映像制作のプロフェッショナルからハイアマチュアまで、幅広い層から支持を集めるSONY FDR-AX700(4Kハンディーカム)。2018年の発売以来、その卓越した映像品質と使い勝手の良さで多くのユーザーを魅了し続けています。本記事では、FDR-AX700の購入を検討されている方に向けて、スペックから実際の使用感、競合機種との比較まで、最終的な購入判断に必要なすべての情報を網羅的に解説します。
SONY FDR-AX700の概要と市場における位置づけ
FDR-AX700が登場した背景と開発コンセプト
SONY FDR-AX700は、2018年に発売されたソニーのコンシューマー向け4Kハンディーカムのフラッグシップモデルです。開発コンセプトは「プロの映像品質をコンシューマー向けに」というものであり、業務用カムコーダーで培われた技術を惜しみなく投入しています。特に、1型積層型CMOSセンサーの採用は当時の民生用ビデオカメラとしては画期的であり、高画質・高感度性能を実現するための核心技術として位置づけられました。映像制作の民主化という大きな潮流の中で誕生した意欲的な製品です。
4Kハンディーカム市場におけるFDR-AX700の立ち位置
FDR-AX700は、コンシューマー向けと業務用の中間に位置するプロシューマー市場において、最も存在感のある製品の一つです。価格帯はおよそ15万円前後と、一般的なコンシューマー機を大きく上回りますが、業務用機種と比較すると手の届きやすい価格設定となっています。センサーサイズ、AF性能、映像フォーマットの対応範囲など、あらゆる面でコンシューマー機の枠を超えており、映像制作の現場でも積極的に採用される実力派モデルとして市場に確固たる地位を築いています。
対象ユーザー層と主な用途シナリオ
FDR-AX700の主なターゲットユーザーは、高品質な映像を求めるハイアマチュアから、コスト意識の高いプロフェッショナルまで多岐にわたります。具体的な用途としては、ウェディング撮影、スポーツ・イベント記録、YouTube等の動画コンテンツ制作、ドキュメンタリー取材などが挙げられます。また、映像制作を学ぶ学生や映像作家にとっても、プロレベルの映像フォーマットに対応している点が高く評価されており、教育現場での活用事例も増加しています。
発売以来の市場評価と継続的な人気の理由
発売から数年が経過した現在も、FDR-AX700は中古市場を含めて高い需要を維持しています。その理由として、1型センサーによる高画質性能が時代を経ても色あせないこと、S-Log3やHDR(HLG)対応など映像フォーマットの充実度が挙げられます。また、ソニーの堅牢な製品設計と信頼性の高さも継続的な人気を支える要因です。後継機種が明確に発表されていない状況も、現行市場での価値を維持させている一因となっています。
FDR-AX700の主要スペックと技術仕様の詳細
撮像素子と画像処理エンジンの技術仕様
FDR-AX700の心臓部は、有効画素数約1470万画素の1型積層型CMOSセンサーです。このセンサーは裏面照射型構造を採用しており、低照度環境でも優れた感度を発揮します。画像処理エンジンにはBIONZ Xを搭載し、高速なデータ処理を実現。最低照度は約1.7ルクス(低照度モード)と、暗所撮影においても実用的な性能を誇ります。センサーと処理エンジンの組み合わせにより、ノイズを抑えつつ豊かな階調表現が可能となっています。
4K解像度および映像フォーマットの対応状況
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 4K解像度 | 3840×2160(QFHD) |
| フレームレート | 4K: 30p/25p/24p、FHD: 60p/30p |
| ビットレート | 最大100Mbps(XAVC S 4K) |
| 記録方式 | XAVC S、AVCHD、MP4 |
| HDR対応 | HLG(Hybrid Log-Gamma) |
| ログ撮影 | S-Log2、S-Log3対応 |
上記の通り、民生機としては非常に充実した映像フォーマットに対応しており、制作現場のワークフローにも柔軟に対応できます。
バッテリー持続時間と本体サイズ・重量データ
FDR-AX700の本体サイズは約73.0×80.5×158.0mm(幅×高さ×奥行)、重量は約1030g(バッテリー、メモリーカード含む)です。標準バッテリー(NP-FV70A)使用時の連続撮影時間は約155分(LCD使用時)となっており、長時間の撮影にも対応可能です。大容量バッテリー(NP-FV100A)を使用することでさらなる長時間撮影が実現できます。重量バランスも良好で、長時間の手持ち撮影でも疲労を最小限に抑える設計が施されています。
記録メディアと対応ファイルフォーマットの一覧
FDR-AX700はメモリースティックPRO-HGデュオおよびSDカード(SDHC/SDXC)に対応しています。4K/100Mbpsでの記録には、UHS-I Speed Class 3(U3)以上のSDカードが必要です。記録フォーマットはXAVC S(4K・HD)、AVCHD(HD)、MP4(HD)の3種類に対応。XAVC S 4Kは最高画質での記録に適しており、MP4はSNSへのアップロードや簡易編集向けの用途に適しています。用途に応じてフォーマットを使い分けることが推奨されます。
FDR-AX700が誇る4つの映像品質の強み
1型積層型CMOSセンサーがもたらす高画質性能
FDR-AX700最大の特長は、1型積層型CMOSセンサーの搭載です。一般的なコンシューマー向けビデオカメラが採用する1/2.5型や1/3型センサーと比較して、受光面積が大幅に広く、光を多く取り込めるため、暗所でのノイズが大幅に低減されます。また、ダイナミックレンジも広く、明暗差の激しいシーンでも階調を豊かに再現できます。この圧倒的なセンサーサイズの優位性が、FDR-AX700の映像品質を競合他社製品から一線を画す存在にしている根本的な理由です。
ファストハイブリッドAFによる高速・高精度なオートフォーカス
FDR-AX700は位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAF」を搭載しています。このシステムにより、動体追跡時でも迷いの少ない高速なピント合わせが可能です。特に、動き回る被写体や急激な構図変化に対しても素早く対応できる点は、スポーツや子供の撮影など動きの多いシーンで大きな強みとなります。また、瞳AFに近い顔認識機能も搭載しており、インタビューやウェディング撮影などでの人物撮影において、安定したフォーカス性能を発揮します。
HDR(HLG)撮影対応による広いダイナミックレンジ
FDR-AX700はHDR規格であるHLG(Hybrid Log-Gamma)に対応しており、HDR対応テレビで再生することで、従来のSDR映像では表現できなかった豊かな明暗表現を楽しめます。HLGはBT.2100規格に準拠しており、撮影した映像をそのままHDRコンテンツとして活用できる点が特徴です。グラデーションの滑らかさや、ハイライトの飛びにくさは従来のSDR撮影と比較して明らかに向上しており、風景撮影や式典など、演出上の映像表現にこだわりたいシーンで特に効果を発揮します。
S-Log3対応によるプロフェッショナルなカラーグレーディング
S-Log3はソニーが開発した対数カーブのガンマプロファイルで、センサーの持つダイナミックレンジを最大限に記録するために設計されています。FDR-AX700はS-Log2とS-Log3の両方に対応しており、ポストプロダクションでの柔軟なカラーグレーディングが可能です。フラットな映像を収録し、編集段階で色調を自在に調整できるため、映像作品としての完成度を大幅に高められます。民生機でありながらこの機能を搭載している点は、プロシューマー向け製品としての高い価値を示しています。
光学ズームと手ブレ補正機能の実力評価
12倍光学ズームレンズの描写力と実用的な焦点距離
FDR-AX700は35mm換算で約26.8mm〜322mm相当の12倍光学ズームレンズを搭載しています。広角端では広い画角を確保しつつ、望遠端では遠距離の被写体もしっかりと捉えることができます。レンズはZEISSのバリオ・ゾナーT*コーティングが施されており、フレアやゴーストを効果的に抑制しながら、高いコントラストとシャープな解像感を実現しています。ズーム全域にわたって安定した描写力を発揮し、様々な撮影シーンに対応できる実用的なズームレンジです。
光学式手ブレ補正「Balanced Optical SteadyShot」の効果
FDR-AX700が搭載する「Balanced Optical SteadyShot(B.O.SS)」は、レンズとセンサーを一体的に動かすことでブレを補正する高度な光学式手ブレ補正システムです。従来の光学式手ブレ補正と比較して、より大きなブレにも対応できるのが特徴です。特に望遠撮影時における効果は顕著で、手持ち撮影でも安定した映像を得られます。三脚が使えない状況や、ドキュメンタリー的な手持ち撮影においても、B.O.SSが映像の品質を大きく底上げしてくれます。
歩き撮りや動体追跡時の手ブレ補正パフォーマンス
歩きながらの撮影(ウォーキングショット)においても、B.O.SSは上下・左右の振動を効果的に吸収します。ただし、電子式手ブレ補正と組み合わせた「アクティブモード」を使用することで、さらに安定した映像が得られます。アクティブモード使用時は画角がわずかにクロップされますが、動体追跡や移動撮影では有効な選択肢です。被写体が速く動くスポーツシーンや、取材時の機動的な撮影においても、実用的なレベルの安定性を確保できると評価されています。
デジタルズーム使用時の画質への影響と活用の注意点
FDR-AX700は光学12倍に加え、デジタルズームによる拡大撮影にも対応しています。ただし、デジタルズームは画像を電子的に拡大するため、光学ズームと比較して画質の劣化が避けられません。特に4K撮影時はデジタルズームの使用を最小限にとどめることが推奨されます。FHD撮影時には「Clear Image Zoom」機能により、光学ズームの約2倍まで画質劣化を抑えた拡大が可能です。デジタルズームはあくまで補助的な機能として位置づけ、主要な撮影では光学ズームの範囲内で撮影することが画質維持の基本です。
音声収録機能とオーディオ品質の徹底解説
内蔵マイクの収音性能と指向性の特徴
FDR-AX700の内蔵マイクは、前方からの音声を重点的に収音する指向性マイクを採用しています。ズームに連動してマイクの指向性を変化させる「ズームマイク」機能も搭載しており、望遠撮影時には遠くの音を集中的に拾うことができます。内蔵マイクとしては高い収音品質を持ち、日常的な撮影シーンや取材用途では十分な音質を確保できます。ただし、プロフェッショナルな音声収録を求める場合は、外部マイクの活用が推奨されます。
外部マイク接続端子とXLRアダプター対応の有無
FDR-AX700はマルチインターフェースシューを搭載しており、ソニー製のXLRアダプター(XLR-K2M、XLR-K3Mなど)を装着することでXLR入力に対応できます。これにより、業務用のコンデンサーマイクやダイナミックマイクを接続した本格的な音声収録が可能となります。また、3.5mmのミニジャックによる外部マイク入力端子も標準装備されており、コンパクトなショットガンマイクや無線マイク受信機の接続も容易です。音声収録の拡張性は民生機の中でもトップクラスと言えます。
音声レベルの手動調整機能と業務利用への適合性
FDR-AX700は音声レベルの手動調整機能を搭載しており、オートレベルコントロール(ALC)に頼らない収録が可能です。本体のダイヤルやタッチパネルを使って録音レベルを細かく設定でき、音割れや音量不足を防いだ安定した収録が実現します。ヘッドフォン端子も装備しており、収録中のモニタリングも可能です。これらの機能は業務用途においても十分な適合性を持っており、式典やインタビュー撮影など音声品質が重要なシーンでも信頼性の高い収録を実現します。
風切り音低減機能とノイズキャンセリング性能の評価
FDR-AX700は風切り音を低減する「ウインドノイズリダクション」機能を搭載しています。屋外撮影時に発生しやすい風のノイズを電子的に低減することで、クリアな音声収録をサポートします。ただし、強風下では効果に限界があるため、物理的なウインドスクリーンの併用が推奨されます。また、内蔵マイクのノイズフロアは民生機としては低い水準に抑えられており、静かな環境での収録でも不快なホワイトノイズが目立ちにくい設計となっています。
操作性とユーザーインターフェースの使いやすさ
グリップデザインと各種ボタン配置の操作感
FDR-AX700のグリップは人間工学に基づいた設計が施されており、長時間の手持ち撮影でも疲労を感じにくい形状です。主要な操作ボタンは右手で握った状態で親指と人差し指が届きやすい位置に配置されており、撮影中の直感的な操作を実現しています。ズームレバーはグリップ上部に配置され、スムーズなズーム操作が可能です。全体的なボタン配置は業務用カムコーダーのレイアウトを参考にしており、映像制作の経験者であれば迷うことなく操作できる設計となっています。
タッチパネルモニターの視認性と直感的な操作性
FDR-AX700は3.0型(約46万ドット)のタッチパネル液晶モニターを搭載しています。モニターはチルト式で、ローアングルやハイアングルの撮影にも対応可能です。タッチパネルによる直感的な操作は、フォーカスポイントの選択や設定変更を素早く行うために有効です。ただし、屋外の強い日光下では視認性がやや低下する場合があるため、遮光フードの使用が推奨されます。全体的なタッチ応答性は良好で、ストレスなく操作できるレベルを維持しています。
カスタマイズ可能なボタンとメニュー設定の自由度
FDR-AX700はカスタマイズ可能なボタンを複数搭載しており、よく使う機能を素早く呼び出せるように設定できます。ピクチャープロファイルの切り替えやND(減光)フィルターのON/OFFなど、撮影中に頻繁に操作する機能をカスタムボタンに割り当てることで、撮影ワークフローを大幅に効率化できます。メニュー構造はソニーの業務用機種と共通性が高く、直感的に目的の設定項目にアクセスできます。カスタマイズの自由度は民生機の中でも高い水準にあります。
マニュアル操作リングと絞り・シャッター速度の調整感
FDR-AX700はレンズ部にマニュアル操作リングを搭載しており、フォーカス、ズーム、露出などを割り当てて操作できます。リングの操作感は適度な抵抗感があり、細かい調整が行いやすい設計です。絞り値とシャッター速度は専用のダイヤルで独立して設定でき、マニュアル露出撮影における操作性が高く評価されています。映像制作においてマニュアル操作の精度は映像品質に直結するため、この操作系の充実度は実務での使いやすさに大きく貢献しています。
FDR-AX700と競合機種との比較検討
ソニー上位機種FDR-AX1との性能・価格差の比較
FDR-AX1はFDR-AX700の上位に位置するソニーの4Kハンディーカムで、価格は40万円超と大きく異なります。AX1は2/3型センサーを採用し、光学20倍ズームを搭載するなど、業務用途に特化した仕様です。一方、FDR-AX700の1型センサーは低照度性能で優位性を持ちます。価格差を考慮すると、コストパフォーマンスの観点ではFDR-AX700が大きく勝ります。フルタイムの業務用途でなければ、FDR-AX700で十分な性能を得られると判断できます。
パナソニックHC-X1500との映像品質と機能面の対比
| 比較項目 | FDR-AX700 | HC-X1500 |
|---|---|---|
| センサーサイズ | 1型 | 1/2.5型 |
| 光学ズーム | 12倍 | 24倍 |
| 最大ビットレート | 100Mbps | 200Mbps |
| HDR対応 | HLG | HLG |
| 価格帯 | 約15万円 | 約12万円 |
ビットレートや光学ズームではHC-X1500が優位ですが、センサーサイズによる低照度性能ではFDR-AX700が明確に上回ります。
キヤノンXA55との業務用途における優位性の検証
キヤノンXA55はキヤノンが展開する業務用コンパクトカムコーダーで、価格帯はFDR-AX700と近い水準にあります。XA55はXLR入力を標準装備しており、音声収録面での即応性に優れています。一方、FDR-AX700はXLRアダプターが別売となりますが、センサーサイズと映像品質の面で優位性を持ちます。S-Log3対応やファストハイブリッドAFの性能も、FDR-AX700の強みです。映像品質を最優先にするならFDR-AX700、音声収録の即応性を重視するならXA55という選択になります。
各競合機種との総合評価と選択判断のポイント整理
FDR-AX700は映像品質(特に低照度性能とダイナミックレンジ)において、同価格帯の競合機種を明確に上回ります。一方で、光学ズーム倍率や標準XLR装備といった点では競合機種に譲る部分もあります。選択のポイントは以下の通りです。
- 映像品質最優先 → FDR-AX700
- 長焦点距離が必要 → HC-X1500
- 音声収録の即応性重視 → XA55
- 業務用フル機能が必要 → FDR-AX1
FDR-AX700の活用シーンと撮影用途別の評価
ウェディングや式典撮影における実用性の評価
ウェディング撮影においてFDR-AX700は非常に高い実用性を発揮します。チャペルや披露宴会場など照明条件が変化しやすい環境でも、1型センサーの高感度性能により安定した映像を収録できます。ファストハイブリッドAFによる顔認識・追跡機能は、新郎新婦の表情を逃さず捉えるために有効です。また、B.O.SSによる手ブレ補正が三脚なしでの機動的な撮影を支援し、式典の感動的な瞬間を確実に記録できます。プロのウェディングビデオグラファーからも高い評価を受けている用途です。
スポーツや屋外イベント撮影での機動力と画質
スポーツや屋外イベント撮影では、FDR-AX700の高速AFと手ブレ補正が大きな威力を発揮します。動きの速い被写体に対してもファストハイブリッドAFが素早く追従し、ピンボケの少ない映像を記録できます。12倍光学ズームは運動会や競技観戦など、ある程度の距離からの撮影にも対応可能です。屋外の明るい環境ではセンサーの性能を最大限に活かした鮮明な映像が得られます。ただし、超望遠が必要なシーンでは光学ズームの限界を感じる場合もあります。
YouTube・動画コンテンツ制作への適合性と活用法
YouTubeや動画コンテンツ制作においても、FDR-AX700は優れた適合性を持っています。4K撮影に対応しているため、将来的な4Kコンテンツへの移行にも備えられます。S-Log3で撮影してカラーグレーディングを行うことで、映画的な映像表現が可能となり、コンテンツの差別化に貢献します。また、内蔵マイクの品質も高く、外部マイクなしでも実用的な音声収録が可能です。コンテンツクリエイターにとって、映像品質と使い勝手のバランスが優れた選択肢です。
ドキュメンタリーや取材撮影における業務利用の可能性
ドキュメンタリーや取材撮影では、現場への機動性と映像品質の両立が求められます。FDR-AX700はコンパクトな本体サイズと優れた映像品質を兼ね備えており、取材現場での使用に適しています。XLRアダプターを装着することで業務用マイクにも対応でき、インタビュー収録にも活用できます。低照度環境での高感度性能は、照明設備が整っていない現場での撮影を強力にサポートします。テレビ局やプロダクションのサブカメラとしての採用実績も報告されています。
FDR-AX700の購入前に確認すべき4つの注意点
4K長時間撮影時の本体発熱と録画制限の実態
FDR-AX700を4Kモードで長時間連続撮影する場合、本体の発熱に注意が必要です。特に夏場の屋外や高温環境下では、熱保護機能が作動して録画が一時停止する場合があります。4K/100Mbpsでの連続撮影可能時間は環境温度によって変動しますが、一般的に13時間以上の連続録画が可能とされています。ただし、実際の使用環境によっては制限が発生する可能性があるため、重要な撮影前には動作確認を行うことが推奨されます。
大容量ストレージと高速メモリーカードの必要性
4K/100Mbpsでの撮影は大量のデータを生成します。1時間の4K撮影で約45GBのデータ容量が必要となるため、大容量のSDカードと十分なバックアップストレージの準備が不可欠です。また、記録には最低でもUHS-I Speed Class 3(U3)に対応したSDカードが必要であり、低速カードでは記録エラーが発生する可能性があります。撮影前に必要なカード容量を計算し、予備カードも含めて準備しておくことが重要です。推奨カードはソニー純正のSDカードまたは信頼性の高いブランドのものです。
4K編集環境に求められるPCスペックと編集ソフトの選定
4K映像の編集には、相応のPCスペックが求められます。最低限必要なスペックの目安として、CPUはIntel Core i7以上(または同等のAMD Ryzen)、RAMは16GB以上、GPU はVRAM 4GB以上のものが推奨されます。編集ソフトはAdobe Premiere Pro、DaVinci Resolve、Final Cut Proなどが4K編集に対応しています。特にS-Log3映像のカラーグレーディングを行う場合は、GPUの性能がプレビューのスムーズさに大きく影響します。既存のPC環境を事前に確認し、必要に応じてアップグレードを検討してください。
購入後に必要となるアクセサリーと追加投資の目安
FDR-AX700を最大限に活用するために、購入後に必要となる主なアクセサリーは以下の通りです。
- 大容量バッテリー(NP-FV100A):約8,000〜10,000円
- 高速SDカード(64GB以上):約3,000〜8,000円
- 三脚:約10,000〜30,000円
- 外部マイク:約5,000〜30,000円
- XLRアダプター(XLR-K2M):約20,000〜25,000円
- NDフィルター(外付け):約3,000〜10,000円
アクセサリー込みで総額20〜50万円程度の投資を見込んでおくことが現実的です。
FDR-AX700の価格動向と購入先選びのポイント
発売当初から現在までの価格推移と相場の変動
FDR-AX700は2018年の発売当初、メーカー希望小売価格が約25万円(税抜)でした。その後、市場競争と時間の経過により価格は下落し、現在の実勢価格は新品で15万円前後となっています。後継機種が明確に発表されていないこともあり、価格の急激な下落は見られず、比較的安定した相場を維持しています。セール時期(年末年始、決算期など)には一時的に価格が下がることがあるため、購入タイミングを見計らうことで費用を抑えられる可能性があります。
正規販売店・量販店・ECサイトでの価格比較と信頼性
FDR-AX700の購入先は、ソニーストア(公式)、ヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店、Amazon・楽天などのECサイトが主な選択肢です。ソニーストアでは純正アクセサリーとのセット購入や長期保証サービスが充実しています。家電量販店ではポイント還元を活用することで実質的なコストを下げられます。ECサイトは価格が最も低い場合がありますが、並行輸入品や非正規品に注意が必要です。購入時は必ず正規品であることを確認し、保証書の有無をチェックしてください。
中古市場における流通状況と購入時のチェックポイント
FDR-AX700の中古市場では、状態に応じて8万円〜13万円程度の価格帯で流通しています。中古購入時には以下の点を重点的に確認することが重要です。
- センサーのゴミや傷の有無
- レンズのカビ・クモリ・傷の確認
- 録画時間(使用頻度の目安)
- バッテリーの劣化状態
- 付属品(バッテリー、充電器、ケーブル等)の完備
マップカメラ、キタムラ、ハードオフなどの実店舗で実機確認してから購入することが最も安全です。
保証サービスと購入後のアフターサポート体制の確認
FDR-AX700の標準メーカー保証期間は購入から1年間です。ソニーストアで購入した場合、ワイド保証(3年または5年)への加入が可能であり、落下や水濡れなどの事故にも対応できる手厚いサポートが受けられます。家電量販店でも独自の延長保証サービスを提供している場合があります。業務用途での使用頻度が高い場合は、延長保証への加入を強く推奨します。また、ソニーのサービスセンターでの修理対応も充実しており、長期的なアフターサポート体制は信頼できる水準にあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. FDR-AX700は初心者でも使いこなせますか?
FDR-AX700はオートモードも充実しており、基本的な撮影であれば初心者でも問題なく使用できます。ただし、S-Log3やカラーグレーディングなどの高度な機能を活かすには、映像制作の基礎知識が必要です。ハイアマチュアからプロ向けの機種であることを念頭に置き、段階的に機能を習得していくアプローチが推奨されます。
Q2. FDR-AX700で映画のような映像は撮れますか?
S-Log3対応とHDR(HLG)撮影機能を活用することで、映画的な映像表現が可能です。ポストプロダクションでのカラーグレーディングと組み合わせることで、プロフェッショナルな映像作品に匹敵するビジュアル品質を実現できます。シネマルックを追求するユーザーにとって、FDR-AX700は非常に適した選択肢です。
Q3. FDR-AX700の後継機種はいつ発売されますか?
2024年時点において、ソニーからFDR-AX700の正式な後継機種は発表されていません。FDR-AX700は現行ラインナップとして継続販売されており、引き続き入手可能な状況です。後継機種の発表時期については公式情報を定期的に確認することをお勧めします。現時点での購入は、機能面で十分な価値があると判断できます。
Q4. FDR-AX700はライブ配信に使えますか?
FDR-AX700はUSBによるWebカメラ機能には対応していないため、直接のライブ配信には対応していません。ただし、HDMI出力端子を搭載しているため、キャプチャーカードを経由してPCに映像を取り込み、配信ソフトウェアと組み合わせることでライブ配信に活用することが可能です。高品質なライブ配信映像を求めるクリエイターにとって、この方法は有効な選択肢です。
Q5. FDR-AX700の内蔵NDフィルターはどのような仕様ですか?
FDR-AX700は3段階の内蔵NDフィルターを搭載しています。具体的には1/4、1/16、1/64の3段階から選択でき、明るい屋外環境での露出コントロールに役立ちます。映像制作において「180度シャッタールール」を守りながら絞りを開けたい場合など、NDフィルターは非常に重要な役割を果たします。内蔵式のため、外付けNDフィルターのように付け替えの手間がなく、撮影中の素早い対応が可能です。