX)側も送信機と同様に、6系統の3G-SDI出力用BNC端子が備わっています。送信機の各チャンネルに入力された映像信号は、受信機の対応するチャンネル番号の端子からそのまま出力されるシンプルなルーティングとなっています。
受信機にモニターやスイッチャーを接続すれば、即座に映像が出力されます。万が一映像が出ない場合でも、フロントパネルに備わっている各チャンネルごとのステータスLEDを確認することで、信号が正しく受信・ロックされているかを一目で判別することが可能です。
シングルモード光ファイバーケーブルの正しい接続手順
本製品の光ファイバー接続には、LCコネクタを採用したシングルモード光ファイバーケーブルを使用します。接続手順は非常に簡単で、送信機と受信機それぞれの光モジュール挿入口(SFPポート)に、LCコネクタをカチッと音がするまで差し込むだけです。
注意点として、光ファイバーの端面は非常にデリケートであるため、接続直前まで保護キャップを外さないこと、また端面にホコリや指紋を付けないよう慎重に取り扱うことが求められます。正しい取り扱いを遵守することで、長期間にわたり安定した光伝送を維持できます。
電源供給と安全な運用のための配線ガイド
ADTECHNO UHD_QOTRの送受信機には、それぞれ専用のACアダプターが付属しています。現場での不意なケーブル抜けによる電源喪失を防ぐため、電源コネクタ部にはネジ式のロック機構が採用されています。
運用時の配線においては、光ファイバーケーブルを極端に鋭角に曲げたり(曲げ半径の制限超過)、重い機材の下敷きにしないよう注意が必要です。電源ケーブルと光ファイバーケーブルを適切に這わせ、動線から避けて養生テープ等で固定することが、安全でトラブルのない運用に繋がります。
運用効率を高める4つの補助機能
伝送状況を一目で確認できるLEDインジケーター
現場のエンジニアにとって、機材の稼働状況を迅速に把握できることは極めて重要です。本製品のフロントパネルには、電源ステータス、光リンク状態、および各SDIチャンネルの信号入力・ロック状態を示す高輝度LEDインジケーターが搭載されています。
これにより、万が一映像トラブルが発生した際でも、「ソース機器からの信号が来ていないのか」「光ファイバーの通信が途絶えているのか」といった原因の切り分けを瞬時に行うことができ、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。
抜け防止機構を備えた安全な電源コネクタ
ライブ配信や放送業務において、機材の電源が意図せず落ちることは絶対に避けなければならない致命的な事故です。人が密集し、慌ただしく動き回る現場では、足でケーブルを引っ掛けてしまうリスクが常に伴います。
本製品に採用されているスクリューロック式の電源コネクタは、本体側のジャックにねじ込んでしっかりと固定する仕組みになっています。これにより、多少の張力がかかっても電源ケーブルが抜けることがなく、ミッションクリティカルな現場でも安心して運用できる高い安全性を確保しています。
EIA規格19インチラックマウントへの対応
放送局の機材室や中継車、大型のフライトケースなど、業務用機材の多くはEIA規格の19インチラックにマウントして運用されます。ADTECHNO UHD_QOTRは、オプションのラックマウント金具を使用することで、この19インチラックにすっきりと収納することが可能です。
複数台の送受信機をラック内に整然と並べて固定することで、配線の整理が容易になり、持ち運び時の振動による機材へのダメージも軽減できます。常設・仮設を問わず、プロの現場のスタンダードな運用形態に完璧に適合する設計です。
冷却効率を考慮した排熱・放熱デザイン
大容量の4K映像データを高速かつ連続的に処理する光延長器は、内部で熱を持ちやすくなります。熱暴走によるシステムの停止や機器の寿命低下を防ぐため、本製品は冷却効率を極限まで高めた放熱デザインを採用しています。
熱伝導率の高い金属製シャーシを採用し、筐体全体をヒートシンクとして機能させることで、内部に熱がこもるのを防ぎます。長時間の連続稼働が前提となる過酷な現場においても、常に安定したパフォーマンスを発揮し続けるための重要な設計要素となっています。
従来のSDI延長器や他方式との比較
メタルケーブル(同軸)伝送との最大伝送距離の比較
従来の同軸ケーブル(メタルケーブル)による3G-SDI伝送は、高品質なケーブルを使用しても約100mが限界です。一方、ADTECHNO UHD_QOTRによる光ファイバー伝送では、最大10km(10,000m)という圧倒的な長距離伝送が可能です。
この差は歴然であり、同軸ケーブルで長距離を這わせるために必要だった複数のリピーター(信号増幅器)や、それに伴う電源確保の手間が完全に不要となります。広大な会場でのシステム構築において、コストと手間の両面で光伝送が圧倒的に有利です。
映像圧縮型IP伝送(Video over IP)との遅延の比較
近年普及が進むVideo over IP(映像のIP伝送)は、汎用的なネットワーク機器を使用できる利点がありますが、データ圧縮・解凍のプロセスを経るため、どうしても数フレーム〜数秒の遅延(レイテンシー)が発生します。
対して、本製品は非圧縮のベースバンド伝送を行うため、遅延は事実上「ゼロ」です。音楽ライブでのリップシンク(映像と音声の同期)や、IMAG(大型スクリーンへの演者映像の投影)など、一瞬の遅延も許されないシビアな現場では、本製品のような非圧縮光伝送方式が唯一の選択肢となります。
複数台の単芯延長器を束ねる運用とのコスト比較
6系統のSDI信号を送るために、安価な1チャンネル対応の光延長器を6セット用意して運用するケースも考えられます。しかし、この方法では送受信機が計12台必要となり、電源の確保や配線の煩雑さが現場の大きな負担となります。
ADTECHNO UHD_QOTRは1台で6系統を処理できるため、機材の物量と設営の手間を劇的に削減できます。導入時の初期費用こそかかりますが、現場でのセッティング時間短縮、トラブル減少、輸送コストの削減などを総合的に考慮すると、圧倒的なコストパフォーマンスを発揮します。
ADTECHNO UHD_QOTRを選ぶべき決定的な理由
数ある延長器の中で本製品を選ぶべき理由は、「4K非圧縮の超高画質」「6系統同時の高効率」「最大10kmの長距離伝送」という3つの要素を、極めて高い次元で融合させている点にあります。
さらに、日本のプロ現場を知り尽くしたエーディテクノ社による堅牢な設計と、万全のサポート体制が加わることで、機材トラブルが許されないミッションクリティカルな業務において「絶対に失敗できない」というプロフェッショナルの要求に完璧に応える、唯一無二のソリューションとなっています。
導入後のトラブルシューティングと保守管理
映像が出力されない場合の初期チェック項目
万が一、受信機側で映像が出力されない場合は、まずフロントパネルのLEDインジケーターを確認します。電源LEDが点灯しているか、光リンクLEDが正常に点灯しているか(通信が確立しているか)をチェックしてください。
光リンクが正常であれば、次に各SDIチャンネルのロックLEDを確認します。消灯している場合は、送信機側への映像入力が正しく行われていない、またはBNCケーブルの接触不良が疑われます。基本的なケーブルの抜け・緩みや、入力フォーマットが対応仕様内であるかの確認が第一歩となります。
光ファイバー端子の清掃と適切な取り扱い方法
光延長器のトラブルで最も多い原因が、光ファイバーコネクタ端面の「汚れ」です。目に見えない微小なホコリや皮脂が付着するだけで、光の透過率が大幅に下がり、通信エラーやリンク切れを引き起こします。
これを防ぐため、接続前には必ず専用の光ファイバークリーナーを使用して端面を清掃する習慣をつけてください。また、使用しない時は必ず送受信機のSFPポートおよびケーブルの両端に保護ダストキャップを装着し、埃の侵入を徹底的に防ぐことが安定運用の鉄則です。
信号のリンク切れが発生した際の原因究明
運用中に突然光リンクが切断された場合、光ファイバーケーブルの物理的な断線、または許容曲げ半径を超えた急激な「折れ曲がり」が発生している可能性が高いです。ケーブルの敷設ルートを辿り、重い機材が乗っていないか、鋭角に折れ曲がっている箇所がないかを確認します。
ケーブルに異常が見られない場合は、送受信機のSFPモジュール自体の不具合や、熱暴走の可能性も考慮します。予備の光ファイバーケーブルに差し替えてテストを行うことで、ケーブル側の問題か、機器側の問題かを素早く切り分けることができます。
長期運用に向けた定期的な点検スケジュール
ADTECHNO UHD_QOTRを長期間にわたって安全に運用するためには、定期的な保守点検が不可欠です。半年に1回程度は、BNC端子や電源コネクタにガタつきがないか、冷却ファン(搭載モデルの場合)や放熱スリットに埃が詰まっていないかを確認し、エアダスター等で清掃を行ってください。
また、光ファイバーケーブル自体も消耗品であるため、被覆の破れや劣化が見られる場合は早めの交換を推奨します。日頃から機材を清潔に保ち、適切な環境で保管することが、製品寿命を最大限に延ばす秘訣です。
UHD_QOTRの導入に向けた4つのステップ
現場の伝送距離と必要なチャンネル数の事前確認
導入検討の第一歩は、実際の使用環境における要件の洗い出しです。カメラからコントロールルームまでの正確な物理距離を測定し、必要な伝送距離を把握します。
同時に、伝送すべき映像信号の数(4Kが何系統、HDが何系統か)や、将来的な増設の可能性も含めて必要なチャンネル数を算出します。ADTECHNO UHD_QOTRは最大6系統の3G-SDIに対応しているため、現在の要件だけでなく、今後のシステム拡張にも十分対応できる余裕を持った設計が可能です。
適合する光ファイバーケーブルと周辺機器の選定
要件が固まったら、本製品の仕様に適合するシングルモード光ファイバーケーブル(LCコネクタ)を選定します。屋内での常設用途であれば標準的なケーブルで問題ありませんが、屋外のイベントや頻繁に敷設・撤収を繰り返す現場であれば、耐久性に優れたタクティカル光ファイバーケーブルの導入を強く推奨します。
また、必要に応じて19インチラックマウント金具や、ケーブルを巻き取るための専用ドラムなど、運用効率を高める周辺アクセサリーも併せてリストアップしておきましょう。
代理店を通じた見積もり依頼とテスト機材の貸出
機材構成が決まったら、業務用映像機器を取り扱う正規代理店やシステムインテグレーターに見積もりを依頼します。高額なプロ用機材であるため、導入前には実際の現場環境で期待通りのパフォーマンスを発揮するかを確認することが重要です。
多くの代理店やメーカーでは、導入検討企業向けにデモ機(テスト機材)の貸出サービスを行っています。実際に手にとって操作感や画質、遅延の無さを検証し、現場のスタッフ全員が納得した上で購入へ進むことが失敗しない導入のコツです。
メーカーの製品保証と手厚いアフターサポート体制
プロの現場で機材を使用する上で、購入後のサポート体制は製品スペックと同等に重要です。エーディテクノ社は国内メーカーならではの迅速かつ丁寧なアフターサポートに定評があります。
導入時には、製品の保証期間や、万が一の故障時の修理対応フロー、代替機の手配が可能かどうかを必ず確認しておきましょう。信頼できるメーカーの製品とサポート体制をバックボーンに持つことで、いかなる現場でも自信を持って日々の業務に臨むことができます。
よくある質問(FAQ)
Q1: ADTECHNO UHD_QOTRは、12G-SDI信号を直接入力することはできますか?
A1: 本製品の入力端子は3G-SDI専用です。4K映像を伝送する場合は、12G-SDI信号を直接入力するのではなく、3G-SDI×4本(クワッドリンク)に分割して入力する必要があります。
Q2: マルチモード光ファイバーケーブルは使用できますか?
A2: いいえ、本製品はシングルモード光ファイバー専用に設計されています。マルチモード光ファイバーケーブルを接続しても正常に通信できませんので、必ず仕様に適合したシングルモード光ファイバーをご用意ください。
Q3: 音声信号も一緒に伝送することは可能ですか?
A3: はい、可能です。SDI信号にエンベデッド(重畳)された音声データは、映像データとともにそのまま非圧縮で伝送され、受信機側で出力されます。
Q4: 送信機と受信機の間で、双方向の通信はできますか?
A4: 本製品は送信機(TX)から受信機(RX)への「単方向伝送」専用モデルです。受信機側から送信機側へ映像や制御信号を送り返す機能は備わっていません。
Q5: 屋外で使用する場合、防水性能はありますか?
A5: 本製品の筐体自体に防水・防塵性能(IP等級)はありません。屋外で使用する場合は、雨水や砂埃を避けるため、専用の防水ケースやテント内に設置するなどの対策が必須となります。